こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知】
前回も記載した通り、次回Hardonizeのゲストが公開されております。
2022/7/16(sat) Hardonize#41 at waseda sabaco
gekkoさん、Mck4yさんという若きクロスオーバープレイヤー2名がゲスト。
前代未聞のハードテクノのパーティーでハードテクノが流れないかもしれない世界線について大きく期待を膨らませております。
その足掛かりとして前回この連載でハードテクノと全く関係ないアニメソング、ゲームソング特集をお送りしたところ、
#hardonize に向けてシャニマスDark Techno部発足させるか…
— gekko (@gekko_vdj) May 30, 2022
なんかよく分からないレスポンスを頂きました。
現段階から情報戦が行われている様相を呈しております。
07月16日、会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。
また、今回も入場エントリー制となっておりますので以下のURLよりご登録をお願い致します。
Hardonize #41 in東京 – パスマーケット
15年目を前にHardonizeはどうなってしまうのか、その目で見届けて貰えると嬉しいです。
【近況】
・ちょっとだけ音楽に絡むやつ
前回ちょっとだけ述べた昭和のジャケットに平成テイストの楽曲が入った令和のゲームのサウンドトラック、予約してしまいました。
「NEEDY GIRL OVERDOSE」Soundtrackがアナログレコード化決定!
パッケージデザインも初公開です。
2022年6月29日発売予定。
Amazonなど各販売サイトで予約受付中!https://t.co/rsI0l8MqRv#超てんちゃんのはいしん pic.twitter.com/vVgIQnDOvV— WSS playground 公式 (@infowssJP) April 4, 2022
元ネタは世代と大幅に離れているので完璧な後追いなんですけど、このインパクトに抗えませんでした。
ちなみにゲーム本体は先日酒を飲みつつ知り合いとワイワイプレイしてみたのですが、ちっとも幸せな結末を迎えられませんでした。
厳しい女です。色んな意味で。
・全然音楽と関係ないやつ
本日6/1より喫煙についてのルール変更を行います。
・iqos/glo/ploomtech等の加熱式たばこは階段にて
・喫煙される方はスタッフへお申し出の上一名づつ(複数名同時は不可)
・紙巻たばこ、パイプたばこ等の燃焼系及びvapeは喫煙不可詳細については店頭及びホームページにてお知らせします。
— 茶箱 (@sabaco) June 1, 2022
我らが茶箱より今月から加熱式タバコ以外喫煙を禁ずるというお触れが出されたため、Ploom Xを買ってみました。
初の電子タバコ、どんなもんじゃろと思って吸ってみたんですけど難しくないですかアレ。
絶対ムセる。初めてかって時ぐらいムセる。
そうかこれがアンチエイジング。僕はまだ大人になれません。
オチと味に対する不満は特にないです。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
それはそれとして前回同様、今回のHardonizeゲストのプロフィールに目を向けるとドラムンベースという単語があるではありませんか。
個人的にはテクノと同じくらい好きなジャンルの1つであり、以前ドラムンベースのパーティーのレジデントを務めていたこともあります。
この音楽も長年の歴史の中でテクノと同様に様々なサブジャンルへと派生していった過去があるためサウンドや雰囲気の幅がめちゃめちゃ広く、近年でも先祖返りや他ジャンルとの異種交配を行い弛まぬ進化を続けている活発なジャンルであるため、ドラムンベースという大枠に絞っても相当色々なプレイが可能です。
楽曲を掘っていて次々新しい発見があるのは楽しいですね。
というワケで今回はドラムンベースに焦点を当てたいと思ったものの、丁寧にサブジャンル1つ1つについて取り上げていくと先の特別連載と同等の大ボリュームになってしまう。
かといって全くテーマを絞らないのも収集がつかなくなる。
どうしたもんかと考えた時、僕にクラブという場所を教え、与えてくれたドラムンベースDJ且つパーティーの師匠である練乳さんがかつてこう言っていたのを思い出しました。
それだ。
チンピラっぽいドラムンベースにしよう。
大好きだし。そういう曲ばっかりかけ続けるB2Bユニットも組んでたりするし。
というワケで今回取り上げるテーマは
とし、年代問わず自分の好きなトラックについて紹介していきます。
パーカーがあればフードを被り、金のネックレスがあれば首に飾り、バンダナがあればそれを口に巻いてからご覧ください。
どれも手元にない場合は好きな寿司ネタを想像してください。
早速ですがガラの悪いドラムンベース特集
いってみましょう。
【曲紹介】
Ebony Dubsters – Ra (Original Sin Remix) – YouTube
イギリスのプロデューサーOriginal Sinによるドラムンベース。
ドラムンベースの中でも強調されたベースシンセでフレーズを作るジャンプアップと呼ばれるサブジャンルで、個人的にはこのサブジャンルの存在を強く認識する切欠になった曲。
イントロ、ブレイクの生々しい息遣いが感じられるパートから一転してリズムパートに入った時のホーンめいたフレーズがとにかく印象的。
それに追従するベースの動き方や、脇に添えられたアラームっぽいシンセも合わさって言い逃れできないチンピラ感が漂っています。
あと4分打ちのライドの音がめちゃめちゃデカくて疾走感も凄い。
今回のテーマに当たってはいの1番に思いつく曲です。
ちなみに原曲を手掛けたEbony Dubstersというアーティストは共に90年代初期からドラムンベースシーンのトップに君臨し続けるスーパーレジェンド、Shy FXとT.Powerによる変名義ユニット。
往年のキャリアを感じさせるオールドスクールフレイバー漂うトラックですので、あの頃のドラムンベースが好きな方にはこちらも是非。
No Problem (Original Mix) by Chase & Status on Beatport
2000年代以降のドラムンベースを代表するイギリスのプロデューサーユニットChase & Statusの曲。
イントロは民俗的なパーカッションにラップが乗った生っぽい雰囲気なのに、メインパートでは一転してビックリするくらい早弾きのスタブがお目見え。
オールドスクールなサウンドと相まってめちゃめちゃインパクトがあります。
メインパート以降も随所に呪術的なパーカッションの音が仕込まれており、それもかなり独特。
ちなみに歌詞にもなかなかのメッセージが込められていて、
You can try copy like a slave to a trend (流行の奴隷のように物真似し続ける)
Nothing they can say and nothing they can do (何も示さないし何も起こらない)
It’s no problem for me, but is a problem for you! (俺には関係ないがお前にとっては問題だ!)
意訳するとこんな感じ。
その直後に放たれる音が当時の流行とかけ離れたあの音なので、お見事としか言いようがない曲。
Sacrifice (Original Mix) by Gino on Beatport
イギリスのプロデューサーGinoによるドラムンベース。
2019年リリースなので今回取り上げる中では比較的新しめの曲。
ギリギリと締め付けるベースの音にも痺れますが、この例えようのないザラついた質感のメインリフとフレーズがとにかく耳に残ります。
フィルで入ってくるドラムの音以外は無機質でドライな音で構成されており、ひたすら荒廃感が漂っている印象。
頭1拍しかキックを置いていないリズムもちょっと変だし、今回取り上げた中に於いて一際怪しさの光るトラック。
イギリスのプロデューサーユニットPhibesによるドラムンベース。
タイトル通りの大ネタです。
同曲のドラムンベースといえばThe Prodigy / Voodoo People (Pendulum Remix)が有名で、あちらがロックのポジティブなマインドを押し出した高揚感重視のリミックスであるのに対し、こちらはもっとアンダーグラウンドのの臭気を纏ったようなアレンジが施されています。
というのも元ネタのフレーズはイントロとブレイク部分で使用されているに留まり、リズムパートに差し掛かると『と思うじゃん?』と言わんばかりに全く別の曲にシフトします。
それも低いところを蠢くベースラインと反復重視のリフが合わさったダークなテイストで、数寄者には堪らない。
展開が変わる瞬間のフェイクドロップにも悪意が見え隠れする憎たらしい曲。
ブートレグらしくフリーダウンロードで公開されているので、持ってない方はこれを機に是非。
Trump (Original Mix) by James Marvel, MC Mota on Beatport
ベルギーのプロデューサーJames Marvelと同郷のMC、Motaによるドラムンベース。
曲名及びジャケットからお分かり頂ける通り、かつて某大国の大統領だった人に対するアンチテーゼが込められた曲。
特に政治的思想はないんですが、特にこのジャケットは本当にユーモラス且つ下品で好みです。
それを歌っているレゲエっぽい早口フロウのMCがめちゃテクニカル且つリズミカル。
何よりオーケストラをサンプリングしたような重厚で壮大なウワモノによるデデドン!がお腹いっぱいになるまで聴ける曲として一級品。
細かくプログラミングされたリズムや、それに対してもたついて聴こえるシンセも上記の要素と絡み合って極上のストリートサウンドとして成り立っています。
Killcode feat. Nuklear (Mindscape Remix) by Qo, Nuklear MC, Nuklear on Beatport
ハンガリーのプロデューサーMindscapeによるドラムンベース。
ビックリするくらい圧が強いベースが最前面に出ているシリアスさを伴った曲。
これもイントロ、ブレイクとの落差が凄いですね。
リズムパート中盤のベースはそのままにビートが複雑に崩れる展開とか、個人的には涎出るくらい好きです。
この曲のように無機質でエッジのある音を特徴とするサブジャンルはニューロファンクと呼ばれ、先のジャンプアップ同様にガラの悪い曲が多い印象です。
是非お見知り置きを。
Saus (Original Mix) by Mefjus, June Miller on Beatport
オーストリアのプロデューサーMefjusと、オランダのプロデューサーJune Millerによるドラムンベース。
今回取り上げる中に於いてぶっちぎりの変態リズム枠。
4つ打ちです。但しスネアが。
それもある程度進行するとテンポに対して半分の打ち方になるので、緩急がとんでもないことになってます。
その上でフィルの打ち方が異様に細かい上、様々な音色のドラムパーツを駆使している緻密さも併せ持った曲。
ブレイクに入るとより顕著にそれが表れていますね。
この頃のJune Millerは変なリズムの曲が多くてめちゃめちゃよく聴いてました。
同時期にリリースされたアルバム、Robots & Romansは彼の尖りまくったセンスが表れている作品なので、是非。
June Millerも大変好みのアーティストではあるのですが、Mefjusもまた個人的に好きなアーティストの筆頭でして、特に斬新なベースの音作りという点に於いては一歩抜きん出ていた印象を受けます。
彼の周囲にもそんなアーティストが数多く集っているのでその一例を以下に。
Ringshifter (Culprate Remix) by Mefjus on Beatport
イギリスのプロデューサーCulprateによるドラムンベース。
先のSausのパートの一部にあったテンポに対して半分のビートを拡大解釈したスタイルの曲。
そして終始『何を食ったらこんな音が出せるんだ?』という音色のごっついベースが次々登場します。
随所でエレクトロニカ的な細かい音の抜き差しがあったりしてインテリジェンスな側面も見えるのですが、それを見失わせるくらいには凶悪な音が鳴っています。
ここまではリズムやサウンドなど、どこかしらにアグレッシヴな要素がある曲を取り上げてきましたが、本テーマを語る上ではそれだけに留まらないというのがドラムンベースの面白いところ。
次に紹介する曲は大分雰囲気が異なります。
Wiggle (Original Mix) by Need For Mirrors on Beatport
イギリスのプロデューサーNeed For Mirrorsによるドラムンベース。
聴き始めはリズムが硬いわけではない、派手なウワモノが乗っているわけでもない、渋いベースが淡々と鳴っている・・・と思っていたらそのベースがどんどん太くなっていき、ドラムとベースだけでリズムパートに流れ込んでいく、まさしくジャンル名を体現している曲。
そのベースのフレーズもめちゃくちゃ変。
例える言葉が見当たらないのですが、ぐわんぐわんする感じ。
少なくとも今のところはこの曲に似たベースを持つ曲というのは聴いたことがないくらいにはオリジナリティとクセの強い曲。
HyperJuice “BADMAN DRUMZ feat. Jinmenusagi“ [full stream] – YouTube
以前hardonizeにもご出演頂いたharaさんが所属するプロデューサーユニットHyperJuiceがラッパーのJinmenusagiさんを起用したドラムンベース。
ラップ、歌、リフ、それぞれの聴かせ方をパートによってガラッと変えている展開の妙をドラムンベースに落とし込んでいる曲。
このジャンルに和楽器の音が入っているというのも斬新ですし、リフのパートではそれが聴いたことない高速の刻み方をされていて斬新極まれり。
その際のリズムもジャングルとジュークが合わさったようないなたい感じで、やっぱりなかなか聴けないものに仕上がっています。
一方ラップや歌のパートでは808ドラムを用いた現行ヒップホップを彷彿とさせるビートとなっており、コントラストが凄い。
今や第一線のラッパーとして活動されているJinmenusagiさんの独特なフロウの歌い方もこの頃から健在で、リリックの内容も相まって曲の攻撃性に拍車をかけています。
新しいスタイルの到来を予感させた1曲。
Censored (Dub Peddla Remix) by Ozma on Beatport
アメリカのプロデューサーDub Peddlaによるドラムンベース。
1曲目に紹介したジャンプアップへと戻ってまいりました。
ボイスサンプルがガラの悪さを声高に叫んでいますが、これもまた特徴的なフレーズのベースラインが肝になっています。
パラメーターが変わって別の音になる箇所とか笑顔になるくらいガラが悪い。
あとやっぱりこの疾走感のあるライドの打ち方が好きだということを認識させられます。
これだけ派手に聴こえるのに、よく聞くと不思議と重なっている音はそんなに多くはないんですよね。
まとめ
以上、ガラの悪いドラムンベースにスポットを当ててお送りしました。
テクノで聴けるガラの悪さとは違い、電子音楽といえどコチラの方がより生々しい音使いをしているような気がします。
そのフィジカル感みたいなものが魅力の1つだと思っているフシはあるのですが、それはそれとしてフェス映えするような煌びやかなスタイルも、逆にアングラ極まったような実験的サウンドも、泣けるような美しいメロディーの曲も全部良い。
機会があったらそういった楽曲たちも取り上げられると良いですね。
・・・これ、何の連載でしたっけね?
あともしもっとこういうの聴きたいというマインドになられた方がいらっしゃいましたら拙作MIXをよろしくお願いします。
今回紹介した曲もちょいちょい含めつつ、こういうテイストのものばっかり取り入れております。
尚、ロゴは自信作です。
Stream Jumpup, Neurofunk, Dnb Mix – 2020.05 by TAK666 | Listen online for free on SoundCloud
そんなわけで今回はここまで。
次週06月14日は774Muzikさんが担当します。
では。