こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【Spotifyプレイリスト】
(06/08更新)
当連載で取り上げられている楽曲についてまとめたSpotifyのプレイリストの05月分が公開されました。
先日行われたHardonize#46.5で使用されたトラックも含まれており、計86曲と大ボリュームの内容となっております。
エレクトロニカ、アンビエントからハードミニマル、ハードグルーヴまで自信をもってオススメできるHardonizeセレクト、是非お楽しみください。
【告知】
来週、06月15日(土曜日)に渋谷Another Dimensionで行われるオールジャンルのパーティー、TYMM07に出演致します。
当Hardonizeのボス、yudukiさんがレジデントを務めるパーティーに初めてお招き頂きました。
今回ご一緒させて頂くゲストプレイヤー、MASASHI MATSUIさんはアシッドテクノやシカゴハウスをメインサウンドに、ヴァイナルでガシガシスクラッチを織り交ぜながら豪快且つスキルフルにMIXを展開していく方。
【TECHNO MIX】DJ MASASHI MATSUI /LIVE AT ARENA SHIMOKITAZAWA – YouTube
相変わらず自分は何をやるか決まっておりませんが、TYMMは音楽ジャンルの縛りはなく、様々なサウンドが流れるパーティーだと認識しているので、Hardonize以上にクロスオーバー色の強い内容で臨みたいと考えております。
是非お越しください。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
ですが、今回取り上げるテーマはハードテクノの分類外となる
とします。
その名の通り、無機質で幻想的なリフやサウンドと複雑な展開を含んだトランスの亜種に於ける最大勢力となるジャンルです。
具体的な特徴としては
・機械的且つうねるリフ、グルーヴ
・文字で表すとコツン、コツンといった感じの非常にアタックの強いキック
・ブレイクが複数存在する複雑な展開
などが挙げられ、個人的な思い入れとしてはクラブミュージックというものに傾倒する切欠となった音楽でもあります。
当連載に於いてサイケデリックトランスにスポットを当てるのは今回で5回目となります。
(2023年11月 / 2022年10月 / 2021年08月 / 2020年08月)
だいたい年に1回ペースで取り上げてますね。
再来週のTYMMに向けて何をやろうかぼんやり考えていた折、クラブミュージック聴き始めの頃によく聴いていた2000年代中期のサイケデリックトランスを聴いてたら止まらなくなりまして。
どんなものでも最初に衝撃を受けたものは後年まで尾を引きますね。
実際に現場でプレイするかどうかは不確定ですが、気持ち的にはサイケデリックトランスにかなり寄っているため、最新のトラックもチェックしておこうとなった次第です。
早速ですが新作サイケデリックトランス紹介いってみましょう。
例によってここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックをメインとします。
尚、試聴がYouTubeもしくはSoundcloudの場合は購入先として別途beatportのリンクを貼付しております。
【曲紹介】
Owl Coaster | Yahel (Sol Music) | Sol Music
イスラエルのベテランプロデューサーYahelによるサイケデリックトランス
ウワモノがかなり削ぎ落されたタイトな構成となっており、どちらかというと重心低めのリズムを主体とするトラック。
雰囲気的に深夜の導入を感じさせるストイックさがあります。
一部のテクノとも相性が良さそうです。
The Message | Alien Art | Iboga Records
フィンランドのプロデューサーAlien Artによるサイケデリックトランス
跳ね系のベースリフを基軸に、パーカッションとレトロなシンセの押し引きによって展開が作られるトラック。
長尺の中で頻繁に音数の増減を繰り返すため、うねりのある推進力を存分に体感できます。
Minimal Acid | Sixsense, Ambra, SilentBreakers (Sixsense Music) | Sixsense music
イスラエルのプロデューサーSixsenseによるサイケデリックトランス
ちなみに名義に並列で表記しているAmbra・SilentBreakersはSixsenseの変名義です。
タイトル通り、アシッドシンセによるドラッギーなグルーヴが主体の曲。
リフのパラメーター変動によって展開が作られているためループ色が強く、ハードアシッドとの橋渡しとして機能するタイプです。
Stream PeppeR (BR) – Cartoon by Tic Track Records ???? | Listen online for free on SoundCloud
PeppeR (BR) – Cartoon (Original Mix) [Tic Track Records] | Music & Downloads on Beatport
ブラジルのプロデューサーPeppeRによるサイケデリックトランス
オーソドックスなサイケデリックトランスビートの上に、タイトル通りのカートゥーンで用いられるようなファニーな効果音が大量に投入されたトラック。
遊び心がふんだんに現れており、聴いてて愉快な気分になれます。
リズムのクセもそこまでなく、どの場面でも使える優等生。
Indira Paganotto – Gipsy Queen (Extended Mix) [ARTCORE RECORDS] | Music & Downloads on Beatport
スペインのプロデューサーIndira Paganottoによるサイケデリックトランス
アコースティックギターのフレーズと伸びのある女性ボーカルがウワモノとして特徴のあるトラック。
それに加え、ブレイク後に3連符を経て高速テンポにシフトします。それもかなり唐突に。
一応最後は元のテンポに戻るのですが、それもかなり無理やりな戻り方をするので、ハナからテンポシフト要員として使う方が良さそうです。
Damage – Battle Between Good And Evil – YouTube
南アフリカのプロデューサーDamageによるサイケデリックトランス
終始妖しさを纏った独特なグルーヴのリズムと、フーバーのようなギラギラしたシンセの組み合わせに攻撃性を感じるトラック。
良く言えば深夜のピークタイムチューン、有体にいうとサウンドのオラつき方が強烈。
Theoreme, Ex-Gen – Futari Mambo (Original Mix) [3D Vision] | Music & Downloads on Beatport
スペインのプロデューサーEx-Gen・Theoremeによるサイケデリックトランス
こちらもサイケデリックトランスマナーを守ったビートに面白いウワモノが乗っているタイプの曲。
ジャズ?レゲエ?っぽいホーンセクションが中盤に設けられており、そのフレーズを禍々しいシンセでなぞるという展開に遷移します。
この生音感と無機質さの混ざった構成はかなり好みですね。
Stream Backtrack by Audio Crawler | Listen online for free on SoundCloud
Audio Crawler – Backtrack (Original Mix) [BandPass Records] | Music & Downloads on Beatport
国籍不明のプロデューサーAudio Crawlerによるサイケデリックトランス
エモーショナルなブレイクを経て開放感のあるシンセフレーズが鳴り響く、アップリフティングなトラック。
ポジティブなピークタイムチューン。
コッテコテですけど、こういうのは20年間変わらず好きですね。
White Light Project – All On You (Original Mix) [360Feature] | Music & Downloads on Beatport
メキシコのプロデューサーユニットWhite Light Projectによるサイケデリックトランス
ウィスパーボーカルと清涼感のあるシンセをメインに据えた、穏やかさを含んだ曲。
ブレイクの中で非4つ打ちのリズムが入ったり、そのあとに3連符の展開を迎えたりとテクニカルさも光ります。
朝日を迎えるタイミングで聴きたいデトックス要員。
最後は前回に引き続き、高速テンポものを1つ。
01月のリリースなので新譜ではないんですけど、明らかに変わっているので。
Exa’s Bitventure | ExaMelodica
ドイツのプロデューサーExaMelodicaによるサイケデリックトランス。
ウワモノとして、チップチューン的矩形波サウンドをふんだんに用いた遊び心溢れるトラック。
フレーズもサイケデリックトランスというよりはゲーム音楽寄り。というか強烈にロックマンを彷彿とさせます。
あの手のアッパーで複雑なメロディーが好きな方は是非。
ちなみに、アウトロが無いので使うときは工夫が必要です。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週06月11日は774Muzikさんが担当します。
では。