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2024年のイビザサウンド特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/07/04

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【Spotifyプレイリスト】

毎月恒例、Spotifyプレイリストの06月分が公開されました。

はい、サイケデリックトランスをリストインした犯人は私です。(連載回)
でもHardonizeはこういうハードテクノの周辺音楽にもスポットを当てているパーティーなので、ハードテクノ好きもそうじゃない人も是非引き続きチェックの程、よろしくお願い致します。

【告知】

次回Hardonizeの情報が公開されております。

2024/8/3(sat) Hardonize #47 at waseda sabaco | Hardonize web

Cherryboy FunctionさんGuchonさんの両名をゲストにハードテクノとその周辺音楽をお届けします。
両者ともハードテクノをメインフィールドに活動している方々ではないものの、ハードテクノを含む様々な音楽に造詣が深いプレイヤーなので、どのようなサウンドが繰り出されるのか、とても楽しみです。

彼らの直近のリリースを取り上げるとこのような感じです。

DE DE MOUSE × CHERRYBOY FUNCTION / Sunset lover

DE DE MOUSE × CHERRYBOY FUNCTION – Sunset lover Music Video – YouTube

Guchon, andrew, Carpainter, Seimei – Dream Team EP

Stream Guchon, andrew, Carpainter, Seimei – Dream Team EP [Official Teaser] by TREKKIE TRAX | Listen online for free on SoundCloud

日にちは08月03日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

ですが、今回のテーマを述べる前に1曲だけ新譜を紹介させてください。

KETTAMA / Pretty Green Eyes (Sunset Ibiza Mix)

Stream KETTAMA – Pretty Green Eyes (Sunset Ibiza Mix) by KETTAMA / G-TOWN RECS | Listen online for free on SoundCloud

購入リンク(beatport):https://www.beatport.com/track/pretty-green-eyes-sunset-ibiza-mix/19164862

アイルランドのプロデューサーKettamaによるテクノ
昨年から今年にかけて、イギリスの大ベテランユニットUnderworldとのコラボレーショントラック、g-town euphoria (luna)そしてFen Violetと立て続けにリリースし、
強烈な存在感をシーンに示しているKettamaですが、またしても特大インパクトを誇るビッグボムが投下されました。

この曲には元ネタがあります。

Ultrabeat / Pretty Green Eyes

Ultrabeat – Pretty Green Eyes (Official Video) – YouTube

2003年にリリースされたトランス
尺八のようなオリエンタルな笛の音や透明感のある男性ボーカルはかなり特徴的で当時大ヒット、今ではクラシックとして取り上げられることが多い曲です。
トランスハードコアに於いては正規版、ブートレグ問わず数々のリミックスが存在し、今でもたまにハウスでサンプリングされているのを耳にする、世代を超えて愛されている1曲と言って良いでしょう。
(Soundcloudでトラック検索してこの量です。)

ただ、テクノ的な解釈の元作られたアレンジというのはこれまで聴いたことが無く、今回のこのリリースには結構たまげました。
それも現行のメインストリームテクノのようなリズム主体の重たいものではなく、原曲のボーカルを活かしながら感傷的なシンセリフを添え、前のめりなハイハットが特徴的なリズムに乗せたメロディックなスタイルで、2024年現在こういったトラックを作るならKettamaを置いて他にいないだろうと思わせる仕上がりです。
丁度自分がヴァイナルを買っていた時期に原曲がリリースされ、実際耳にしていた思い出補正も相まって即行でカートインしてしまいました。
2023年のハードテクノ10選に於いてKettama / 1997を挙げましたが、今年もKettamaから目が離せそうにありません。

で、ここからが本題で、先の楽曲のリミックスタイトルに『Ibiza』という単語が入っております。
Wikipediaにページがありますが、スペインに属するこの島は1970年代から今に至るまでクラブのメッカとして象徴的な存在です。
日本で言ったら淡路島ほどの小さな面積の中に、50年位以上続くPACHAを筆頭に多数の名門クラブが存在していると言えばその特異性が伝わるでしょうか。
イビサ島の老舗クラブ「PACHA」が誕生から50周年 | BARKS
伝説のナイトクラブ SPACE IBIZAがイビザ島に帰ってくる | EDM MAXX – EDM情報マガジン

イビザ島のパーティーはヒッピーの文化も相まってか、あらゆるジャンル、サウンドが混ざり合うことが多く、特にテクノハウストランスに跨った楽曲やDJスタイルはイビザサウンドの特徴とされていました。
リゾート地らしいアーバンでゴージャスなサウンドを用いつつ、夕焼けを思わせる感傷的なメロディーがあったり、その一方でフィジカルに機能するビートやグルーヴといった要素も兼ね備えたハイブリッドなもので、実際、イビザの名前を冠したこれらの楽曲コンピレーションやMIX CDを2000年代によく目にした記憶があります。
ibizaおよびElectronicの音楽(2000年のものから)| Discogs

翻って先程のKETTAMA / Pretty Green Eyes (Sunset Ibiza Mix)を聴くとこれらの特徴をバッチリ押さえており、イビザの名前を冠するに相応しい内容です。
更に最近リリースされた他の楽曲も、こうした特色を持つものが結構見受けられたので、それらをまとめて紹介しようというのが今回の趣旨になります。
(ここまで長かった・・・。)

というワケで、今回取り上げるテーマは

2024年のイビザサウンド

とします。

アーバンで感傷的なメロディーを持ち、様々なジャンル背景が見える、というのをキーポイントとして、ここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックをメインに取り上げていきます。
早速ですが2024年のイビザサウンド紹介いってみましょう。
尚、試聴がYouTubeもしくはSoundcloudの場合は購入先として別途beatportのリンクを貼付しております。

【曲紹介】

Riordan / Bring Me Down

Stream Bring Me Down by Riordan | Listen online for free on SoundCloud

購入リンク(beatport):https://www.beatport.com/track/bring-me-down/19120195

イギリスのプロデューサーRiordanによるUKガラージ
元ネタは2000年にリリースされたUKガラージStanton Warriors, Zack Toms / Bring Me Down
原曲のボーカルをブレイクに残しているものの、リズムパートは全く別物。
極太のベースフレーズと小気味良いハイハットリズムでグイグイ引っ張っていくタイプのトラックです。

Keno, Mailman / Pampkekno

Pampkekno | Keno, Mailman | Keno

フランスのプロデューサー同士、KenoMailmanによるテクノ
フィルター混じりの断続的なリフとシンプルなリズム、ウッドベースみたいな低音で構成された跳ね感の強いトラック。
ブレイク以降は煌びやかなシンセとアシッドリフも加わり、よりファンクネス指数の高い雰囲気を演出します。
ディスコ好きには結構刺さる気がします。

Jonas Gottlieb / Sorry For The Looks

Sorry For The Looks | Jonas Gottlieb | Dance Petrol Records

ドイツのプロデューサーJonas Gottliebによるテクノ
うねりのあるベースフレーズ、軽快なピアノサウンド、スムースな女性ボーカルと三役揃ったトラック。
昔の生音感が強いハードハウス辺りと合わせたくなります。
夏真っ盛り感が半端じゃないですね。

Mall Grab, Flansie & Sunny / Drift

Drift | Mall Grab, Flansie & Sunny | LOOKING FOR TROUBLE

イギリスのプロデューサーMall Grab、そしてオランダのプロデューサーFlansieSunnysopostedによるテクノ
哀愁漂うレトロなピアノフレーズを前面にフィーチャーしたトラック。
深度のあるベースからオールドスクールレイヴの臭気が漂っているのも個人的にグッときます。

Robin Wylie / Pulse Track

Pulse Track | Robin Wylie | Ritual Poison

イギリスのプロデューサーRobin Wylieによるテクノ
厚みのあるベースシンセと反するようにレトロな電子音が軽快に跳ね回っている構成。
殊更メロディーを強調しているワケではないものの、ベースのフレーズとウワモノのサウンドがノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

テンポこそ違いますが、どことなくOrbital / Chimeを連想させるんですよね。

DJs Pareja / Perfecto Radar (Chrissy Rave Dub Mix)

Perfecto Radar (Chrissy Rave Dub Mix) | DJs Pareja | Djs Pareja

アメリカのプロデューサーChrissyによるブレイクス
1拍目に重心を置いた偏屈な非4つ打ちリズムにオールドスクールレイヴの金字塔、Bizarre Inc / Playing with Knivesのピアノフレーズがサンプリングされています。
このウワモノとビートの雰囲気が乖離しているところから土臭いレイヴの精神性が感じられてかなり好みです。
後半になると細かくリフのパターンが変わっていく、サンプリングセンスが光る楽曲。

Clint / Native House Dance

Native House Dance | Clint | Permanent Vacation

フランスのプロデューサーClintによるハードハウス
裏打ちのベースによる跳ね感をキープしつつ、その上で展開されるシンセの引き出しの多さが光るトラック。
安直にイメージする1990年代のハードハウスの音がしこたま投入されており、2024年リリースなのが疑わしいレベルで全体的にサウンドがレトロ寄りです。(だがそれが良い。)

Matt Guy / Every Little Time (Back in ’97 Extended Mix)

Every Little Time (Back in ’97 Extended Mix) | Matt Guy

イギリスのプロデューサーMatt Guyによるハードハウス
’97とリミックスタイトルに入っていますが、先月出たばっかりの曲です。
ボーカルは1997年にリリースされたPoppers Presents Aura / Every Little Timeからの引用ですが、それに加えてLock ‘N Load / Blow Ya Mind (Club Caviar Extended Remix)の独特な連打フレーズが用いられており、こっちの方が目立ってます。
レイヴオルガンのややいなたい感じとかも含め、往年のハードハウスヘッズにオススメしたいトラック。

Baccus / Your Love

Your Love | Baccus

フランスのプロデューサーBaccusによるテクノ
アシッドベースにフィルターを織り交ぜた浮遊感たっぷりのシンセが乗ったトラック。
ソウルフルな女性ボーカルもアーバンな雰囲気作りに一役買ってます。

KIKO TESLA / Just Because You Can

Just Because You Can | KIKO TESLA | Green Roll Records

オーストラリアのプロデューサーKIKO TESLAによるテクノ
ハイハットとクラップによる推進力の高いビートと、穏やかなピアノとパッドが合わさった曲。
ダンスミュージックとしての機能を維持しつつ、綺麗に締めることができるので、踊り明かした最後の1曲として使いたくなりますね。

KLP / Come Thru

COME THRU (Official Video) – YouTube

購入リンク(beatport):https://www.beatport.com/track/come-thru/19130784

オーストラリアのプロデューサーKLPによるハウス
こちらも〆候補。
アシッドベースとピアノサウンドに加えてボーカルも入っているので、よりメロウに着地させたい場合はこちらの方が向いているかもしれません。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

次週07月09日は774Muzikさんが担当します。
では。

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新作ハードグルーヴ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/7/2

はいどうも、今週もHardonizeレジデントDJがおすすめのハードテクノを紹介する連載、寝るまでが火曜日担当yuduki(@akuwa)がお送りいたします!今週も何卒よろしくお願いいたします!!

お知らせ

気がつけば7月、次回Hardonize開催まで1ヶ月と迫ってきました。
ここからがかなり早くておそらくあっという間に開催直前となる見込みです。

今回のゲストはかねてからご案内しております通り、GUCHONさん&Cherryboy Functionさんを別名義Cherryboyにてお迎えしております。共演機会の多いお二方ですが、「ハードテクノ」でのどういったDJとなるのかお楽しみいただければと思います。

なお、事前の入場予約も絶賛受付中となります。
今回も会場人数の把握のため、ご協力よろしくお願いいたします。

Hardonize #47 参加予約登録フォーム

Spotify6月のプレイリスト

明日公開予定です、しばしお待ちくださいませ。
今回も約4時間ハードテクノ満載のプレイリストでお送りします。
公開されました際にはチェックよろしくお願いします。

近況

健康診断行ってきました。
γ-GTPがガバみたいなBPMみたいになってませんように。

今週のピックアップ

梅雨が明けたのか明けてないのかいまいちパッとしない気候の最近ですが、そろそろ夏に向けてファンキーに行きたい気分…そう、夏といえばハードグルーヴの季節なのです(強引)ということで今週はしばらくぶりの新作ハードグルーヴ特集でお送りします。

といったところでハードグルーヴとはどんな音楽か?という方には過去にジャンル特集で「ハードグルーヴ」についてまとめた記事がありますので、そちらをチェックしてみてくださいませ。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第7回:ハードグルーヴ編

最近では上記で取り上げたような王道路線もそうですが、今回の新作特集ではそういったものとは少し違ったハードグルーヴもいくつか紹介していきたいと思います。

Backlogs / Metropolis

Shlomi Aber 主宰[Be As One]からのリリースもあるイタリア出身のプロデューサーBacklogsによるトラックは重めのグルーヴと、どこかKAGAMIあたりのディスコトラックを彷彿とさせるシンセで展開していくディスコハードグルーヴ!!

D’Mike / Hardgroove Samaritan Visigode Edit

2024年のリリースペースが100曲まで行きそうな勢いの絶好調ハードグルーヴプロデューサD’Mike NEW!!!! ディレイのかかったピコピコとしたシンセに哀愁漂うメロディラインで展開していくハードグルーヴ。こちらも全体的な派手さは無いですがしっかり盛り上がっているフロアをがっつり牽引してくれる事間違いなしのナイスチューン!!!

Pat Bannister / Faster Than Jazz

絶好調Suaraから、チャカポコとした打楽器と哀愁の漂うメロディの上で奏でられるカットアップな要素も交えたサックスで盛り上げていくナイスハードグルーヴ!よりトライバル感をマシた「Coyu Summer Of Love Remix」も〇

Misstress Barbara / Your Eyes on Me

昨年から好調なリリースペースなカナダ出身のベテランプロデューサー/DJ Misstress Barbara 新作!ズンドコハードグルーヴにノイジーなシンセとシャキッとしたハットで展開していくハードグルーヴ!全体的な派手さは無いですがしっかりとフロアのテンションをキープし続けられるであろうナイストラック!!

Mark Broom / Funky Sounds

ホーンセクションをメインに据えたタイトル通りの「ファンキーサウンド 」を全面に押し出したトラックかと思いきや急にヒプノティックなサウンドからまたファンキーに戻る乱高下の高い一発で話題になること間違いなし〜!!王道なハードグルーヴとの相性も良さそう!

以上、今週のピックアップでした!
次回更新は木曜日、担当はTAKくんです。