こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【近況】
先週末、めちゃめちゃパーティー多かったですね。
深夜だけで3件ハシゴしたんですけど、流石にもうちょっと絞った方が良かったかもと思ったりしました。
そしてその道中に知り合いに補足されたり。
(正直面白かった報告。)
みんな夜遊びしてましたね。
【告知1】
今週末、11月25日(土曜日)に渋谷R Loungeで行われるハッピーハードコアの老舗パーティーの年末版、HAPPY JACK 忘年会にMorphonicsさんとB2Bで出演致します。
流石に無策ではマズいと思ったのか、本人から『何やる?』って送られてきて(大先輩ながら)この人可愛いなと思いました。
パーティーカラーであるハッピーなバイブスに沿えるように、且つお互いのキャリアを活かした内容を目指す心持ちです。
【告知2】
そして同日11月25日(土曜日)に静岡COAで行われるテクノパーティー、MY WORLDに出演致します。
開催地は静岡なのにTakayuki Kamiyaさん、NOMYさん、Bound Roundさんと、東京面子がめちゃめちゃ多い、不思議なパーティーです。
各々遠方の地でどんなプレイをカマすのか、加えてローカルのライブ勢も初見なので、とても楽しみです。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
ですが、今回取り上げるテーマはハードテクノの分類外となる
サイケデリックトランス
とします。
その名の通り、無機質で幻想的なリフやサウンドと複雑な展開を含んだトランスの亜種に於ける最大勢力となるジャンルです。
具体的な特徴としては
・機械的且つうねるリフ、グルーヴ
・文字で表すとコツン、コツンといった感じの非常にアタックの強いキック
・ブレイクが複数存在する複雑な展開
などが挙げられ、個人的な思い入れとしてはクラブミュージックというものに傾倒する切欠となった音楽でもあります。
当連載に於いてサイケデリックトランスにスポットを当てるのは今回で4回目となります。
(2022年10月 / 2021年08月 / 2020年08月)
だいたい年に1回ペースで取り上げてますね。
未だに縁のある音楽ですし、Hardonizeでプレイすることもあるので年に1回くらいは紹介したいと思っているのですが、そういえば今年まだやっていなかったことにギリギリで気が付いた次第です。
危ない危ない。
早速ですが新作サイケデリックトランス紹介いってみましょう。
例によってここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックをメインとします。
尚、試聴は配信サイトで用意されたものだと短すぎるため、購入先リンクとは別にアップロードされたものを埋め込んでおります。
【曲紹介】
XenTraX / Sacred Frequencies
XenTraX – Sacred Frequencies – YouTube
XenTraX – Sacred Frequencies (Original Mix) [MadMinds Records] | Music & Downloads on Beatport
フィリピンのプロデューサーXenTraXによるサイケデリックトランス。
長尺のイントロはサイケ然としているのに、リズムパートに入ると途端にウワモノが削ぎ落されたハードミニマルっぽくなるトラック。
後半のブレイクではM1ピアノが入ってきて謎にレイヴっぽくなるのも特徴的。
こういう形のクロスオーバースタイルは珍しい部類だと思うので、ジャンル間の橋渡しか、サイケの導入部分として機能しそうです。
Gabry Ponte, Vini Vici / Damage
Vini Vici & Gabry Ponte – Damage (Extended Mix) – YouTube
Gabry Ponte, Vini Vici – Damage (Extended Mix) [Smash The House Official] | Music & Downloads on Beatport
イタリアのプロデューサーGabry Ponteと、イスラエルのプロデューサーユニットVini Viciによるサイケデリックトランス。
テクノ~ハウスに於いて度々用いられるWildchild / Renegade Masterを豪快にサンプリングしたトラック。
リズムはサイケでありながら、低音の深度やループ主体のウワモノなどテクノとの親和性も感じられます。
かなり汎用性が高いので、リズムスイッチ的に使ってインパクトを稼ぐのにかなり役に立ちます。
Deborah De Luca / Baila Fuego
Stream BAILA FUEGO – Deborah De Luca by Deborah De Luca | Listen online for free on SoundCloud
Deborah De Luca – Baila Fuego (Original Mix) [Solamente] | Music & Downloads on Beatport
イタリアのプロデューサーDeborah De Lucaによるサイケデリックトランス。
極端なまでにウワモノを削ぎ落し、前のめりなサイケ独特のグルーヴでグイグイ引っ張っていくタイプの曲。
後半のブレイクで突然ガバキックっぽい、ラフなリズムにスイッチする辺りとかギョッとしますね。
ループメインのハードミニマルとの橋渡しに使ったり、いっそハードミニマルの中に放り込んでみるのも面白そうです。
Pudova / Panic At the Disco
Panic At the Disco – YouTube
Pudova – Panic At the Disco (Original Mix) [Pudova Records] | Music & Downloads on Beatport
ブラジルのプロデューサーPudovaによるサイケデリックトランス。
跳ね系リズムのストレートなサイケですが、笛やストリングスを用いたやけにアラビックなウワモノが独特。
ウワモノの足し引きによって展開が作られる構成は今時のトラックっぽい印象を受けます。
真面目過ぎず、かといって変過ぎずの丁度良いバランスを保っていますね。
Tommy Pulse / Arrival
Tommy Pulse – Arrival (Original Mix) [Genetic Vibration] | Music & Downloads on Beatport
(フル試聴なし)
オランダのプロデューサーTommy Pulseによるサイケデリックトランス。
ソリッドで推進力のあるリズムと、オーバードライブアシッドのリフが絡み合う現行のメインストリームスタイルと言って良いトラック。
ビートの硬さを活かしてテックトランスと繋げても良い感じ。
Aktyum / Euphoria
MAHD0223 Aktyum – Euphoria [Psy Trance] – YouTube
Aktyum – Euphoria (Original Mix) [Maharetta Records] | Music & Downloads on Beatport
アルゼンチンのプロデューサーAktyumによるサイケデリックトランス。
ダークで疾走感抜群のボトムにウワモノの細かい使い分けと、禍々しくもテクニカルさが光るトラック。
深夜に聴きたい度で言ったら今回紹介する中ではピカイチかもしれません。
Marc Deal, Fabio Fusco, Trip-Tamine / Wild Child
Fabio Fusco, Trip-Tamine, Marc Deal – Wild Child (Official Audio) – YouTube
Marc Deal, Fabio Fusco, Trip-Tamine – Wild Child (Original Mix) [Spin Twist Records] | Music & Downloads on Beatport
ドイツのプロデューサー3名、Marc DealとFabio Fusco、Trip-Tamineによるサイケデリックトランス。
かなり風変わりな跳ね系リズムに男性ボーカルという、何となくボディミュージックを彷彿とさせる曲。
ベースのうねり方がかなり気持ち悪くて良いですね。
サイケ以外の使い方を模索した方がハマる確率が高いかもしれません。
尚、この音楽にしては尺が4分と短めなので、そこは要注意。
Sidewave / Binary Symphony
Binary Symphony – YouTube
Sidewave – Binary Symphony (Original Mix) [Psyfeature] | Music & Downloads on Beatport
ブラジルのプロデューサーSidewaveによるサイケデリックトランス。
ややファットなアレンジのボトムにドライブ感のあるハイハットが加わり、推進力と重厚感を合わせ持った攻めっ気のあるリズムが聴けます。
・・・が、ブレイクでは全ての音が止まり、古典クラシック音楽トッカータとフーガのオルガンが鳴り出す、フザケっぷりが度を越している曲。
勿論、ブレイクが明けたら何事もなかったかのように元の展開に戻ります。
完全飛び道具枠。大好き。
Zanon / The Flute
Zanon – The Flute (Original Mix) – YouTube
Zanon – The Flute (Original Mix) [DistroKid] | Music & Downloads on Beatport
ブラジルのプロデューサーZanonによるサイケデリックトランス。
フザけたサイケ2曲目。
例によってリズムや全体的な出音は現行のメイントリームに準拠したしっかりしたものになっていますが、ブレイクで無音になり、何が鳴ると思います?
曲名をご覧ください。そういうことです。
それも古典音楽で使われるオリエンタルなサウンド要員とかではなく、小学校で使っていたリコーダーに近い音で脱力感の方が大きいです。
そんな音がサイケのリズムに合うと思います?
合ってるわけないんですよね。音楽って本当に自由ですよね。
フザけた曲が続いたので爽やかな曲を聴いてデトックスしましょう。
Gadjon / Better
Better – YouTube
Gadjon – Better (Original Mix) [1db Records] | Music & Downloads on Beatport
ブラジルのプロデューサーGadjonによるサイケデリックトランス。
ビートは一貫してサイケ、でもウワモノはピッチを高くした女性ボーカルとギターという、これもかなり変わった構成の曲です。
とはいえ全体的にサウンドがレトロ寄りということもあり、変ではあるのですが、纏まりがあります。
サイバネティックなサウンドが多いサイケとしての使いどころは難しいかもしれませんが、かなり気に入っています。
最後にこれもまたサイケデリックトランスのスタイルの1つである、速いテンポの曲を1つだけ。
Narxz, Quantiko / Crystal Dreamscape
Crystal Dreamscape – YouTube
Narxz, Quantiko – Crystal Dreamscape (Original Mix) [Black Out Records] | Music & Downloads on Beatport
スイスのプロデューサーNarxzと、イタリアのプロデューサーQuantikoによるサイケデリックトランス。
テンポが速くなったことで音の密度も高くなり、より忙しいフレーズに聴こえますね。
とはいえ、開放感のあるパッドシンセやスペーシーなワンショットサンプル、フューチャーベース由来の可愛いサウンドが用いられており、終始アップリフティングで聴きやすい部類。
こういう明るくて速いサイケはかなり好きです。
これは完全に余談ですが、もしこういった系統の曲をお探しでしたらオススメしたいアーティストにCrazy Astronautという方がおります。
活動拠点はロシアで、今は1年に1曲出すか出さないかというリリースペースですが、ほぼ全ての曲がこの高速スタイル、しかも一部の曲はフリーダウンロードで公開されています。
例として1曲だけサクッと載せておきます。
Crazy Astronaut (with VG) / Funky Shit 2014
Funky Shit 2014 (with VG) | Crazy Astronaut | HOW2MAKE RECORDS
ブレイクであえてアコースティックなギターを使ったり、当時の流行であったワブルベースを用いたり、メインフレーズは一貫してアップリフティングだったり・・・何より実験的な要素が多いにも関わらずアングラ感がないという辺りが絶妙です。
丁度10年前の曲ですが、当時これを聴いたとき、かなり衝撃を受けました。
今でも全然好きです。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週11月28日は774Muzikさんが担当します。
では。
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