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特別連載:ハードテクノとは何か? – 第5回:ハードハウス編


特別連載:ハードテクノとは何か?
第5回:ハードハウス編
特別連載:ハードテクノとは何か? – 目次

第1回:黎明期編
第2回:ハードミニマル編
第3回:ハードアシッド編
第4回:ハードトライバル編
第5回:ハードハウス編 (今回)
第6回:シュランツ編
第7回:ハードグルーヴ編
第8回:インダストリアル編
第9回:テックダンス編

番外
第1回:メロディアス・ハードテクノ編
第2回:ハードダンス編
第3回:ディスコ編

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

予てよりご報告の通り、次回Hardonizeの開催情報が公開されております。

2019/9/7 Hardonize #34


ゲストにATTさん、そしてni-21さんによるベテラン同士の組み合わせ。
音の方向性は違えど、ハードでアグレッシヴな4つ打ちダンスミュージックと云う点に於いては共通しているため、今回は6時間みっちりストレートなハードテクノをお送りできる回になりそうです。

1か月後に迫った09月07日の土曜日、15時より早稲田茶箱にて執り行います。
どうかよろしくお願い致します。

さてさて、ここ数回に渡ってお送りしております、ハードテクノが内包する音楽のスタイルについて解説していくコーナー、今回はその5回目となります。

初回ではハードテクノのサブジャンルについて上のような図を用いて表した上でハードテクノの特徴を
・メインストリームテクノよりは速いテンポ
・4分打ちのハイハットによる疾走感のあるグルーヴ
・キックの強度やベースの厚み
としました。
今回はこの中のハードハウスと云う音楽について紹介していきたいと思います。

この中の・・・と言ってみたものの、本来ハードテクノの文脈でハードハウスを語ることはそうそうありません。
なぜなら、パッと思いつく両者間の共通点と言えば4つ打ちであることと、テンポ帯くらいのものであり、出自や代表的な曲のシーケンスやパーツについてはお互い独自の進化を遂げているため、全く別の音楽と言って差し支えないからです。
また、ハードハウスと云うジャンル名が示す音楽についてもハードテクノと同じくらい多種多様なスタイルが内包されているため、1回でその全容を語るのは相当大変なことになります。
マジな話、この特別連載と同等くらいの分量が必要になってきます。

なので、今回ご紹介する内容については大部分の省略があるものである (=色々端折っている)ことを予めご了承ください。
幸いにしてWikipediaに単体の記事があるのと、ピコピコカルチャージャパンに於いてDJイオさんがハードハウスの一部にスポットを当てた記事を執筆されているので、これらも合わせて参考にして頂けると助かります。

ピコピコカルチャージャパン – DJイオの「はぐれDJ道」第8回「ワープハウスと元ネタ」

ではハードテクノではないと前置きしつつなぜこの連載で取り上げるのかと言いますと、今でこそ全く別の音楽ではあるものの、その進化の過程に於いてかなりハードテクノに接近した時期があり、一括りにテクノとされていた過去があること、更にはその接近したスタイルの音楽が日本でシーンを築いていたこと、そしてそのスタイルの音楽は今も生き残っていることがあるため、個人的にはハードテクノを語る上で無視できない存在と認識しているからです。
従って今回取り上げる曲と云うのは割合昔のものが多くなってしまいますが、上記の通り、まだリリースは継続しているので今から興味を持って頂くのも全く遅くないのではと思っています。
魅力的な音楽には違いないので。

まずハードハウスの成り立ちについて。
1980年代にアメリカで生まれたハウスと云う音楽は1990年代に入ってもその隆盛が止まることはなく、むしろ1990年前半に訪れたヨーロッパレイヴとの相互交流の結果、更に勢いを増して様々なスタイルへと分岐、発展してくようになりました。
その過程でアメリカではシカゴハウスのリズムがよりアグレッシヴな進化を遂げた音楽が誕生します。

参考:DJ Gil Lugo – I Love Da 90’s Vol 2 (Chicago Hard House) by DJ Gil Lugo | Free Listening on SoundCloud

これをハードハウスの源流と捉える見方もあるのですが、一方ヨーロッパでは全く別の進化を遂げます。
同時期である1990年代前半にかけてヨーロッパで人気が高かったハウスミュージックの中にイタロハウスと呼ばれるジャンルがあります。

Coco M / Love & Devotion (Extended Version)

COCO M – LOVE & DEVOTION EXTENDED – YouTube

参考例として1989年のクラシックを。
ディスコから派生した音楽であると云う点でシカゴハウスと同様のルーツを持つ音楽ですが、シンセサイザーの音やボーカルを強調していると云う点でよりテンションの高い曲が多いのが特徴と言えます。
後にユーロビートと云う、これまた日本に大ブームを巻き起こすことになる音楽の原点であるとも言える音楽です。

このイタロハウスがよりリズミカルなドラムパターンを取り入れたり電子楽器を多く用いるようになった結果、新たな音楽のスタイルの確立に至ります。
やはり当時は名前こそ付いていなかったものの、後にハードハウスと呼ばれることとなる音楽の基礎はここで誕生しました。

Diddy / Give Me Love

Diddy – Give Me Love (Original Mix) = 1993 – YouTube

1993年リリース。
これがリリースされたPositivaと云うレーベルは当時ハウス、テクノに触れていた人なら知らない人はいないくらいの超大手。
ハウスのリズムを基礎としながらも使用しているリフの種類の多さだったり、曲を構成している音の質感は大分機械的で煌びやかな印象です。

もう1つ同時期の作品を。

Tall Paul / Rock Da House

Tall Paul – Rock Da House (Original Mix) – YouTube

1994年リリース。
Tall Paulは1990年代のこの音楽を代表するアーティストと言って差し支えない存在です。
ピッチの高いボーカルやオルガンライクなシンセの音など、こちらはよりレイヴ経過後であることが強調されているかのような音使いをしています。

ところで同じような時代に誕生し、同じような音を使用していた音楽としてご存知、トランスの存在があります。
確かにこれら2つは代表的な曲のテンポも似通っており、またテクノにはあまり見られないシンセサイザーによるロングブレイクが存在すると云う点など多くの共通点があり、混同されることがかなり多いです。
実際、両ジャンルを並行して手掛けているアーティストは今に至っても数多くいるため、相互に影響を及ぼし会う程には近かったジャンル同士と言えます。

両者の差異を挙げるなら、

・軽いが芯のあるキックと跳ねた感じのベースを軸とするリズム

・スケールの然程長くない、1小節程度でループしているメインリフ

おそらくこの辺りがハードハウスならではの特色に当たる部分だと考えます。

詰まるところ、この頃のハードハウスは

・ハウスのグルーヴ
・トランスのサウンド
・テクノのループ感

この3つが共存しているハイブリッドなジャンルであると言えます。

さて、1990年代の中期に差し掛かるとレイヴの荒々しさから脱却し、そのポジティヴさは受け継ぎつつも1音1音の洗練化と云うムーブメントが起こり始めます。
そしてそれらはワープハウス或いはハッピーテクノと称され、特に日本では中村直(2014年に急逝)、DJ SHINKAWAYO-Cらの手掛けたCROSSOVERX-TRACLUB LOVELYなどといったパーティー及びMIX CDを通して急速に知名度を獲得しました。
今にすればハッピーテクノなんて清々しいまでにアレなジャンル名だと思わずにはいられませんが、Sony Musicのサイト内にこのジャンルに関するコラムがあるくらい、かなり市民権を得ていた名前なのです。

冒頭で述べたテクノと接近した時期と云うのはこの辺りのことですね。
当時のアンセムを立て続けに紹介しようと思いますが、これらは往年のテクノのパーティーでも度々プレイされていました。

Kadoc / The Nighttrain

The Nighttrain (Original) by Kadoc on Beatport

1995年リリース。
走るように鳴り続けるベルの音と時折差し込まれるインパクトのある音ネタが特徴。
逆にそれ以外はかなりシンプルな作りになっていますが、それユエに使える場面も多い作品です。

Camisra / Let Me Show You

Let Me Show You (Original Mix) by Camisra on Beatport

1997年リリース。
ファンキーなベースラインと小気味良いハイハットリズム。
これも使いどころが多く、また印象にも残りやすいタイプのトラックと言えます。

Perpetual Motion / Keep on Dancin’ (Let’s Go) (Banging Club Mix)

Keep on Dancin’ (Let’s Go) (Banging Club Mix) by Perpetual Motion on Beatport

1997年リリース。
当連載のハードトライバル編で紹介したGrooveyard / Watch Me Nowが過分にサンプリングされています。
そしてそれ以上にレイヴ感を意識したメインリフの派手さはまさしくピークタイムにピッタリ。
上で述べたようなテクノ+ハウス+トランスの良いところを分かりやすく抽出した曲なのではないでしょうか。

JS16 / Stomp To My Beat

Stomp To My Beat – YouTube

1997年リリース。
この流れで取り上げるべきか不安ではありますが、ハードハウスの要素は満たしている気がするので。
ファンキーなリフと声ネタのサンプリングにアラームのようなサウンド、仕舞にはブレイクビーツまで乗り出したりととにかくてんやわんや。
この忙しない感じ、大好きです。
音楽ゲームDance Dance Revolutionに収録されたことでクラブシーン以外に於いても良く知られた曲だったりもします。

ちなみに、ハードハウスと云う名称についてはこの頃ようやく定着したような感じがあります。

DJ Irene – Hard House Live: At The Legendary Arena (CD, Mixed, Compilation) | Discogs

Hard House Grooves Vol 2 (CD, Mixed) | Discogs

Full-On Hard House (CD, Compilation) | Discogs

Bangin’ Hard House 98 (CD, Mixed) | Discogs

上記は1997年~1998年にリリースされた作品群ですが、それぞれ名称に単語が使われております。

さて、日本でハードハウスに日の目が当たっている間にもヨーロッパでは着実に進化を辿っておりました。
1番大きかった出来事と言えばハードハウスの専門レーベルが設立されたことです。
それこそが1995年から今に至るまでこのシーンを牽引し続けているTidy Traxです。
音楽レーベルとしてアーティストのフックアップ、サポートは言うに及ばず、サンプリング素材集のリリースや、大型フェスTidy Weekenderを始めとするパーティーのプロデュースなど、多くの面からハードハウスと云う音楽にスポットを当て続けているレーベルです。

UK Gold / Nuclear Shower (UK Gold Remix)

UK Gold – Nuclear Shower (UK Gold Remix) – YouTube

これはそんなTidy Traxから1997年にリリースされたもの。
ワープハウスの享楽的な感じとは逆に、ストイックなリフ運びを見せてくれます。
それでいてベースのバウンシーな感じはやはり従来の特徴を踏襲していると云う新しいスタイル。

そしてこのストイックな要素を更に追求したハードハウスが派生ジャンルの1つとして確立していく動きが出始めます。
このムーブメントに拍車をかけたのはハードアシッド編で触れたアシッドシンセや、フーバーと云ったインパクトのある音を多用すると云う手法でした。
同じくTidy Traxからリリースされたこれはまさしくそれを追求し、体現してみせた1曲。

Stimulant DJs / Hoover Time

Hoover Time (Original Mix) – YouTube

2000年リリース。
その名の通りフーバーと云うシンセサウンドが縦横無尽に張り巡らされたトラック。(中盤以降から入ってくる音がそれです。)
このリフのアグレッシヴさは近年のトラックに於いてもなかなか聴く機会のないタイプだと思います。

ちなみにこの手のジャンルは後にニューエナジーと云う呼称で定着していきます。
東京では2004年にNRGetic Romancerと云うパーティーが身近にあったことも印象深い出来事だったりします。
そしてタイムリーなことにニューエナジーに焦点を当てたパーティーが現時点からだと来週に当たる08月17日に開催されます。


オーガナイザーは過去Hardonizeにもご出演頂いたDJ DEPATHさん。
正直、このご時世にこの音楽を取り上げると云うのは大分イカれていると思うのですが、前回足を運んだ限りに於いては高まり過ぎて挙動不審になったMorphonicsさんの姿が見られるなど、音以外も含めて貴重な体験ができる催しであることは間違いありません。

話をハードハウスに戻すと、ほぼ時を同じくしてもう1つシーンの台風の目となるレーベルが誕生しました。
それが1996年に誕生したNukleuzです。
厳密にはハードハウス専門のレーベルではないのですが、ハードハウスを含むトランス、ハードテクノ、ハードスタイル、ハードコアなど数々の4つ打ちダンスミュージックを網羅したモンスターレーベルであり、広い層から注目を集めていた存在でした。
なので、ここからリリースされるハードハウスにも同じように日が当たることが多かったような気がします。

Cortina / Music Is Moving (Bk & Dbm Amber Mix)

Music Is Moving (Bk & Dbm Amber Mix) by Cortina on Beatport

1999年にNukleuzからリリースされた曲。
Fargetta / Music Is Movin’と云う1992年のレイヴクラシックが元ネタとあって、ハードハウス史上最大と言えるくらいの大ヒットとなった曲。
リミキサーであるBKは現在も尚活動継続中のハードハウスを代表するクリエイターであることもあって、このジャンルを語る上で欠かせない1曲。

お聴きの通り、ハードハウスの本線はこの辺りから明らかにハウスでもテクノでもない音楽へと歩みを進めていくようになります。
現行のハードハウスを代表するレーベルとしてはFireball RecordingsTraffic RecordsRiot! RecordingsVicious Circle RecordingsTerrabang Recordingsなどが挙げられます。

一方で、別ジャンルからの要素の流入やサウンドのアップデートによって楽曲のスタイルは様々な方向へ広がりを見せていきました。
例えばハードハウス黎明期から存在していた、文字で表すとスッコンスッコンみたいな特徴的なベースサウンド、ドンクベースに焦点を当てたスタイルはスカウスハウスと云う名前で親しまれています。
2000年代後半には東京でScouse! TOKYOと云うこのジャンルにスポットを当てたパーティーが行われており、以前Hardonizeにご主演頂いた電撃姫さんや204さんなどはここの出身の方々です。

Blackout Crew / Put A Donk On It

Blackout Crew – Put A Donk On It (Official Video) – YouTube

2008年リリース。
自分くらいの世代にとっては忘れようにも忘れられないインパクトでリリースされた曲。
複数MCによるマイクリレーものと云う本来カッコいい要素を持っていながら一貫してスッコンスッコン鳴っており、頭の悪さだけが際立ちます。

更に、ここ2~3年でこのスカウスハウスに輪をかけてIQの低いスタイルが出現しました。
ハードベースと呼ばれるそれはドンクベースに音階を付けてリフとして用いると云う手法を取っており、この時点で大分間抜けな印象は拭えません。
ちなみにハードベースの本場は何故かロシアでして、所謂中央ヨーロッパの楽曲とは異なる土着感あるコードのメロディーが使われていたり、ヴォーカルトラックの歌詞の内容が大抵ウォッカかアディダス(田舎のあまり裕福じゃない若者が着るブランドの代表格がアディダスらしいので)と云う、何て言うか、世紀末。

Xs Project / Pokemon Go

Pokemon Go by Xs Project on MP3, WAV, FLAC, AIFF & ALAC at Juno Download

2016年リリース。
ちなみに過去のHardonizeで使ったことがあります。
歌詞の内容は『ママ、ポケモンを買っておくれ。ピカチュウが欲しいんだ。』です。
そしてこの絶妙にダサいシンセのリフ、挙句後半で突然訪れる3連符展開。
今まで聴いてきた音楽とは一体何だったのか、くらいの衝撃を覚えます。

言うまでもありませんが、全部褒めてます。
心底愛おしい音楽です。

勿論カッコ良い路線も挙げられます。
メインストリームのハードハウスはあくまでこんな感じ。

Andy Farley, Simon Hill / Never Too Late

Never Too Late (Original Mix) by Andy Farley, Simon Hill on Beatport

2019年リリース。
個人的にレイヴテイストの香るサウンドが好きなので、こういう曲にはつい手が伸びてしまいます。
現代風のカッチリした出音にアップデートされているものの、キックやベースの質感、リフのスケールなんかは上で紹介したものとほぼ同じであり、分かりやすくハードハウスの特徴を捉えているのではないでしょうか。

ちょっと変わり種を挙げるとこのようなスタイルのものもあります。

Andy Whitby, Karlston Khaos / Fire

Fire (Original Mix) by Andy Whitby, Karlston Khaos on Beatport

2013年リリース。
この試聴部分だけだと分かり辛いですが、1回目の煌びやかなブレイク明けで入る音が音数が少ない上に変なベースが鳴っている部分。
EDMにありがちなブレイク跨ぎの展開をハードハウスに適用させるとこうなると云う好例です。
この時期こういう肩透かし展開の面白いトラックがしばしば出てきていた覚えがあります。

長くなってきましたが、最後のパートとして冒頭で触れたテクノに接近したスタイルのハードハウスは今も生き残っていることについて触れます。
テクノに接近したスタイルと云うのが上記で触れたワープハウスに該当するのですが、この音楽の肝であったハウスのグルーヴやテクノのループ感を排除せず、またメインストリームのハードハウスと異なり、生音に近い音をメインリフとして使うのもアリくらいのスタンスで作られているハードハウスが存在します。
それが一部でファンキーハードハウスと呼ばれているスタイルです。
ハッピーテクノと同じくらいアレな感じがしますが、一応soundcloudでタグ検索するとそれなりにヒットします。
まぁこれ以外呼びようがないってところも正直なところです。

Audox / Back To Life (Groove Complex & Kye Shand Remix)

Back To Life (Groove Complex & Kye Shand Remix) by Audox on Beatport

2017年リリース。
いきなりブレイクでギターとピアノが入ると云うのもこれまでの紹介からすると珍しいですが、ブレイクが明けるとハードハウスらしさが聴こえます。
ギラギラした音使いではなく、古臭さを残しつつちょっとヒネたリズムパターンと云うのも味があって良い感じ。

Innocent Lovers / Somebody In A House

Somebody In A House (Original Mix) by Innocent Lovers on Beatport

2018年リリース。
アシッドシンセがメインとなっており、リズムの質感もかなりハウスに近いのでテンポの速いアシッドハウス、くらいの印象を受けます。
とはいえファンキーなテクノとも相性が良さそうなので使い勝手は十分。

ワープハウスと云う名前ついては2000年代に差し掛かるとあまり聞かなくなったフシがあり、対してファンキーハードハウスと云う名前が使われるようになったのはここ数年であること、そして両時代間に共通しているアーティストが今のところ見当たらないことから、おそらくこの2つの音楽は直接繋がっているわけではないのではないかと推測します。
むしろ現行のアーティストによる発展期のリバイバルのような印象が強いです。
なので、厳密には生き残っていたと言うよりは蘇ったと言うべきなのかもしれません。

ファンキーハードハウスをリリースしているレーベルはまだ少ないのが現状ですが、いくつか挙げるとするとCheeky TracksToolbox RecordingsIdeal辺りがそうでしょうか。
総じてメインストリームのハードハウスがメインのレーベルであり、中には変わり種もあると云うくらいの展開をしているので、ピンポイントで掘り当てるのは現段階では難しいと思われます。
今後の発展に期待しましょう。

以上、ハードハウス編をお送り致しました。
この音楽の特徴についてまとめると・・・正直、母数が大きすぎるので厳密な定義は難しいですが、ロングブレイクを有する展開+キックの質感+跳ね系ベース+長くないスケールのリフ (但し、リフの種類はストイックなのもあれば馬鹿っぽいのもある)がキーポイントになってくるのではないでしょうか。
曲の中にロングブレイクが入る以上、展開はかなり曲に左右されます。
またリフについても複数を重ねられる作りにはなっていないため、ミックスの自由度と云う点に於いては高いとは言えない音楽です。
この点がこれまでに紹介したテクノとは大きく異なりますね。

但し、選曲の自由度はピカイチで、全てをカバーしきれない程多種多様なスタイルを内包しており、また現在進行形でその枠をグイグイ広げております。
そのため、ハードハウスを足掛かりに周辺ジャンルへ移行すると云ったこともかなり容易にできるのがこのジャンルの強みの1つだと認識してます。
次にどんな音が流れるのか予想しきれない音楽、それがハードハウスです。
(いやー長かった。)

と云うわけで次回の『特別連載:ハードテクノとは何か?』につきましては08月22日に公開。
小テーマはハードテクノシーン屈指の破壊力を誇る音楽、シュランツ編をお送りします。

そして次週08月13日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 目次

第1回:黎明期編
第2回:ハードミニマル編
第3回:ハードアシッド編
第4回:ハードトライバル編
第5回:ハードハウス編 (今回)
第6回:シュランツ編
第7回:ハードグルーヴ編
第8回:インダストリアル編
第9回:テックダンス編

番外
第1回:メロディアス・ハードテクノ編
第2回:ハードダンス編
第3回:ディスコ編

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特別連載:ハードテクノとは何か? – 第4回:ハードトライバル編


特別連載:ハードテクノとは何か?
第4回:ハードトライバル編
特別連載:ハードテクノとは何か? – 目次

第1回:黎明期編
第2回:ハードミニマル編
第3回:ハードアシッド編
第4回:ハードトライバル編 (今回)
第5回:ハードハウス編
第6回:シュランツ編
第7回:ハードグルーヴ編
第8回:インダストリアル編
第9回:テックダンス編

番外
第1回:メロディアス・ハードテクノ編
第2回:ハードダンス編
第3回:ディスコ編

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

と、その前に。

2019/9/7 Hardonize #34


次回Hardonizeの開催情報が公開となりました。
此度ゲストにお招きしたのはATTさん、そしてni-21さんのおふたりです。
共に長きに渡って東京でハードな4つ打ちダンスミュージックを奏でているベテラン同士。
手前味噌ながら小箱で行うパーティーにしてはかなり豪華な組み合わせであることは間違いありません。
何より、数々のパーティーや音楽を経由していながら現行のハードテクノにスポットを当てることが出来る2名とあって、今回はよりストレートにハードテクノとはこれだ!と云うテーマを提示できる回であると確信しております。
無論、我々レジデントDJもそれに沿った選曲を心掛ける所存です。
お前が言うなって言われそうですが。

09月07日の土曜日、15時より早稲田茶箱にて執り行います。
どうかよろしくお願い致します。

さてさて、ここ数回に渡ってお送りしております、ハードテクノが内包する音楽のスタイルについて解説していくコーナー、今回はその4回目となります。

初回ではハードテクノのサブジャンルについて上のような図を用いて表した上でハードテクノの特徴を
・メインストリームテクノよりは速いテンポ
・4分打ちのハイハットによる疾走感のあるグルーヴ
・キックの強度やベースの厚み
としました。
今回はこの中のハードトライバルと云う音楽について紹介していきたいと思います。

前回同様これもまた注釈になりますが、今回ご紹介するタイプの音楽も単一のジャンルとして広く認知されている名称があるわけではありません。
名称からお察し頂いた方もいらっしゃるとは思いますが、今回ご紹介するのはトライバルテクノと云う音楽と、ハードテクノと云う音楽の交配種に当たるため、どちらかのジャンルとして一括りにされているケースが殆どであるためです。
より正確に表すならトライバルハードテクノと云う呼称で紹介すべきなのでしょうけれど、以降の紹介で何度も用いる単語としては長いものになってしまうので、今回は略称としてハードトライバルで統一させてください。

ちなみに、似たような音楽ジャンルの名前にハードテック・トライブと云うものがありますが、全く別の音楽です。
ただ、テクノから派生したアグレッシヴ(≒ハード)な音楽である、と云う点に於いては共通しているので、ご興味があればこちらの日本語情報サイトをご覧ください。

http://hardtek.jp/

日本のクリエイターも数多く存在するので、今や音楽的な知名度としてはこっちの方が高いかもしれません。
自分も10年単位で追いかけている好きな音楽です。

話を戻してトライバルハードについてですが、実は今回のテーマは僕が特別連載をやるまでもなく、774Muzikさんが過去にガッツリ取り上げていたりします。

今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/08/15


これを書くように煽ったのは僕ですが、長年この手の音楽に肩入れしているだけあって物量が凄まじい。ここまでやれとは言ってない。
代表楽曲のアーカイブとしては大いに参考になること間違いないのですが、時系列順に補足を設けながら紹介していくと云うのがこの特別連載のテーマでもあるので、今回は自分なりにトライバルハードについて述べていきます。

あと2019年現在での活動アーティストについても触れたいですし、その辺りは前述の記事でもあまり触れられていなかったので。
・・・なんてことを言うと774Muzikさんは乗っかってくるのかしらどうなのかしら。

さて、ここに至るまで頻出していたトライバルとは一体何のことやらってところから説明すると、早い話がパーカッションリズムです。
テクノに限らずですが、90年代ダンスミュージックの作曲と云うのはハードウェア機材によって賄われており、機材の機能や処理の制約をモロに受ける時代でした。
今でこそテクノ、ハウスにとっては名機と呼ばれているリズムマシンRoland TR-808Roland TR-909にしても使える音源の種類や同時に再生できる数には限りがあり、どうしてもシンプルなリズムにならざるを得なかったと云う背景があったのです。
また、リズムマシン特有の機械的な音色がテクノのキーワードである無機質な反復リフと相性が良かったこともあり、あえて生音感の強いパーカッションを加える発想がそもそもなかったようにも感じます。

やはりと云うかなんと云うか、そこを見事にひっくり返したのが特別連載の第1回でも触れたJoey BeltramJeff Millsでした。
(この連載を続ける度にこの2人って凄かったんだなと再認識している次第です。)

Joey Beltram / The Start It Up

The Start It Up (Original Mix) by Joey Beltram on Beatport

1994年リリース。
テクノの定義が曖昧な頃にリリースされた、だからこそテクノとしか呼べない曲。
一聴して分かる異様に誇張されたパーカッションの音は当時かなり珍しく、後年のトライバルテクノの源流と言って良いトラック。
と云うか今聴いても十分異様ですね。

Jeff Mills / Alarms

Alarms (Original Mix) by Jeff Mills on Beatport

1996年リリース。
デトロイトテクノやミニマルテクノのイメージが強いJeff Millsですが、早期からパーカッションリズムを取り入れたトラックをリリースしており、また彼のレーベルThe Purpose Makerからのリリースにはこの手のトラックが必ず入っていたこともあってこのスタイルのテクノを世に知らしめた貢献者であることは間違いありません。

ちなみにこの盤が収録されているA面の1曲目には彼の代表曲でありテクノの一大アンセムであるThe Bellsが入っていると云う、シーンに於いて台風の目となった作品。

もう1つ、同時期のクラシックを挙げるとすると個人的にも大好物なコチラ。

Grooveyard / Watch Me Now

Grooveyard – Watch Me Now || EC Records – 1995 – YouTube

1995年リリース。
Secret Cinemaの変名義であるGrooveyardの名の元にリリースされた名作。
と云っても実は複数の既存曲を掛け合わせたマッシュアップだったりするのですが(リズム部分はコレで、声ネタはコレ)、ブラッシュアップされたリズムはテクノやハウスとの相性が良く、多くのDJにプレイされました。
特にベースの深度が1995年のソレではないです。
現代のベースミュージックから普通に繋いだりできます。

余談ですが、上記の曲に更にInner City / Good Lifeを重ねたものが存在します。

Devilfish / Manalive

Manalive (Original Mix) by Devilfish on Beatport

アンセムにアンセムを足して割らない。
この頃Just Kick!だったり、大ネタ同士のマッシュアップがちょっと流行してました。

90年代後半になると、このパーカッションリズムのテクノは徐々に浸透し始め、このスタイルを背負って活動するアーティストが出始めます。
最大勢力は何と言ってもBen Simsでしょう。

Ben Sims / Impact (Killabite Remix)

Ben Sims – Impact ( Killabite Remix )

1999年リリース。
KillabiteはBen Simsを含む3人ユニット。
前述の1990年代中盤のトラックはテクノの枠の中にパーカッションリズムを加えた、と云う意味で画期的だったのに対し、こちらはパーカッションリズムを中心軸に据えながらテクノとして構築すると云う逆のプロセスを採択している点に於いて少し質が異なるように聴こえます。
ベースも少しうねりのあるものになっていてファンキーな印象。

Ben SimsはTheory RecordingsHardgroove、そしてIngomaと云う複数のレーベルの運営を行い、このスタイルのテクノを強力に後押しする存在になっていきます。
後にBen Simsチルドレンと呼ばれる存在も出てくるようになるほど、強い影響力がありました。

Ben Simsと同時期にシーンを支えていたアーティストとしてSamuel L Sessionの存在も重要です。

Samuel L. Session / Tribecutz Vol. 1 – B2

Samuel L. Session – Untitled ( Tribecutz Vol. 1 – B2 ) – YouTube

2000年リリース。
EPのタイトルも『民族』であればジャケットも民族、勿論曲も民族的なテクノ。
本作があったからと云うわけではないでしょうけれど、民族的なパーカッションをはじめとするリズムの手数が多いテクノトライバルテクノと呼ぶのが一般的になったのはこの頃ではないでしょうか。

Samuel L. Sessionはデビュー当時ポストJeff Millsと謳われた程、ミニマルやデトロイトテクノの色が強かったのですが、
大体この辺りの頃からトライバルテクノ色が強くなっていきます。

Paul Macもまた当時を代表するトライバルテクノのクリエイターです。

Paul Mac / Cards On The Table (Original Remastered)

Cards On The Table (Original Remastered) by Paul Mac on Beatport

原曲は2002年リリース。
上記試聴は2007年に出たリマスター版です。
この頃になるとハードウェア機材の技術向上や、デスクトップパソコンを作曲に用いることも容易になり、上で述べたような機材スペックによる制約と云うものは減ってきます。
従ってこの曲のようなパーカッションリズムに留まらず、民族音楽のリフをそのまま用いるような曲が出るようになってきました。
また、リズムの硬質化やテンポの高速化など、徐々にハードテクノへの接近もするようになったのもこの頃です。

若干時代が前後しますが、トライバルテクノがハードテクノに接近するかしないか、と云う頃に出た曲で印象に残っているのがこちら。

Tomaz, Filterheadz / los Hijos del Sol

los Hijos del Sol (Original Mix) by Tomaz, Filterheadz on Beatport

2001年リリース。
この後プログレッシヴを経てメインストリームテクノに戻ってくると云う経緯を辿るFilterheadzですが、活動初期の頃はバッチバチのトライバルテクノを作っていました。
パーカッションあり、声ネタループありでエキゾチックな雰囲気を醸しつつもなかなか太いキックが鳴り響く攻めっ気たっぷりの曲。

個人的な話になりますが、テクノと云う音楽を知り始めの頃にたまたまヴァイナルで買っており、テクノと言えば金属音の集合体みたいな印象を持ったまま針を落としたもんで、『思ってたのと違う。』ってなった記憶があります。

以前行ったFilterheadz特集回はコチラ。

さて、上述の通り2000年以降にトライバルテクノの一部がハードテクノに接近していく動きが出てきました。
そんな中で生まれたこの曲がこれだったわけです。

Cave / Street Carnival

Cave – Street Carnival (Original Mix) – YouTube

2003年リリース。
テクノシーンのみならず周辺音楽をも巻き込んで大ヒットを記録したCaveのファーストEPにして出世作。
ここまでの爆発力を誇るブレイクは少なくともテクノでは比肩するものがないように思えます。
この曲については以前行ったCave特集回にて散々触れたので、そちらをご参照ください。

決定的にハードテクノと接触したと感じたのはこれを聴いたときです。

Killa Productions / Give It Up (Re-Edit)

Killa Productions – Give It Up ( Re-Edit ) – YouTube

2004年リリース。
一応リズムに元ネタが存在するのですが、それを食ってしまう勢いの重厚なグルーヴ。
あとこれもブレイクの爆発力はかなりのもの。
ちなみに別面にはInner City / Good Lifeネタが収録されており、知名度としてはそちらの方が高かったりします。

さてこのKilla Productionsはブートレグ用の覆面名義として発足されたものであり、当初正体不明だったのですが、時を経るにつれてその正体が上で述べたBen SimsPaul Mac、そしてその2人と共にトライバルテクノに貢献していたMark Broomの3人だったことが分かりました。
『いやプロにこんなことやられたらアマは出来ることないじゃん!全面降伏しかないじゃん!』となった一件でした。

トライバルテクノの発現以降トライバルテクノを主軸に活動したアーティストがいたように、2000年代中盤以降はハードトライバルを軸に活動すると云ったアーティストも出てきました。
上で挙げた774Muzikさんの記事内で触れられていたCarl Falkや、Boriqua Tribezと云った方々もその中の1人です。

個人的なオススメとしてはMiche & Mirzinhoが真っ先に挙がります。

Miche & Mirzinho / Thulium

Thulium (Original Mix) by Miche & Mirzinho on Beatport

2007年の作品。
リズムの手数がかなり多く、厚みもあるグルーヴを提示することに長けている東ヨーロッパ出身の2人です。
(近年のハードテクノに於いて東ヨーロッパはアーティストが多く、かなり重要地域。)
シンセリフを使ったアグレッシヴな作品なんかもよく作るので実用性も◎。

Street Carnivalのような爆発力のあるブレイクと云うキーワードを取り出すとこちら。

Ivan Devero / Samba en Madrid

Samba en Madrid (Original Mix) by Ivan Devero on Beatport

2011年の作品。
従来はファンキーなハードテクノのリリースが多かったものの、最近はテックハウス多めなスペインのアーティストIvan Deveroによるもの。
(だから本作のタイトルにマドリードが。)
まぁとにかくブレイクのリズムが派手。
メインの部分は逆にシンプルなグルーヴキープものなので、意外に使いどころが難しい気もしますけど、珍しいトラックであることは間違いないです。

あとは当連載の新譜紹介に於いて時折名前の出るGarett Whiteは近年になってもトライバルハードを手掛ける存在として忘れて欲しくないところです。

Diego Simeone / Italiano Drums (Garett White Remix)

Italiano Drums (Garett White Remix) by Diego Simeone on Beatport

2015年の作品。
こちらもMiche & Mirzinho同様、リズムの太さには目を見張るところがあります。
この曲に限らずですが、Garett Whiteの曲にはリズムにちょいちょいミュートが差し込まれることがしばしばあります。
細かいこだわりなんでしょうか。
いずれ非4つ打ちとか作ったら是非聴いてみたい気がします。

最後に1つ。
ここ日本にもトライバルハードを精力的に作っていた方がいらっしゃいました。
と云うかHardonizeにもかつてお招きした方であり、もっと言えば自分が初めてパーティーを主宰した際にお招きした方でもあります。

Groovetune / Screaming

Buy Facts & Inventions by Groovetune on MP3, WAV, FLAC, AIFF & ALAC at Juno Download

残念ながらGroovetune名義としての活動は大分前に休止してしまったのですが、2006年に出たこのFacts & Inventionsと云うアルバムは全曲ハードテクノ、しかもトライバルハードの占める割合が半数以上であるかなりレアな作品です。
元はCDでの流通でしたが、Juno Downloadで配信されております、と云うかアルバム単位ならその他の作品もそこそこ揃ってます。
日本のハードテクノ史と云う意味でも稀有で重要な存在なので、未聴の方はこれを機に是非触れて頂きたいところです。

以上、ハードトライバル編をお送り致しました。
この音楽の特徴についてまとめると、パーカッションリズム+速い+硬い(反面、シンセサイザーを用いたリフは少ない)がキーポイントになっています。
タダでさえリズムの手数が多いので、あまり長時間に渡って複数の曲を同時再生出来る構造にはなっておりません。
一方で割と短いスパンで次々繋いでいくと云うMIXスタイルは取りやすく、パーカッションと云うパートに軸足を置いている限りメロディーによる不協和音も起こりにくいため、案外自由にDJを行うことができると云う点は便利です。

1番の難点は探しにくさです。
冒頭で述べたように、ハードテクノにもトライバルテクノにも分類されているため、両方のカテゴリーをくまなく探すほか見つけ方を知りません。
あとはアーティストやレーベルに関する知識をどれだけ持っているかに直結してくる気がします・・・この辺りを774Muzikさんにフォローしてもらおう。うん、それがいい。

と云うわけで次回の『特別連載:ハードテクノとは何か?』につきましては08月09日に公開。
小テーマはハードテクノから少し離れた界隈で成長を遂げたものの、結果的に一部がハードテクノそっくりになってしまった音楽、ハードハウス編をお送りします。

そして次週07月30日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 目次

第1回:黎明期編
第2回:ハードミニマル編
第3回:ハードアシッド編
第4回:ハードトライバル編 (今回)
第5回:ハードハウス編
第6回:シュランツ編
第7回:ハードグルーヴ編
第8回:インダストリアル編
第9回:テックダンス編

番外
第1回:メロディアス・ハードテクノ編
第2回:ハードダンス編
第3回:ディスコ編

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