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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2019/05/16

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

Hardonize本編の日も来週と迫ってまいりました。

2019/05/25 Hardonize #33

告知の通り、今回のゲストはbirdheadさん、そしてDon2Kの2組となっております。


各々に関するご紹介を改めて申しますと、まずbirdheadさんはオールドスクール・レイヴを専門とするDJ。
DJとしてのキャリアもレイヴの黎明期である90年代初頭からなので、ざっくり30年近く。
従って当時リアルタイムで買われていた、今となっては激レアのヴァイナルがbirdheadさんのライブラリにゴッソリ含まれております。
ちょっとした歴史資料館と言っても差し支えない気がします。

テクノが発展する過程に於いてレイヴミュージックとの関係性は切っても切れない間柄です。
レイヴを象徴するアシッドシンセやフーバーと云った新しい音はそのままテクノに応用され今日に至っておりますし、その攻撃的なスタンスを取り入れ、1つの音をより強化、先鋭化させたものが後にハードテクノに繋がっていくわけです。
レイヴが持つメロディアスな要素をより洗練させることで確立したトランスもまたテクノと相性の良い音楽であり、現在も様々な形でクロスーオーバーが行われていますね。

そんなある意味ご先祖様とも言えるレイヴサウンドの具体例がこちら。

DJ Seduction / Hardcore Heaven (The Hardcore Mix)

Hardcore Heaven (The Hardcore Mix) by DJ Seduction on Beatport

試聴頭で聴こえるのはドミネーターと呼ばれるシンセの音で、これもこの手の音楽では良く使われるサウンドアイコン。
ブレイクビーツ、ハウス、その他色々入り混じった粗っぽく下品でありながら自由度が高く派手な曲がレイヴの醍醐味の1つだと思っています。
現行のメインストリームテクノにレイヴ回帰が起こっている今(※)、改めてその原点にしてコアの部分を聴こうじゃないかと云うのがこの度birdheadさんをお招きした理由の1つです。
今回、それが叶ったことを嬉しく思っております。
まぁ、Keith Flint追悼の意味もあるにはあります。


もう1組、Don2K(読み方はドンツク)はそれに相対して若手の2人組。
トラックメイカーとして活動しているs-donさんと、DJとして活動しているK→CHOHさんによる、テックダンスに焦点を当てたユニットです。
過去Hardonizeにご出演頂いたni-21さん率いるハードダンスパーティー、ENIGMAのクルーであり、自身もHYVEと云うハードサウンドに重点を置いたパーティーを主宰するなど精力的に活動されております。

まさしく先述のトランスとテクノによる相互作用の結果の産物がテックダンスです。
テクノの持つ硬いリズムとトランスが得意とする派手なシンセを併せ持ったこのアグレッシヴなダンスミュージックは、ハードダンスの第一人者YOJI BIOMEHANIKA氏が先陣を切る形で日本から海外へ発信されました。
その結果、数多くの楽曲やレーベルが生み出され、果てはクラブと云う枠組みを超えてゲーム楽曲としても採用されるまで広まりました。

少し前の作品になりますが代表的な曲として以下のものを挙げておきます。

Oyaebu / Ferret

Ferret (Original Mix) by Oyaebu on Beatport

テックダンスはテクノ、トランスのみならず、その2つが吸収した音楽すらも内包していく業の深い音楽です。
それもあって昨今に通ずるEDMやダブステップの影響が見られるこの曲は、割とインパクトが強くて好みでした。
異なるフィールドの音楽がそれぞれの良さを持ち寄って新たなスタイルを確立していく、と云うのは音楽が発展していく上で欠かせない事象だと思っているので、若い感性を持つ2人がそれをどう噛み砕き、MIXとして昇華させるのかと云うのはとても参考になると思います。
こちらもまた楽しみにしております。

と云った塩梅の2組が今回のHardonizeに華を添えて頂けることになっております。
ハードテクノの『これまで』とハードテクノの『これから』、そしてレジデントメンバーがハードテクノの『今』をお送りします。
来週05月25日土曜日の15時より早稲田茶箱にて開催。
何卒よろしくお願い致します。


レイヴ回帰が増えている一例としてどうしてもご紹介したい曲がこちら。

T99 / Anasthasia (Pulsar Remix)

Anasthasia (Pulsar Remix) by T99 on Beatport

T99Anasthasiaと云えば1991年にリリースされたオールドスクールレイヴを代表する1曲であり、数えきれない程のコンピレーション、MIXに収録された他、正規版は元よりリミックス、ブートレグの数もまた膨大。
挙句の果てにはタモリ倶楽部の名物コーナー、空耳アワーで取り上げられたこともある、とにかく有名な曲なワケです。
それが今年、リリースから四半世紀以上経過した2019年である今年、リミックスEPが3つも立て続けにリリースされると云う完全に分からない事件が起こりました。

Check out Anasthasia (2019 Remixes), Pt. 1 by T99, IG on Beatport
Check out Anasthasia (2019 Remixes), Pt. 2 by T99 on Beatport
Check out Anasthasia (2019 Remixes), Pt. 3 by T99 on Beatport

オマケにPt.1の1曲目を担当したAbbeloos OlivierT99本人です。
あくまで暫定ではありますが、今年のテクノ大事件1位です。
ハードテクノ的にはPt.1に収録されているDanilo Incorvaiaのリミックスが使いやすそうですけど、当時のオールドスクール感満載のブレイクビーツがドツボだったため、上ではPt.3収録のPulsarのリミックスを掲載しました。
いや言うまでもないですけど3つ共全曲オススメです。マジで。
何でしたらこの3作品の収録曲だけでレビュー書けそうです。

さて、先週はBEPPUさんが主宰しているハードテクノパーティー、Uに出演致しました。
ご来場頂いた方、ありがとうございました。

普段はよりハードなサウンドをプレイしている方々がテクノをプレイする回とあって、パーティー通してかなり貴重な場であったと認識しております。
各々のテクノに対する趣向の違いがモロに出ていて参考になりました。
楽しかったです。

で、ワタクシはこの日のタイムテーブル順によるとほぼ真ん中と云うポジションであり、後ろの人たちがハードグルーヴだったりアシッドハードテクノだったりと割合派手目な音で固まっていたため、『前の人からは非4つ打ちで緩く受け取りつつ、徐々に音数増やして最後の方で1~2曲アップリフティングな系統が出来れば良いや。』くらいに構えていたわけです。会場に着くまでは。

したらば会場に着くなりいきなりオーガナイザーのBEPPUさんより『明るい音でやって欲しい。』と云うリクエストを受けるわけです。
この時点でテンパイ度1ですが、まぁオッケー。まだ全体の割合変えれば何とかなる。
とりあえず最初は変えず、中盤の展開を考えるかくらいに構えながらパーティーの進行を楽しんでいると、2番手Bishamonさんのプレイでまぁ選曲が被ること被ること。
上で書いた『前の人からは非4つ打ちで緩く受け取りつつ徐々に音数増やして』が事前の示し合せなしに完璧に先取りされてしまい、曲そのものも被ってしまったためこの時点でテンパイ度10くらい。

じゃあもう初っ端から明るい方向でやっていくしかないのかと思いきや、ワタクシの前にプレイしたtcmzさんはゴリゴリのインダストリアル。
終始ノイズみたいな音と歪んだキックが空気を蹂躙しており、どう頑張っても明るい音にシフトできる状態ではありませんでした。
人間って窮地に追い込まれると笑うんですね、マジで。

いよいよテンパイ度50にまで達してしまった感があり、バーカウンターの隅の方でラップトップ広げながら過去のトラックリストを参考にしつつ、あーでもないこーでもないと唸っていたワケなのですが・・・どうもそれが面白かったんでしょうね。
共演者、お客さん諸々入れ替わり立ち代わりで煽りの嵐。
『おっ、アシッド?アシッドやるの?』
『出番早くて良かったー。』
『ギャバンかけようぜ。』
いいかお前ら絶対忘れないからな。

結局ほぼ何も定まらないまま、テンパイ度100の状態でスタートとなりました。
近年ここまで絶対絶命な状況に立たされたことがなかったので、忘れていた何かを思い出した良い経験になりました。(精一杯の取り繕い。)
トラックリストはこんな感じでした。

45分とはいえ、あからさまに使用曲数が少ないところに必死さが表れてます。
中盤でディスコ、アーリーハードハウスにシフト出来たときは本当に安心しました。
Knuckleheadz特集で触れた通り、この手の音楽もテクノ、トランス、ハウスの良いとこどりと云う感じがして好きなので、プレイ人口が増えることを願っております。
最後に使ったのがこちら。

S-Connection feat AnaBelle / Summerlove ’97 (Scorccio Hot Mix)

S-Connection feat. Anabelle – Summer Love (Scorccio Hot Mix) (1997) – YouTube

グルーヴィー且つファンキーな97年の名作。
いずれHardonizeでも使いたいですね。出来ればタイトル通り、夏と近いうちに。

実はその前の日にEDC Japanに行ってきました。
ULTRA JAPANTomorrowland同様、所謂EDMのフェスで、この手のイベントに行くのは4年振りと結構久しぶり。
オープンエアーの中、豪華絢爛なステージをぶらぶら移動しつつテキトーに休んだり踊ったりと云うのはやっぱり楽しいものでした。

ちなみに今回はJosh WinkMarcel Dettmannと云ったテクノの方々にもスポットが当たっていました。
2人共テックハウスを軸に随所にエフェクトを差し込みつつじわじわと空間を掌握していくプレイで、ハコで聴いても映えそうな音だなと思ったりしつつ。

でもこの日のワタクシの大目当てはExcisionSkrillexでした。
ハードテクノのブログなのにごめんなさい。
前者はワタクシがダブステップと云う音楽を認知した2011年ぐらいから今までずっと好きで、今回初来日だったと云うのがあっていてもたってもいられず。
後者は意外にも今まで1度も見に行ったことがなかったのでようやくと云う感じでフルで堪能しました。

両者共に圧巻でした。
圧倒的なベースの音圧とメタルライクなサウンドで暴力的な音運びをしたExcisionと、過去の自分の曲までしっかりフォローしつつ最後に宇多田ヒカルとのコラボレーショントラック、Face My Fearsで〆たSkrillex。
両者を知った切欠となったダブステップと云う音楽がここまでメジャーになるとは当時思ってもいなかったですが、それを後押しした2人のプレイを1日で体感できたのは大変贅沢でした。
良い経験になりました。

当日実際にかかった曲でもあり、最近のExcisionの作品として紹介したいのはこちらですが、

Excision / Exterminate

Exterminate (Original Mix) by Excision on Beatport

強いてハードテクノとの関連性を考えるならば某大ヒット映画の影響も踏まえてこっちかもしれません。

Excision & Downlink / Rock You

Excision & Downlink – Rock You [Free Download] by Excision | Free Listening on SoundCloud

当時は珍しかった4つ打ちダブステップ。そして大ネタ
公開当時はフリーダウンロードだったのですが、今見たらリンク切れのようです。残念。

さて、テクノの話に戻しましょう。
Hardonize本編が来週05月25日土曜日だと云うことについては冒頭で触れた通りですが、この日の夜、なんとWehbba来日でございます。

iFLYER: INTENTION with WEHBBA (DRUMCODE) @ WOMB, 東京都

Wehbbaについては以前ボスが特集回を組んでくれたこともあるのですが、以前はハードグルーヴを手掛け、現在はメインストリーム系テクノを手掛けているブラジルのクリエイターです。
ハードテクノ時代も多くの名門レーベルからリリースしており勢いがありましたが、近年のDrumcode参加以降の活躍がやはり凄まじいですね。
と云うか前述のUでもかけたのですが、彼のつい最近出た曲、これ、イカれてませんか?

Wehbba / Third Wave

Third Wave (Original Mix) by Wehbba on Beatport

基本的には深いグルーヴを維持しつつ無機質な進行をするのですが、ブレイク明けのピアノ連打がインパクト絶大。
Youtubeのフル試聴だと分かるのですが、この仕掛け、ブレイク明け以外にも散らばっています。
渋さ一辺倒と見せかけてそうじゃないと云うある種の勝負意気を感じさせるトラック、こういうのに弱いですワタクシ。
ちなみにこの曲、2019年05月16日現在でBeatportのテクノチャート6位です。
凄い。

これを新鮮なうちに東京のWOMBと云う大箱で聴けるやもしれんのです。
あと単純にWehbbaが好きなので現行のプレイがどのような感じなのか聴いてみたいと云うことで、Hardonizeの後ですけどめっちゃ行きたいんです。
と云うわけでお時間のある方はハシゴしませんかと云うお誘いです。

ちなみに、その前日にはFatima HajjiPig&Danと云う組み合わせが来日します。

iFLYER: ALIVE presents REBOOT feat. PIG&DAN, FATIMA HAJJI @ SOUND MUSEUM VISION, 東京都

これもこれで凄い。
Fatima Hajjiも元ハードテクノのクリエイターとして名を馳せた人ですね。

Fatima Hajji / FiestaH Techno Go! (Hard Version)

FiestaH Techno Go! (Hard Version) by Fatima Hajji on Beatport

最近の作風ですとこんな感じ。

Fatima Hajji / Taking over

Taking over (Original Mix) by Fatima Hajji on Beatport

テンポ的には落ち着いたものの、やはりハードテクノの名残が見え隠れするトラックが多く、現行のプレイがどういったものになるのかと云う興味は大きいです。

対するPig&Danはバリバリ現行のメインストリームテクノを牽引している立役者。

Pig&Dan, Adam Beyer / Capsule

Capsule (Original Mix) by Pig&Dan, Adam Beyer on Beatport

奇遇なことにこちらもDrumcode所属のクリエイターです。
つまり人によっては立て続けにDrumcode成分を摂取できる週末になりえます。
1996年の設立当初から現在に至っても尚テクノと云う音楽の最前線に立っているレーベルだと思うので、是非来週末は各々予定を立てて遊び倒しましょう。

更に付け加えるとその前の20日月曜日には常日頃お世話になっている秋葉原重工が渋谷Contactで平日パーティー、秋葉原重工 – Akihabara Heavy Industry Inc. Shibuya Branch #1を施行したり、
23日木曜日には常日頃お世話になっているREV-TUNEさんが中野heavysick ZEROENERGY FOR WEEKENDと云うパーティーを新たにスタートさせるなど、身近なところでもなんか盛り沢山過ぎてヤバいです、来週。
と云うのを紹介していたらこれだけで相当な文量になってしまう位にはヤバいので、今回はアーティスト紹介は無しとさせて頂きます。
直近のパーティー情報紹介(+日記)と云うことで1つよろしくお願いできればと。

とにかく来週は遊びましょう。
その中の1つとして我々Hardonizeもどっしり構えて皆様のお越しをお待ちしております。
どこかでお会いできるのを楽しみにしております。

次週05月21日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2019/05/02

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

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#安倍総理 からの#メッセージ ?? 本日、元号を改める政令を閣議決定いたしました。 新しい元号は「令和」であります。 これは、万葉集にある「初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫す」との文言から引用したものであります。そして、この「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められております。 万葉集は、千二百年余り前に編纂された日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であります。 悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。こうした日本の国柄を、しっかりと次の時代へと引き継いでいく。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込め、「令和」に決定いたしました。文化を育み、自然の美しさを愛でることができる平和の日々に、心からの感謝の念を抱きながら、希望に満ち溢れた新しい時代を、国民の皆様と共に切り拓いていく。新元号の決定にあたり、その決意を新たにしております。 五月一日に皇太子殿下が御即位され、その日以降、この新しい元号が用いられることとなりますが、国民各位の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。政府としても、ほぼ二百年ぶりとなる、歴史的な皇位の継承が恙なく行われ、国民こぞって寿ぐことができるよう、その準備に万全を期してまいります。 元号は、皇室の長い伝統と、国家の安泰と国民の幸福への深い願いとともに、千四百年近くにわたる我が国の歴史を紡いできました。日本人の心情に溶け込み、日本国民の精神的な一体感を支えるものともなっています。この新しい元号も、広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根ざしていくことを心から願っております。 . #新元号 #令和 #世界に一つだけの花 ?? @shinzoabe

首相官邸さん(@kantei)がシェアした投稿 –

新元号、あけましておめでとうございます。

この挨拶正しいのか?
まさか正月に続いてこのフレーズを使うことになるとは思いませんでしたが、遂に平成が終わってしまいました。
昭和から平成に変わる頃のワタクシはまだ物心付く前だったので、特に感慨も実感もなく、大方過ごしていたのがこの平成時代と云うことになります。
音楽に触れ、クラブミュージックを知り、実際にクラブに足を運び、DJを始めたその全てが平成時代。
そう考えると少し寂しくもありますね。

この令和時代も新しい音楽が次々生まれ、そして見つけられることに期待を寄せつつ、皆様に於かれましても平穏に過ごせる時代であることを願っております。
少なくとも次回Hardonizeの開催日である05月25日までは元気でいて頂きたい。
(雑な告知導入。)

2019/05/25 Hardonize #33

それと、明日03日に早稲田茶箱で行われる茶箱16周年記念企画 茶箱テクノ感謝祭に店長のご好意で急遽出演させて頂けることになりました。
オフィシャルのインフォメーションには記載されておりませんけれども、出演者の1人であるYebisu303さんのツイートを以下に貼り付けております。


同店に於ける16年の歴史の中でテクノをプレイしてきた業の深い人たちが一堂に会するパーティー。
ワタクシがDJを始めた14年前から縁のある方々ばかりなので、同窓会の様相が強い。
HardonizeからはSangoさんも出演しますので、お時間のある方は是非お集まりください。

時は前後しますが、先週はTOKYO HARD GROOVE SESSION ’19 -Spring-に出演致しました。
ハードダンス~ハードコアを始めとする『強い』音楽の見本市とも言える名物パーティーが2年振りに復活と云うことで、そのような機会に携われたことは大変光栄でした。
本来ならそちらに寄せた選曲を心得るべき・・・であることは重々承知しておりましたが、平成最後と云う状況に抗えず、結果このようなDJをしてきました。


平成J-POP縛り。
持ち時間35分と云う短かい尺で詰め込んでみたものの、結局使えなかった曲がそこそこ・・・でも楽しかったです。
交代の際、順番後ろのTakayuki Kamiyaさんが完全にやさぐれていたのが印象的でした。

でもってその翌日が同人音楽即売会M3でした。


明らかに買い過ぎました。
全体的な傾向としてはハードダンス、ベースミュージック辺りが多く、次いでテクノ、少量エレクトロニカとハウスと云う塩梅です。

しかしここにきて出展サークルの質が上がったと云うか、具体的にはクラブDJとして活動している人の作品発表の場と云う側面がより増してきた気がします。
一通り聴いたところですが、この日買った音源だけで現場に臨むことも案外普通にできそうです。

もう前置きは充分でしょう。
今回は当連載に於いて5回目となるM3特集です。

前回『M3-2018秋』特集はコチラ、

今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/11/15

それより以前の特集はコチラになります。

今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/05/17

今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/11/02

今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/05/04

これまでと同様、表記順は『【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメを挙げていきます。

それでは

『M3-2019春』で買った同人テクノ

いってみましょう。
あーラーメン楽しみだなー。

本間本願寺 / 源氏香4 [International Techno Conference]

Genjiko4_preview – YouTube

過去4回M3特集をやっている中で唯一全ての回で取り上げているのがご存知、Homma Honganjiさんの作品。
毎回欠かさずフルアルバムサイズの新譜を出しているのが凄いなと云う印象ですが、此度もハードテクノ、ハードグルーヴアルバムのシリーズ4作目を引っ提げてくれました。
パーカッション+厚みのあるベースライン+アーバン~ファンキーなリフと云う3種の神器を携えた全11曲。
その全てがフロアユースなので、もう次のHardonizeはこれだけで良いんじゃないかと云う仕上がりです。御美事。
個人的な好みはとりわけファットなベースラインと儚げな女性声ネタが対照的な5曲目、藤枝

http://bigfire.info/

V.A. / MEGATECH VOICE EP [秋葉原重工]

AHIEP11 – MEGATECH VOICE EP by Akihabara Heavy Industry Inc. | Free Listening on SoundCloud

こちらも過去に複数回紹介しており、Hardonizeも度々お世話になっているパーティー、レーベルである秋葉原重工より、今回のM3で初売りとなった作品のうちの1つがこちらです。
複数人のアーティストによるコンピレーション作品。
収録曲数は若干少なめとなるEPサイズではありますが、深いメインストリーム系は元よりモダンテクノやハードミニマルまでスタイルが広く、横断的にテクノを聴きたいと云う人にオススメできる内容です。
個人的な好みは浮遊感のあるシンセと機械的リズムが90年代後期のテクノを彷彿とさせるAtomicさんによる4曲目、HIVE

余談ですが、今までの作品のジャケットは実写か幾何学デザインだったのに対し、この作品では初めてイラストを起用しています。
手に取った時ちょっと意外でした。

http://www.ahiweb.info/

V.A. / OmanticDatafruits vol. 2 [datafruits & OmanticRecords]

OmanticDatafruits vol. 2 (M3 え-16b) by datafruits | Free Listening on SoundCloud

以前紹介したことのあるテクノのネットレーベル、OmanticRecordsが無国籍ネットラジオdatafruits.fmと手を組んで作ったコンピレーション。
上で貼付したのはvol. 2ですが、vol. 1と同時発売。
でもって既にdatafruitsのbandcampアカウントで販売が開始されております。

インターネットを媒介としたメディア同士のコラボレーションとあって内容はテクノ、ハウスを基調としつつ、他ジャンルからのサンプリングや要素をコラージュ的に用いたようなクセの強いものばかり。
OmanticRecords主宰のksd6700さんは勿論のこと、コバルト爆弾αΩGassyohさんなど参加面子も内容同様、『濃い』作品です。
6曲目に当たるRamayana (alptrack Remix)がトライバルリズムをふんだんに駆使した上でヴォーグハウスとダブステップの中間点を突き進むと云う土着感満載の様相でかなり奇怪。

https://datafruits.fm/
http://omantic.me/

V.A. / 燻製コンピIII [燻製レコーズ]

[M3 – 2019春] 燻製コンピⅢ 試聴用 Trailer by 燻製レコーズ | Free Listening on SoundCloud

レーベル名はちょっとアレですが、国内各地のクラブでDJとして活動されている豪華面々が参加されているコンピレーションシリーズ。
UKガラージ、ドラムンベースときて第3弾となる今回はテクノにスポットを当てた内容。
テックハウス、ハードミニマル、アシッドと動静様々なカラーのテクノが寄り集まっており、これまた全曲フロアユースとなっております。
何より、参加者は普段の活動フィールドはテクノではない方が大半で、『この人こう云う曲作るのか。』と云う意外な一面を知ることができる意味でも貴重な1枚。
6曲目に収録されているDVBSCRiBEさん謹製、ドライスネアとアシッドシンセでアグレッシヴに攻めるPOiNT SiXが好みです。

https://soundcloud.com/kunseirecords

ishikawa tomohiro / 1/ [Shizuoka Techno Group]

1 / 20181226release teaser by ishikawa tomohiro | Free Listening on SoundCloud

正確にはレーベル名はShizuoka Techno Groupではないのですが、出展サークル名がこちらになっていたので便宜上。
どう云うことかと云うと、静岡県でテクノを演奏している方たちによるコミュニティがあり、そこに属している方々が今回合同でブースを出すに当たって付けられたサークル名がこれなのです。
しかも今回初出展だったそうなので、Shizuoka Techno Groupとしての活動実績は今回が初となった模様です。
貴重な機会に邂逅できました。

で、そこで売られていたのが浜松市で活動しているishikawa tomohiroさんと云う方のこのアルバムでした。
アンビエントをベースにした冷たい音がいくつも重なって作り込まれたテクノ。
以前紹介したASCのように、長尺で展開するヒプノティックサウンドがツボな方は好きそうだと思ったりしました。
ライブ映像を拝見したところ、ハードウェアを駆使して演奏されていたりしたので、上手いことTechno Allianceに関わったりしないかなーなんて。

https://soundcloud.com/tomohiro-ishikawa-1

BUBBLE-B / ガモリ3 [TOY LABEL]

BUBBLE-B ALBUM「ガモリ3」 全曲クロスフェード – YouTube

最後にご紹介するのはサンプリングを多用したテクノ、所謂ナードコアの第1世代であるBUBBLE-Bさんの作品集。
四半世紀に渡ってこのシーンを牽引してきた人物なので、存在するだけでありがたい作品。
と云うかもうこのジャケットの時点で既に秀逸。

夜中に聴いてはいけないこんなのも収録されています。
全曲飛び道具かと思いきや、プロデュースを担当したポップスのような楽曲もあり、懐の広さが垣間見える一品。

http://www.bubble-b.com/

まだまだ取り上げたい作品は沢山ありますが、今回はここまで。
上記のShizuoka Techno Groupの例もそうですが、今まで知り得なかった国内アーティストの作品を手に取れることが即売会の醍醐味の1つだと思っています。
まだまだローカルで活動しているアーティストがいる筈なので、ワタクシにはDJでプレイするとかこうして記事で纏めることしかできませんが、今後とも積極的に目を向けていきたい所存。

次週05月07日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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