こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知1】
予てよりご報告の通り、2日後にHardonize #45が開催となります。
2023/10/14(sat) Hardonize #45 at waseda sabaco | Hardonize web
ゲストにDJ KITAさんとDJ YO-Cさんの大先輩2名をお招きした15周年イヤーの〆に相応しい45回目。
ハード且つファンキー、そしてハッピーなヴァイブスを詰め込んだ6時間をお送り致します。
日にちは10月14日(土曜日)、スタート時間が若干変わりまして15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。
尚、予てよりお伝えしておりました参加予約登録フォームは申し込み人数が上限に達したため、締め切りました。
お申込み頂いた方々、本当にありがとうございます。
若干の当日入場枠は設けておりますので、お越しの際はお早目のご来場をお願い致します。
【告知2】
11月25日(土曜日)に渋谷R Loungeで行われるハッピーハードコアの老舗パーティーの年末版、HAPPY JACK 忘年会に出演致します。
次回HAPPY JACKは11/25(土)14時から4年振りに「忘年会」として開催!#HJ忘年会2023
■GUEST
Hommarju■SPECIAL B2B
Morphonics a.k.a 紙袋 vs TAK666
DJ DEPATH vs nadeco■FRIENDSHIP
HOLLY
aSaKO■DJ
DJ CHAMP
DJ ZET
DJ DEPATH
Abitan
SHORT-CUTz■MC
MC ICCIhttps://t.co/pIs1alOWd9 pic.twitter.com/hVaaJhXMQ0— HAPPY JACK / HAPPY DYNAMITE (@HAPPY__JACK__) October 1, 2023
Hardonizeにも出演経験のある大先輩MorphonicsさんとB2Bさせて頂けることになりました。
初の組み合わせです。
今年はこういった先輩格とのB2Bの機会が多くてありがたい年です。
尚、当パーティーのレギュラーであるDJ DEPATHさん曰く『君たちは事前打ち合わせ禁止だから。』だそうで、既に戦いが始まっている感があります。
どうなるか分かりませんが、是非お越しください。
【近況】
前回、DJ用ラップトップが2台になった話を書きましたが、新端末のセッティングは終わりませんでした。
というか過去解析した楽曲データを復元するのが本当に手間。
(この辺りでどうしてこうなっているのかお察しください。)
今時カビが生えているくらいよく聞くフレーズをあえて言いますけど、バックアップは大事ですね。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
で、今回のゲストのDJ KITAさんとDJ YO-Cさんは共にハードハウスとその周辺音楽を強みとしている方たちなので今回はそこに焦点を当てようと思います。
特別連載に於いては第5回に取り上げた、ハウス、トランスの要素を持ち合わせたハイブリッドなハードダンスのスタイルであり、
この音楽にスポットを当てた特集は過去5回(※)行っております。
※
新作ハードハウス (2023年07月版)
新作ハードハウス (2022年03月版)
新作ハードハウス (2021年05月版)
新作ハードハウス (2020年12月版)
新作ハードハウス (2020年04月版)
しかしこれらは全てその時の新譜にスポットを当てており、直近で07月に新譜紹介を行っているので、同じ内容のテーマ回が続くのは個人的にはあまり面白くない。
ならばと今回は趣向を変えまして、
について取り上げていきたいと思います。
今回のゲスト両名も未だに当時のヴァイナルを駆使するプレイヤーなので、今回取り上げた中から当日使われるものも中にはあったりするのではないかという期待も込めています。
とはいえ、この音楽も歴史が長く、また様々な派生スタイルが入り混じっていることは特別連載内で触れた通りなので、あくまで個人的な趣向で10曲セレクトという形になります。
あと、現在配信で手軽に購入が可能な曲に絞りましたが、これのせいで紹介できなかった曲が大量に・・・まぁ昔の曲を紹介する際の一種のジレンマですね。
早速ですがハードハウスクラシック紹介いってみましょう。
【曲紹介】
参考までに特別連載内で取り上げたトラックも一部改めて貼っておきます。
この辺りもクラシックには違いないので。
Kadoc – The Nighttrain (Original) [Altra Moda] | Music & Downloads on Beatport
Camisra – Let Me Show You (Original Mix) [Altra Moda] | Music & Downloads on Beatport
Stomp to My Beat (Radio Edit) – Song by JS16 – Apple Music
Cortina – Music Is Moving (Bk & Dbm Amber Mix) [Nukleuz] | Music & Downloads on Beatport
以下本題。
Untidy Dubs – Funky Groove (Original Mix) [Untidy] | Music & Downloads on Beatport
1998年リリース。
ハードハウスの名門Tidy TraxのサブレーベルUntidyの初期作品に当たります。
ホイッスルとコーラスが特徴的なサンプリングはGary Toms Empire / Feel That Funky Grooveが元ネタで、テクノに於いても使用されているので耳に覚えのある方もいるかもしれません。
この軽快な音が乗っている一方でリズムは淡々と繰り返され、ベースラインのうねり方も独特な印象を受ける、派手さや煌びやかさとはまた少し趣きの異なるバリアレックなスタイルの曲。
Rim Shot – Everybody On The Floor (Rachel Auburn Remix) [Hard Drive] | Music & Downloads on Beatport
1998年リリース。
こちらは総本山Tidy Traxからリリースされたもの。
規則的なアナログベースのリフに軽快なハイハットの組み合わせが推進力抜群。
ブレイク以降はInner City / Good Lifeを彷彿とさせるピアノフレーズも鳴り出し、シンプルながら快楽指数の高いハードハウスとなっております。
Exit EEE – Epidemic (Ramon Zenker Remix) [No Respect] | Music & Downloads on Beatport
1997年リリース。
Tripoli Traxという、こちらも黎明期のハードハウスを語る上で外せない名門レーベルからリリースされた作品。
ループ感の強いシンセリフとドライブ感のあるハイハットリズム、ブレイク以降になるとよりトランスらしいシンセフレーズが前面に出てきます。
特別連載に於いてハードハウスの特徴として挙げたハウスのグルーヴ、トランスのサウンド、テクノのループ感が共存している曲だと思っております。
めちゃめちゃ余談ですが、このRamon Zenkerというアーティスト、浜崎あゆみのリミックスCDに楽曲を提供していた過去があります。
それも割と頻繁に。
I am… – Ramon Zenker Extended mix – 曲・歌詞:浜崎あゆみ | Spotify
WE WISH – Ramon Zenker remix – 曲・歌詞:浜崎あゆみ | Spotify
You (Ramon Zenker Remix) [Ayu-Mi-X 7 Presents Ayu Trance 4] – Song by Ayumi Hamasaki – Apple Music
この頃のAvexスゲェってなる1件。
All I Want (SCORCCiO Hot Mix) – Song by TJ Flayerz – Apple Music
1999年リリース。
強烈にディスコを想起させるストリングスとコーラスを前面に押し出したトラック。
Scorccioワークスの特徴の1つでもあるピッチ高めの早口ラップもテンションの高さに一役買っており、曲全体に対するフィルターの絡ませ方も相まってとにかくファンクネス指数激高です。
一方ハウスに裏打ちされた厚めのビートはダンスミュージックとしての強度をしっかり確立しており、機能性抜群。
今やサウンドエンジニアとしての活動がメインになっているScorccioことMark Summersですが、この頃の彼の楽曲は悉く自分のツボに刺さります。
よく使っているDan Hartman – Relight My FireネタのSouvlaki / Infernoも彼の作品ですし、電子音楽としてのディスコのテイストが体現されまくっているのがとにかく好み。
Summerlove (feat. Anabelle) [Scorccio Edit] – Song by S-Connection – Apple Music
これとかも超好きです。
1997年リリース。
原曲のアーバンな感じをほんのり継承しつつ、大方それとはかけ離れた享楽的でアッパーなテンションの高いアレンジ。
配信で購入できるのは尺の短いエディット版だけなのですが、自分は海外からシングル盤を輸入してエクステンド版を手に入れました。
Handbaggers – U Found Out (Tony De Vit Remix) [Tidy Trax] | Music & Downloads on Beatport
1995年リリース。
ハードハウスが発展する過程に於いて重要な貢献者の1人とされるTony De Vitの作品です。
ボーカルの元ネタはThe Jets / Crush on You。
軽快な跳ね系のリズムにオルガンを始めとする柔らかいトランスのサウンドが楽しさを演出しているトラック。
この曲はこちらのリミックスも同じくらい気に入ってます。
Handbaggers – U Found Out (Strike Me Down Mix) [Tidy Trax] | Music & Downloads on Beatport
軽快さという面では同じくらいでありながら、ベースやピアノのフレーズがより感情的なアレンジ。
パーティーの〆に持ってくれば丸く収まりがち。
どちらも30年近く前の作品ではありますが、初期Tidy Traxのカラーがバッチリ出ていますね。
Strike – U Sure Do 99 (WC1 Mix) [Fresh Records UK] | Music & Downloads on Beatport
1999年リリース。
原曲は1994年にリリースされたハウスのスーパークラシックで、あらゆるジャンルでリミックスやブートレグがリリースされております。
このピアノがハードハウスに合わないわけがないのですが、それをド直球に体現したものがこちらだと思います。
このウワモノでありながら意外とブレイクが少なく、リズムパートが多いというのも特徴の1つですね。
Artemesia – Bits And Pieces (Red Jerry Mix) [Hooj Choons] | Music & Downloads on Beatport
1995年リリース。
これまでに取り上げた曲と比べて更に裏拍が強調された印象を受ける跳ね系リズムに、ハードハウスくらいしか聴かんなと思わせるアナログ感を残した愉快なフレーズが乗ったトラック。
一応、ブレイクでふわーっとしたパッドシンセが鳴ってエモさを出そうと試みているものの、明けると何事もなかったかのように元に戻ります。
たまに表拍に入ってくるホーンみたいな音もレイヴの残り香が感じられて良い。
Sangoさんにしか伝わらないと思うけどScott Brown / Now Is The Timeを連想させる音。
尚、この曲がリリースされているHooj Choonsというレーベルもトランス、ハードハウスを古くから牽引してきた伝説的なレーベルです。
トランスのプレイヤーであるところのDJ NECOさんによって書かれた以下のnoteに詳しく纏められているので、ご興味のある方は是非覗いてみてください。
90年代に数々のクラブヒットを生んだUKの伝説的ダンスレーベルhooj choonの魅力 [Trance Classic Archives 05]|DJ NECO
Bulletproof – Mistakes (Knuckleheadz Remix) [Tidy Trax] | Music & Downloads on Beatport
1997年リリース。
ラフで太いキックと妖しくうねるベースラインに手数多めの独特なリフが乗った曲。
バウンシーでありながらループ主体の緊張感も伴っている、楽しさや愉快さとは少し異なったハイブリッド感を醸し出しています。
Base Graffiti, Phlash! – Mind, Body And Soul (Original Mix) [Tidy] | Music & Downloads on Beatport
2002年リリース。
このブレイクで用いられている演説はしばしば他の曲でも聞かれるのですが、C’hantal / The Realmという曲の冒頭部分だったということを今知りました。
序盤のリズムパートでは地味にブラスの音が用いられており、手数の多いハイハットリズムも相まってハードグルーヴに近いものを感じます。
しかし、ロングブレイクを経てメインとなるのはインパクトの高い攻撃的なフーバーサウンドであるため、曲の前後で雰囲気がガラリと変わります。
そういう使い方をしたことはないのですが、今聴くとそう使ってくれとしか聴こえないのでハードグルーヴと攻め系ハードハウスを1曲でスイッチできる曲と認識を改めた次第です。
そう考えると超貴重ですねこれ。
最後に趣味で1曲紹介させてください。
2003年リリース。
ある程度シーンが成熟した後の作品になるため、クラシックとは呼べないのですが昔の作品の中では大好きなので。
メインのリズムの中にかなり多くの音が含まれており、厚みを感じられる一方でその中心にドカンと居座るドンクっぽいベースサウンドという点がちょっと面白い。
ピッチ高めの2拍ループボイスサンプルに加え、ブレイク以降で入るピアノフレーズがレイヴの臭気を漂わせているのも特徴的です。
享楽的なのに緊張感があったり、アップリフティングなサウンドの中にシリアスさが感じられたりというこのバランスが個人的にかなり楽しくなれます。
08月に行われたハードハウス配信プログラム、THE DAY OF HARDHOUSE 2023に参加させて頂いた際、最後にかけたのもこの曲でした。
ちなみに本作がリリースされたShock Recordsもまた、1996年から現在まで活動を継続している傑物レーベル。
これまでの新作ハードハウス紹介の中にもちょいちょい登場していたりするので、今後ともお世話になりますという心持ちです。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
皆様10月14日のHardonize #45でお会いしましょう。
次週10月17日は774Muzikさんが担当します。
では。