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今週のオススメハードテクノ – Resident ‘s Recommend 2016/11/24

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

時期的には前回更新のちょっと前に六本木CUBEで行われたENIGMAと云うパーティーに遊びに行ってきました。
このパーティーが主軸としている音はハードダンス。
トランスを原型として様々な解釈の『ハードさ』が加わったダンスミュージックの総称で、トランスが壮大なメロディーとロングブレイクで高揚感を演出するのに対し、もっと攻撃的で躍らせることに特化した音楽を指します。
ハードダンスが内包するものとしてトランスの曲構成に沿いながらもリズムを太くしたハードトランス、『ゴウン』と云うキックが特徴的なハードスタイル、バウンシーなベースやリフを前面に出したハードハウスなどが挙げられます。
さて、このENIGMAで招聘された海外ゲスト、SplintaのDJプレイが結構個人的にツボでした。
音の傾向としてハードスタイルのようなキックも使いつつ、ギラギラした派手なシンセも鳴っているのですが、ブレイクが明けると途端にほぼリズムだけになるものがあり、音色はハードトランスなのにシーケンスとしてはハードミニマルに近いと云うのは最近の聴いた来日ゲストの中ではかなり珍しいように感じました。いやぁ良かった良かった。
前置きが長くなりましたが、今回は彼が所属するレーベル、Gearbox Digitalにも参加しているこの人にスポットを当てます。

【Dark By Design】

darkbydesign

https://www.facebook.com/darkbydesignofficial
https://soundcloud.com/darkbydesign-official

イギリス在住のベテランプロデューサー/DJ。
2002年のデビュー以来、様々なレーベルからハードなダンスミュージックをリリースし続け、DJとしても老舗パーティー、Tidy WeekenderのオフィシャルMIXを担当した過去も持つ実力者。
また、ハードダンス以外にも造詣が深く、Soundcloudには自身のプロデュースワークのみでBPM128のEDMからトランス、ハードダンスを経由し、175のドラムンベースまで運ぶMIXが公開されてます。

これに関して思いつくトピックとしては2008年の時点で当時まだ新しかった筈のシュランツと云う音楽を取り入れたハードダンスを作っていたこと。

Dark By Design / Loops ‘n’ Tings

コレですね。曲名通りのLoops & Tingsネタですが、何故か途中でテンポがハネ上がってまた元に戻ると云う謎の展開をします。
ネタものついでに2曲続けて紹介。

Dark By Design, DJ Husband / Murder Was The Schranz

Dark By Design / Sweet Harmony

どっちもそのまんまです。この辺はハードテクノとしてすんなり使えそうなラインですね。
大分本題からズレてしまいましたが、先述のSplintaが使っていたのはこんな感じの曲でした。

DBD, Sykesy, Cunning Linguists / Dirty Coke Whore (Hard Dance Slut Mix)

大きな展開もなく、延々と硬いリズムが鳴っていると云う点でテクノとの共通点を見出せるのですが、やはり音使いが異なるので別のものと言えます。
とは言えこれはこれで非常に面白い一曲ですし、こう云う曲を橋渡しにハードテクノとハードダンスが相互流入を図れたらもっと幅のあるDJプレイが出来る筈。
最後にエグめ派手めの曲を紹介。

Dark By Design, Chris Tait / Every Time You Drop It

ダブステップ特有のワブルベースをふんだんに用い、ハードスタイルのキックも混ぜて煌びやかなシンセも散りばめる。
一体何種類の音を使っているのか正気を疑いたくなりますが、これも長年ハードダンス界を歩んできたからこそ出来る賜物。
勿論ここに挙げた曲以外にストレートなハードトランスも作っておりますので是非チェックしてみてください。

余談ですが彼のSoundcloudを覗くとSystem Of A DownのChop Sueyネタハードダンスなんてケッタイなものがあります。
『何でだよ。』とお思いかもしれませんが実は彼、生粋のメタルファンと云う顔も持っており、影響を受けたアーティストとしてSlipknot、Metallica、Machine Headなどを挙げております。
彼の曲に代表される重厚感はここからきてるのかと考えれば納得いくものがあったりなかったり。

次週11月29日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。


今週のオススメハードテクノ – Resident ‘s Recommend 2016/11/10

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

前回はディスコテクノの概要とその作り手の1人、Bryan Coxに焦点を当ててお送りしましたので、今回も引き続きキーワードをディスコに絞ってみたいと思います。
ハウスをそれ程聴かない方にとっては今更ディスコかよとお思いになるかもしれませんが、70年代に発生したこの音楽はその後様々な楽曲のスタイルを生み出し、未だ強い影響が残っているシーンが多々あります。
例えばディープハウスと結びついたBPM110~120台の低速でメロウなものが多いニューディスコなんてのは最近の代表格として挙げられますし、より派手なものとしては強いエフェクトを多用したフィルターハウス、カットアップ手法の多いジャックハウスと呼ばれる音楽もまたメインリフにディスコのサンプリングを使っているものがあります。
とは言え、とりわけ派手なものが好きならばそういったハウスより最近のエレクトロ、EDMの方が触れる機会も多いことでしょう。ブレイク明けのあの高揚感、中音域に寄ったエグいシンセリード・・・分かります、私も大好きです。
実はそう云う方面に向けたディスコのアプローチもちゃんと存在します。

そんな音楽の作り手として今回紹介するのがこの人達。

【Reset!】

reset
http://www.wearereset.com/
https://www.facebook.com/wearereset
https://soundcloud.com/reset-1

イタリア、ミラノの4人編成プロデューサーチーム。
元は2007年に立ち上がったパーティーの名前でしたが、ディスコから最新のエレクトロまで網羅した選曲が幅広い層に支持され、メンバーの4人でDJチームとして活動するようになったと云うのが発端です。
レトロなシンセにファンキーに跳ね回るベースと云うスタイルの楽曲は当時最新鋭とされたハウス、フィジェットハウスとして人々に認知され、2009年には名門レーベル、Cheap Thrills Recordsにサインインします。
その後レースゲーム、『Gran Turismo 5』へ楽曲提供を行ったり、イタリアのSONY MUSICと契約し初のフルアルバムをリリースするなど、今尚活動の場所を拡張しています。

70年代ファンクやブレイクビーツに影響を受けたと公言しているファンキーな彼らのサウンドはハウスの域を超え、やがてターボファンクと呼ぶようになりました。
レトロなメインリフがディスコを彷彿とさせるのは言わずもがな、グルーヴ感のあるカッティングギターやオールドスクールなアシッドシンセ、ヒップホップMCの起用やレイヴで散々聴いたM1ピアノのフィーチャーなどあらゆる要素が取り込まれており、往年のハウスから最新鋭のエレクトロまで幅広いDJから支持を得ているのも特徴。
勿論当Hardonizeで度々取り上げているファンキーなハードテクノとも合わせ易かったりするので、アップリフティングな曲がお好みなら是非聴いて頂きたい。
ちなみに過去何回か来日しており、私は2回見に行っております。あんまりアーティストTシャツとか買わないんですけど、Reset!だけは買っちゃいました。それくらい好き。

そんな彼らのオススメを挙げるとすればこちら。

Reset!, Birdee / Blowin’ Up

Reset! / Skills 2 Pay Da Bills

Reset! / Milano a mano armata

Reset! / Stealin’ Your Soul (Vocal Mix)

補足ですが、彼らの楽曲をTREKKIE TRAXのSeimei & Taimei兄弟がリミックスしたものなんかもあったりするので合わせてご紹介。
ジャージークラブ風味のゆるいダブステップって感じでテクノっぽくはないですが、これはこれで凄く好きなので。

Reset! / Stand Your Ground (Seimei & Taimei Remix)

次週11月15日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。