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今週のオススメハードテクノ – Resident ‘s Recommend 2016/10/27

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

前回はパーティーで使用した変わり種トラックをバラバラにご紹介しましたが、今回から定例通り、1人のアーティストに的を絞ってお送りします。
さて誰にしようかなと考える上で直近のエントリーを見たところ、774muzikさんyudukiさんもアーティスト縛りで書くようになってきててすっかりお株を奪われている感じがしなくもない。うぅ・・・めげない。
とは言え片やメインストリーム、片やハードミニマルと来ているのでそれらの路線は任せつつ、少し毛色の異なる音楽を紹介したいと思います。
早い話がディスコテクノです。

本題に入る前にディスコテクノについて。
読んで字の如く、80年代ディスコ風のリフや声ネタが入ったテクノを指しますが、これは便宜上そう呼んでいるだけであって明確なカテゴライズがされているわけではないです。
しかしこの手のテクノは未だに一定数のリリースやクリエイターがいて、ディスコやハウスとテクノの中間を担う存在の1つとして挙げることができます。
具体的にクリエイターを述べるならばKAGAMIやBen Sims、Bad Boy Billなんかも有名ですね。
ファンキーなリズムやリフを前面に出しつつ、かといってハードに寄り過ぎないさじ加減が絶妙で、ワタクシとしてはつい食指が動いてしまう、そんな音楽です。

さて、そんな音楽の作り手として今回紹介するのがこの人。

【Bryan Cox】

bryan cox

https://www.facebook.com/bryancoxmusic
https://soundcloud.com/bryancox

アメリカ、ニューヨーク生まれのDJ、プロデューサー。
2003年にInternational House Recordsと云うレーベルからキャリアがスタートしておりますが、まずこのレーベルがHatirasやBad Boy Billもリリース経験のある、超ファンキーなテクノ、ハウスばっかり出しているところなんです。
翌年にはJoey Beltramのレーベル、STX Recordsともサインしているので早い話が根っからのディスコ野郎。
それから数年は陽気なハウス、テクノ路線でリリースを重ねるのですが、やがて世界的なエレクトロ(後のEDM)流行が音楽シーンを席巻すると彼はその要素も貪欲に取り入れ、フィジェットハウスと云うこれまた病気めいた陽気さを孕んだ音楽に傾注、現在はそこへテクノの質感を取り入れたファンキーなテックハウスに精を注ぐと云った感じで、どこまでもテクノにもハウスにも寄り過ぎない、丁度良い感じの活動を続けている人です。
Spinnin’ Records、Defected Records、Great Stuff Recordingsと云ったEDM、ハウスのトップレーベルと契約していることからもその実力が窺い知れることでしょう。

さて本題のディスコテクノを作っていた時期ですが、上記のフィジェットハウスの少し後、2009年に彼はWeapon Recordsと云うセルフレーベルを設立します。
ここでリリースされたものがドストライクなまでにそれ。
テクノのリズム、エレクトロテイストなベースライン、そこに差し込まれるディスコのリフは完璧な相性で互いを引き立ててます。
現在Beatportでこのレーベルのコンパイル版が出ておりますが、今回最も紹介したかったのはまさしくこれ、これなのです。

Weapon Records Greatest Hits Volume 01
Bryan Cox / Weapon Records Greatest Hits Volume 01
https://www.beatport.com/release/weapon-records-greatest-hits-volume-01/202570

これまでのワタクシのDJに於いて『Freaks On the Floor』や『Groove Me (Baby Bryan Cox Remix)』は何度使ったことか分かりません。
その他の要素としてアシッド、ラテン、ラップ、カットギターとあらゆるファンクネスの坩堝と化してます。
今もこれからも、ディスコが前時代的と斜に構えるのはあまりにも勿体ないと云うことは断言していきたい。

その他にオススメを挙げるとすればこちら。

Bryan Cox / Music Is Movin’

彼のキャリア初期のリリース。UKハードハウスで使われたあの声ネタがカッ飛ばしてます。

Raoul Zerna / Love the Things You Do (Bryan Cox Remix)

これも上記アルバムと同じ時期に出たリミックスワーク。疑いようもないファンクっぷり。

Wehbba, Tim Taylor, Claudio I / Studio 54 (Bryan Cox Remix)

テクノの人には聞き覚えがないかもしれませんが、これが彼のやってたフィジェットハウスと云う音楽。気持ち悪いくらいにうねるベースライン。

Bryan Cox, DJ Crown, Thick Jaw / Rock The Party

最近のリリース。BPMや音数は落ち着いたと言えますが、やはりディスコは捨てきれない様子。

次週11月01日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。


今週のオススメハードテクノ – Resident ‘s Recommend 2016/10/13

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

改めて先週は『Hardonize#25』でした。
お越し頂いた皆様、或いは茶箱の配信をお聴き下さった皆様、ありがとうございました。
前回のエントリーでyudukiさんも書いておりますが、ゲスト両名のプレイは大変眼福でありました。
片やストイックに渋めハードグルーヴで攻めたDEPATHさん、片やテクノクラシックを織り交ぜながらハードテクノまでの流れを綺麗に組み上げたKAN TAKAHIKOさんと対照的な内容ではあるものの、どちらもHardonizeに非常にマッチした選曲をして頂き、嬉し楽しかったです。

さて、この日ワタクシの出番はyudukiさんの後、DEPATHさんの前と云う位置でございました。
前々からDEPATHさんはハードグルーヴやりたいと仰っていたのを伺っておりましたので、ハードテクノから始まってハードテクノで終わらせようと云うのは選曲段階で決めておりました。
但しその間にかけたものはゲットーテックだったりレイヴだったりハードダンスだったりするワケですが、やはり本パーティーに於ける自分のスタンスとしてはハードテクノの周辺にある別の音楽にスポットを当てていきたい。
と云うわけで今回はいつものアーティスト縛りではなく、当日かけた曲の中から所謂『変なもの』をピックアップしてお送りします。

Cristian Vogel / (Don’t) Take More (Jamie Liddell Remix)

まずこちら。
1997年にテクノの名門レーベルTresorから出た怪作ノーフューチャーテクノ。
テクノ以外の音楽に目を向けたところでこのような変態リズムと音使いをしている音楽は例がなく、延々渇いたスネアと同じボイスサンプルが鳴り響くのはある種の中毒性をも感じさせます。
ハードテクノに於ける知名度としては石野卓球氏のMIX CD、『In The Box』に収録されたこともあって往年のDJはみんな持ってるんじゃないかなと云う印象。
そして使いどころが分からずに結局棚に仕舞われたままになっているような印象も。

100mado / grime_core

2016年で10年を迎える日本のダブステップパーティー『BACK TO CHILL』、そのレジデントメンバーである100mado氏の『Crystal Waters / Gypsy Woman』ネタグライム。
太いキックに差し込まれるアーメンブレイクスはまさしくアンダーグラウンドの体現と云った感じで大変好み。
以前よりグライムのミニマル感がテクノと相性良い気がしていたので今回少しだけやってみました。
ちなみにこの曲は2013年に行われたオンラインサウンドクラッシュ、『WarDub』のフリーコンピレーションに収録と云う形で配布されておりましたが、現在は配信終了してしまった模様。
しかし『WarDub』のサイト自体は現存しているのでこんなカルチャーもあるんだよってコトでひとつ。
http://wardub.jp/

— / Moonlight Legend (Yudaidhun ’92 Remix)

平成生まれの北海道のオールドスクールレイヴクリエイター、Yudaidhun氏による『DALI / ムーンライト伝説』ネタ。
もうこれ個人的に今年のスーパーヒットとなっており、至る所で使っております。
元ネタがこれだもんでインパクト重視と思いきやよく聴くと歌詞の儚い感じとかレイヴにピッタリハマるもんでして、あらゆる意味でヤバい感じのブートレグ。
好き過ぎてHardonizeの翌日のパーティーでも使ってしまい、2日連続でかけてしまった程です。
尚、フリーでございます。ありがたくダウンロードするが良。

unko / unko

『The Prodigy / Smack My Bitch Up』ネタ4つ打ち気味ベース。
アーティスト名がフザケておりますが、正体は以前Hardonizeにご出演頂いたDJイオさんと国士無双と云う間違いない組み合わせ。
LBTのBamdcampで配信もされております。
初っ端のブレイクとその空けがインパクト大。
その後キックが消えるので色んなジャンルに移行しやすいと云う、クロスオーバーを生業としている身にとっては大変便利なトラック。
これも2日連続で使ってしまったなぁ。ちなみにKAN TAKAHIKOさんも使っててこの日既に2回かかってました。

ChipBoy / Song Of Storms

ゼルダの伝説ネタスカウス。
チープなリードの上にこの手の音楽特有のドンクベースが配置された、言うなれば勢いしかない曲。
しかしこの手のスカウスを始めとするUKハードハウスってこの軽さが逆に心地良かったりする時がしばしばありまして、気取り過ぎず硬過ぎず、かといって地味でもないと云う絶妙のバランスを維持している音楽だと思っております。
こういうおフザケの曲も出てくれるし、ネタモノ好きとしては今後ともちょいちょい色々な4つ打ちに差し込んでいきたい。
ちなみにこの曲は最近出たばっかりです。90年代から全く進歩ない。そこがまた素敵。

次週10月18日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。