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2022年国内レコードショップ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/08/18

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

来週の日曜日(28日)、新宿WARPにて行われるTOKYO HARD GROOVE SESSION 22 SUMMERに出演致します。


春にもお招き頂いた4フロアを使って行われるモンスターパーティーに引き続き参加できて光栄です。
同フロアにはTAKAMIさん、DJイオさん、BEPPUさんなどテクノに縁がある人たちが集まっているのでご興味のある方は是非。

尚、僕がテクノをプレイするかは分かりません。
結局先日のThe Door Into Summerでも半分以上速い音楽やってました。

ちなみに来月末にかけて結構大きめのパーティーに立て続けにお招き頂いております。
09/19 ¡¡SAKE!! vol.2
09/23 TOKYO HARD DANCE Vol.2
09/24 HAPPY DYNAMITE 20+1st Anniversary
また直近になり次第詳しくお伝え致しますので、こちらも何卒。

【近況】

明日はSONICMANIAに行きます。
なんだかんだこの手のフェスは久し振り。
周囲のテクノ界隈はHardfloorの来日に沸いておりますが、同時間帯にCreepy NutsTHE SPELLBOUNDが食い込んでいて相当悩ましい。
あと個人的にはBoys Noizeをかなり見たいし、MadeonAwich、あとMCバトルも気になる・・・といった感じで結構見たいものが多くてかなり楽しみです。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

やっぱりそれはそれとしてなんですが、前回に引き続きHardonizeのDiscordサーバーにてTomoさんより以下のようなご質問がありました。

自分はヴァイナルが好きで細々と買っているのですが、なかなかレコ屋になくて困っています。
おすすめのレコ屋とかあれば教えてください。
ちなみに都内です。

ご質問ありがとうございます。
ハードテクノが好きでヴァイナルを買い集めている方だそうで、配信が主体となっている今現在に於いては珍しい存在だと思います。
ご存知のようにヴァイナルが全盛期だったのはもう遥か昔で、レコードの街と言われた渋谷に限って言えばCISCOが無くなり、Spice、DMR、レコファン、そしてつい先日Techniqueも無くなったことでレコードをお店で買える機会が目に見えて少なくなっています。
大きなジャケット、圧縮されていない高音質であることを活かしたコレクターズアイテムとしての需要は今でも高いようですが、我々DJが求めているのはより実用的でクラブでの使用に即した作品なので、こういったところとは少し視点が異なるわけです。
となるともう東京に限らず、こうした要望を満たせるレコードショップというのは相当限られてくるのが現状です。

とはいえ、個人的にいくつか印象に残っている/贔屓にしているお店はいくつかあるので、たまには楽曲ではなく、こうしたお店にスポットを当てるのも良いのではないかと考えた次第。
従って今回取り上げるテーマは

2022年国内レコードショップ紹介

とし、自分が行ったことのある日本各地のレコードショップについて取り上げていきたいと思います。

生憎、ご質問にあったハードテクノに絞ってしまうと少なくなってしまうので、その他のジャンルに特化したお店も含めて紹介していきます。
また、それぞれのお店で出会った印象的な楽曲も合わせて掲載しておりますので参考にして頂けますと幸いです。

早速ですが2022年国内レコードショップ特集いってみましょう。

【レコードショップ紹介】

【東京/京都】JET SET RECORD


Record CD Online Shop JET SET / レコード・CD通販ショップ ジェットセット

テクノハウスは勿論、ヒップホップベースミュージックドラムンベースといった様々なクラブミュージックを取り扱っているレコードショップ。
店舗自体はそう大きくないのに、この取り扱いの幅広さはかなり魅力を感じますし、何よりアンダーグラウンドな音楽に対する造詣が深い。
ヴァイナルでしかリリースされていない、全世界で数百枚限定みたいな作品が度々入荷されるあたり、つい覗いてしまうお店です。
あと購入に応じてポイントが付与されるのですが、その特典でしか手に入らない音源があってそれもめちゃめちゃ魅力。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Yves Deruyter / Calling Earth (UMEK Remix)

Calling Earth (UMEK Remix) by Yves Deruyter on Beatport

初めて聴いた時からリズムの完成度は凄まじいと思ったし、往年のトランスを原曲とするものだったということもあって記念として持っておきたくなりました。
盤面がジャケットみたいなマーブルカラーで綺麗です。

【愛知】Freestyle


ハウス・テクノ レコード通販 FreestyleOnline フリースタイルオンライン 名古屋

テクノハウスに特化したレコードショップ。
特にハードテクノハードダンスハードコアといったハード系ジャンルの取扱量としては国内トップクラスです。
シュランツが日本で注目され始めた2000年代中期頃から早々にこの音楽のヴァイナルを取り扱っていたり、まだハードグルーヴという言葉が定着する前からファンキーなテクノに注力していたりと、個人的に色々と勉強させて貰った場所でもあります。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Aitor Ronda / Pagando Mi Cumpleanos

Pagando Mi Cumpleanos (Original Mix) by Aitor Ronda on Beatport

やはり個人的にはハードグルーヴのリリースを購入していたことが多いです。
僕が思うこの時点でのハードグルーヴの到達点と言うべき曲。
当連載で何度も触れていますが、これについては一生忘れないくらい好きな曲ですね。

【東京】Dub Store


レゲエレコードコム | レゲエと黒人音楽の総合店ダブストア

レゲエをメインに取り扱うレコードショップ。
レゲエもまた各時代、各スタイルによって様々なサブジャンルに分かれており、それらを網羅しているので当ジャンルのファンには欠かせないお店として重宝されています。
ただ、個人的な魅力はドラムンベース、特にジャングルの入荷作品がまぁ押し並べてマニアックな点。
レゲエのダブプレート精神を引き継いだ希少価値の高い作品が多く、掘れば掘るだけ新しい発見があります。
お店の場所も路地の中にあって古きレコードショップの趣きを残しているのもまた良し。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Candy / Rastafary Livity 233

Rastafary Livity 233 (Original Mix) by Candy on Beatport

ガラの悪いベースのうねりとラガのフロウが合わさった煙たいドラムンベース
こういうのを聴きたい時には最適のお店です。

【大阪】Grindrecords


GRIND RECORDS

ドラムンベースダブステップハードコアなどイギリスのカルチャーに根差したジャンルに強いレコードショップ。
大方のレコードショップに於いてドラムンベースと一括りにされがちなところを細かくサブジャンルで分けてカテゴリー登録されていることから分かるように、この音楽に対する熱の入れ方が半端ない。
新譜も取り扱いつつ、オールドスクールな名盤まで見つかるので1度は足を運んで欲しいお店です。
ちなみに店内にはカフェも併設されているくらい広く、入口の狭さとは対照的。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Noisia / Stigma

Stigma (Original Mix) by Noisia on Beatport

無機質で攻撃的なリフとギラギラしたエグいベースが特徴的なドラムンベース
ダークでハードな音にハマりたての頃に買ったので、新鮮に聴こえた記憶があります。

【福岡】JUNGLEEXOTICA


レコード通販 JUNGLEEXOTICA – Vinyl Record / CD

主要ジャンルはテクノベースミュージックドラムンベースなど。
アパートのような外観やウェブサイトのデザインとは裏腹にラインナップは尖りまくりで、ハード且つアンダーグラウンドな音楽が目立ちます。
『この店に出会ったことでその後の音楽人生が狂った。』と豪語した人を知ってますし、そう言うのも納得だなと思ったお店です。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Sinister Souls / Beat The Drum Hard

Beat The Drum Hard (Original Mix) by Sinister Souls on Beatport

その彼の人生を狂わせた作品の1つ。
重厚なイントロから一転、教則のようなサンプリングで
『Aパートを右手で、Bパートを左手で・・・グッド!ではドラムを強く叩きましょう。』と差し込まれた後に滅茶苦茶圧の強いダブステップリズムが展開される曲。
ジャケットも含めて秀逸なアルバム作品。

【石川】レコード・ビーチパーティ


レコード・ビーチパーティ 音楽/映画/本の店

ジャズ、クラシックなどを中心に取り扱っているレコードショップ。
所謂、昔ながらの街のレコード屋さんかと思いきや、ラインナップに燦然と輝くハッピーハードコアの文字。
あらゆる電子音楽を差し置いてハッピーハードコア1点絞りで取り扱っている様は強烈なインパクトを持っています。
僕が実店舗に行った時は棚1つ丸々ハッピーハードコアで、まだこれ買えるのかよと驚愕するレベルの往年の名盤が陳列されていました。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Scott Brown / Now Is the Time (Hixxy & Trixxy Remix)

Scott Brown – Now Is the Time (Hixxy & Trixxy Remix) – YouTube

ハッピーハードコアに於ける能天気一直線な一大クラシック。
これを2000年代も終わりの頃に買えたという辺りからこの店のヤバさをお察し頂きたいところです。

【静岡】CORNERSHOP


コーナーショップ【CORNERSHOP】新品・中古レコード/CD/TAPE

ロック、ヒップホップテクノハウスなどバランス良く揃ったお店。
新譜もありますが中古盤の取り扱いが多く、特に印象的だったのはアシッドとかレイヴものが結構豊富だったこと。
国内アーティストの作品も多めで、知ってる名前をちらほら見かけたりもしましたね。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

Joy Orbison / Off Season

Off Season (Original Mix) by Joy Orbison on Beatport

めちゃめちゃ好きで一時期使いまくっていたブレイクス
ベースの鳴りがかなり深いので、そこを最大限に活かせるのもヴァイナルならではの強みですね。

【東京/神奈川/千葉/埼玉/大阪/愛知】ディスクユニオン


ディスクユニオン|レコード・CD・DVD・音楽ソフトの通販・買取

取り扱いジャンルはほぼこの世の音楽全て。
関東圏でヴァイナルを買うならまず真っ先に挙がる、言わずと知られたお店です。
新宿には現在5店舗を構えており、それぞれ特定のジャンルに特化した品揃えをしているので、その時の気分で方々にお世話になっております。
たまに1枚100円セールとかやっていたりするのもまた激熱。

色々なジャンルをここから買っているので、その中でもテクノに絞った際に印象的な作品についてはこちら。

Reinhard Voigt / How We Rock 2

How We Rock 2 (Original Mix) by Reinhard Voigt on Beatport

これぞドイツのテクノと言わんばかりの無骨な反復リフが堪らない曲。
TAKKYU ISHINO / IN THE BOXに収録されている曲で印象に残っていたのに手に入らないといった時期が暫く続いた後、この店で巡り合えた時は感動しました。

【東京】レコファン


レコファンはCD・レコード高額買取|中古CD・レコード・DVDを高価買取致します。

こちらもほぼこの世の音楽全てを取り扱っているレコードショップ。
ダンスミュージックに於いては入門的な作品が比較的手に入りやすい印象なので、DIGライフの取っ掛かりとしてはオススメのお店かもしれません。
こちらもたまにガレージセールとかやっているのでゴソッと買いに行くこともしばしば。
渋谷にあった頃は本当にお世話になりましたね。

この店でも色々買ってますが、よく行っていた渋谷店は国内アーティストの取り扱いが豊富だったので、それ繋がりで考えるとこちら。

Hitoshi Ohishi / Round Sell

Hitoshi Ohishi – Round Sell – YouTube

小気味良いクラップリズムとボイスサンプリングのテクノ
暗過ぎず、明る過ぎずの中道を行くナイストラック。

【愛知/岐阜/大阪】バナナレコード


バナナレコード | Banana Record

ロック、ヒップホップテクノなど。
とにかく状態が良いものが揃っていて、意外な掘り出し物と出会う率も高いので個人的に東京以外で特にお世話になっているお店です。
僕が名古屋という街が好きな理由の1つにこのお店の存在があるような気さえします。
大阪店は今年の07月にできたばっかりみたいなので早く行ってみたいですね。

直近でこの店に行った際、見つけてまだあったのかと驚いたのがこちら。

Killa Productions / Give It Up (Re-Edit)

Killa Productions – Give It Up ( Re-Edit ) – YouTube

当時ハードトライバルの最先端に届いていた曲。
今聴いてもウワモノがリズムしかないハードでタフな構成には痺れます。

【大阪/新潟/北海道】KINGKONG


KINGKONG

こちらもロック、ヒップホップテクノなど。
大阪の店舗はアメリカ村の中心にあり、店舗も広く存在感があるのでつい足が伸びます。
クラブミュージックに於いてレコード全盛期を思い出させてくれるような貴重なお店。

このお店で購入した印象的な作品についてはこちら。

DAVE ARMSTRONG / SOMETHIN’ LIKE DIS (DA’S FLOORFILLA MIX)

DAVE ARMSTRONG / SOMETHIN’ LIKE DIS (DA’S FLOORFILLA MIX) – YouTube

フィルターを駆使したカッティングギターとグルーヴ感のあるベースがファンキーなディスコテクノ
めちゃめちゃ気に入っている上に未だに配信もされないので、まさしく一期一会でした。
これも一生好きな曲。

まとめ

以上、2022年国内レコードショップ特集をお送りしました。
配信がメインの時代とはいえ、ヴァイナルで持っていたい、ヴァイナルでしかリリースされていない作品は未だにあるので、こうしたお店は残っていて欲しいものです。
レコードショップで目当ての作品と出会えた時の高揚感は他では味わえないものがあるので、是非お近くのお店に足を運んでみてください。

そんなわけで今回はここまで。

次週08月23日は774Muzikさんが担当します。
では。

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泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/08/04

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

先日のHardonizeでもお伝えした通りですが、来週11日の祝日に中野heavysick ZEROにてThe Door Into Summerというパーティーに出演致します。


主宰はREV-TUNEさん、共演にTakayuki Kamiyaさん、BishamonさんとHardonize的に縁のある方々とご一緒します。
傾向的にもテクノ多めになりそうなので盆踊りとして是非。

ところで今挙げた3人(僕含めると4人)は以前自分が行った第一次スーパーカレー大戦というパーティーの出演者なのですが、そういうことは起こらないと思います。多分。きっと。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

やっぱりそれはそれとしてなんですが、Hardonizeでは以前からDiscordのサーバーを立ち上げ、ちょっとしたトピックやオススメ楽曲などについて情報交換を行っております。
アカウントさえあればどなたでも参加可能なので、以下のURLより何卒よしなに。
Hardonize Discord server

で、この中で在宅djSaganoさんという方より以下のようなご質問があって興味深かったので以下に抜粋します。

はじめまして!
石野卓球さんのpian klangとかちょっとセンチメンタルな気持ちになるような曲を探しています。
そんなもん人それぞれやろと言われたらそれまでですが、夕暮れどきに聴いたら下手したら涙こぼれちゃうような切ない曲を教えて欲しいです!

石野卓球 / piano klang

Spotify – piano klang – song and lyrics by 石野卓球

ナイスご質問ありがとうございます。
Hardonize、及び当連載が掲げているハードテクノというのはどうしてもその音楽の特性上、リズムが硬いとかウワモノが派手であるとか、アグレッシヴな要素に目がいきがちです。
なので過去の回を振り返ってみてもメロディーの美しさや儚さといったキーワードにスポットが当たっていたものはごく僅かでした。
しいて言えば以前行った特別連載メロディアス・ハードテクノ特集が近いですが、あの中にはアッパーなテンションのトラックも含んでいるのでちょっとニュアンスが違いますね。

一方で一般的な音楽の入り口としてメロディーの有無によって間口が大きく変わることは間違いないと思います。
だってあった方が聴きやすいですから。
テクノに於いても昔はメロディーのあるもの無いもの、音数が多いもの少ないもの、テンポが速いもの遅いもの、今ではテクノと呼ばれないものも含めて様々なスタイルの楽曲が内包されておりましたが、
ことクラブミュージックに於けるメインストリームテクノはある時期を境にリズム重視の音楽へと舵を切ったため、リリースの全体量と比較してもメロディアスな曲というものは少なく、見つけるのに苦労されるというのもその通りです。

とはいえ、そういった曲が全く無いかといえばそんなワケではなく、少ないながらも今日に至るまでリリースは継続されています。
これまでやったことのないテーマということも踏まえ、多少古い曲も交えながら取り上げる良い機会だと認識しているので、
今回取り上げるテーマは

泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ紹介

とし、年代問わず自分の好きなトラックについて紹介していきます。
文字通り、エモーショナルな気分にさせるリフ、フレーズを含んだテクノというざっくりとした括りなので厳密な定義とかは一切ありません。
雰囲気でお楽しみください。
お堅いイメージのあるテクノの中にもこういう感情的な側面もあるんですよということが伝われば嬉しいです。

早速ですが泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ特集いってみましょう。

【曲紹介】

Mijk van Dijk / Kissin’ And Dissin’

Kissin’ And Dissin’ (Original Mix) by Mijk van Dijk on Beatport

ドイツのプロデューサーMijk van Dijkによるテクノ
ループ系のリフをメインに据えながらも展開を経るごとにスケールの長いパッドが重なっていき、オーケストラのようなアンサンブルを見せる曲。
ウワモノの美しさに対してベースやドラムがやたらとラフなのもちょっと変わって聴こえます。

キックの質感も先の石野卓球 / piano klangと似ているので、もし自分が現場のプレイで次に繋ぐとしたらこれかなと思う最有力候補ですね。

Seimei / Yozora

Yozora | Seimei

日本のプロデューサーSeimeiによるテクノ
こちらもスケールの長いパッドを活かしつつ、幾重にも重なったシンセの音色が浮遊感を醸し出しているスペーシーなトラック。
グルーヴィーなリズムに時折差し込まれる細かいドラムフィルが遊び心あって良ポイント。
タイトル通り、夜の野外で聴くのが似合います。

Filterheadz / Endless Summer

Filterheadz – Endless Summer (Original Mix) – YouTube

ベルギーのプロデューサーFilterheadzによるテクノ
これまでのプレイで何度かけたか分からない、個人的には泣きテクノ筆頭格。
ブレイクから鳴り始めるメインのシンセフレーズが感傷満点。

プログレッシヴハウスを彷彿とさせるリズムも特徴的です。
タイトル通り、夏のうちに聴いて欲しい1曲。できれば夕暮れの浜辺とかで。

Manuel-M / Orbit

Orbit (Original Mix) by Manuel-M on Beatport

フランスのプロデューサーManuel-Mによるテクノ
グルーヴ感のあるベース、重厚で浮遊感のあるパッド、シンプルながらも存在感のあるリフが組み合わさったエモーショナルなトラック。
一方でブレイク明けの爆発力はしっかり備わっているピークタイムチューンとしての機能性も兼ね備えた優等生。
朝に差し掛かる直前くらいで聴きたい曲。

Yousuke Kaga / Setsuna

Spotify – Setsuna – song and lyrics by Yousuke Kaga

日本のプロデューサーYousuke Kagaによるテクノ
泣きテクノ筆頭格その2。これも何度かけたか分からないですね。
細かく打ち込まれたベースに小気味良いハイハットとパーカッションの上を儚いフレーズが乗っかった構成。
テンポ的にはそこまで速くないんですが、疾走感とエモ感の双方を持ち合わせた一生推せる曲。

The Advent, CJ Bolland / Camargue 2019 (Enrico Sangiuliano Remix)

Camargue 2019 (Enrico Sangiuliano Remix) by The Advent, CJ Bolland, Enrico Sangiuliano on Beatport

イタリアのプロデューサーEnrico Sangiulianoによるテクノ
原曲は1993年にリリースされたテクノアンセムCJ Bolland / Camargue
現行のテクノを踏襲した極太のリズムにあの郷愁的なフレーズの組み合わせというだけでブチ上がります。
同時に、ブレイクでそのフレーズをたっぷり聴かせた後、一気にリズムだけにスイッチしてまた戻ってくる展開はドラマティックが過ぎる。
細かいけどそれまでひたすら反復していたベースが終盤、ウワモノに合わせてコードが付与される箇所がめちゃ好き。

Hiroki Esashika / Kasablanka

Kasablanka (Original Mix) by Hiroki Esashika on Beatport

日本のプロデューサーHiroki Esashikaによるテクノ
当時のエレクトロっぽいリズムで始まり、中盤ではレトロなシンセとブリープ音が支配する割合珍しいパートを見せる曲。
そのフレーズもどこか哀愁的で、サウンドと相まってノスタルジックな雰囲気を感じさせます。

この流れで紹介するのは少し異色かもしれませんが、リリース当時からずっと好きな曲。
どの流れで使ってもインパクトがあります。

Modea / Shine

Shine (Original Mix) by Modea on Beatport

アイルランドのプロデューサーModeaによるテクノ
リズムこそテクノのそれですが、ウワモノの質感はトランスですし、
その打ち方も拍にインパクトを置いたものになっていてどちらかというとEDMっぽさがあったり、その全てが自然と混ざり合っている様子が最近の曲っぽくて良いと思った次第。
うっすらアーメンブレイクっぽい音も聴こえますしね。

最近リリースされた曲の中でテーマ的に合うものを探したらこれが1番しっくりきました。
テックトランスの文脈で使っても面白そうな気がします。

Andy Bsk / Freemind

Freemind (Original Mix) by Andy Bsk on Beatport

ドイツのプロデューサーAndy Bskによるハードグルーヴ
現行のハードグルーヴシーンに於いてメロディーメイカーといったら間違いなく筆頭格に挙がるアーティストです。
前のめりなハイハットリズムとベースにハードグルーヴらしさが見えますが、終始残響音含みの儚げなシンセの音が鳴っており、派手さや陽気さとはかけ離れたアンニュイなスタイルの曲。
Andy Bsk節が炸裂しています。

Audio Planter Soundsystem / Balearic Sunrise (French Time Mix)

Balearic Sunrise (French Time Mix) by Audio Planter Soundsystem on Beatport

日本のプロデューサーDaisuke Matsusakaの変名義プロジェクト、Audio Planter Soundsystemによるメロディアスハードテクノ
これも今回序盤で紹介したようなスケールの長いパッドをメインに据えた曲ではあるのですが、よりアグレッシヴなリズムを採用したもの。
展開を経るごとにどんどんパッドが重なっていくので、リズムと合わさって凄まじい音密度のパートがあります。
重厚なハードミニマルが好きな方にも聴いて貰いたいタイプの曲。

あと展開の頭1,2拍に置かれたシンバルがめちゃめちゃ存在感ありますね。

最後に少し変わり種をひとつ。

Primula feat. Maika Loubte / GONE

Primula – GONE feat. Maika Loubte – YouTube

日本のプロデューサーPrimulaによる電子音楽
テクノブレイクスベースミュージック辺りが混然一体となったビートミュージックを手掛けているアーティスト。
本作はDE DE MOUSEのレーベル、not recordsからリリースされたアルバムのタイトルトラックでもあります。

所謂純粋な4つ打ちのスタイルではないのですが、リズムの強度とサウンドの質感、打ち込みの精密さには共通するところがある気がします。
その複雑怪奇なリズムに乗るノスタルジックなシンセのフレーズがなんとも不思議で、不安定さと安心感が妙なバランスで共存している曲。

ちなみにこのPVにメインで映っているのがPrimula本人。
だいたいライブ中でもこのような奇妙なダンスを交えているので、気になった方は出演情報なり映像を追ってみると良いと思います。

まとめ

以上、泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ特集をお送りしました。
やはりテクノに於いてもメロディーメイカーは日本にいっぱいいるというのが個人的な所感です。
実はもっと国産トラックの候補があったのですが、昔にリリースされたものについては試聴リンクが無かったりして今回取り上げるのを諦めたものが沢山ありました。(※)
このまま埋もれてしまうのは勿体ないので、何らかの形で提示できればなと思います。


その筆頭がHardonizeでVJをされているKNOCKHEADZの1人、STCnさんによる夜桜という曲です。
泣きテクノ筆頭格その3。

というワケで『こういう曲ありますか?』だったり『こういうテーマで紹介やって欲しい。』というようなリクエストを随時募集しております。
答えられる範囲に於いて趣味丸出しでお答えしますので極めてお気軽にお申し付けください。
Hardonize Discord server

そんなわけで今回はここまで。

次週08月09日は774Muzikさんが担当します。
では。

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