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新作サイケデリックトランス特集 (2020年08月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/08/20

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

一昨日のボスのエントリーで告知されましたが、次回Hardonizeを11月14日に執り行います。

ゲスト選定も含め水面下で進行しておりますユエ、近いうちにまとまった情報も出せる算段です。
ボスも匂わせておりますが、今回普段やらなかった試みも取り入れる予定ですので、腕に自信のある方は備えておくと良いと思います。
何がとは言いませんけれども。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

ですが、今回は久し振りにテクノ、ハードテクノから離れたところにスポットを当ててお送りします。

今回取り上げるジャンルは

サイケデリックトランス

です。

ダンスミュージックが好きな方でこの名前を知らないという方はいないのではないかというくらい、多くのファン、クリエイター、専門ショップが世界中にあるトランスの1種。
Wikipediaにも単体記事がありますし、Beatportjunodownloadといった大手総合配信サイトであれば必ずと言って良いくらいジャンル分けがされていることからもその人気ぶりが伺えます。

大まかな特徴としては

・機械的且つうねるリフ、グルーヴ
・文字で表すとコツン、コツンといった感じの非常にアタックの強いキック
・ブレイクが複数存在する複雑な展開

など、インパクトの強い要素がいくつもあり、端的に分かりやすいサウンドであることが上記に繋がっているのだと思います。

また、ここ数年はEDMやハードダンス、ハードコアなどにそれらの要素を流用したトラックも数多く生み出されており、本流と異なったシーンに於いても支持されていることは大きなトピックとして挙げられます。
テクノとクロスオーバーしていた時代も勿論あって、起点としては10年以上前になるのですが、形を変えて今も残っています。
(前回紹介したようなアシッドテクノの中にそういった色の強いトラックがたまに出てきますね。)

かくいうワタクシも最初にDJを行ったのはこのサイケデリックトランスでした。
今となっては遠い昔の出来事ですが、一聴して明らかに独自色の強いジャンルであることが分かり、一気にのめり込んだ覚えがあります。
その魅力は今も変わっておらず、そんなにプレイする機会はないのに他の音楽と並んで定期的に掘っている音楽の1つですね。
(ちなみに当時サイケデリックトランスの本場といえばイスラエル一択だったんですが、以下に紹介するアーティストの活動拠点のバラけ具合からして昔ほどその印象もない気がします。)

そんな昔の姿勢にちょっと立ち返って新作サイケデリックトランス紹介いってみましょう。
折角なのでフリーダウンロードトラックにもスポットを当ててピックアップしていきます。

Oforia / Life Is Only a Dream

Life Is Only a Dream (Original Mix) by Oforia on Beatport

イスラエルのプロデューサーOforiaによるプログレッシヴサイケ。
派手一辺倒ではない、テクノに通じるミニマル感がある一方でベースのうねりっぷりが何とも気持ち悪い。(褒めてます。)
アシッドシンセを差し込んだりしてオールドスクールに対する敬意も感じられる面白い曲。
Oforiaはこの手のテイストを得意とするアーティストなので、この曲が気に入ったらアーティストごと押さえてもらうと幸せになれます。

Genuim / Memorabilia

Memorabilia (Original Mix) by Genuim on Beatport

オーストラリアのプロデューサーGenuimによるサイケデリックトランス。
重心の乗ったキックが淡々と繰り出される中、エフェクトとパッドが交差するこれまたかなりテクノに寄ったような渋めのテイスト。
まさしく最近のメインストリームテクノとの相性も良さそうな変化球トラック。
ちなみにこのアーティストGenuimは、まだデビューから1年足らずという超若手。

Lanz / Tribe

Lanz – Tribe (Original Mix) [Free Download] by Lanz | Lanz | Free Listening on SoundCloud

メキシコのプロデューサーLanzによるサイケデリックトランス。
出足こそメインストリームなサイケという感じですが、ブレイク後はオリエンタルなコーラスが3連符で展開されるインパクト重視トラック。
その割に各サウンドがタイトに纏まっているので使いやすさも兼ね備えております。
これがフリーダウンロードなのだから本当にありがたい。

局地的に伝わる例えとしてVINI VICIHilight Tribeペア系。
彼らとArmin van Buurenで作ったGreat SpiritはEDMシーンに一石を投じたサイケデリックトランスとして色濃く印象に残っております。

John Bittar / Moving Up

John Bittar – Moving Up FREE DOWNLOAD by John Bittar | Free Listening on SoundCloud

ブラジルのプロデューサーJohn Bittarによるサイケデリックトランス。
メインパートは4分刻みベースの疾走感に跨る爽やかなリフとボーカル。
アップリフティングでありながら、そのベースも足したり引いたり展開に合わせて変化する器用なトラック。
現状では叶わないと思いつつも、野外で聴いたらさぞや気持ち良いだろうなという印象です。
これもフリーダウンロード。

UNI, Tsuyoshi Suzuki / Hallucination

Hallucination (Original Mix) by UNI, Tsuyoshi Suzuki on Beatport

共に日本を代表するサイケデリックトランス界の大御所UNITsuyoshi Suzukiによる共作。
多くの展開を擁し、その度に複数種類のリフを使い分けるサイケデリックトランスの醍醐味が詰まった逸品。
試聴部分で聴けるパーカッシヴリズムとアシッドシンセを前面に押し出したパートが特に好み。

Stryker, Arkadia / Dance to My Beat

Dance to My Beat (Original Mix) by Stryker, Arkadia on Beatport

フランスのプロデューサーStrykerとポルトガルのプロデューサーArkadiaによるサイケデリックトランス。
フルオンと呼ばれる派手なタイプのサイケ。
特段インパクトのある音が使われているわけでもないのですが、サイケと聞いてイメージしやすいフレーズの魔力によってグイグイ引っ張られる感じ。
お手本のようなフルオンであり、薄れない魅力がここに詰まっていることを再確認させられました。

Electric Universe / Om

Om (Original Mix) by Electric Universe on Beatport

四半世紀に渡って活動を継続しているドイツのベテランプロデューサーElectric Universeによるサイケデリックトランス。
疾走感を維持したまま複数種類の展開とリフを使い分ける年季の入ったフルオンサウンド。
ドラムロールのフィルやアシッドシンセなど、テンションを下げることを知らない仕掛けが大量に詰め込まれております。
こういうのを聴きたくてサイケ掘ってる感じは少なからずあります。

666 / Paradox (Sixsense Psytrance Remix)

666 – Paradox ( Sixsense Psytrance Remix ) by Sixsense – Ben D Music (PHALARIX)(SynchroMatrix) | Free Listening on SoundCloud

イスラエルのプロデューサーSixsenseによるサイケデリックトランス。
原曲は666 / Paradoxというハードハウスのクラシック。
チープ且つファンキーなあのリフが前面に押し出された結果、ストイックさゼロのパッパラパーな仕上がりに。
残念なことに未配布ではあるのですが、ハードハウスネタのサイケってところに意外性を感じたのでご紹介。

Azzura, Fuuton, Sidewave / Ninja Way!

Azzura, Fuuton, Sidewave – Ninja Way! #FREEDL by AZZURA! | Free Listening on SoundCloud

最後に去年のリリースではありますが、あまりにインパクトが強かったのでご紹介。
AzzuraFuutonSidewaveは3人ともブラジルの新進気鋭プロデューサー。
日本には『3人寄れば文殊の知恵』なんて諺がありますが、このケースで生まれた知恵はまさかのNARUTOネタ。
声ネタサンプリングを散りばめるのは遊び心の範疇で括れますが、終盤の『影分身の術!』で始まるテンポがクソ速くなるパートで知恵が家出。
挙句かなり急に元のテンポに戻るもんで、おかしさしかありません。
最初トラップビートで始まるのもよく分からないですし、総合的に言えるのは飛び道具指数だけは満点です。
保証します。
しかもフリーダウンロードです。

ちなみにFuutonSidewave共々別個でコッテリ系ネタモノを作っていたりもするので合わせてご紹介しておきます。
詳細は聴けば分かるでしょうってことで省略。

Zombie Nation – Kernkraft 400 (Fuuton Remix)

Zombie Nation – Kernkraft 400 (Fuuton Remix) by fuuton | Free Listening on SoundCloud

Movment, Sidewave, Impact Groove / Its Me Mario

Movment, Sidewave, Impact Groove – Its Me Mario (Original Mix) FREE DOWNLOAD! by MOVMENT | Free Listening on SoundCloud

以上、サイケデリックトランスにスポットを当ててお送りしました。
特徴の掴みやすいものを選出してみたつもりですが、冒頭で述べたようにこの音楽に心血を注いでいるアーティストは世界中に数多く現存しており、日々大量のトラックが生産、流通しています。
(今回良い感じに国がバラけましたね。)
なので、ここで取り上げた楽曲もサイケデリックトランス全体からしたらほんの一側面に過ぎず、もっと言えばサイケデリックトランスはハードテクノ以上に細分化されたサブジャンルを内包しているため、大変な沼です。

参考までにPsytrance Guideというページで大まかなサブジャンルについて触れることができるのでご興味のある方は是非ご覧ください。
試聴もできますし、各ジャンルの代表的なアーティスト、レーベルなんかも併記されているので切欠としてはかなり役に立つのではないでしょうか。
ちなみにオンラインショップとしては1990年代から運営しているPsyshopが有名。
冒頭で述べたBeatportjunodownloadなどと合わせて是非ご活用ください。
(沼に沈めるムーブ。)

次週08月25日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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新作ハードアシッド特集 (2020年08月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/08/06

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

近況報告。


世の流行に乗ってみました。
何事もなくて一安心。

近況報告終わり。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードアシッド

です。

特別連載に於いては3回目に取り上げたアシッドシンセを用いたハードテクノです。
この音楽にスポットを当てた前回の新譜特集から丁度半年経ったので、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。

では、新作ハードアシッド紹介いってみましょう。

Alexey Kotlyar / Pandemija

Pandemija (Original Mix) by Alexey Kotlyar on Beatport

現行のハードテクノシーンを牽引しているレーベルAK Recordingsより、そのボスを務めるウクライナのアーティストAlexey Kotlyarのハードアシッド。
速いテンポに存在感のあるハイハットとアシッドシンセの組み合わせがかなり往年のアシッドテクノっぽい・・・しかしリリースは2020年。
音の軽さも相まってひたすら前のめりなグルーヴを追求している曲。
端的に言うとリッジレーサー感。

OB1 / Go Underground

Go Underground (Original Mix) by OB1 on Beatport

ハードテクノ、アシッドテクノシーンに於ける大御所UKプロデューサーOB1によるハードミニマル。
新興でありながらハードミニマル~ハードアシッドに於いては抜群の存在感を示しているSkuxx Recordsの新譜です。
反復するアシッドベースにスモーキーなエフェクトと無機質なリフと、かなりシリアス寄りのトラック。
前のめりなハードミニマルとして格好良いですが、アシッド⇔ミニマル間の橋渡しとして使うのが便利という印象です。

Jah Scoop / Goodnight Buster

Goodnight Buster (Original Mix) by Jah Scoop on Beatport

こちらもイギリスのリビングレジェンドGeezerの別名義プロジェクトJah Scoopによるハードアシッド。
レゲエ×ハードアシッドという無類のスタイルを持ち味に活動しているJah Scoopですが、此度の新曲はジャズ?スカ?ともかくあまりレゲエらしくない生楽器の音を用いております。
但しリズムパートではアシッド鳴りっ放し。
唯一無二度合いは微塵も薄れていないキワモノテクノで心弾みます。

ちなみにほぼ同時期に本名義でもリリースがありまして、そちらは文句なしに直球なハードアシッド。
伝説未だ健在といった感じでありがたい限りです。

Geezer / Piccadilly (Geezer’s Mullet On Steroids Remix)

Piccadilly (Geezer’s Mullet On Steroids Remix) by Geezer on Beatport

Nikita Zavodchikov / Stomper

Stomper | Nikita Zavodchikov

彗星の如くシーンに現れたロシアのプロデューサーNikita Zavodchikovによるアシッドテクノ。
ジャケットが良い。
リズムの層の厚さに対してリフが派手じゃない分、どのタイプのハードテクノにも問題なく差し込めそうな高い汎用性を秘めています。
割とアングラテクノ界隈に於いては珍しいタイプの曲とも言えるため、今後が楽しみなアーティスト。
ジャケットも良いですしね。

Ganez The Terrible / The Next Movement

The Next Movement | Ganez The Terrible

フランスを代表するアシッドテクノプロデューサーGanez The Terribleによるアシッドテクノ。
ハードでアグレッシヴなトラックに関しても相当な信頼を置けるアーティストですが、実はトランスサウンドも手中に収めている器用さを持っています。
うねりのあるグルーヴが気持ち良い、躍らせつつ聴かせるタイプの曲。
最近のリバイバルサウンドであるテックトランスとの相性も良さそうです。

STEFAN / Aspartam

Aspartam | STEFAN | Industrial Techno United

ドイツのプロデューサーSTEFANによるアシッドトランス。
これがリリースされているIndustrial Techno Unitedはその名の通り、硬くて狂暴なインダストリアルテクノを主軸とするレーベルなのですが、何故か今月にリリースされたこれはアシッドトランス。
浮遊感のあるパッドに並走するアシッドシンセの組み合わせは誰がどう聴いてもアシッドトランス。
但し、リズムに関しては現行のメインストリームテクノを踏襲した深度を持ち合わせており、そういう意味ではテクノのレーベルから出ているのも間違いではない感じを受けます。

ところで、このIndustrial Techno Unitedというレーベル、ほぼ1日に1作品というペースで何らかのリリースがされており、2017年の設立から2020年現在までの作品数は810本というとんでもない数字を叩き出していることに全く理解が追いつきません。
更にBandcampで全作品まとめ買いすると90%オフという冗談みたいなセールもずっと行っておりまして、インダストリアル界隈ホントにワケ分からんですね。

The Prodigy / No Good (Neun’s Remix)

The Prodigy – No Good (Neun’s Remix) by Neun’s | Free Listening on SoundCloud

これだけ2019年のリリースなのですが、さっき見つけたのでご紹介。
フランスのマルチジャンルプロデューサーNeun’sによるアシッドテクノ。
タイトル通り、No Good (Start The Dance)ネタ。
テクノにもトランスにも使えるサウンドとなっており、元ネタのインパクト以外でも優秀なアレンジです。
ただ、特に聴いてほしいのがセカンドブレイクパート、アシッドシンセで原曲のメロディーをなぞっているのがもうおかしくておかしくて。
以前紹介したロックマン2ネタのアシッドテクノもそうでしたね。

ブートレグなのでフリーダウンロードです。
ありがたく持ち帰りましょう。

以上、ハードアシッドにスポットを当ててお送りしました。
1990年代から脈々と受け継がれているサウンドのインパクトは唯一無二でありながら、ストイックなテイストのものもアグレッシヴなテイストのものも揃っているのが聴いていて楽しいです。
その時代から活動している老舗アーティストが数多く現役で残っているのも割と特殊だと思う一方、地下シーンでは新しい価値観を持ったクリエイターが誕生していたりもするので、引き続き注視していきたいと思います。

次週08月11日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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