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新作ハードハウス特集 (2020年12月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/12/10

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。


打ち合わせ兼打ち上げを執行して参りました。
既に次回Hardonize開催に向けて粛々と動き出しております。
概要につきましてはいずれこちらでアナウンスさせて頂きますので、その際は何卒よろしくお願いします。

あと私事になりますが、


先日カレー振る舞ってきました。
好評で何より。
オファーがあれば喜んで作りますのでご興味の方は是非。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードハウス

です。

特別連載に於いては5回目に取り上げた、ハウス、トランスの要素を持ち合わせたハイブリッドなハードダンスのスタイルです。
それユエ、アップリフティングで快楽的なスタイルもあればシリアスで攻撃的なトラックも量産されている幅広さが魅力といえる音楽です。

前回この音楽を取り上げたのは04月であり、しばらく間が空いたこともあって紹介したい曲も溜まってきたので。
この音楽の発展期としては1990年代中期~後期になるのですが、前回に増してオールドスクールっぽいトラックが出てきており、1周回った目新しさがあるのではないでしょうか。

早速ですが新作ハードハウス紹介いってみましょう。

DEKOVA / Chicago To Detroit

Chicago To Detroit (Original Mix) by DEKOVA on Beatport

中国のプロデューサーDEKOVAによるハードハウス。
普段はもう少し渋くてストイックなハウスを手掛けておりますが、此度の新譜はやや古めかしいサウンドでまとめられた推進力のあるテンポ速めのハウス。
しかも聴いて分かる通りInner City / Good Lifeネタということで飛ぶ道具度数もかなり高め。
ハードハウスとしての実用性は勿論のこと、テクノやベースの出音を活かしたガラージなんかとも合わせられそうな応用力も持ち合わせた激優秀作。

General Bounce, Rick James / You Can’t Run

You Can’t Run (Original Mix) by General Bounce, Rick James on Beatport

イギリスのプロデューサーGeneral BounceRick Jamesによるハードハウス。
個人的にハードハウスを取り上げる度に触れているレーベル、Cheeky Tracksからのリリースです。
オルガンライクなリフ、ギラギラしたシンセ、バウンス感のあるビートそれぞれを意のままに操ったアグレッシヴでファンキーな音はモロ好み。

同レーベルから出た比較的最近の作品としてこちらも大好きなので合わせてご紹介。

Digital Mafia, Ryan Walker / Through The Night

Through The Night (Original Mix) by Digital Mafia, Ryan Walker (DJ) on Beatport

イギリスのプロデューサーDigital MafiaRyan Walkerによるハードハウス。
近年のハードハウスにしてはスローなテンポを採用しているものの、音の構成は紛れもなくハードハウス。
こちらも跳ね系のリズムにストリングスの表打ちが高揚感たっぷりで思わずニンマリしてしまうタイプのトラック。

Kid Dynamo / Into The Groove

Into The Groove (Original Mix) by Kid Dynamo on Beatport

イギリスのプロデューサーKid Dynamoによるハードハウス。
何の因果かこちらもInner City / Good Lifeライクなピアノフレーズが延々繰り返されるリフとなっており、かなり攻めの姿勢が感じられます。
ループ主体の構成なのでテクノ感を持ち合わせたトランス、ハードダンスとは相性が良さげ。

ちなみにこれがリリースされたHi-Five Digitalというレーベルは今年から活動開始となった新進気鋭のレーベル。
上で紹介したCheeky Tracksに所属しているアーティストの出入りも起こっており、今後も期待できそうなハードハウス拠点となりそうです。
もう1つ紹介するとしたらこちら。

Hayz, Rick James / Dope AF

Dope AF (Original Mix) by Hayz, Rick James on Beatport

イギリスのプロデューサーHayzRick Jamesによるハードハウス。
バウンスビート大盤振る舞いという潔さも好きポイントですが、ブレイクパートで起用されたアーメンサンプリングといい、メインリフを構成するレイヴシンセといい、随所に散りばめられたレイヴの臭気が堪らないです。

Rick James / What I Need

What I Need (Original Mix) by Rick James on Beatport

イギリスのプロデューサーRick Jamesによるハードハウス。
上でも名前が挙がっておりますが、ここ半年くらいの彼の曲が悉く個人的ヒットをかっ飛ばしていてかなり信頼度高いです。
派手なシンセに加え、細かく刻まれたアラームっぽいサウンドがピークタイムド真ん中という塩梅。

ちなみにこのSHED TRAXというレーベルもまた今年から始まったばかり。
上と合わせて要注目です。

Scott Attrill / Beats N Bass Part 2

Beats N Bass Part 2 (Original Mix) by Scott Attrill on Beatport

イギリスのプロデューサーScott Attrillによるハードダンス。
ハードダンスシーンに於いてその名を知らぬ者はいない程の名手といえる存在ですが、以前よりテクノとの懸け橋を担うトラックを多く輩出していることもまた重要なファクターの1つと数えられます。
そんな彼の現時点での最新作が3日前に発売となったこちら。

音の質感こそハードハウスに寄せているものの、存在感のあるハイハットリズムや全体的にループ寄りの構成など、ハードテクノとの共通点を多く見出せるトラック。
あと全ての出音が綺麗なのが流石の御業。
4分半とタイトに締まった尺も個人的に有難かったり。

DarkbyDesign / Disco Slut

Disco Slut (Original Mix) by DarkbyDesign on Beatport

イギリスのプロデューサーDarkbyDesignによるハードダンス。
こちらも長きに渡ってハードダンスを牽引し続けているベテランアーティストです。

上で取り上げた曲とは別角度でテクニカルな面が光るトラック。
何種類の音を使ってんだと言いたくなる程、様々なサウンドパーツが出たり引っ込んだり刻まれたり。
その落ち着きのなさに思わず笑ってしまう仕上がりですが、ここまで遊び心を具現化できるのはキャリアに裏打ちされた手腕あってのこと。
変ミュージック好きには全力で推していきたい逸品。

Gupi, Fraxiom, food house / mos thoser

mos thoser (Original Mix) by Gupi, Fraxiom, food house on Beatport

メキシコのプロデューサーGupi、アメリカのプロデューサーFraxiomfood houseによる不定形ダンスミュージック。
今回のナニコレ1等賞。
ベースライン、ガラージ、ハードダンスなど様々な要素が次々に展開されるわちゃわちゃした感じのバックトラックにFraxiomのラップが乗る・・・とまぁここまでなら他にもありそうな内容ですが、何故か最後のパートでBPM200に到達。
緩急ついた展開といえば大抵の場合は誉め言葉として用いられるフレーズですが、いやこうはならんやろというのが率直な感想です。

B2Bで使おうものならまず間違いなく相手をヤっちまえるタイプの曲。
血気盛んなDJに於かれましてはお見逃しの無いよう。

オマケ。
以下2曲はリリースが今年だったので新譜として観測したものの、よくよく調べたらオリジナルは20年以上前に発売されていたいわばリイシュー。

Caba Kroll feat. C.J. Stone / Rockin’ to the Rhythm

Rockin’ to the Rhythm feat. C.J. Stone (Original Mix) by Caba Kroll on Beatport

ドイツのプロデューサーCaba KrollC.J. Stoneによるハードハウス。
グルーヴィーなベースと高揚感を煽るトランスに寄ったシンセが絡む昔ながらのハードハウス。
ジャーマンレイヴ直系の快楽主義サウンド。
余談ですが、原盤のジャケットがド直球でエロなのでお子様は見ないように。

Dsigual / Technobox

Technobox (Original Mix) by Dsigual on Beatport

スペインのプロデューサーDsigualによるハードハウス。
ファットなベースとシンプルなシンセがインパクト満点。
ブレイク開けで差し込まれる鐘のサウンドなんかも昔の曲にありがちなパーツって感じがします。
メイン以外のパートで使われているサブドラムの打ち方が地味に凝っていたりして面白さもあり。

以上、ハードハウスにスポットを当ててお送りしました。
このジャンルの持つ大きな魅力としては多種多様なスタイルの曲があるという点だと個人的には思っております。
自分としては各種クロスオーバーがしやすいというところが大きいですが、単一ジャンル内でもかなり幅広い流れを演出できるので、是非手を出して頂きたい音楽の1つですね。

といった辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。

次週は774Muzikさんが担当しますが、年内に於ける当連載は2週間後(24日)のワタクシの回で最後となります。
各々あと1回ずつ担当する計算ですね。

というわけで、色々あったんだか無かったんだかイマイチ判断の難しい2020年をハードテクノ視点から総括する意味で

Hardonizeレジデントが選ぶ
今年のハードテクノ10曲

をテーマに各自執筆致します。

メッセージ性の強い曲、思い入れのある曲、強く印象に残った曲、斬新なアイディアやサウンドの曲・・・選ぶ理由はレジデントによってバラバラではありますが、ハードテクノのパーティーを10年以上継続している者として『これだ!』というトラックを紹介しますので、今年最後までお付き合い頂けますと幸いです。

ではその1発目、当代きってのハードトライバリスト774Muzikさんの選ぶ今年の10選をお楽しみに。
掲載日は12月15日です。

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【特集】Hardonize#37 プレイリストピックアップ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/11/26

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

近況報告。


カレー作ってます。


今週末、出演者全員がカレーを振る舞い、DJをするという狂気のパーティーにワタクシも参加させて頂く運びとなっておりますのでご興味のある方は是非。
近況報告終わり。

ほぼ2週間経ってしまいましたが、Hardonize 37回目が無事に終了致しました。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。

未だ先行きの見えない状況下の中での開催となったわけですが、蓋を開けてみればいつものHardonizeといった塩梅で大変楽しかったです。
お招きしたゲストの方々のお力添えもあり、各々がハードテクノに対する別々の解釈を体現していてかなりバランスの良い回になったように感じております。
ストイックな雰囲気もファンキーな曲も、実験的でアンダーグラウンドなサウンドもバカみたいに五月蠅いリズムも、そしてそれらから別の音楽軸へ派生できる応用力も全てハードテクノの華。
要はみんな違ってみんな良い。

774muzikさんはハードミニマルとハードトライバルを軸に硬質なリズムとループ感を追求するプレイで、往年のハードテクノテイスト溢れるものでした。
前回は自宅からの配信参加だったという件もあり、『久し振りに現場に立てて嬉しいんだろうな。』という話を演奏中にレジデント間でしてました。

それに対し続くyudukiさんも徹底してハードミニマルで抗戦していましたが、現代テクノのハード、インダストリアルといったエッセンスを織り交ぜており、脈々と現在まで受け継がれているハードテクノの美学みたいな点にスポットを当てていました。
2番手にして何というか、無慈悲。

その2人に対して対極的だったのが3番手のSangoさんで、ラテン~ディスコリフ全開のハードグルーヴラッシュ。
陰陽の対比が凄い。
途中レイヴブレイクスなんかも飛び出して『おおっ。』となりましたが、本当にこの人もいつまで経っても趣味が変わらない人だなと思った次第です。

ゲスト1人目、Takayuki Kamiyaさんはメインストリームテクノを全曲早回しという真面目なのに何かがおかしいプレイでした。
彼の選曲に因るところも大きいのでしょうが、やはり現行テクノの持つ深度と硬度はどの時代のハードテクノにも通用することをまざまざと見せつけられました。
アグレッシヴなトラックを多めに聴けたのも楽しかった点でした。

ちなみにこの日の前に静岡で彼が出演となった際、そして今回のHardonizeでもCalling Earth (UMEK Remix)がプレイされていましたが、これ本当に今年の鬼テクノ。
原曲1994年ですからね。
今になってリミックスされた経緯もよく分かりませんが、原曲に匹敵する牽引力は凄まじいの一言。

で、今回がデビュー戦にしてレジデント全員に太鼓判を押された目玉、SILENT TALKERは期待通りというか、あのMIX通りというか、あらゆる音楽の引き出しが広くて眼福でした。
今回の出演陣の中に於いては誰よりもアングラなテクノを掬い上げており、且つそれを踏み台にレイヴ、ベースラインまでキッチリカバー、最後は本当にシュランツでバトンが回ってきました。
烏滸がましいとは思いつつもおそらくテクノ以外でプレイしても形になると思いましたし、また彼らのプレイは拝見したいですし、何ならまた呼びたい。

余談ですが、終わってから彼らに『いつかTAKさんに一矢報いたいと思ってます。』みたいなことを言われまして、えーと、いつかB2Bでもやりましょうか?


それらを踏まえてトリを任されたのが、ここに至るまでの間に酒で負傷した状態の年齢不詳不肖、ワタクシ。
ハードテクノにはスポットを当てつつ、しっちゃかめっちゃかな状態を維持しつつ、オチをつけるという問いに対する自分なりの答えを出したつもりです。
酔っ払いですけど。

全容はこちら。
ベースミュージック~ディスコ~ハードグルーヴ~ハードダンス~ハードスタイル~シュランツ~富士山

No Artist Trackname Link
01 AAZAR I LIKE IT SoundCloud
02 AJ Tracey Redbull (TC4 Carnival remix) bandcamp
03 Levela Kicked Off Beatport
04 MAHA Get Busy (Jersey-Club Remix) SoundCloud
05 Hamdi Trumpet (Y U QT Remix) bandcamp
06 植松伸夫 The Winner (H.K.WORKS Reimx) SoundCloud
07 FUNNY KRAVITZ XXDEEN 試聴なし
08 S.I. Futures Freestyle Disco Beatport
09 Taku Inoue × KAGAMI MIRROR BALL “LOVE” FUTURE FUNK SoundCloud
10 Tidy Boys Orange Project (Ben Carr’s Dirty Disco Dub) Beatport
11 DJ Preach Tokyo (Raul Mezcolanza Remix) Beatport
12 DJ nagureo 20,November (GreenLady Bootleg) SoundCloud
13 Andy BSK Ziel Erreicht bandcamp
14 Yosshie 4onthefloor All I Ever Wanted bandcamp
15 RICHARD LOWE Razorback Beatport
16 D00D (feat Mesloes) Follow Your Taste (Geck-O remix) Beatport
17 Hannya Psydrums Beatport
18 Fraw Future Sounds Beatport
19 Tim Neumann aka Lunatic Acid Maniac Beatport
20 Boris S. Psychedelic Drug Beatport
21 Dr. Peacock & Ferocious Dog Psychedelic Spin Apple Music
22 電気グルーヴ 富士山 Apple Music

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

01 / AAZAR / I LIKE IT

AAZAR – I LIKE IT by AAZAR | Free Listening on SoundCloud

フランスのプロデューサーAAZARによるジャージークラブ。
ディスコに於ける大クラシックKC & The Sunshine Band / That’s The Way (I Like It)ネタ。
インパクトのあるあのコーラスが切り刻まれ、ヘヴィーウェイトなリズムとベースが並走する破壊力満点のアレンジ。
にもかかわらずフリーダウンロードなので、ベース系のプレイヤーのみならず広く推したいトラックです。

05 / Hamdi / Trumpet (Y U QT Remix)

Trumpet (Y U QT Remix) | Hamdi

イギリスのプロデューサーY U QTによるベースライン。
派手さは抑えめながら、メインに据えたベースがじわじわと空間を牽引していく直球な構成。
4つ打ちベースライン、ガラージ、ダブと幅広くフォローできそうな応用力も含め、とりあえず持っておけば安心できる優等生トラック。

08 / S.I. Futures / Freestyle Disco

Freestyle Disco (Original Mix) by S.I. Futures on Beatport

イギリスのベテランプロデューサーSi Beggの変名義、S.I. Futuresによるテクノ。
本名義含め、かなり変態的な音使いをすることで知られたアーティストですが、この曲もその例に漏れない作品と言えるでしょう。
全体的なシーケンスはテクノとかハウスを踏襲していながら、リズムはガラージっぽい上にベースはまんまベースミュージックのそれであり、ウワモノはブラスやコーラスがディスコちっくという、十重二十重とジャンルの層を演出している異形の音楽。

ちなみにこれいつ出たかというと2001年。
ベースミュージックとテクノが接近している現在を予見したかのような作品でもあり、作曲者Si Beggの天才と変態の紙一重ぶりには心底震えます。

09 / Taku Inoue × KAGAMI / MIRROR BALL “LOVE” FUTURE FUNK

MIRROR BALL “LOVE” FUTURE FUNK by IKASAGOJ | AKIM IKASAGOJ | Free Listening on SoundCloud

ジャパニーズディスコテクノに燦然と輝くアンセム、MIRROR BALL FUTURE FUNKとゲーム、アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージの人気曲ミラーボール・ラブIKASAGOJがマッシュアップしたもの。
組み合わせに意外性がある一方でかなりスムーズにそれぞれの音が混ざり合っており、何よりタイトルに洒落が効いてて好きです。
Hardonizeレジデントは全員KAGAMI好きですし、先日行われた早稲田温泉に於いてyudukiボスがミラーボール・ラブを推していたこともあり、今回にピッタリだなと思った次第です。

12 / DJ nagureo / 20,November (GreenLady Bootleg)

20,November(GreenLady Bootleg) by GreenLady | Green Lady | Free Listening on SoundCloud

日本の覆面プロデューサーGreenLadyによるハードグルーヴ。
っつってもすぐ正体分かると思います。何なら中の人とB2Bしたことありますワタクシ。
タイトル通り、元ネタは音楽ゲームbeatmaniaの初代に収録されたコレ。
選曲理由については11月ですからねってことで。
元がラテン風味なハウスなので、そりゃハードグルーヴとも相性◎。

14 / Yosshie 4onthefloor / All I Ever Wanted

All I Ever Wanted (Original Mix) | Yosshie 4onthefloor | 4onthetrax

日本のプロデューサーYosshie 4onthefloorによるテックダンス。
どうでもいいことですが、最近出先で何故かよく会う人。
今回のHardonizeの数日前にリリースされたばかりの新曲ホヤホヤです。
本人には伝えたのですが、古風なユーロテクノを想起させるリフが変わっててテクノ~ハードダンス間の良い橋渡しになりそうだなと思ったので早速起用させてもらいました。
その場の思い付きで軽くビートジャグリングしてみたら結構上手いことハマってくれたので、ちょっとルーティーン詰めてみようかと思ったり。

15 / RICHARD LOWE / Razorback

Razorback (Original Mix) by Richard Lowe on Beatport

アイルランドのプロデューサーRichard Loweによるテックトランス。
以前書いた新作テックダンス / テックトランス特集で取り上げたり、もし自分がHardonize公募にエントリーしたらMIXでも使用しましたが、この曲に関してはかなり気に入っております。
これだけ毅然としたトランスの洗練されたリズムを奏でているのに、ウワモノがカウベルって。
少なくとも自分の聴いてきたトランスとは一線を画したサウンドであり、しかも妙にそれがハマっていて『格好良いかも?』と思ってしまう辺り完成度の高い曲であるという認識を持っています。
勿論、単純に変ミュージック好きというのは否めない。

18 / Fraw / Future Sounds

Future Sounds (Original Mix) by Fraw on Beatport

ドイツのプロデューサーFrawによるロースタイル。
ハードスタイルの中でもより重厚で攻撃的なキックをコアとするサブジャンル、ロースタイル。
少し前まで硬派でアンダーグラウンド色が強かった印象がありますが、近年のトラックは面白キック合戦の様相が顕著でして、既存のリズムの概念が崩される音が次々出てくるので楽しいですね。
そのジャンルに於いてメインストリームの一角を担っているのがGearbox Digitalというレーベルであり、そこから今年初頭にリリースされたのがこちら。

バッキバキに歪んでいるにも関わらず芯があるという意味不明なキックのオンパレード。
4分打ちのサイケデリックトランスっぽいベースも相まってとにかくアグレッシブ。

20 / Boris S. / Psychedelic Drug

Psychedelic Drug (Original Mix) by Boris S. on Beatport

ドイツのプロデューサーBoris S.によるシュランツ。
前回の新作シュランツ特集でも取り上げた、サイケデリックトランスにシフトする珍しい曲。
今年リリースされたシュランツに於いては1、2を争うくらい印象に残っていた曲だったので、ようやく使えたことにほっこりです。

21 / Dr. Peacock & Ferocious Dog / Psychedelic Spin

Dr. Peacock & Ferocious Dog – Psychedelic Spin (Official Video) – YouTube

オランダのハードコアプロデューサーDr. PeacockとイギリスのフォークロックバンドFerocious Dogによるサイケデリック・トランス。
この時点でそれぞれのジャンルとその組み合わせが大分おかしい。
元ネタとしてFerocious Dogが2017年にリリースしたSpinという曲があり、思いっきりヴァイオリンを前面に出したケルト民謡とパンクが合体したような奇天烈さが変ミュージックスキーの心を鷲掴み、彼らの代表曲として確立しました。
一方でハードテックやフレンチコアといったハードコアの中でもとりわけ速いスタイルを追求していたDr. Peacockは何を思ったのか近年オーケストラ編成でハードコアを演奏するというスタイルを確立しており、これが大ウケ。
生演奏を交えたハードコアのプレイヤーとして広く認知されるに至っております。

で、何でこのペアでサイケデリックトランスなのかは本当に謎。
謎なんですが、ケルティックな速いサイケとしてあまりにも愉快なので大好きです。

22 / 電気グルーヴ / 富士山

Denki Groove – Fuji-san [Live at FUJI ROCK FESTIVAL 2006] – YouTube

言わずと知れた日本のプロデューサー電気グルーヴによるテクノ。
原曲は1993年リリース。
アルバムVITAMINに収録された曲の中では最も速く、ライブに於いても頻繁に演奏される彼らの代表曲の1つ。
ちなみにその時、ピエール瀧は上の映像にもあるように富士山になって噴火します。

何故〆がこの曲かというと、前回のyudukiさんのエントリーで触れられていたように直近で静岡に行ってたんです我々。
といってもワタクシはTakayuki Kamiyaさん、REV-TUNEさん、Bishamonさんと行動を共にしていたのですが、何の因果かyudukiさんも全く同じタイミングで静岡に旅行に来ており、沼津港で合流するというイベントが発生。

これがその時の写真です。

Hardonizeの際、その時に買ったまぐろチーズチーズかつおを配布したので、『静岡は楽しいし良いところなのでみんな行きましょう。』という思いを込めて〆をこれにしました。
伝わった?伝わったよね。

以上、Hardonize #37のトラックリストをお送り致しました。
所々にネタモノやインパクトの強いサウンドを配置しつつも、如何にそれ一辺倒にならないようにするかとか、それらを伏線として如何にスムーズなジャンル遷移ができるかといったところに常々重点を置いており、それをハードテクノに落とし込んだプレイをHardonizeでは披露している感じです。
平たく言うと今回もいつも通りってことになりますが、その中で何か面白い音と巡り合えたなら嬉しい。
それこそがクラブパーティーの醍醐味だと思っておりますので。

そんなワケでHardonize#37 プレイリストピックアップはここまで。
次週12月01日は774Muzikさんが担当します。
もう年末じゃんね。

今回はこれにて。

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