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新作ハードハウス特集 (2020年04月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/04/30

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

近況報告。


発売日に買いました。
先代端末が第1世代のiPhone SEだったもので、4年振りの端末購入とあって若干ウキウキしております。

ただ、スマートフォンにはケースを装着したい部、且つそのケースは実物を見て選定したい課に所属しているため、電気屋各店が休業中のこの状況では持ち歩くのに抵抗があるという悲しい運命を辿っております。
しばらくは先代端末にも頑張ってもらうことにします。
近況報告終わり。


さて、今週のボスのエントリーで発表がありましたように次回Hardonizeを06月20日に執り行います。
開催形態は現時点では未定ではありますが、何らかの形で『やる』ということだけは決まりました。
未だに事態収束の見通しは立っておりませんが、引き続き気を引き締めてサバイブしていきましょう。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードハウス

です。

特別連載に於いては5回目に取り上げた、ハウス、トランスの要素を持ち合わせたハイブリッドなハードダンスのスタイルです。
現在に於いては数多くの細分化サブジャンルを内包しており、アップリフティングで快楽的なスタイルもあればシリアスで攻撃的なトラックも量産されている、奥行きの広い音楽であることも大きな特徴と言えます。

先の特別連載に於いて参考文献としてDJイオさんの記事を紹介させて頂いたところ、お返しとばかりにピコピコカルチャージャパン内の新連載にて上記特別連載をご紹介頂くという、なんとも光栄な出来事がありました。
ハードテクノもそうですけれど自分はこの辺りの音は完全に後追いなので、それがリアルタイム世代の方に認められたというのはなかなか嬉しいことです。
ありがとうございます。

第1回「イントロダクション」: DJイオの「ワープハウスバカ一代」

この時代にハードハウス、それもワープハウスというごく限定された音楽にスポットを当てた連載を開始するのはかなり異様と言えると思いますが、最新回である第2回共々、とんでもない熱量を持った内容となっておりますので、引き続き拝読させて頂く所存です。

所謂クラシックについては上記連載で今後も大量に紹介されると思いますので、ここで触れるのは逆に現行のハードハウスについて。
それもワープハウス同様、ハウス、トランスの要素に加えて、テクノの反復感だったり生音の質感を取り入れたファンキーハードハウスと呼ばれているものについて紹介していきます。
こういう呼び方が一部で浸透している、ということについては先の特別連載で触れた通りではありますが、他にもウォームアップ・ハードハウスなんて呼び方をされている中にも近い音が見つかりますが、要はギラギラした現行メインストリームのハードハウスとは異なる構成を持ったハードハウスという意味合いが込められているようです。
数多くの細分化ジャンルを抱えたハードハウスに於いて、今1番ハードテクノに近いのがこのカテゴリーではないかと思うので、何かの参考になれば幸いです。

では、今年入ってからリリースされた新作ハードハウス紹介いってみましょう。

Digital Mafia, James Revill / Make It Alright

Make It Alright (Original Mix) by Digital Mafia, James Revill on Beatport

ファンキーハードハウスに於いてまず欠かせないアーティストといえばこのDigital Mafia
度々タッグを組んでいるレーベルメイトでもあるJames Revillとの最新作がこちら。
跳ね系の裏打ちベースと声ネタのカットアップにピアノリフがまさしくファンキー。
テンポ的にもハードテクノ、ハードグルーヴと相性◎。

加えてDigital Mafiaは今年初頭にもMalicious Mとの共作をリリースしており、こちらはよりグルーヴ重視系。
バッキングピアノが否応にも高揚感を高めてくるのでこちらもオススメ。

Digital Mafia, Malicious M / Fantasy

Fantasy (Original Mix) by Digital Mafia, Malicious M on Beatport

Jas Van Houten / Moving On

Moving On (Original Mix) by Jas Van Houten on Beatport

ハードハウス界の帝王レーベルであり、イギリスのハードダンスシーンそのものの代表的存在ともいえるTidy Trax
そのサブレーベルであるUntidy Traxから4年振りの新譜として出たのがこちら。
25年の音楽キャリアを持つ大ベテランJas Van Houtenによる久々の作品でもあるのですが、『本当に今年の曲か?』と思うくらいオールドスクールテイスト溢れるもの。
深めのベースラインにシンプルなリフを長尺で回していく構成はかなりテクノの理念に通ずるところがある気がします。

これも補足になりますが、本家Tidy Traxも今年に入って4年振りとなる新譜がリリースされました。
イギリスのDJ/クリエイター同士、Ben VennardHayzのタッグによるものです。
ファンキーとはちょっと離れますが、バウンシーなリズムの上でベルとシンセも跳ね回る、これもまたオールドスクールへの愛情が感じられる逸品。

Hayz, Ben Vennard / Quiet

Quiet (Original Mix) by Hayz, Ben Vennard on Beatport

DNG / Homage

OUT NOW!!! DNG – Homage (Tuff Groove Recordings #068) by Tuff Groove Recordings | Free Listening on SoundCloud

アシッドテクノに於いては909Londonが専門店として挙げられるように、ハードハウスにも専門店が存在します。
それがToolbox Digital Shopというところで、音源のデータ販売は元よりCDやグッズなどフィジカル商品の発送、MIXの配信、イベントの情報発信とそのチケットの販売まで一手に請け負うプラットフォームです。
そして何といってもここでしか買えないエクスクルーシヴ音源があるという点は強調しておきたいところでして、これもそういったものの1つ。

購入先リンク:DNG – Homage (Original Mix) [Tuff Groove Recordings]

軽めなキックに相対するようにベースの重心は低め。
リフも割合シンプルなループ系なのでメロディ含みのテクノなんかと絡めやすい仕上がりです。

Lesley Anne, N.I.F / Basic Pleasure Model

Basic Pleasure Model (Original Mix) by Lesley Anne, N.I.F on Beatport

イギリスのDJ/クリエイターLesley Anneによるハードハウス。
これのリリース元であるFireball Recordingsは現代ハードハウスの最前線に立つレーベルとして活動しており、普段はもっとギラついた攻撃的なトラックが多い印象ではあるものの、たまにこのような変な曲も見つかる懐の広さが魅力です。
中盤~終盤パートでちょこちょこシンセリフが顔を覗かせるものの、落ち着かないベースラインを中心に据えたリズム帯が大方のメイン。
それこそ4つ打ちベースミュージックなんかと相性が良いと思われます。
1つこういうのを持っていると展開の幅が広がって心強かったりもしますね。

Sound De-Zign / Happiness (Coast 2 Coast Mix)

Happiness (Coast 2 Coast Mix) by Sound De-Zign on Beatport

この段落で紹介するのはどちらも今年に入ってからの再発ものですね。
ご存知、トランス界の大御所Armin van Buurenが発起したレーベルArmadaが今まで配信されなかった過去作品の再発に力を入れ始め、今年に入ってからもそれが継続しており、その中にもテーマ的に合致するトラックがあったのでここで紹介します。

上のはオランダのプロデューサーユニットSound De-Zignの原曲を2001年にアイルランドのプロデューサーユニットCoast 2 Coastがリミックスしたもの。
このボーカルの元ネタはLet The Beat Hit’Em (LL with Love RC Mix)でして、テクノ~ハウスでよく聞くサンプリングだったりします。
これもバッキングピアノとサンプリングされたオルガンフレーズが気持ち良く、普通のトランスとしても使えるハイブリッドなアレンジ。

あと、下のは微妙にスペルが違うものの、同一アーティストです。
(何故かSoundcloudのアカウントも別個に存在します⇒Sound Design)
こちらは1999年が初発。
若干キックが軽い点以外はファンキーなテクノと遜色ない仕上がり。
シーンを問わず、かなり使いどころの多いタイプのトラックです。

Sound Design / Hot ‘N Horny (Kinky Boy Remix)

Hot ‘N Horny (Kinky Boy Remix) by Sound Design on Beatport

Daves Groover / Master Beat

Master Beat (Original Mix) by Daves Groover on Beatport

ブラジルのDJ/クリエイターDaves Grooverによる速いアシッドハウス。
というのも、この人の出自がハードダンスではなく、テックハウスやアシッドハウスを主軸に活動しているためか、音の質感がまるで違います。
どちらかというと生音に近いシンセループが鳴っているのですが、テンポ的にはバッチリハードハウス、ハードテクノに寄せているという、ちょっと変わった作品。
アーバンな雰囲気括りで味が出そうなトラック。

Selky / Sneak Preview

Sneak Preview (Original Mix) by Selky on Beatport

アイルランドのDJ/クリエイターSelkyによる速いディスコ。
これもまたハウス、テクノを主に手掛けているアーティストによる実験的側面の強い作品。
レトロなシンセリフ、パワフルなボーカル、そして細かくエディットされたブラスなどファンク爆弾大量積載。
セットの最後の方に持っていきたい存在感があります。

ちなみに、この楽曲が収録されたEPのメインジャンルは何故かジューク/フットワーク。
そしてSoundcloudの個別楽曲のページに付与されたタグはスピード・ガラージと何かがズレている感がそこかしこに漂っており、今回この曲を見つけられたのは本当にただ運が良かっただけの模様。
[MTXLT174] Street Bangers Factory 13 (V.A.) | Moveltraxx

DJAN feat. Natemonoxide / – Do you remember

– Do you remember feat. Natemonoxide (Original Mix) by DJAN, Natemonoxide on Beatport

最後はかなり変わり種。
ハードハウスに含めるかどうかすら怪しいシロモノですが、変ミュージックスキーとして目に留まってしまったので。
DJANNate Monoxideをボーカルに迎えて手掛けた、強いて言えば速いフューチャーハウス。
フューチャーベースの基本ともいえる哀愁系シンセがふんだんに使われているものの、ボトムの鳴り方はハウスのテイストをそのまま残しているのがちょっと不思議な印象を受けます。

アーティストも初見でこれ以上情報が探せなかったこともあり、これも出会うか出会わないかが運次第な作品でした。
折角なのでお裾分け。

以上、ハードハウスにスポットを当ててお送りしました。
なかなかまとめて語られることのない部分にフォーカスしてみた自負はあるのですが、何せこの手の混合音楽が好きなもので。
去年リリースされたものの中にもなかなか濃いものがたくさんあるので、以下に列挙しておきます。

Wave Up Ya Hands (Original Mix) by Mickey G on Beatport
Politically Incorrect (Original Mix) by Ross Homson on Beatport
Revenge At The Disco (Original Mix) by Digital Mafia, Ryan Walker on Beatport
Gimmy Pouwa (Original Mix) by Jas Van Houten on Beatport
Teardrops (Headrockers Remix) by Dawn Tallman on Beatport

是非この辺りも足掛かりにしつつ、あらゆる4つ打ちの壁を破壊してもらえると僕が楽しくなりますので、何卒。
実際、ハードハウスのDJ/アーティストの中にもガラージや4つ打ちベースラインなどと異種交配を試みる人がおりますし、斬新な発想には敬意を払いつつ、積極的に参考にしていきたいと思う次第です。

と云った辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。

次週05月05日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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新作レイヴスタイルテクノ特集 (2020年04月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/04/16

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

こうも平日、週末問わず遊び場が休業、休業だと本当に日常が退屈ですね。
実際、飲食店くらいしか開いておらず、人の往来も少ないという、東京のイメージとはかけ離れた光景が続いております。
ちなみに、我らが東京麺珍亭本舗は営業しておりました。

持ち帰りチャーシューを家で魔改造しても愉快なことになったりしますのでお近くにお越しの際は是非に。

他方、自宅にいながら楽しめるとしてDJ配信なんかは毎日のように誰かが行っており、一昔前のUstreamが流行っていた頃を思い出します。
前回の担当回でお伝えしたリレー配信プログラム、Music Unity 2020今週末に2回目が行われるそうなので、自宅待機のお供に聴きましょう。

一方、自分はというとSoundcloudの個人用アカウントを設立致しました。
やっとかよという感は否めません。

それこそ自宅待機期間を利用してMIXを生産しております。
特別連載期間中に行われたHardonize #34にてプレイしたハードテクノ総纏めをテーマとするものも先日アップロードしておりますので、ご興味の方は何卒。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンル・・・というかテーマは

レイヴスタイルテクノ

です。

何度か当連載に於いて触れている通り、現行のメインストリームテクノの一部に於いて1990年代レイヴサウンドを再評価するムーブメントが起こっており、当時の音やフレーズをサンプリングした数多くの楽曲がリリースされております。
まんま当時の音を再現した、というよりはリズムや出音は現在の技術を駆使して作られているため、現行の一般的なテクノと並べても違和感なく、且つレイヴ特有のインパクトのある音は飛び道具、ピークタイムチューンとしてバッチリ機能するという良いとこ取りなスタイルなのです。

この手の音楽の面白い点として、所謂レジェンドと呼ばれる人たちが当時を思い起こしながら作ったであろうトラックもあれば、1990年代以降に生まれたためにヨーロッパレイヴ全盛期を体験していない、言わば若手のトラックメイカーたちによる作品も数多く存在するところ。
サウンドとしてはレイヴのテイストが過分に用いられているものの、その使い方については1990年代のトラックの枠組みを超えた独自解釈が大いに含まれているため、単純なオールドスクールの焼き直しではないところがまた魅力だと思っております。
あと個人的趣向として下品なサウンドは大好物なので、1度はまとめて紹介したかった分野でもあります。

リリースはアーティストやレーベルの枠を超えて今でもコンスタントに行われているものの、サブジャンルとして確立しているほどではないため、今回はテーマという括りでお送り致します。
通例通り、今年リリースされたものの中からピックアップしていくのですが、それでも1度に紹介できる量ではないので、インパクトの強いもの、トピック性の高いものを選定致しました。
あと備考的に今年括りでないものでオススメしたい曲というのもいくつか末尾に記載しておりますので、より良いレイヴライフを送る指標になれれば幸いです。

では、レイヴスタイルの新作テクノ紹介いってみましょう。

Filterheadz / Density

Density (Original Mix) by Filterheadz on Beatport

ベルギーのDJ/クリエイターFilterheadzによるテクノ。
ちなみに今週頭のリリースと出たてホヤホヤの新譜です。
過去にアーティスト特集を組んでおりますように、テクノヘッズであれば言わずと知れた大御所アーティストではありますが、その中の作品に於いても2019年のRadiusや2015年のStarburst (Filterheadz Remix)のように度々レイヴサウンドを取り入れたトラックを輩出しておりました。

この曲もその位置付けに当たる曲。
一聴して分かるレイヴスタブの連打が最大の特徴。
Filterheadzお得意のヘヴィー級ボトムも相まって破壊力満点の仕上がりです。
パワフルなピークタイムチューン。

Niereich, Shadym / Bashcid

Bashcid (Original Mix) by Niereich, Shadym on Beatport

共にドイツ出身のDJ/クリエイター、NiereichShadymによるテクノ。
アーメン+ディストーションアシッド+硬いビートとこれまたアグレッシヴなトラック。

遊び心がありつつもシリアスな雰囲気を纏ったところがまた良い感じ。
個人的にはやはり終盤で使いたくなる部類に入ります。

The YellowHeads / Energy System

Energy System (Extended) by The YellowHeads on Beatport

スペイン出身の覆面2人組ユニットThe YellowHeadsによるテクノ。
前述の2曲と比べるとこちらは深さに重点を置いたリズムメイクが施されており、よりアングラ傾向が強いです。

が、ブレイクが明けるとDensity同様、レイヴスタブが堂々とお目見え。
リフがシンプルな分、序盤で飛び道具的に使いたくもなるのですが、DJによって使いどころの解釈が分かれそうな曲、という言い方がより正確かもしれません。

Sebastian Groth / Power

Power (Original Mix) by Sebastian Groth on Beatport

ドイツのDJ/クリエイターSebastian Grothによるテクノ。
バウンシーなキックとドライクラップという、シカゴハウスを彷彿とさせるの組み合わせのリズムがファンキー。

しかしインパクトが強いのはDominatorシンセと呼ばれる、1991年のレイヴクラシック、Human Resource / Dominatorが発祥となっている独特の音。
リズムと合わさって、かなり飛び道具志向の強そうな曲だと認識しております。

余談ですが、このSebastian Grothが昨年にテクノ夫婦デュオ、Resistohrと組んで作った以下の曲はレイヴというか、ジュリアナ、デステクノのサウンドを用いたこれまたインパクトの強い曲なので、合わせて掲載しておきます。

Sebastian Groth, Resistohr / Here We Go Again

Here We Go Again (Original Mix) by Sebastian Groth, Resistohr on Beatport

ROBPM / D4 Damager (T78 Remix)

D4 Damager (T78 Remix) by ROBPM on Beatport

イタリアのDJ/クリエイターT78によるテクノ。
前回の担当回でも触れた通り、T78はこのスタイルのテクノを量産しているアーティストとして真っ先に名前が上がる内の1人です。
今年に入ってからは違う路線にも着手している様子が見られますが、代表的とも言える作風のものもあり、それがこちら。

まずイントロがアーメンブレイク丸出し、続いて差し込まれるWildchild / Renegade Masterのボイスサンプル、そして上述の曲同様、Dominatorシンセがメインリフとなってラフなキックと並走する前半パート。
後半パートでは更にT99 / Anasthasiaに代表されるオーケストラヒットまで繰り出されるレイヴアーミー総決起と言わんばかりのてんこ盛り。
ド派手路線に於いては要注目の作品です。

あとこれも今年括りではないのですが、昨年末にリリースされたDino Maggioranaとの共作もオルガンとスタブのユニゾンでこれまたド派手。
前回Hardonizeに於いてラストに使った曲でもあるので、再度推薦。

Dino Maggiorana, T78 / I Got What U Need

I Got What U Need (Original Mix) by Dino Maggiorana, T78 on Beatport

DJ Misjah, DJ Tim / Access (i_o Remix)

Access (i_o Remix) by DJ Misjah, DJ Tim on Beatport

DJ Misjah, DJ Tim / Accessといえば1995年にリリースされたアシッドテクノの大アンセムとしてクラシックに数えられる曲でもあるのですが、リリースから25年が経った今年、テクノとEDMを繋ぐアメリカのDJ/クリエイターi_oによってリミックスされた作品。
今のところ、2020年に起こったテクノ事件としては上位をマークする出来事です。

ほぼ原曲に忠実な構成をベースに、出音を現代に寄せたようなアレンジ。
リミックスというかリマスタリングに近いような印象も受けますね。
古のアシッドファンと最近のテクノヘッズ、双方納得の作品ではないでしょうか。

Mall Grab / RELEASE YOUR BODY (RECOGNIZABLE MIX)

RELEASE YOUR BODY (RECOGNIZABLE MIX) by Mall Grab on Beatport

イギリスのDJ/クリエイターMall Grabによるテクノ。
若くしてテックハウス、ガラージ、各種ベースミュージックなど、器用に作風を使い分けるアーティストではあるものの、何故かここ最近はハードテクノとレイヴに傾倒している感がある特異な存在。
その集大成ともいうべき初のアルバムが今年03月にリリースとなったWORSHIP FRIENDSHIPでして、この曲もその中に収録されているもの。

アーメンサンプリング、ファットなベースライン、レイヴオルガンと3種揃った構成は1990年代をそのままパッケージしたかのよう。
本来とは逆の意味で年齢を感じさせないタフなサウンド目白押しで、アルバムごと強烈にオススメです。

Raito / Dark Orb

Dark Orb (Original Mix) by Raito on Beatport

フランスのDJ/クリエイターRaitoによるテクノ。
記事執筆時点ではまだリリースされておらず、明日17日の発売となるものですが、かなり面食らったので最後にご紹介します。

Raitoもまたこの手のスタイルに於いては欠かせない重要アーティストの1人。
Rave 92Hardcore RaveSummer Of Loveなど、タイトルからしてレイヴの臭気漂うトラックが数多くあり、そのどれもがオールドスクールレイヴと現代テクノを繋ぐ架け橋となる素敵チューンなのですが、
明日発売となる3曲入りEP、Moon Tearはレイヴ経過後のトランスにあったようなリフをメインに据えた、これまでの作風とは少し異なったテイストのものとなっております。

何より、リズムが鬼硬い。
タイムリーなことに前回の担当回でテックダンス / テックトランスについて触れましたが、そのどれとも質感の違う、むしろハードテクノに近い強烈なキックが鳴り響いております。

言わばレイヴ×トランス×ハードテクノという未体験音楽。
しかもそれが3曲。
加えて取り上げるならば、これのリリース元はダンスミュージック界の覇者、deadmau5率いるmau5trapという点も輪をかけて異質。
いよいよ何かが起こりつつある感がビンビンに感じられる作品となっておりますので、是非要注目でお願いします。

以上、レイヴスタイルのテクノにスポットを当ててお送りしました。
この手のサウンドは見つけ次第購入してしまう癖があるため、紹介しきれなかった曲が大量にあるというのが惜しまれます。
今年括りではないけど、自分がよく使う曲としても

Circles (Original Mix) by Atix on Beatport
Jealousy (Special Request Remix) by Disciples on Beatport
Off Season (Original Mix) by Joy Orbison on Beatport
For The People (Original Mix) by Reinier Zonneveld on Beatport
Anasthasia (Falhaber Remix) by T99 on Beatport

この辺りはパパッと挙げられるので、是非ご参考の程。
サウンド面以外でも4つ打ちとブレイクビーツの双方の要素が入り混じっているのが他ジャンルとのクロスオーバーにうってつけでもあり、そこがまた魅力的に映るのだと思います。
このリバイバルがどこまで輪を広げるのかという点も含め、引き続き注目していきます。

と云った辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。

次週04月21日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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