こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
次回Hardonizeのゲストが発表となりました。
2017/11/04(Sat) Hardonize#28
Die氏はHONDALADY及びアシッド田宮三四郎として90年代アシッド、レイヴに影響を受けまくったトラックを提供し続けている方です。
DJもまた懐かしくもマニアックでありながらハッピーでアグレッシヴな選曲が強みで、最近のカッチリしたテクノでは味わえない音。
尚、つい最近までベルギー~オランダを巡る『テクノ武者修行』を敢行しており、レコードバッグいっぱいヴァイナルを買ってきたそうで、写真を見るとKLFとかWESTBAMとか往年のジャーマンテクノ、トランスっぽいものがずらり。
テクノの長い歴史の片鱗が窺えそうなプレイに期待が高まります。
片やBee.Bee.氏はハードダンスを軸にギラギラした硬い音を強みとするDJ/クリエイター。
ハードダンスクリエイター集団exbit traxに所属している一方で秋葉原重工のEPにリミキサーとしての参加経験もあり、テクノとハードダンスの融合体のようなトラックが目立ちます。
中心軸としてではなく、エッセンスとしてテクノを取り入れたときにどう出力されるのか、と云ったところでこちらも要注目なゲストとなりました。
あと酔うと面白いことが最近分かりました。
尚、Hardonizeの前週にM3と云う同人音楽即売会があり、両者共何度か出展経験があります。
もしかしたら彼らの最新音源が手に入る機会になるかもしれませんので是非足を運んで作品を手に取ってみてください。
さて、気が付けばもう10月、2017年も残り1/4となりました。
朝は暗く、夜が早く訪れるのを実感するようになってきたこの頃。
こうなるとド派手ファンキーって感じではなく、エモーショナルな音が似合う季節だなぁと思うわけなので、前回のフリーダウンロード回でも取り上げたこの人をご紹介します。
https://www.facebook.com/quarillakanormanandretti
https://soundcloud.com/quarillakanormanandretti
ハンガリー、ブダペストのDJ/クリエイター。
DJを始めたのは13歳の頃だそうですが、最初はガバ、ハードコアなどの音楽を主にかけていたそうです。
その後テクノに触れ、2011年よりトラック制作を開始。
それまで触れてきたハードコアやシュランツなどのハードビートを糧に新しいテクノのシーンを作りたいと云う目標の元、ファンキーテクノやハードグルーヴをリリースし続けています。
Corrupted Data、Unaffected Recordsなどその界隈では代表的なレーベルからもリリースしており、チェコ、スロベニア、オーストリアなどの周辺東欧からイギリスまでギグをこなすシーンに於ける若手の筆頭みたいな存在です。
また、平行してQuarillと云う名義でも活動しており、こちらはテクノとなぜかドラムンベースをプロデュースする際の名前としている印象です。
テクノについては現行のトレンドを意識するためと云う側面もあるようで、本人曰く最小限の音で構成されたようなテックハウス、ミニマルに寄っているとのことですが、メインストリームの音よりは結構パーカッシヴな要素が強いような気もします。
何だかんだでハードな音楽は好きな様子。
彼が登場した2011年と云うのは丁度ハードグルーヴと云う名称がシーンに定着しつつあった時代でした。
私も当時からハードテクノに触れていたこともあってデビュー作からほぼほぼ通して彼のトラックは聴いてきましたが、メロディアスな曲を作る人が出てきたなと思ったのを覚えています。
トライバルテクノが現行のハードグルーヴの礎となった背景があるので、チャカポコしたリズムに合わせてリフもラテンだったり民族音楽、ディスコっぽいものが当時のトレンドだった分、まるで2000年前後のデトロイティッシュなシンセを想起させるような彼の音使いはかなり新鮮でした。
勿論彼のワークスの中にはディスコサンプリングもあったりしますが、その下に薄くトランシーなシンセが重なっていたりしてどこか哀愁があります。
ざっくばらんに言うとセットの後ろの方で〆に向かう時に凄く向いてます。
こういった曲を作る経緯と云うのは2014年にInjected FusionがNorman Andrettiにインタビューした際に語られています。
Cross Tempos: Artist Interview: Norman Andretti a.k.a Quarill
http://www.crosstempos.com/2014/05/artist-interview-norman-andretti-aka.html
記事の中ではハードグルーヴ、ファンキーテクノを作る時、テックトランスなど他の音楽の要素を加えることに恐れていないと云った発言があり、同時に活動を続けるために新しい世代を意識した上でリスナーの趣味に合わせ、興味を引きつけることも重要であることが語られています。
その表現方法としてハードテクノに要素をプラスする形がNorman Andrettiであり、逆にそこから出来る限り音を削ぎ落としていくのがQuarillとしての活動であるとも語っています。
また、ハンガリーのクラブシーンについても興味深い記述があって、数々の独立したコミュニティが互いに成長を妨げている、みたいな閉塞感を抱えているそうです。
なんでしょうね、本当に90年代のデトロイトテクノそのまんまだなと思ってしまいました。
あの音楽もデトロイトと云う工業地帯に於けるやり場のない鬱憤を発散させるために、ファンクやR&Bの影響を受けたあのようなメロディアスな音楽になったので。
ハンガリーも工業国であり、またユーロに加入できない財政赤字を抱えていると云った事柄も共通しています。
そこに生きるNorman Andrettiが先人たちと同じならば彼もまた反骨精神の塊であり、きっと既存のクラブシーンに風穴を開けてくれる筈です。
上記の通り、テクノ以外にもハウス、トランス、ドラムンベースなど様々な音楽を吸収することに貪欲であるので、きっとまた私たちを驚かせるような曲を聴かせてくれることでしょう。
そんなNorman Andretti a.k.a. Quarillのオススメはこちら。
先日ご紹介したように彼のSoundcloudアカウントにもフリーダウンロード曲がアップロードされているので、こちらもお見逃しなく。
また、最近彼のYoutubeチャンネルにてDJMIXのスタジオ録画がアップロードされるようになったのでこちらもご紹介。
Quarill名義によるもので、テクノとドラムンベースのMIXがそれぞれ2本ずつあります。
次週10月10日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。