こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【近況1】
サラダ美味かったです。
(次回に向けたレジデント内ミーティングが終わりました、の意。)
次回開催に向けて準備が進んでおりますので情報公開までお付き合い頂けますと幸いです。
ちなみに、前回で15周年記念回は終わったとお思いでしょうが、今年1年丸ごと15周年ですからね?
こちらからのヒントは以上になります。
【近況2】
いつかやるだろうなと思っていたことが起こったのですが、
自転車で単独事故を起こし、現在松葉杖生活をしております。
Hardonizeの後で良かった。(良くない)
丸ごとパーティー行けない月っていつ以来だろうか。
それくらい身近にあったものだったんだなということを再認識しております。
頑張れ自分の回復力。
【今回のお題】
さて15周年記念回関連でお流れになっておりましたが、ここ数年の新年1発目の僕の記事では正月のお年玉に因んだフリーダウンロード楽曲を取り上げる特集を行っております。
参考までに過去の記事はこちら。
それ以前の掲載はコチラになります。
2020 (後編) / 2020 (前編) / 2019 (後編) / 2019 (前編) / 2018
去年分についても既にちょいちょいリンク切れがあるので、まだダウンロードできるものについてもお早めにどうぞ。
そんなワケで2022年分をピックアップしていたところやはり去年も膨大な数の楽曲を仕入れていたらしく、数を絞り切れなかったため、結局今回もいつも通り前後編に分けてご紹介します。
一応カテゴリ分類として
・今回:メインストリームテクノ&ハードミニマル
・次回:ハードグルーヴ&テックトランス
とした上で、それぞれ10曲程度取り上げていきます。
これからハードテクノに触れる人や、自身のプレイ幅を広げたいと考えている方の取っ掛かりとして参考になれば幸いです。
それでは、
いってみましょう。
【曲紹介】
ドイツのプロデューサーReturn Fallによるテクノ。
一貫して重たいビートが鳴り続けているその上にインド古典音楽のボーカルがトッピングされた面白寄りの作品。
使うにはリズムの硬度的にシリアスな流れの中に放り込むしかないように思えますが、どう頑張ってもウワモノの整合性は取れないと思うので完全に飛び道具です。
カレー食べたい。
ちょっと前に行った新作サイケデリックトランス特集にてDirty Beat, Mynastic / Patakha Tranceという曲を取り上げましたが、これと同じボーカルがサンプリングされております。
しかし向こうはインド映画らしいはっちゃけた雰囲気が漂っている一方、こちらは冷血で無慈悲なアレンジとなっており、同じネタでここまで開きが出るのかと思うとより面白いですね。
更に余談ですが、世界的なトップDJであるDJ Snakeがアレンジしたバージョンなんてのも出てます。
こっちもこっちでウワモノが浮きまくっているハウスとなっており、使いどころが謎い。
オーストラリアのプロデューサーユニットRinse & Repeatによるテクノ。
テクノで散々サンプリングされつくしている『テクノなんて誰も聴かねぇ。』というEminem / Without Meのラインが今年も出ました。
原曲のビートを力強い現代テクノに差し替えたアレンジとなっており、リフのシンプルさも相まって非常に使い易い。
使う際の注意点としては尺が3分未満とめちゃくちゃタイトになっているので、ちゃんと次の曲を考えておく必要があります。
Eminem繋がりでもう1曲。
アイルランドのプロデューサーPaul Gannonによるテクノ。
原曲を早回ししたラップがリズミカルにテクノビートに乗っているのが聴いてて気持ち良い。
冒頭にブレイクスパートを差し込んでから硬い4つ打ちのリズムパートに移行する展開の作り方とかも仕掛けがきいててとても良いですね。
ちなみにこの曲の原曲は2022年に公開された映画エルヴィスに書き下ろされたもの。
先のEminem / Without Meに於いてはElvis Presleyを揶揄していたEminemが、一転して彼の伝記映画に向けて彼をキングと称える曲を出しているわけですから時代の巡りとは面白いですよね。
そしてその曲にElvis Presley / Jailhouse Rockを盛大にサンプリングしているのもまた味わいがあります。
Martin Garrix – Animals (Botnek Edit) [AndyG Bigroom Techno Reboot] – YouTube
オーストラリアのプロデューサーAndyGによるテクノ。
2022年にもこの曲のアレンジが出ると思わなくてかなり面食らった曲。
今となっては初出が10年前らしいです。おっそろしい。
原曲、更にその原曲もブレイクとメインパートの落差にとてつもないインパクトがあり、
この肩透かし的な手法をトレンドに押し上げた曲としても印象的でしたが、本アレンジもそのマナーを忠実になぞったものに仕上がっております。
こうして聴くとこのフレーズってテクノと相性良かったんだなということに10年越しに気付けるアレンジ。
イギリスのプロデューサーFLiNTによるテクノ。
元ネタは1997年にリリースされたベースラインの、大クラシックなのですが、この曲にテクノ的な解釈を持たせたアレンジは25年目にして本作が初ではないかと思います。
原曲の深いベースを引き継ぎつつ派手なウワモノは皆無のまま4つ打ちのビートが反復する、かなり緊張感のあるスタイル。
このFLiNTというアーティストはハードダンスにも造詣の深い人なのでアップリフティングに仕立てることもできた筈なのですが、
あえてこのように渋い音に落とし込むあたり、原曲に対する愛情が見えてくるかのようです。
これらのアレンジテーマの選定やアレンジの方向性には『おっ。』となったので、使える機会を伺っています。
ベルギーのプロデューサーArthur Lewisによるハードテクノ。
硬く、前のめりなビートに原曲のピッチ高めのボーカルが乗っているシンプルなアレンジ。
こうしたボーカル入りのハードテクノは割とレア度高めなので、ブートレグならではという感じがしますね。
とはいえサウンドやフレーズを活かし、楽しくもちょっと悲しい感じが出ていた原曲と比べるとこちらも無慈悲寄りな雰囲気に仕上がっています。
曲の前後にのりしろはちゃんと用意されておりますが、それでも尺は3分とかなりタイトです。
ドイツのプロデューサーJens Muellerによるハードテクノ。
こちらもドライブ感強めのビート、なのですがその上に乗った明らかに西洋音楽と異なる言語のボーカルとパーカッションリズムに格好良さとは別の面白さを感じてしまいました。
このベースの感じも一般的なハードテクノでは聴かないタイプの音なので、地味にインパクトがあります。
リズムのタフな感じとウワモノのトライバル感から想起されるのはMonika Kruse / Latin Lovers (Eric Sneo Forward Mix)なので、この手のハードトライバルが好きなら押さえておいても良いかも。
どうも原曲はMC Kaique da VP / Taca a Xere pra Mimという南米音楽バイレファンキであり、何故かTik Tokで去年バズっていたようです。
インターネット、何も分からん。
イギリスのプロデューサーE11によるハードテクノ。
ハードなリズム+アシッドシンセ+アーメンブレイクというレイヴの臭気ムンムンのトラック。
ストイック過ぎず、アップリフティング過ぎず、それでいて遊び心がきいたサウンドの塩梅がなかなかに丁度良い。
〆に向かって流れを作っていくタイプではないかと思います。
イタリアのプロデューサーT78によるハードテクノ。
タイトルから察せられる通り、前半はThe Prodigy / Smack My Bitch Upネタ、後半はDerb / Derbネタを用いたマッシュアップアレンジ。
元よりオールドスクールレイヴのサウンドを現代テクノに落とし込んだトラックを量産しているT78ですが、本作は一際ハードで速いリズムを用い、且つラスボス級のサンプリング2本使いといった大盤振る舞いを発揮しています。
ここぞという時にしか使えないハイパービッグボム。
The Prodigy / Smack My Bitch Upネタでもう1つ。
イタリアのプロデューサー同士、Luca AgnelliとCHRSによるハードテクノ。
抜群の推進力を持つビートにトランスを意識したシンセで原曲のフレーズを弾き直した音が乗っている質実剛健なアレンジ。
テックトランスの流れでも充分にポテンシャルを発揮できる音になっているので、先に紹介したアレンジよりは使い勝手が良さそうな気がします。
Stream Scorch – Techno-Gi-Oh! [FREE DOWNLOAD] by Scorch (FRA) | Listen online for free on SoundCloud
フランスのプロデューサーScorchによるテクノ。
今回の最謎大賞作品です。
タイトルからとある漫画作品を連想せずにはいられず、実際に曲中でもその名前を連呼しちゃっているので、まぁそういうことです。
そして曲中でサンプリングされているやたら壮大なオーケストラっぽい音、どことなくエジプト感漂っていますよね。
僕もアニメを見ているわけではないのでこの辺り判然としなかったのですが、この曲のSoundcloudのコメント欄に答えが載っていました。
和訳すると以下の通りです。
ペガサスがどうやって千年眼を失ったのか思い出せなかったので、午前2時に起床。
シーズン1から3までのあらすじを見てオープニングのOSTを聴き直し、オマージュ曲のサンプリングをメインテーマにしました。
なんでなのよ!?
というわけでフランス人のアニメ好き過ぎモチベーションが遺憾なく発揮されてしまった作品。
【まとめ】
以上、フリーダウンロード2022特集 (前編)をお送りしました。
今回大分ネタモノ率高かったですね。
変わった音使いのトラックを選んでいったらこうなってしまう悲しい病にかかっております。
とはいえ、そのネタ元はテクノに於ける定番ばかりというワケでもなく、世相を反映したあらゆる音楽がテクノにも応用されている辺りが面白いと感じております。
こういうところは販売されている音源だけだと追い付けない部分だったりするので、今年も引き続き色々な方向にアンテナを張り巡らせたいと考えております。
そんなわけで今回はここまで。
次回の自分の担当回ではハードグルーヴ、テックトランスなどにスポットを当てたフリーダウンロード2022特集 (後編)をお送り致します。
03月02日公開予定となっておりますのでお見逃しなく。
次週02月21日は774Muzikさんが担当します。
では。