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【特集】Hardonize#46.5 プレイリストピックアップ - Resident’s Recommend 2024/05/23

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【Hardonize #46.5 無事終了】

先週はHardonize #46.5でした。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。

ゲストにお招きした静岡ローカルプレイヤー2名はそれぞれ地方ならではの特色がありました。
AONOさんはテクノクラシック、大ネタサンプリング、最新トラックを大胆に行き来しつつ、それでも一定のグルーヴはキープされている技巧も合わせ持ったプレイだったように思えますし、
SHIGeさんはより緻密にメロディー、リフをコントロールし、持ち時間いっぱいを通して空間を演出していく職人気質溢れる内容でした。
今回残念ながらご出演が叶わなかったVITAMINさんも含め、個性的なプレイヤーが多く揃っている土地だなということを再認識した次第です。
是非またご一緒したいですね。

尚、東京からお連れしたHomma Honganji御大は相変わらずのハイスキル4deckプレイで一体どうやってサウンドコントロールしているのか分からず、ブース回りに人だかりができた瞬間もしばしばありました。

また、開催場所である静岡COAFunktion-Oneサウンドも相変わらずキレキレでした。
低音に強いからか、ちょい古めの音やHomma Honganjiさんのヴァイナルの音が特に映えていたような気がしました。

で、次回Hardonizeは08月初旬に早稲田茶箱に戻っての開催となります。
ゲストDJなど詳細は追って公表致しますので、ご期待ください。

【告知】

06月15日(土曜日)に渋谷Another Dimensionで行われるオールジャンルのパーティー、TYMM07に出演致します。

当Hardonizeのボス、yudukiさんがレジデントを務めるパーティーに初めてお招き頂きました。
深夜らしいソリッドな音にスポットを当てている回が多く、幅広いシーンから様々なゲストを招聘していることで個人的には好きな催しです。

今回ご一緒させて頂くゲストプレイヤー、MASASHI MATSUIさんはアシッドテクノやシカゴハウスをメインサウンドに、ヴァイナルでガシガシスクラッチを織り交ぜながら豪快且つスキルフルにMIXを展開していく方。

【TECHNO MIX】DJ MASASHI MATSUI /LIVE AT ARENA SHIMOKITAZAWA

【TECHNO MIX】DJ MASASHI MATSUI /LIVE AT ARENA SHIMOKITAZAWA – YouTube

これは自分にはできんなぁと感嘆すると同時にファンキーな一晩になりそうな気配が既に漂ってますので、精一杯華を添えたいと思います。
是非お越しください。

【Hardonize #46.5 トラックリスト】

さて、自分はこの日Homma Honganjiさんからバトンを受け取ってのトリというポジションでした。
最後の順番ということに加え、今回はパーティーの時間枠が通常より1時間長いこともあり、この時点でまぁあらかたのハードテクノは流れ切っているわけです。
なので、今回の自分の役割はデトックスだなと割り切り、ドが付くくらいディープな内容に終始しました。
途中ビートを完全に無くしたりして、16年に及ぶHardonize史上でもかなり珍しいプレイになったと自負しています。

大まかには
速いディープテクノミニマルテクノ非4つ打ちテクノアンビエントミニマルドラムンベーステクノ

全容はこちら。

No Artist Trackname Link
01 P-ben Enter The Ship bandcamp
02 Marina George Something Broken bandcamp
03 Black Mirror Park Disorder 7 bandcamp
04 Audionerd (Col) Talisman (Mwamwa Remix) bandcamp
05 Jiho Delicate Relationship bandcamp
06 The Answer Wild Animals bandcamp
07 Pol Suspect bandcamp
08 Sub Basics Quantum Zone bandcamp
09 Absis Paranoid bandcamp
10 Aheloy! fortB bandcamp
11 Undveld You’ll See Me Again, But It Won’t Be Me bandcamp
12 Sciama Blooms bandcamp
13 Aucuba Replica Which Flow (ABSIS Remix) bandcamp
14 ASC Pulsewave bandcamp
15 ENA 20 Division bandcamp
16 ROCKWELL REVERSE ENGINEERING YouTube
17 Nooch, Joik Step Back bandcamp
18 Crystal Waters Gypsy Woman (Bredren bootleg) SoundCloud
19 groovy D Don’tCareBoutMe bandcamp
20 Orbital Halcyon & On (Logic 1000 Mix) bandcamp
21 Marco Bailey Kanai bandcamp
22 Joris Voorn Psyche junodownload
23 Christian Smith Stratosphere (Ronnie Spiteri Remix) bandcamp
24 Lone Tree for Tree bandcamp

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

【曲紹介】

03 / Black Mirror Park / Disorder 7

Disorder 7 | Black Mirror Park | Planet Rhythm

ドイツのプロデューサーBlack Mirror Parkによる速いディープテクノ
ハイハットリズムの推進力を備えつつも、淡々と真っ暗で深いビートが進行していくトラック。
ただ、中盤でショートブレイクの後に非4つ打ちにスイッチする箇所があり、アクセントとして良い感じに機能します。

06 / The Answer / Wild Animals

Wild Animals | The Answer | L-ONN Records

国籍不明のプロデューサーThe Answerによるミニマルテクノ
パッドシンセのループによる長回しのリフがメインの渋いトラックである筈なのに、それ以上にインパクトのある象の鳴き声。
しかも割と頻繁に差し込まれる。
どういう感情で作られたのか、聴いている我々も反応に困る変ミュージック。

08 / Sub Basics / Quantum Zone

Quantum Zone | Temple of Sound

イギリスのプロデューサーSub Basicsによる非4つ打ちテクノ
もやのかかったサウンドと偏屈なビートが反復するトラック。
地味にウワモノが変化していくものの、展開らしい展開は皆無のストイックな構成です。

10 / Aheloy! / fortB

fortB | aheloy! | Discos Extendes

ポーランドのプロデューサーaheloy!によるエレクトロニカ
前半は浮遊感のあるパッドシンセとクリックリズムが特徴的ですが、後半は完全にノンビート進行になるトラック。
今回のようにテクノからアンビエントへのシフトには最適解といえるでしょう。
意外と深いところでベースが鳴っているので、静岡COAの環境で鳴らしてみたかったというのもあります。

12 / Sciama / Blooms

Blooms | Sciama

イギリスのプロデューサーSciamaによるアンビエント
完全ノンビートのトラック。
霧の中にいるような像の見えないサウンドを主とし、たまに残響音を伴った電子音が聴こえるという構成です。
今年02月のリリースだったので前回のエレクトロニカ特集で触れることができませんでしたが、これも最近よく聴いていたものになります。

14 / ASC / Pulsewave

Pulsewave | ASC

アメリカのプロデューサーASCによるミニマルドラムンベース
不定形ビートミュージックの1種グレイエリアの祖による作品であり、その複雑なリズムはこの曲にもよく現れています。
ハーフテンポのドラムンベースリズムとエレクトロニカの空気感が程良くマッチしたトラック。

16 / ROCKWELL / REVERSE ENGINEERING

Rockwell – Reverse Engineering – YouTube

イギリスのプロデューサーRockwellによるドラムンベース
2010年にリリースされたドラムンベースに於ける異端作品。
メインのリズムを構成しているのはなんと逆再生されたドラム。
最後までそのビートで進行していくので、めちゃめちゃ変なサウンドになっています。

加えてこの作品は現在ヴァイナルでのみリリースされているのですが、そのヴァイナルの再生方向も逆で、内側から外側に向かって針が進んでいきます。
全部ひっくるめて唯一無二のアート作品。

18 / Crystal Waters / Gypsy Woman (Bredren bootleg)

Stream Crystal Waters – Gypsy Woman (Bredren 2015 Bootleg) – FREE DOWNLOAD by BREDREN | Listen online for free on SoundCloud

ベルギーのプロデューサートリオBredrenによるドラムンベース
タイトルの通り、ハウステクノに於いて定番中の定番曲を元ネタにしているトラック。
大きく変わっているのは元ネタがアーバンな雰囲気を纏っているのに対し、この曲はミニマル志向が強いリズムパートをメインとしているため、かなりストイックな印象です。

加えてこの曲にはテンポシフトの展開があり、途中でディープハウスに変貌します。
今回もそこからテクノに繋ぐ形で使用しました。

21 / Marco Bailey / Kanai

Kanai | Marco Bailey | Cocoon Recordings

ベルギーのプロデューサーMarco Baileyによるテクノ
ピアノの重奏やらギターサウンドやら、ウワモノがかなり豪華なトラック。
ド派手とも地味ともつかない程良くメロディアスな感じが今回のようなセットの〆に向かうのに丁度良いと思った次第です。
そこそこ前のリリースになりますが、やっと使う機会が巡ってきたといった感じでした。

22 / Joris Voorn / Psyche

Psyche by Joris Voorn on MP3, WAV, FLAC, AIFF & ALAC at Juno Download

オランダのプロデューサーJoris Voornによテクノ
これもそこそこ前のリリースですが、やっと使えたトラック。
長尺のパッドと儚くも煌びやかなシンセ群が感傷を誘います。
朝方にかけることができたら尚良しでしたね。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

次週05月28日は774Muzikさんが担当します。
では。

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新作エレクトロニカ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/05/09

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
4週間ぶりに担当致します。
(前回更新できずに申し訳ございませんでした。)

【告知】

来週に迫ったHardonize 静岡編のラインナップが公開となっております。

諸般の事情により、出演者の一部に変更がございます。
(VITAMINさんAONOさん)

AONOさんについては、ロンドンのテクノ専門ネットラジオFnoob Techno Radioで公開されている最新のMIX前回のyudukiボスの更新にて触れられておりましたが、Soundcloudで公開されているこちらが結構Hardonizeと親和性高そうだったのでご紹介します。

AONO / WHOLE THE MIX vol.17- CRASH TEMPLE MIX –

Stream WHOLE THE MIX vol.17- CRASH TEMPLE MIX – by AONO | Listen online for free on SoundCloud

テクノハードグルーヴからジャングルまで飛ばすフリースタイルなMIX。

そしてもう1人の現地静岡のゲストプレイヤーSHIGeさんのMIXはこちらになります。

DJ SHIGe / Resonation MiX

Stream DJ SHIGe Resonation MiX by CITDC | Listen online for free on SoundCloud

日にちは05月18日(土曜日)、14時からとなります。
静岡COAにて皆様のご来場をお待ちしております。

【お知らせ】

Hardonize BlogでピックアップしているトラックをSpotify Playlistにまとめたプレイリストの04月分が公開されております。

Hardonize chart 2024 April

Hardonize chart 2024 April – playlist by yuduki | Spotify

今回も50曲を越えるハードテクノがリスト入りしておりますので、お気に入りを見つけてください。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

ですが、今回取り上げるテーマはこのカテゴリー以外から

エレクトロニカ

です。

広い意味合いとしては電子音楽全体を指す言葉ですが、ここで示すエレクトロニカシンセの重なりや残響音、ノイズなどに主眼を置いた音楽を意味します。
一般的なダンスミュージックと異なる点としてビートがないこともあり、あっても非常に複雑だったり、間隔が小節を跨ぐ程広く取られていることもしばしばあります。
過去の連載に於いては気まぐれに単発のリリースについて触れることはありましたが、テーマとして取り上げるのは今回が初ですね。

精緻な電子音楽という点でテクノと共通しており、双方に跨って活動しているアーティストも多いことから個人的には長く触れている音楽の1つです。
前々からエレクトロニカ特集はいつかやろうと思っており、丁度最近この音楽を聴く比率が上がっていたところだったので、今回はこういうテーマでやらせて頂きます。
尚、一口にエレクトロニカと言ってもテクノと同じくらい細かいサブジャンルを内包している音楽なので全容をここで取り上げるのは不可能ですが、
個人的に好きなのは緊張感のある無機質な音なので、今回取り上げる曲もそういったものが多めになっています。

というワケでここ1~2ヶ月でリリースされた新作エレクトロニカ紹介いってみましょう。

【曲紹介】

S.A.T.I.N. / Nothing is real

S.A.T.I.N. – Nothing is real | S.A.T.I.N. / URIN | Never Sleep

ドイツのプロデューサーユニットS.A.T.I.N.によるディスコ
呪術的なタムや4分打ちのハイハットなど、割とビートがハッキリしているタイプのトラック。
ノイジーなリフや歪んだボイスサンプルなど荒々しいサウンドが用いられている一方、持続の長いパッドシンセなんかも鳴らされており、明暗合わせ持つ構成になっております。

Laggard / You Were Named After an Admiral

You Were Named After an Admiral | Laggard | VEYL

国籍不明のプロデューサーLaggardによるエレクトロニカ
高音域のノイズと隙間の空いたリズムで構成された前半と、インダストリアルめいた歪んだビートが特徴的な後半の対比が見られるトラック。
エレクトロニカテクノの橋渡し的に使うとスムーズなジャンル移行として機能しそうです。

Second Seasons / d-Nt

d-Nt | Second Seasons | Schematic Music Company

アメリカのプロデューサーSecond Seasonsによるエレクトロニカ
ノンビートから始まって徐々にビートの圧が強くなり、最後は無機質なブレイクビートに遷移するトラック。
グリッチやカットアップなどの効果音使いが巧みで情報量が多く、聴き応えがあります。

Undveld / You’ll See Me Again, But It Won’t Be Me

You’ll See Me Again, But It Won’t Be Me | Undveld | Captured Visions

リトアニアのプロデューサーUndveldによるエレクトロニカ
キックはなく、浮遊感のあるシンセと重ためのベースによって展開が作られるスタイルの曲。
キックがないと拍を見失うんじゃないかと思いきや、ずっと鳴っているザラついたハイハットが実は4分打ちなので、一般的なダンスミュージックとそう大差なかったりします。

Esa Ruoho / Approaching the Room

Approaching the Room | Esa Ruoho | Eighth Tower Records

フィンランドのプロデューサーEsa Ruoho a.k.a. Lacklusterによるエレクトロニカ
信号音のようなサウンドのリフと、背後でずっと鳴っている環境音が特徴的なトラック。
ビートも展開もない、かなりミニマルなスタイルですが、この不安と緊張感がずっと続く感じは好みです。

尚、本作が収録されているStalker – Music inspired by Andrej Tarkowskij’s movieは、1979年に公開された映画ストーカーにインスピレーションを受けて作成されたコンピレーションになります。
サイバネティック且つ不穏な空気感を纏った曲が多く、元になった映画が分からなくても聴ける作品に仕上がっています。

Low End Activist / Airdrop 01 (Waterstock)

Airdrop 01 (Waterstock) | Low End Activist

ドイツのプロデューサーLow End Activistによるエレクトロニカ
これはなかなか凄いと思ったリリースで、オールドスクールレイヴで用いられるスタブやボイスサンプルを小刻みに使用し、なんならアーメンブレイクを含むドラムフィルなんかも多用しているものの、
リズムパートには一向に遷移せず、広く間隔を取りながら各種サウンドが展開されるという、今まで聴いたことがない曲となっております。
レイヴサウンドを用いたダブアンビエントという感じ。

本作が収録されているアルバムAirdropが全曲こういった感じなので、異形の音楽をお探しでしたら強くオススメしたいところです。

Wave Arising / Subconscience

Subconscience | Wave Arising

フランスのプロデューサーWave Arisingによるエレクトロニカ
完全ノンビートで、持続の長いシンセとウィスパーボイスの重なりによって展開が作られていくサウンドスケープの側面が強いトラック。
催眠的且つサイケデリックな世界観が内包されています。

Solaris / Quantum Mirage

Quantum Mirage | Solaris | Exosphere

アメリカのプロデューサーユニットSolarisによるエレクトロニカ
こちらもノンビートですが、サイバネティックなシンセのリフによって展開されるため、ループ的な色が前面に出ています。
曲調は明るいというわけではないのですが、これまで紹介した曲と比べると穏やか寄り。

どうでもいいことですが、20年近く前に萌えトロニカという謳い文句でリリースされ、苺ましまろの作者ばらスィーの推薦文が帯に書かれていたPola Meets Lyricaという作品があるのですが、それを思い出す作風でした。

Pete Swinton / KB – Two

KB – Two | Pete Swinton

インドネシアのプロデューサーPete Swintonによるエレクトロニカ
シンセのレイヤーによって展開が作られるトラックですが、何より無骨で厚みのあるベースが真っ先に目を引きます。
生音感はほぼないのにずっと呪術的な雰囲気が漂っており、アーティストが東南アジア出身であることに関係があるのかないのか考えさせられます。

kaito / Galactic Railroad

Galactic Railroad | kaito | HIROSHI WATANABE : KAITO

日本のプロデューサーHIROSHI WATANABE a.k.a. Kaitoによるエレクトロニカ
ビートはなく、霧をまとったようなシンセが永続的に鳴っており、その上に等間隔のシンセが配置されているミニマルなトラック。
幻想的で穏やかな雰囲気を纏っている中に、不穏さや陰鬱さといった要素が感じ取れる絶妙なバランスを維持しています。
こういう曲をちゃんと音が出る環境で聴いたら印象が変わりそうですね。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。
皆様05月18日のHardonize #46.5 Extra Edition / Shizuoka Specialでお会いしましょう。

次週05月14日は774Muzikさんが担当します。
では。

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