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新作ハードトライバル特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/03/14

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知1】

予てよりお伝えしておりました、次回のHardonize 静岡編のラインナップが公開となりました。

東京から我らがハードグルーヴマイスターHomma Honganjiさん、そして現地静岡のプレイヤー、SHIGeさんVITAMINさんをお招きしての開催となります。

SHIGeさん、VITAMINさん、共々静岡の小箱から野外レイヴまで多岐に渡るフィールドで活動している方なので、ハードテクノに限らず、テクノ~ハウスにかけて幅広くフォローされております。
参考までに彼らのMIXはこちら。

DJ SHIGe / Resonation MiX

Stream DJ SHIGe Resonation MiX by CITDC | Listen online for free on SoundCloud

VITAMIN / DANCE AGAIN BACK 2022

Stream DANCE AGAIN BACK 2022 by VITAMIN | Listen online for free on SoundCloud

SHIGeさんのプレイはソリッドなテクノの中にふと湧き出る旋律を大事にしている印象があり、テクノに於けるスムースなMIXを持ち味としている印象です。
一方のVITAMINさんはインパクトの強いアンセムトラックを交えつつ、テクノ~ハウス~レイヴを股に掛けたバリアレックなスタイルが特徴的のプレイヤーで、
この2名、なんというか先日携わらせて貰ったBUZZx3のレジデント両名に近いものを感じます。
ということはHardonizeとの相性もかなり良い筈なので、会場となる静岡COAに常設されたFunktion-Oneのスピーカーに似合うハードテクノを揃えて臨みます。

日にちは05月18日(土曜日)、14時からとなります。
静岡COAにて皆様のご来場をお待ちしております。

【告知2】

今週末03月16日(土曜日)に早稲田茶箱で行われるオールジャンルパーティー¡¡SAKE!! vol.4に出演致します。

ありがたいことに現在のところ準レギュラーとなっている日本酒にスポットを当てたパーティー。
当日は出演者が一押しの日本酒を持ち寄り、ご来場者はどなたでも飲めるようなシステムになっております。
僕も何本か持って行く次第なので、お口に合うと嬉しいですね。

出演者には錦糸町の日本酒飲み放題バー、LITTLE SAKE SQUAREの店長mizmさん、先週も遊びに行った渋谷のクラブ、Another Dimensionの店長HOLLYさん、そして我らが早稲田茶箱の店長エージさんという、店長3連星が控えております。
テクノ的にはTobyさんTakayuki Kamiyaさんなども出演する本当にジャンルレスなパーティー。
まぁ難しいことは良いから日本酒を飲めばいいんだよ!という主宰のヘベレケっぷりが既に漂っております。

お気に入りの音楽と日本酒を探しに是非お越しください。

【告知3】

今週末03月24日(日曜日)に早稲田茶箱で行われるベースミュージックやブレイクス、レイヴにスポットを当てたパーティーdouble-thinkに出演致します。

2020年に行ったHardonize #37に公募企画を勝ち抜いてご出演頂いたSILENT TALKERの2名、DubYukaさんtrydeltaさんによるブランニューパーティー。
時にアッパーだけど時にシリアスというこれらの音楽が見せる二面性がテーマとなっており、好みのコンセプトなので腕が鳴ります。
面子もこれまで別々のところで会っていた方々が一堂に介すみたいな印象があり、意外性と同時に彼ららしさも感じられました。

そしてこれらの音楽は大きな音で聴いてこそ醍醐味を発揮するので、それを最大限に叶えてくれる早稲田茶箱という環境は本パーティーにピッタリだとも思っています。
グッドバイブスとドープマインドを体感しに是非お越しください。

あと03月30日(土曜日)に奥多摩OKUTAMA+で行われる第2回 桜逢祭も出演します。
昨年に引き続き、TAKAMIさんTakayuki Kamiyaさんとの3人タッグで臨みますが、長くなってきたのでまた次回。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、前回までは3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードトライバル

です。

特別連載に於いては第4回に取り上げた、パーカッションリズムを取り入れたハードテクノであり、のちにハードグルーヴが生まれる土台となったサブジャンルの1つです。
2000年代はイギリスやスウェーデンを中心に数多くのアーティストによって発展を見せていた音楽ですが、現在はパーカッションリズムが近縁のサブジャンルであるところのハードミニマルハードグルーヴの要素の1つとして吸収されたことで、殊更スポットが当たることが無くなってしまった音楽でもあります。
加えて、現行の主要な配信サイトに於いてもカテゴリーとして独立されていないため、ピンポイントに掘り当てるのがかなり難しいのもこうした原因の1つになっております。

ではなぜ今このサブジャンルを取り上げるかというと、
直接の関係は無いのですが先週TREKKIE TRAX presents Hodgeに遊びに行ってHodgeのプレイを聴いたわけです。
元々彼のちょっと偏屈なビートアプローチが好きで、テクノディープベースの中間点として個人的にも注目していたので念願叶ったというところではあるのですが、
そのプレイの内容が先のテクノディープベースに加え、レイヴブレイクス、果てはヴォーグやジャージークラブといった土着の民族音楽をシームレスに繋ぐ類を見ないものであり、かなり感動しました。

特に土着音楽の部分が強く印象に残っていたので、その日以来、パーカッションや民族楽器を用いた曲を重点的にDIGした結果、気付いたらハードトライバルも観測範囲に現れたので熱の高いうちにまとめようというのが経緯になります。
時にパーティーは終わった後にもその影響を強く残しますから、皆さんもできるだけ夜遊びしましょうね。

と、前置きが長くなりましたが連載ポリシーに則り、ピックアップしたものについてはここ1~2ヵ月の間にリリースされた新曲に該当するものに絞っております。
では新作ハードトライバル紹介いってみましょう。

【曲紹介】

KAIPE / Jazz Therapy (The Miller Remix)

KAIPE – Jazz Therapy (The Miller Remix) | KAIPE, The Groove Room, The Miller | Rave Your Soul

スウェーデンのプロデューサーThe Millerによるハードトライバル
複数種類のパーカッションとグルーヴ感のある深めのベースによるリズムループが主体のトラック。
目立ったウワモノもないストロングな構成で、ハードトライバルの基本形といった感じ。

ついでにThe Millerの曲でつい先週リリースされたこちらも良かったので合わせてご紹介。

The Miller / Doom

Doom | The Miller | AnalyticTrail

こちらもひたすらパーカッションリズムが反復しているタイプのもの。
ベースフレーズが規則的な2拍ループなので、先の曲より推進力に特化している印象があります。

HERS / track23

track23 | HERS | RI7MO

アルゼンチンのプロデューサーHERSによるハードトライバル
重心の低い2拍ループベースと手数の多いパーカッションリズムによってドライブ感を確立しているトラック。
シンプルなシンセが乗っていますが、こちらも基本的にはリズムがメインになっており、シンプル且つソリッドな感じです。

TineX / Brazilian Rhythm

Brazilian Rhythm | TineX

スロベニアのプロデューサーTineXによるハードトライバル
より強調されたボトム+パーカッションサウンドに、ボイスループやシンセも乗っかって高いファンクネス指数をマークしている曲。
ハードグルーヴの導入としても使えそうです。

Dynamic Forces / First Day Of Life

First Day Of Life | Dynamic Forces | Planet Rhythm

イタリアのプロデューサーユニットDynamic Forcesによるハードトライバル
厚みを増し、どっしり構えたリズムを主軸に置いたトラック。
南米音楽のブラスを意識させる規則的なシンセサウンドも特徴的でインパクトあります。

DJUS / Barney

DJUS – Barney | I.C. TRAX

オランダのプロデューサーDJUSによるハードトライバル
この曲はパーカッションリズムに加えてハイハットも強く鳴っており、かなり強烈なドライブ感を生み出しています。
更にはブラスやラップのサンプリングも使われていて終始ご機嫌な雰囲気を纏っているのも異彩を放っていますね。

TSVI / Vitamina H

Vitamina H | TSVI

イギリスのプロデューサーTSVIによるテクノ
これまで紹介したトラックと異なり、圧の強いメインストリームテクノ寄りのビートを採用、しかしその上に土着感満点のシンプルなシンセが乗っているのが独特です。
極めつけにブレイク後から入ってくる3連符パーカッションリズム。
作り手の出身地、イギリスの感じを一切感じさせない仕上がりになっており、気持ち的には結構やられました。

Coaxial Veins / Broken Toys (wild hard tribal techno mix)

Broken Toys [wild hard tribal techno mix] | Coaxial Veins | Beryllium

国籍不明のプロデューサーCoaxial Veinsによるインダストリアル
ローファイで若干ノイジーなビートをメインに据えた、かなりアングラな印象を与えてくるトラック。
中盤以降、低音を含んだタムのリフによって展開が作られていくのですが、これがまた呪術的で暗く、妖しい雰囲気に一役買っています。
前半は4つ打ち、後半はブレイクビートとハッキリ分かれた構成もかなり変な感じ。

Phoebe / Afternoon Blaze (Jensen Interceptor Remix)

Afternoon Blaze (Jensen Interceptor Remix) | Phoebe | Discos Extendes

オーストラリアのプロデューサーJensen Interceptorによるブレイクス
こちらもかなり粗っぽいビートが特徴的で、前半パートはその上をパーカッションリズムと間隔の詰まったボイスループによって構成されています。
ブレイク以降はガラっと雰囲気が変わり、増幅されたベースラインを前面に推し出したグライムのような展開に変わります。
テクノインダストリアルベースラインに跨った、かなり技巧派トラック。

Hockins / Tatooine (Homma Honganji Remix)

Hockins – Tatooine (Homma Honganji Remix) [Tribal Pulse] | Music & Downloads on Beatport

我らが日本のプロデューサーHomma Honganjiによるハードトライバル。(Hardonize #46.5よろしくお願いします!)
氏が強みとする厚みのあるボトムと手数の多いパーカッションリズムをそのまま引き継いだ非4つ打ちスタイルの曲。
この手の非4つ打ちテクノの中でもかなりの重厚感を醸し出している気がしますが、とはいえハイハットは4つ打ちのパターンをキープしているので、4つ打ちの流れにアクセントとして使うのも全然アリです。
拍の頭にレイヴスタブっぽいサウンドを取り入れているの珍しくないですかね?

Hertz / Context

Hertz – Context (Original Mix) [Tronic] | Music & Downloads on Beatport

スウェーデンのベテランプロデューサーHertzによるテクノ
yudukiボスきってのお気に入りレーベルTronicのニューリリースは、きめ細かいパーカッションリズムにエモーショナルなシンセが炸裂する泣きのトラック。
ここ1~2年のテクノのトピックとして、リフがメインのトラックが増えているというのがありますが、こうして大手レーベル、そしてベテランアーティストがこういう曲を手掛けるとより実感として得られますね。
個人的には90年代の自由で楽しい雰囲気が戻ってきている気持ちになれるので、チャラいと言われてもこういうのは大好きです。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。
次週03月19日は774Muzikさんが担当します。
では。

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【特集】フリーダウンロード2023 (3):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/02/29

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【近況】


先週末は『BANK30 3rd ANNIVERSARY LAST DAY』にHardonizeクルー4人でB2B出演させて頂きました。
お誘い頂いたTAKAMIさん、ATTさん、そしてお越し頂いた皆様ありがとうございました。

yudukiボスも触れておりましたが、東京湾、そして遠くに見える高層ビル群を背負ったロケーションのフロアで終始アッパーなテクノやトランスがかかりまくっている様は大分愉快でした。
店内フロアで流れているしっとりしたハウスと比べた時の温度差も凄かったですね。

そして何より昔から見てきた先輩方のプレイを至近距離で次々見ることができたのは本当に贅沢でした。
タイミングを見誤ると大火傷しそうなアンセムトラックを1番映える瞬間にドロップする胆力、言い換えると現場力の高さが段違いで、
時に意外性のある選曲なんかも交えつつ、時間枠いっぱい使って展開のカタルシスを構成していくプレイを我々以外の5人とも提示していたように思えます。
終わった後は興奮、打ちのめされた感、もっと精進しようという前向きな気持ち、感謝、色々入り混じった感情になってました。

あと、我々4人のB2Bの機会は探っていきたいですね。
やはり4人とも微妙に趣向が異なっているので、そこをどうやって埋めてちゃんと1つの枠のプレイとして成立させるか、模索したい欲が出てきました。

何はともあれ非常に良い経験になりました。
ありがとうございました。

【告知1】

予てよりお伝えの通り、次回のHardonizeは番外編として静岡での開催となります。

ロケーションは静岡市内のハコ、静岡COA
Funktion-Oneのスピーカーが常設された、会場規模以上のサウンドポテンシャルを持っているハコ、という意味で我らが早稲田茶箱と通ずるものがあります。

出演者については追々発表していきます。

日にちは05月18日(土曜日)、14時からとなります。
静岡COAにて皆様のご来場をお待ちしております。

【告知2】

ありがたいことに個人の出演として03月は3件ございます。

03月16日(土曜日) / ¡¡SAKE!! vol.4 at 早稲田茶箱


03月24日(日曜日) / double-think at 早稲田茶箱


03月30日(土曜日) / 第2回 桜逢祭 at 奥多摩OKUTAMA+

それぞれについてはまた日が迫り次第、詳細な告知を行います。
是非ご検討ください。

【今回のお題】

さて、ここ数年の新年1発目の僕の記事では正月のお年玉に因んだフリーダウンロード楽曲を取り上げる特集を行っており、今年もそれに沿った内容で執筆しておりました。
ご覧頂けておりますでしょうか?


【特集】フリーダウンロード2023 (1):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/01/18

【特集】フリーダウンロード2023 (2):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/02/15

尚、過去の記事はこちらです。
2022 (後編) / 2022 (前編) / 2021 (後編) / 2021 (前編) / 2020 (後編) / 2020 (前編) / 2019 (後編) / 2019 (前編) / 2018

今回はその続きとなる内容になります。
例年は前後編でお送りしておりましたが、今年は初の第3回目に突入です。
第1回は主にメインストリームテクノやオーソドックスなハードテクノを、
第2回ハードグルーヴディスコといったファンクネス指数の高いものをメインに取り上げてきましたが、
フリーダウンロードの華といえばやはりブートレグだと思うワケでして、今回はインパクトに振り切った大ネタ使いのトラックにスポットを当てていきます。
定番のポップスやハウス、往年のテクノなどは元より、少し意外な元ネタも含まれております。
いつ公開停止になるか分からないアブない代物ばかりですので、早めにお持ち帰りするのが吉。

前置きもそこそこに早速お送りします、

令和5度目のフリーダウンロードハードテクノ特集 (3)

いってみましょう。

【曲紹介】

TWIENA / Face Down Ass Up

Stream TWIENA – Face Down Ass Up by TWIENA | Listen online for free on SoundCloud

オランダのプロデューサーTWIENAによるテクノ
元ネタはThe 2 Live Crew / Face Down Ass Up
バウンシーで深めのベースとドライパーカッションを前面に出した割とシンプルなリズム、それユエにあのボイスサンプルがかなり目立って聴こえます。
刻み方にも特徴が現れている下品で肉感的なアレンジ。好物。

Beastie Boys / Intergalactic (AnG Remix)

Stream Beastie Boys – Intergalactic (AnG Remix) [AFD005] | Free Download by ALU | Listen online for free on SoundCloud

オランダのプロデューサーAnGによるテクノ
元ネタはBeastie Boys / Intergalactic
メインパートでは前のめりなハイハットリズムと早回しラップによる疾走感が味わえる一方、原曲のサビに当たる部分ではブレイクビートを採用しており、テクノヒップホップの双方に対するリスペクトが感じられる曲。
明る過ぎず暗過ぎずのテンションも丁度良く、ブレイクスとの橋渡しの可能性について探ってみたくなります。

KIAN O GORMAN / Its Like That (Sport Mix)

Stream Its Like That (Sport Mix) (FREE DL) by KIAN O GORMAN | Listen online for free on SoundCloud

アイルランドのプロデューサーKIAN O GORMANによるハードテクノ
元ネタはRUN DMC / It’s Like That
原曲でも存在感のあったクラップは本アレンジでも同様。
あの1拍目のディスコヒットやラップも据え置きなのですが、ビックリするくらい前のめりなビートに様変わりしています。
テンポ的にもハードハウスに近いビートかもしれません。

BLTR / MAGIC MARIO

Stream BLTR – MAGIC MARIO [BLTREC001] by BLTR RECORDS | Listen online for free on SoundCloud

オーストラリアのプロデューサー同士、JA:KKharry pBLTR名義によるテクノ
元ネタはゲーム、マリオシリーズに於ける無敵時間のBGM
同ゲームのBGMやサウンドをサンプリングしたトラックというのはちらほら見受けられるのですが、全編に渡ってこのフレーズで一貫している曲というのはなかなか見かけない気がします。
手数の多い金物リズムやパーカッションを取り入れているので、ハードグルーヴと合わせて使うのが良さげ。

Crystal Waters / Gypsy Woman (Off Record Remix)

Stream PREMIERE: Crystal Waters – Gypsy Woman (Off Record Remix) by TRANSITION | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーユニットOff Recordによるテクノ
元ネタはCrystal Waters / Gypsy Woman
クセの少ないストレートなビートにあのピアノフレーズがどかっと乗っているので、使いやすいしインパクトあるしで即戦力間違いなしのアレンジ。
ちゃんとリズムだけのパートも用意されており、サンプリング一辺倒ではない構成である点もミソ。

実は今年01月のHardonizeで使っておりまして、ブースの周りにGypsy Woman好きとブートレグ好きがわらわらと集まってきた瞬間がありました。

CJ Bolland / Camargue (Lewis Taylor Edit)

Stream CJ Bolland – Camargue (Lewis Taylor Edit) by SINDEX | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーLewis Taylorによるテクノ
元ネタはCJ Bolland / Camargue
小気味良いハイハットリズムとグルーヴ満点のベースライン、そこにユーフォリックなサンプリングフレーズが並走しているので、レトロ感と疾走感がピカイチ。
トランステクノの要素が共存している1990年代のバリアレックな精神性をそのまま引き継いだナイスアレンジ。

Upper90 / I Feel Love

Stream [PREMIERE] Upper90 – I Feel Love [TNT 001] by sachsentrance | Listen online for free on SoundCloud

ドイツのプロデューサーUpper90によるテクノ
元ネタはDonna Summer / I Feel Love
こちらも前のめりなハイハットリズムで強力な推進力を確立しているアレンジ。
勿論、原曲の要といっても良いデケデケベースラインとウィスパーボーカルは余すところなく健在です。
このリズムでこの曲をサンプリングしたら、そりゃこうなるよなという、腑に落ちるという表現がしっくりくるアレンジ。

Upper90の昨年の作品だとこちらもお気に入り。

Upper90 / BILLIE JEAN

Stream BILLIE JEAN by Upper90 | Listen online for free on SoundCloud

説明の必要もないでしょうが、Michael Jackson / Billie Jeanが元ネタ。
こちらもハイハットリズムによるドライブ感が印象的ですが、ベースが完全裏打ちなので跳ね感も加わっており、よりレトロな雰囲気を形成しています。
ほぼ全編に渡ってボーカルがサンプリングされており、勢い余ってアウトロまでみっちり歌いっ放しなので、スムーズに繋ぐには一工夫必要です。

Eric Prydz / Call On Me (Peetu S Remix)

Stream Eric Prydz – Call On Me (Peetu S Remix) by Peetu S | Listen online for free on SoundCloud

フィンランドのプロデューサーPeetu Sによるテックトランス
2000年代ハウスの定番アンセムとして名高い原曲ですが、この曲には更に元ネタがあり、1982年にリリースされたSteve Winwood / Valerieという曲がそれに当たります。
テックトランス然とした厚みのある硬いビートに、多種多様なエフェクトやフィルを織り交ぜたテクニカルなトラックが特徴的。
ロングブレイクを経た後のメインパートも爆発力満点のピークタイムチューンとなっております。

尚、試聴だと03分半しかないように見えますが、ダウンロード時はちゃんと06分あるエクステンド版が手に入りますのでDJ諸氏はご安心ください。

Da Hool / Meet Her At The Love Parade (RBX EDIT)

Stream PREMIERE | Da Hool – Meet Her At The Love Parade (RBX EDIT) [Free Download] by MERCILESS | Listen online for free on SoundCloud

イタリアのプロデューサーRBXによるハードテクノ
元ネタはDa Hool / Meet Her At The Love Parade
最近のハードテクノとも言うべき、硬質リズムと速いテンポを採用したスタイルのトラック。
箇所によってアーメンブレイクやハードスタイルキックが聴こえたりするしっちゃかめっちゃかっぷりは原曲がテーマとしているレイヴそのものです。

Aphex Twin / Xtal (Duty Paid Refix)

Stream Aphex Twin – Xtal (Duty Paid Refix) by Neo-Fhoirfe | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーDuty Paidによるテクノ
元ネタはAphex Twin / Xtal
原曲の儚げなフレーズと反対に、ビートはローファイで妖しさがありますが、不思議とマッチしているアレンジ。
テンポ的にハードテクノと近く、アウトロがシンセだけになるエモ展開も装備しているため、パーティーの〆にデトックス気味に流すと綺麗に纏まりそうな雰囲気があります。
変態的に細かいサブリズムには目を瞑りましょうと言っているんです。分かりましたね?

【次回】

そんなワケで今回はここまで。
同テーマの連載が今年は3回も続いた理由がお分かり頂けましたでしょうか?
フリーダウンロードといっても市販の曲と遜色ない、ものによってはそれ以上のインパクトを持つ曲が日々作られているので、今後も継続してチェックしつつ、当連載でも折を見て紹介していきます。
気に入った曲がありましたらアーティスト達に感謝と敬意を込めて持ち帰りましょう。

まだまだ紹介したい曲はあるものの、ぼちぼち新譜も紹介しないとボスがうるさそうなので、次回からは通常連載に戻ります。

次週03月05日は774Muzikさんが担当します。
では。

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