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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/05/04

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

201705_M3
先週は同人音楽即売会M3に行って参りまして、その釣果がこちらになります。
同人音楽と云うものについては今年頭に書いた記事でも取り上げておりまして、ざっくり説明するならば『様々なジャンルを含むインディーズ流通の音楽』です。
従って収穫物にはテクノ以外も含まれているのですが、概ね1日でこれくらいワタクシのライブラリーが増える日が年に数回ございます。
そんなわけで今回のテーマは

『M3-2017春』で買った新譜同人テクノ

です。
DJユースなものから同人音楽らしい面白いものまで、国内にはまだまだこんなクリエイターがいるんだなと云うことが伝われば幸いです。
前置きもそこそこに早速いってみましょう。
※表記順は『【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』です。

本間本願寺 / 源氏香 [ビッグファイア]


国内ハードグルーヴのオリジネイターと言ったら間違いなくこの人、海外レーベルからもバシバシリリースを飛ばしているHomma Honganji氏の初のフルアルバム。
10曲通してファンキーなハードテクノと云うのは(本人も言ってましたが)同人即売会史上初。と云うより国内作品の括りでも初なんじゃないでしょうか。
bandcampで配信されたトラックをメインにやや危ないネタものも交えた収録内容となっており、バッチリDJで使える1枚となっております。
個人的オススメはシンプルなボトムにスペーシーなシンセが乗った4曲目、『夕顔』。
ビッグファイア:http://bigfire.info/

bassmicrobe / exception EP [秋葉原重工]


Hardonizeとも度々コラボレーションを行ったりして大変お世話になっているパーティー、『秋葉原重工』のレーベルとしての新作がコチラ。
EDM、ベースミュージックから速いのまで多様なスタイルをお持ちのbassmicrobe氏によるテクノEP。
重たい、ストイックな感じの音楽が好きな方が好きそうだなと思う一方、氏のオールジャンルに裏打ちされた遊び心も見え隠れする面白さがあります。
個人的オススメは若干トライバルなボトムの上でリフがコロコロ変わる4曲目、『diverge』。
ちなみに購入者特典として追加で3曲ダウンロードできるようになっており、そちらは異様にアシッドシンセを強調したものが集まっております。
秋葉原重工:http://www.ahiweb.info/

Philce / RODEO [exbit trax]


ハードテクノとも親和性の高いアップリフティングな4つ打ちダンスミュージック、ハードダンス。
Philce氏はその音楽に於いてかなり自由奔放に、様々な音を取り入れた楽曲を作る印象がありますが、それを満天下に示す形でリリースしたのがこのソロアルバム。
大箱の煌びやかな照明の中に映えるド派手なシンセが手を変え品を変え打ち鳴らされたトラックの数々はピークタイムにうってつけ。
個人的オススメはジャズっぽいピアノ旋律の後、急に下品なベースが炸裂する8曲目、『The Sight』。
ちなみに本作は2枚組となっており、DISC2はexbit trax及び周辺アーティストによるリミックスが詰め込まれています。
exbit trax:http://exbittrax.jimdo.com/

ゴエモンインパクト / からくりテクノ道中 [YTR RECORDS]


この雑コラ感あるジャケットや文字列だけ見ると誰だこいつらはとなるのも無理ありません。
実態はnadeco氏とRedOgre(Bound Round)氏のユニットで、リリースとしては本作が初ですが、最近この名義でパーティーにちょくちょく出演してたりもします。
両者共活動母体はハードコアですがHardonizeへ出演して頂いたこともある程ハードテクノにも造詣が深く、それがこういった形で世に出るのは嬉しいことです。
ハードグルーヴあり、アシッドあり、インダストリアルありと少ない曲数ながら実験意欲溢れる1枚。
個人的オススメはパーカッションと声ネタのループがファンキーな5曲目、『Into the Roil』。
YTR RECORDS:http://ytrrecords.blog51.fc2.com/

Kouki Izumi / Multiway Transport EP [technoA]


東方×テクノを掲げてもう10年選手、『リズムしか鳴ってない、よく分からない音楽を作っています。』とはKouki Izumi氏本人の弁。
M3ではオリジナル作品をリリースしており、今回の新作がコチラになります。
徹底的に削ぎ落とされたテクノ、ミニマルが氏の主戦場であり、それで6時間のDJとか平気でこなすストイックな嗜好の持ち主。それが音にもバッチリ反映されている印象を受けます。
個人的オススメは複雑なリズムとスチーム的音使いで無機質さが際立つ2曲目、『Multiway Transport』。
technoA:http://technoa.info/

TUSA / SAKURA [circumstance]


以前の記事でも紹介させて頂いたリスニングとしても機能するテクノ、エレクトロニカをリリースしているcircumstance。そこに所属するTUSA氏のEPがこちらになります。
試聴はタイトルトラック1曲しか上がっておりませんが、実際は3曲入り。
で、聴いて頂くと分かると思うのですが、どことなくゴアトランスっぽい独特のメロディーを軸としています。
スネアの打ち鳴らし方とかもこの手のテクノが枝分かれする前の90年代感あって懐かしさを感じさせますね。今尚こういった作品が生まれるのも同人音楽の魅力です。
個人的オススメはプログレッシブトランス的なロングスケールのコードが並走するシンセによって奏でられる3曲目、『Techno Works』。
circumstance:http://www.circumstanceinc.com/

ひとまず6作品ガガッと挙げてみましたが如何だったでしょうか?
勿論これらは今回購入したうちの一部ですのでまだまだ紹介したい作品はたくさんあります。
上で挙げたのは全て新譜なので旧譜もそうですし、あと前も言いましたがテクノ以外もやりたいですね。
トランスとか、エレクトロニカとかEDMとか・・・どうでしょうかボス?

次週05月09日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。


今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/04/20

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

先週は前回のSangoさんの記事に書いてあったパーティー、北の国から 2017 春TOKYO HARD GROOVE SESSION ’17 -Spring-にワタクシも出演でした。
前者はパーティー名に因んでさだまさしの北の国からネタで始まってhideのピンクスパイダーで終わると云う大分散らかったプレイをしたのでテクノとはあんまり関係ありませんでしたが、後者はタイムテーブルの順番が
隼雄 & 五条狐萩~DJ RINN vs Sango~TAK666 vs Takayuki Kamiya~Homma Honganji
と云う感じで都合4時間程ハードテクノ祭りになってました。
面子も面子ながら、他2つのフロアがメインストリーム且つド派手な音楽のDJをメインに配置されていたことでフロアごとに特色がガッツリ出ていたのが大型フェス感あって良かったです。
ちなみに終わった後本当にカレー食べに行きました。

さて、前回のワタクシの記事で書いた通りもう春なわけで、こうなるとポカポカ陽気なトラックが聴きたくなります。
そう、つまりはチャカポコしたハードグルーヴが聴きたくなる季節。
と云うワケでワタクシ担当回に於いて久しぶりにハードグルーヴを取り上げようと思います。
スポットを当てるのはこの人。

【Andy BSK】

andy bsk

https://www.facebook.com/djandybsk
https://soundcloud.com/andy-bsk

スロバキア生まれドイツ在住のDJ/クリエイター。
16歳の頃に16ビットコンピューター、コモドールアミガを使って作曲を開始したと云うのが堂々とプロフィールに掲げられております。
(90年代初頭に16歳だったとすると現在40歳ちょいとかそこら辺?)
本格的にダンスミュージックのリリースに取り組むようになったのは2007年からとやや遅咲き。
尚、その処女作はなんとガッチガチのハードコアテクノでした。


これ。今の彼の楽曲を知っている人なら驚きを禁じ得ないでしょう。
ちなみに当時の名義は『Andy B』で、これに彼の母国スロバキア(“S”lova”K”ia)を加えて現在の名義『Andy BSK』となったそうです。

デビューから1年経った2008年には当時新たなハードテクノのスタイルとしてシーンが形成されつつあったハードグルーヴに合流、Goncalo Mのレーベル、Intuition Recordingsへの楽曲提供を機にファンキーなハードテクノを主軸とした活動へと舵を切り、現在に至るまでシーンの牽引役を担っている一柱です。

彼の曲は『テクノ特有の反復リフによって空間を牽引する力』と云うものをメインに置いて作られている気がします。
派手過ぎず、かと言って渋過ぎず、小気味良いパーカッションとシンセループのアンサンブルがハマっている印象。
見方を変えればDJに於いてどんなシーンでも『使える』曲が多いとも言えます。
現場に1曲2曲持って行けばかなり安心感が得られること請け合いなのでDJ諸氏に於かれましては強くオススメしたいアーティストです。

そんなAndy BSKのトラックはこんな感じです・・・といきたいところですが、何と言っても1番に紹介したいトピックがこれ。
andy bsk - the others
来る05月04日に『The Others ’17』と云うアルバムがリリースされます。
フルサイズの試聴が既に全曲Soundcloudにアップロードされておりまして、このような並びとなっております。
https://soundcloud.com/andy-bsk/sets/the-others-17
アシッドあり、ラテンあり、メロディアスな曲もありとカラーに富んでいる一方、上で書いたようにじわじわ引っ張る感じは全曲共通。
収録曲の1つであるこの曲だけフリーダウンロード公開となっているので駆けつけ一杯感覚で落とすと良いと思います。

Andy BSK / Funky and Classy

ちなみにこのアルバム、レーベルの紹介ページを見ると各STEMの配信準備もされているのでクリエイターの方は是非そちらのリリースもチェックすると今後のハードテクノメイキングの糧になると思われます。
余談ですが、Goncalo MAlmir Ljusaと云った現行ハードグルーヴシーンのクリエイター達が最近こぞって自身のSTEMの公開に踏み切ってます。
この手の動きと云うのは今までのハードテクノシーンにはなかったものなので、最近のトピックとしては割と大きな出来事に含めることができそうです。

一方で如何にもハードグルーヴらしいファンキーさを売りにしたトラックとなるとこの辺りです。
Digital Knecht / Jump On (Andy BSK Remix)

Lorenz B / Towards Victory (Andy BSK Remix)

影響を受けたジャンルの中にハードダンスやレイヴも含まれているのでこのようにシンセを前面に押し出したトラックも作ってます。
後者は特に個人的お気に入りで、去年から多用しております。

またAndy BSKについて特筆したいこととしてSoundcloudでフリートラックを結構頻繁に公開していることが挙げられます。
中でもこの曲のインパクトは目を見張るものがあります。
Andy BSK / Balkan Groove

強烈なジプシー音楽のリフをメインに太いビートが走る異色のハードグルーヴ。
イントロ終わりからこのリフがいきなり差し込まれるので空気をガラッと変えたい時とかに凄く便利。
もっと言うとハードテクノ以外にも単純に変な音楽として聴こえるので、思った以上に使いどころのあるトラックでもあります。
これがフリーなのは本当にありがたい。

また、2017年04月現在、実写版『Ghost in the Shell』が劇場公開されておりますが、時期的にジャストタイミングなネタとしてこんなブートレグもあります。

Origa feat. Yoko Kanno / Inner Universe (Andy BSK Club Mix)

2002年のアニメ、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のオープニングテーマが元ネタ。
音色的にはトランス、リズムはハードグルーヴ、テンポはハードダンス、挙句アニメネタと云うこの曲のゴッタ煮感はAndy BSKのバックグラウンドがこれでもかと反映された結果の産物のような気がしてなりません。
あ、ちなみに映画は見ました。大変良かったですよ。

次週04月25日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。