こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
一昨日のボスのエントリーで告知されましたが、次回Hardonizeを11月14日に執り行います。
ゲスト選定も含め水面下で進行しておりますユエ、近いうちにまとまった情報も出せる算段です。
ボスも匂わせておりますが、今回普段やらなかった試みも取り入れる予定ですので、腕に自信のある方は備えておくと良いと思います。
何がとは言いませんけれども。
さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
ですが、今回は久し振りにテクノ、ハードテクノから離れたところにスポットを当ててお送りします。
今回取り上げるジャンルは
です。
ダンスミュージックが好きな方でこの名前を知らないという方はいないのではないかというくらい、多くのファン、クリエイター、専門ショップが世界中にあるトランスの1種。
Wikipediaにも単体記事がありますし、Beatportやjunodownloadといった大手総合配信サイトであれば必ずと言って良いくらいジャンル分けがされていることからもその人気ぶりが伺えます。
大まかな特徴としては
・機械的且つうねるリフ、グルーヴ
・文字で表すとコツン、コツンといった感じの非常にアタックの強いキック
・ブレイクが複数存在する複雑な展開
など、インパクトの強い要素がいくつもあり、端的に分かりやすいサウンドであることが上記に繋がっているのだと思います。
また、ここ数年はEDMやハードダンス、ハードコアなどにそれらの要素を流用したトラックも数多く生み出されており、本流と異なったシーンに於いても支持されていることは大きなトピックとして挙げられます。
テクノとクロスオーバーしていた時代も勿論あって、起点としては10年以上前になるのですが、形を変えて今も残っています。
(前回紹介したようなアシッドテクノの中にそういった色の強いトラックがたまに出てきますね。)
かくいうワタクシも最初にDJを行ったのはこのサイケデリックトランスでした。
今となっては遠い昔の出来事ですが、一聴して明らかに独自色の強いジャンルであることが分かり、一気にのめり込んだ覚えがあります。
その魅力は今も変わっておらず、そんなにプレイする機会はないのに他の音楽と並んで定期的に掘っている音楽の1つですね。
(ちなみに当時サイケデリックトランスの本場といえばイスラエル一択だったんですが、以下に紹介するアーティストの活動拠点のバラけ具合からして昔ほどその印象もない気がします。)
そんな昔の姿勢にちょっと立ち返って新作サイケデリックトランス紹介いってみましょう。
折角なのでフリーダウンロードトラックにもスポットを当ててピックアップしていきます。
Life Is Only a Dream (Original Mix) by Oforia on Beatport
イスラエルのプロデューサーOforiaによるプログレッシヴサイケ。
派手一辺倒ではない、テクノに通じるミニマル感がある一方でベースのうねりっぷりが何とも気持ち悪い。(褒めてます。)
アシッドシンセを差し込んだりしてオールドスクールに対する敬意も感じられる面白い曲。
Oforiaはこの手のテイストを得意とするアーティストなので、この曲が気に入ったらアーティストごと押さえてもらうと幸せになれます。
Memorabilia (Original Mix) by Genuim on Beatport
オーストラリアのプロデューサーGenuimによるサイケデリックトランス。
重心の乗ったキックが淡々と繰り出される中、エフェクトとパッドが交差するこれまたかなりテクノに寄ったような渋めのテイスト。
まさしく最近のメインストリームテクノとの相性も良さそうな変化球トラック。
ちなみにこのアーティストGenuimは、まだデビューから1年足らずという超若手。
Lanz – Tribe (Original Mix) [Free Download] by Lanz | Lanz | Free Listening on SoundCloud
メキシコのプロデューサーLanzによるサイケデリックトランス。
出足こそメインストリームなサイケという感じですが、ブレイク後はオリエンタルなコーラスが3連符で展開されるインパクト重視トラック。
その割に各サウンドがタイトに纏まっているので使いやすさも兼ね備えております。
これがフリーダウンロードなのだから本当にありがたい。
局地的に伝わる例えとしてVINI VICI、Hilight Tribeペア系。
彼らとArmin van Buurenで作ったGreat SpiritはEDMシーンに一石を投じたサイケデリックトランスとして色濃く印象に残っております。
John Bittar – Moving Up FREE DOWNLOAD by John Bittar | Free Listening on SoundCloud
ブラジルのプロデューサーJohn Bittarによるサイケデリックトランス。
メインパートは4分刻みベースの疾走感に跨る爽やかなリフとボーカル。
アップリフティングでありながら、そのベースも足したり引いたり展開に合わせて変化する器用なトラック。
現状では叶わないと思いつつも、野外で聴いたらさぞや気持ち良いだろうなという印象です。
これもフリーダウンロード。
Hallucination (Original Mix) by UNI, Tsuyoshi Suzuki on Beatport
共に日本を代表するサイケデリックトランス界の大御所UNIとTsuyoshi Suzukiによる共作。
多くの展開を擁し、その度に複数種類のリフを使い分けるサイケデリックトランスの醍醐味が詰まった逸品。
試聴部分で聴けるパーカッシヴリズムとアシッドシンセを前面に押し出したパートが特に好み。
Dance to My Beat (Original Mix) by Stryker, Arkadia on Beatport
フランスのプロデューサーStrykerとポルトガルのプロデューサーArkadiaによるサイケデリックトランス。
フルオンと呼ばれる派手なタイプのサイケ。
特段インパクトのある音が使われているわけでもないのですが、サイケと聞いてイメージしやすいフレーズの魔力によってグイグイ引っ張られる感じ。
お手本のようなフルオンであり、薄れない魅力がここに詰まっていることを再確認させられました。
Om (Original Mix) by Electric Universe on Beatport
四半世紀に渡って活動を継続しているドイツのベテランプロデューサーElectric Universeによるサイケデリックトランス。
疾走感を維持したまま複数種類の展開とリフを使い分ける年季の入ったフルオンサウンド。
ドラムロールのフィルやアシッドシンセなど、テンションを下げることを知らない仕掛けが大量に詰め込まれております。
こういうのを聴きたくてサイケ掘ってる感じは少なからずあります。
イスラエルのプロデューサーSixsenseによるサイケデリックトランス。
原曲は666 / Paradoxというハードハウスのクラシック。
チープ且つファンキーなあのリフが前面に押し出された結果、ストイックさゼロのパッパラパーな仕上がりに。
残念なことに未配布ではあるのですが、ハードハウスネタのサイケってところに意外性を感じたのでご紹介。
Azzura, Fuuton, Sidewave – Ninja Way! #FREEDL by AZZURA! | Free Listening on SoundCloud
最後に去年のリリースではありますが、あまりにインパクトが強かったのでご紹介。
Azzura、Fuuton、Sidewaveは3人ともブラジルの新進気鋭プロデューサー。
日本には『3人寄れば文殊の知恵』なんて諺がありますが、このケースで生まれた知恵はまさかのNARUTOネタ。
声ネタサンプリングを散りばめるのは遊び心の範疇で括れますが、終盤の『影分身の術!』で始まるテンポがクソ速くなるパートで知恵が家出。
挙句かなり急に元のテンポに戻るもんで、おかしさしかありません。
最初トラップビートで始まるのもよく分からないですし、総合的に言えるのは飛び道具指数だけは満点です。
保証します。
しかもフリーダウンロードです。
ちなみにFuuton、Sidewave共々別個でコッテリ系ネタモノを作っていたりもするので合わせてご紹介しておきます。
詳細は聴けば分かるでしょうってことで省略。
Zombie Nation – Kernkraft 400 (Fuuton Remix) by fuuton | Free Listening on SoundCloud
以上、サイケデリックトランスにスポットを当ててお送りしました。
特徴の掴みやすいものを選出してみたつもりですが、冒頭で述べたようにこの音楽に心血を注いでいるアーティストは世界中に数多く現存しており、日々大量のトラックが生産、流通しています。
(今回良い感じに国がバラけましたね。)
なので、ここで取り上げた楽曲もサイケデリックトランス全体からしたらほんの一側面に過ぎず、もっと言えばサイケデリックトランスはハードテクノ以上に細分化されたサブジャンルを内包しているため、大変な沼です。
参考までにPsytrance Guideというページで大まかなサブジャンルについて触れることができるのでご興味のある方は是非ご覧ください。
試聴もできますし、各ジャンルの代表的なアーティスト、レーベルなんかも併記されているので切欠としてはかなり役に立つのではないでしょうか。
ちなみにオンラインショップとしては1990年代から運営しているPsyshopが有名。
冒頭で述べたBeatportやjunodownloadなどと合わせて是非ご活用ください。
(沼に沈めるムーブ。)
次週08月25日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。
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