こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
近況報告。
先日歳を取りました。
新しくMIXを作りました。
レイヴ、デステクノ史に燦然と輝く『ジェームス・ブラウンが死んでいる』曲の
リミックス、ブートレグ、サンプリングのみでお送りしております。
レイヴ、テクノ、ハードダンス、ハードコアまで全29曲。James Brown Is Dead Dead Dead!! – 2020.07https://t.co/sl4sczjj2B
— TAK666 (@12345666) July 2, 2020
あと先日コンセプトからタイトルからジャケットまでしょうもないMIXを作りましたのでお聴きください。
James Brown Is Dead Dead Dead!! – 2020.07 by TAK666 | Free Listening on SoundCloud
近況報告終わり。
さて本題。
前回の担当回にて、以下のような前置きを載せておりました。
釣果。
渋谷がどんどんレコードの街じゃなくなっていくのは寂しいものがある。 pic.twitter.com/VCNH9Jpnhu— TAK666 (@12345666) June 24, 2020
渋谷の中古レコードショップの代表格であり、自分も何度もお世話になっていたRECOfan渋谷BEAM店が閉店してしまう件です。
まだ具体的な閉店日は決まっていないようなのですが、それまでは閉店セールを継続するとのことなので、特に未見の方は是非足を運んで頂きたいのです。
まるで郊外のブックオフかと言わんばかりの広大な面積の中にクラブミュージックは元より、邦楽、洋楽、ヒップホップ、民族音楽、サウンドトラックまで全ジャンル揃っているお店なので。
で、早速全開更新後にももう1回足を運んできたわけで、今のところ収集物はこんな感じです。
もう1回行って実感したこととして、どうも頻繁に在庫を追加している様子であること。
1回目、2回目ともそこそこ大量買いしているお客さんを見かけているにも関わらず、一向に店の壁が見えないのです。
これを書いている瞬間にもレア音源が棚に並べられているのかと思うと、まだまだ同店には行きそうです。
そんなワケで、今回はこのRECOfan渋谷BEAM店で直近に購入したものの一部を紹介します。
2018年末のジャニス振りの
です。
1992年リリース。
Jeff Mills、Robert Hood、Mad Mikeのレジェンド3人によってアメリカで結成されたトリオX-102による最初で最後のオリジナルアルバム。
3人ともデトロイトテクノを世に知らしめた大所帯グループUnderground Resistanceの出身者であり、よりダンスミュージックとしてのテクノにフォーカスしたプロジェクトとして結成されました。
後のハードテクノに通じるソリッドなトラックもあれば、ハウスのようなグルーヴを伴った曲やアンビエントまで収録されており、細分化されていなかった頃のテクノのエッセンスが詰まっている作品です。
個人的好みはアルバムのラストに収録されたGROUNDZERO (THE PLANET)
レイヴ感溢れるフレーズにローファイなリズムの組み合わせという、ザ・90年代テイストなテクノ。
X-102 – Groundzero (The Planet) – YouTube
Beatportでも購入可能です。
1993年リリース。
『第2次テクノ大戦!!!』と銘打たれてリリースされた通り、世界各国のアーティストによるテクノコンピレーション。
第2次ということは第1次もありましてそちらも持っているのですが、どちらかというとテクノよりはヨーロッパレイヴ、ジュリアナテクノに傾倒したシリーズです。
とはいえ、この2作目にはジャーマンテクノやイタロハウスなんかも入ってたりして、前作よりバラエティに富んでます。
WestBam、Underground Resistance、R.A.F. (メンバーの1人がMauro Picotto)など、大物アーティストが多数参加しているのも昔ならでは。
個人的好みはドイツのDJ/クリエイターDJ Dickによるテクノ。
細切れの荒っぽいリフにアーメンブレイク、ブレイクのトランスっぽいシンセサウンドなど、レイヴ経過後のテクノらしいアグレッシヴな曲。
ちなみに上で名前を出したジャーマンテクノの雄WestBamとは兄弟。
Dj Dick – No chill out necessary – YouTube
2010年リリース。
イギリスのDJ/クリエイターScott Attrillによるフルアルバム。
1990年代はVinylgroover名義でハッピーハードコアシーンを牽引していたScott Attrillがハードダンスでの活動を本格化させるに際し、本名でのリリースを行い始めた頃の作品。
ハードダンス界隈に於いていち早くテクノ×ハードダンスのクロスオーバーに着手した1人であり、本作にもその指向が強く表れています。
エレクトロやダブステップといった当時最新鋭の音までハードダンスに流用している意欲作。
個人的好みは3曲目、What the Funk。
カッティングギターのリフにフィルターを駆使したタイトル通りファンキー且つテッキーなハードダンス。
What The Funk (Original Mix) by Scott Attrill on Beatport
1994年リリース。
タイトル通り、アシッドサウンドをフィーチャーしたコンピレーション。
周辺ジャンルであるアシッドテクノやゴアトランスまでカバーしているばかりか、ハードコア/ガバのアーティストであるChosen Fewまで参加している辺り謎です。
見事にビヨビヨ鳴っている曲しか収録されておらず、あとこの時代はイントロ、アウトロを作り込むという概念がなかったのか、いきなり始まっていきなり終わる曲があったりしてそれも1990年代らしい。
個人的好みはドイツのDJユニットGENLOGによるNIG NAG。
後のStay Up Foreverに通じるド直球なアシッドサウンド、跳ね系リズムに速いテンポを兼ね備えた快楽主義的ハードアシッド。
2006年リリース。
ドイツのDJ/クリエイターFelix KrocherによるミニアルバムとDJ Mixがセットになった作品。
言わずもがな、このアーティストは日本にシュランツという音楽を根付かせた張本人であり、単一アーティストによるシュランツのアルバムとしては最初期(※)に出されたものの1つ。
歪んだ金物リズムと圧縮されたベースによる強烈で速いビートはインパクト満点です。
あとCDで聴いて気付いた点として、最後の曲が終わると1曲目の頭にループする仕様になってました。
謎に凝った構成。
個人的好みは4曲目、The Fight Is Over。
ビートの暴力性に反して声ネタのサンプリングが妙に陽気で、シュランツの遊び心が散りばめられている気がします。
You Must Never Forget That – YouTube
Beatportでも購入可能です。
※
確認している中でこれより前に出ているシュランツのアルバムとしてRobert Natus / StraightとTorsten Kanzler / Der Kanzler Kommt(共に2005年リリース)があります。
1997年リリース。
アルゼンチンのDJ/クリエイターDJ DEROによるテクノ。
ジャーマンテクノの一派として数えられながらトライバルテクノの普及に一役買ったアーティストであり、本作にもその影響が強く表れております。
その名の通り、ホーンサウンドを随所に散りばめつつ、トランスの煌びやかな音をメインリフとしたアップリフティングなトラック。
で、こちらのセルフリミックスはそこにDJ DEROお得意のサンバリズムをこれでもかと言わんばかりにトッピングしたバージョン。
ホイッスルの音まで加わり、エネルギッシュなトライバルテクノの脈動を感じさせてくれます。
絶対774Muzikさん好きでしょこういうの。
Dj Dero – The Horn (El Tren) [Batucada’n Bass Mix] – YouTube
1997年リリース。
フィンランドのDJ/クリエイターJS16によるハードハウス。
JS16といえば音楽ゲームDance Dance Revolution収録曲であるStomp To My Beatが有名かと思いますが、それと同時期に作られた中の1つ。
というかStomp To My Beatが収録されているアルバムのリードシングルのなっているのがこのStomping Systemです。
原曲からしてグルーヴィーなベースラインとディスコなウワモノが交差するファンクネスさがツボですが、EPにのみ収録されたこちらのバージョンは今でいうところのエレクトロっぽいシンセリフまで加わってよりアップリフティングなアレンジになっております。
ワープハウス、ハッピーハンドバッグといった単語に敏感な方に特にオススメ。
Stomping System (UK Mix) by JS16 on Beatport
2001年リリース。
ドイツのDJ/クリエイターMijk van Dijkによるテクノ。
先日の特集ゲームミュージックに於けるテクノに於いても紹介しており、Hardonizeでも複数回かけているので今更紹介するまでもない曲ではありますが、実はヴァイナルを見たのは初めて。
本家パッケージと同様の車種、Rivelta Mercurioがメインを飾る真っ赤なジャケットは良く映えますね。
何度も紹介して恐縮ではございますが、Burnoutが本当に好きです。
ハイハットをはじめとする金物リズムの疾走感が気持ち良い、シンセティックなテクノ。
Ridge Racer V – Burnout – YouTube
Beatportでも購入可能です。
最後に紹介するのは個人的趣味でハードテクノではなく、ドラムンベース。
2005年リリース。
イギリスの古豪ユニットE-Z Rollers監修によるドラムンベースコンピレーション。
ドラムンベースの中でもリキッドファンク、ジャングルなど生音に近い音を得意とするアーティストなので、本作もアーバンでありながら骨太なトラックがズラリ。
今時のギラギラした音ではない(言うまでもなくそれはそれで好き。)、この時代特有の土臭くも力強い雰囲気を堪能できるシリーズで大好きなのです。
ちなみに前作もメッチャオススメ。
そっちもCDで持ってます。
個人的好みは11曲目、Deathsport。
『ドラムンベースはイギリスのチンピラ音楽。』とは僕の師匠である練乳さんの談ですが、それを体現しているホーンの音が大変ガラが悪くて◎。
この手のベースシンセがフレーズとなっているタイプのドラムンベースはジャンプアップと呼ばれております。
ちょっと前にこのタイプのトラックをメインにしたMIXを録っておりますのでよろしければ是非。
Beatportでも購入可能です。
以上、RECOfan渋谷BEAM店DIG自慢でした。
テクノという枠の中に於いてもメジャーなものからコアなものまで入手可能なお店であることが伝わったなら幸いです。
配信サイトから楽曲を単体購入したり、サブスクリプションサービスで矢継ぎ早にトラッククロールできる現在、それはそれでとても便利ですし活用しない手はないのですが、時間をかけて1つ1つの作品を手に取り、時に予想だにしない作品と出会う機会というのも何物にも代えがたい魅力があります。
特にクラブミュージックのような一般的に見ればマニアックなカルチャーに於いて、こういった体験ができる場所はかなり貴重でもありますので、今週末にでも是非行ってみてください。
5枚以上購入すると1枚につき200円オフは結構デカいですよ!
次週07月14日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。
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