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【特集】フリーダウンロード2022 (後編) - Resident’s Recommend 2023/03/02

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【近況】

松葉杖生活からは脱却したものの、まだ歩くのには難があります。
何なら自転車の方が楽。
歴史が繰り返されないようにお祈りをお願いします。
近況終わり。

【告知1】

そんな完治とは遠い僕にもありがたいことにブッキングが来まして。


共にハードコア~ドラムンベースを主軸に活動しておられるRelectさん、kens:kさんのブランニューパーティーにお招き頂きました。
初回は特にドラムンベース色強めということで、かつてドラムンベースのパーティーのレジデントを務めていた頃の血が騒ぎます。
レジデント含め新進気鋭のDJが揃っておりますので、若い感性から繰り出される現行のドラムンベースを体感するにはもってこいではないでしょうか。

ストリートのタフなバイブスがお好みの方は是非。

【告知2】


イベントスペースとして貸し出されている学校で夜通し音楽を響かせる大規模な催しにお招き頂いております。
音の傾向としてはアニメソング半分、クラブミュージック半分という感じでしょうか。
日頃クロスオーバーに重きを置いている僕ですが、ここには本職の方々が集っているので中途半端にアニメ関連楽曲に手を出すと(検閲)されそうで怖い。
個人的にはかつて秋葉原でやっていた96を彷彿とさせる面々が揃っていて懐かしさを覚えますね。

夜中の学校で遊ぶという中学~高校生マインドの持ち主は是非。

【今回のお題】

さて、前回は毎年新年恒例となっている昨年のフリーダウンロード楽曲を振り返る特集を執り行いました。
良質且つ太っ腹なトラックの数々、既にご覧頂けたでしょうか?

【特集】フリーダウンロード2022 (前編) - Resident's Recommend 2023/02/16

【特集】フリーダウンロード2022 (前編) – Resident’s Recommend 2023/02/16

それ以前の掲載はコチラになります。
2021 (後編) / 2021 (前編) / 2020 (後編) / 2020 (前編) / 2019 (後編) / 2019 (前編) / 2018

前回はメインストリームテクノハードミニマルといったリズム主体のサブジャンルにスポットを当ててお送りしましたが、
今回はより陽気で明るいウワモノやグルーヴに特化したハードグルーヴテックトランスをメインに取り上げていきます。
実のところ、昨年は例年以上にこっち方面のフリーダウンロードトラックが豊作で、今回かなり絞るのに苦労しました。
前回と合わせて気軽に手が出せるハードテクノとして皆様のライブラリを充実させる手助けになれたら嬉しいです。

それでは、

令和4度目のフリーダウンロードハードテクノ特集 (後編)

いってみましょう。

【曲紹介】

Rydel presents RA / The Phunk Colossus Mashup

Stream [Free Download] Rydel presents RA – The Phunk Colossus Mashup by Rydel | Listen online for free on SoundCloud

スロベニアのプロデューサーRydelによるハードグルーヴ
タイトルが示す通りマッシュアップトラックでして、リフはThomas Bangalter / Colossus、ボーカルはRedman & Method Man / How Highをサンプリングしております。
ちなみにThomas Bangalterはご存知、Daft Punkの片割れです。
そういえば先日、解散後初となるソロアルバムの発売がアナウンスされましたね。

それはさておき、ディスコヒップホップの掛け合わせなので黒めのグルーヴをキープしつつ推進力も伴ったファンキーなハードグルーヴとなっていて応用力抜群。
Rydelも活動歴15年のベテランアーティストなので、相変わらず信頼が置けることがこの曲からも窺えます。
とりあえず持っておくと安心できるタイプ。

Elek-Fun / Arana (Felix R Remix)

Stream Elek-Fun – Arana (Felix R Remix) [FREE DOWNLOAD] by Felix R | Listen online for free on SoundCloud

オーストラリアのプロデューサーFelix Rによるハードグルーヴ
肉厚の電子音ベースとトライバルリズム!
芯のあるキックも合わさったボトムでグイグイ引っ張っていく感じのトラック。
ハードミニマルテックトランスの流れで使っても充分持ち味を発揮できそうな優等生です。

E.DN / Samba Season

Stream E.DN – Samba Season [Free DL] by Deadline Records | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーE.DNによるハードグルーヴ
サンバっぽいかどうかはイマイチ判然としませんが、とにかく手数の多いパーカッションリズムで強烈な推進力を生み出しているトラック。
リフのシンプルさが往年のハードテクノを感じさせる、本当に2022年のトラックなのか疑わしく思える仕上がり。

おまけにE.DNは現在21歳だそうです。
あまりにも将来有望過ぎる。
是非今後の活動に注目して頂きたいアーティストです。

Zafra Negra / Sufriendo Por Ella (Black XS Bootleg)

Stream Zafra Negra – Sufriendo Por Ella (Black XS Bootleg) by Black XS | Listen online for free on SoundCloud

アルゼンチンのプロデューサーBlack XSによるテックトランス
この原曲名を見てもピンと来ないかもしれませんが、Monika Kruse feat. Zafra Negra / Latin Loversと同じ元ネタです。
あのある種の脱力感のあるボーカルとブラスの音がドライブ感のあるビートに乗っているという、これだけでツボにクる人はいるはず。
勿論ハードグルーヴとの相性も抜群・・・というかなんならハードグルーヴとして使う方が違和感ない説まであります。

Black XSテックトランスをメインフィールドに活動しているアーティストなので、こういった生音系サンプリングを使用するのも結構珍しかったりします。
昨年大いにくらったLaura May / Diosa Del Fuegoの例もあり、こういったテイストがテックトランス界隈にじわじわ浸透しているのかもしれず。
要調査ですね。

DIVERSION / Power Hour

Stream DIVERSION – Power Hour by DIVERSION | Listen online for free on SoundCloud

アイルランドのプロデューサーDIVERSIONによるテクノ
バウンシーで硬いビート、ファンキーな声ネタループ、レイヴオルガンとめちゃくちゃシンプルな構成が、逆にインパクトの高さに作用しているトラック。
レイヴの快楽的な衝動がラフにテクノに落とし込まれているような印象を受けます。
黎明期のハードテクノと合わせて使うと面白そうな気がしますね。

Jennifer Lucas / Take On Higher (HUD Remix)

Stream Jennifer Lucas – Take On Higher (HUD Remix) FREE DOWNLOAD by HUD (UK) Oldskool/D&B/House/Techno/Breaks | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーHUDによるレイヴブレイクス
原曲は1992年にリリースされたレイヴクラシック。
ピアノやシンセのフレーズによるポジティブなバイブスはそのままに、太いアナログベースの音が存在感満点です。
現行のベースミュージックと並べても遜色ないアレンジになっているので夢が広がりますね。

というかこのHUDというアーティストを去年知ったんですけど、こういった往年のレイヴクラシックをアレンジしたトラックが彼のbandcampページで大量に公開されていて圧巻です。
Orbital / ChimeOutlander / VampLiquid / Sweet HarmonyOmni Trio / Renegade Snares・・・
どれも超が付く程のビッグチューンであり、その全てが大体100円前後で買えるようになっているのもヤバい。

一昨日のyudukiボスのエントリーレイヴの機運が高まっている方、是非1度ご覧ください。
特にSangoさんは絶対見るように。来週までの宿題です。

Orbital / Chime (James Black Presents Techno Rework)

Stream Orbital – Chime (James Black Presents Techno Rework) FREE DOWNLOAD by James Black | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーJames Blackによるテクノ
今更語るまでもない原曲
ちなみにリリースは1989年。
35年近く経っても尚アレンジが出る屈指のテクノアンセムです。

あの穏やかながらもインパクトのあるフレーズはそのままにハードテクノに寄せたテンポ、リズム強度を持ち合わせているのでどこにでも差し込めます。
その一方で原曲のブレイクビーツをそのまま引き継いだパートがあるのがこの曲のアレンジにしては珍しい気がします。
ブレイク明けてからメインフレーズ入るまでの焦らしとか、ほんのりスパイスの効いた仕上がりになっていて良い。

Alex Trackone Vs Grooveyard / Looper Wild (Jackob Rocksonn Mashup)

Stream Alex Trackone Vs Grooveyard – Looper Wild (Jackob Rocksonn Mashup) by Jackob Rocksonn | Listen online for free on SoundCloud

ポーランドのプロデューサーJackob Rocksonnによるテックトランス
これもタイトル通り、AlexTrackOne / Looper BaseをバックトラックにGrooveyard / Mary Go Wildのリフを乗せたマッシュアップになります。
ハイハットシャキシャキの前のめりなビートにあの儚げなメロディーが合わさった、これぞブートレグと言わんばかりの仕上がり。
なんかこのネタのインパクトといい、バックトラックの傾向といい、まず思いつかない両者のブレンドセンスはATTさんのCrazy Mashupシリーズを彷彿とさせますね。
結構前に作られたものらしいですけど公開されたのは去年10月です。

Faster Horses / You’re In My System (Sport Mix)

Stream Faster Horses – You’re In My System (Sport Mix) by AKRONYM | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーFaster Horsesによるテクノ
ハードハウスというか、むしろハウス早回しのようなオルガンフレーズがなんとも気持ち良い。
うねりのあるベースとハイハットリズムのドライブ感が合わさった前のめりなリズムも好みですし、アーバンなボーカルも雰囲気作りに一役買っててかなり刺さった曲。

この曲を公開しているレーベルAKRONYMで公開されているSport Mixesというトラックリストは
リズムの硬さよりも気持ちの良いフレーズに重きを置いたちょっと速いテクノが多めになっていて見事に全部好きでした。
以下に埋め込んでおくので是非。
全曲持ち帰り可能。

Stream AKRONYM | Listen to Sport Mixes playlist online for free on SoundCloud

Clean Bandit & Discole / Rather Be (Techno Remix)

Stream Clean Bandit & Discole – Rather Be (Techno Remix) by Discole | Listen online for free on SoundCloud

国籍不明のプロデューサーDiscoleによるテクノ
今回の泣きテクノ枠。
原曲はラブソングらしくもっとソウルフルなボーカルなのですが、ピッチ高めに加工するとどこか哀愁のある聴こえ方に様変わり。
サイドに添えられたシンセも相まってほんのり物憂げな感じが曲全体から漂っています。
裏打ちベースのレトロさもいい具合にハマってますね。

ちなみにこの原曲もかつてTikTokで流行していた経緯を持つらしく、僕は今回取り上げるまで知りませんでした。
流行震源地が多過ぎてアンテナが追いつかない・・・というのを言い訳にしてはいけませんね。
精進します。

RAWTEK / TAKE YOUR TIME

Stream RAWTEK – TAKE YOUR TIME by RAWTEK | Listen online for free on SoundCloud

アメリカのプロデューサーRAWTEKによるディスコ
昨年リリースされた曲に於いてCome Closerが良過ぎたRAWTEKが、自身のSoundcloudで公開していたディスコエディットの1つ。
グルーヴィーで太いベースラインとガラージっぽい打ち方のリズムによるボトムの強度と高ファンクネス指数からしてモロ好みであり、そのウワモノがカッティングギターと口笛をメインに据えているというアーバン全開っぷりが輪をかけてたまらない曲。
途中で非4つ打ちになる遊び心も含め、単なるディスコの焼き増しではない、ちゃんと現代の手法、技術でサウンドを使っている辺りがオリジナリティの塊だなと感じます。

振り返ると昨年はかなりRAWTEKにヤラれた年だったかもしれません。
ついぞ数年前までこういうバカ音楽をやっていた人と同じとは到底思えない。
(勿論これはこれで大好きです。)

【まとめ】

以上、フリーダウンロード2022特集 (後編)をお送りしました。
フリーダウンロードらしくネタモノもある一方、市販のトラックにも引けを取らないサウンドやアイディアのものが特に多かったと感じた年でした。
加えて新星アーティストの存在も目立っており、メインストリームテクノが全体的にハード目に寄っている影響が見えてきたようにも思えて個人的にはワクワクしながらDIGってました。
この流れが今年も続いてくれることを願いつつ、引き続き水面下で公開されている曲たちにも目を光らせていこうと思います。

そんなわけで今回はここまで。

次週03月07日は774Muzikさんが担当します。
では。

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【特集】フリーダウンロード2022 (前編) - Resident’s Recommend 2023/02/16

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【近況1】


サラダ美味かったです。
(次回に向けたレジデント内ミーティングが終わりました、の意。)

次回開催に向けて準備が進んでおりますので情報公開までお付き合い頂けますと幸いです。
ちなみに、前回で15周年記念回は終わったとお思いでしょうが、今年1年丸ごと15周年ですからね?
こちらからのヒントは以上になります。

【近況2】


いつかやるだろうなと思っていたことが起こったのですが、
自転車で単独事故を起こし、現在松葉杖生活をしております。
Hardonizeの後で良かった。(良くない)

丸ごとパーティー行けない月っていつ以来だろうか。
それくらい身近にあったものだったんだなということを再認識しております。
頑張れ自分の回復力。

【今回のお題】

さて15周年記念回関連でお流れになっておりましたが、ここ数年の新年1発目の僕の記事では正月のお年玉に因んだフリーダウンロード楽曲を取り上げる特集を行っております。
参考までに過去の記事はこちら。

【特集】フリーダウンロード2021 (前編):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/01/20

【特集】フリーダウンロード2021 (前編):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/01/20
【特集】フリーダウンロード2021 (後編):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/02/03

【特集】フリーダウンロード2021 (後編):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/02/03

それ以前の掲載はコチラになります。
2020 (後編) / 2020 (前編) / 2019 (後編) / 2019 (前編) / 2018

去年分についても既にちょいちょいリンク切れがあるので、まだダウンロードできるものについてもお早めにどうぞ。

そんなワケで2022年分をピックアップしていたところやはり去年も膨大な数の楽曲を仕入れていたらしく、数を絞り切れなかったため、結局今回もいつも通り前後編に分けてご紹介します。

一応カテゴリ分類として

・今回:メインストリームテクノハードミニマル

・次回:ハードグルーヴテックトランス

とした上で、それぞれ10曲程度取り上げていきます。
これからハードテクノに触れる人や、自身のプレイ幅を広げたいと考えている方の取っ掛かりとして参考になれば幸いです。

それでは、

令和4度目のフリーダウンロードハードテクノ特集 (前編)

いってみましょう。

【曲紹介】

Nooran Sisters / Patakha Guddi (Return Fall Techno Edit)

Stream Nooran Sisters – Patakha Guddi (Return Fall Techno Edit) [Free Download] by Return Fall | Listen online for free on SoundCloud

ドイツのプロデューサーReturn Fallによるテクノ
一貫して重たいビートが鳴り続けているその上にインド古典音楽のボーカルがトッピングされた面白寄りの作品。
使うにはリズムの硬度的にシリアスな流れの中に放り込むしかないように思えますが、どう頑張ってもウワモノの整合性は取れないと思うので完全に飛び道具です。
カレー食べたい。

ちょっと前に行った新作サイケデリックトランス特集にてDirty Beat, Mynastic / Patakha Tranceという曲を取り上げましたが、これと同じボーカルがサンプリングされております。
しかし向こうはインド映画らしいはっちゃけた雰囲気が漂っている一方、こちらは冷血で無慈悲なアレンジとなっており、同じネタでここまで開きが出るのかと思うとより面白いですね。

更に余談ですが、世界的なトップDJであるDJ Snakeアレンジしたバージョンなんてのも出てます。
こっちもこっちでウワモノが浮きまくっているハウスとなっており、使いどころが謎い。

Sunset Bros / Follow Me (Rinse & Repeat Tiktok Techno Edit)

Stream Follow Me – Sunset Bros (Rinse & Repeat Tiktok Techno Edit) FREE DOWNLOAD by Rinse & Repeat II | Listen online for free on SoundCloud

オーストラリアのプロデューサーユニットRinse & Repeatによるテクノ
テクノで散々サンプリングされつくしている『テクノなんて誰も聴かねぇ。』というEminem / Without Meのラインが今年も出ました。
原曲のビートを力強い現代テクノに差し替えたアレンジとなっており、リフのシンプルさも相まって非常に使い易い。
使う際の注意点としては尺が3分未満とめちゃくちゃタイトになっているので、ちゃんと次の曲を考えておく必要があります。

Eminem繋がりでもう1曲。

Eminem / The King And I (Paul Gannon Techno Edit)

Stream Eminem – The King And I (Paul Gannon Techno Edit)[Free Download] by Paul Gannon | Listen online for free on SoundCloud

アイルランドのプロデューサーPaul Gannonによるテクノ
原曲を早回ししたラップがリズミカルにテクノビートに乗っているのが聴いてて気持ち良い。
冒頭にブレイクスパートを差し込んでから硬い4つ打ちのリズムパートに移行する展開の作り方とかも仕掛けがきいててとても良いですね。

ちなみにこの曲の原曲は2022年に公開された映画エルヴィスに書き下ろされたもの。
先のEminem / Without Meに於いてはElvis Presleyを揶揄していたEminemが、一転して彼の伝記映画に向けて彼をキングと称える曲を出しているわけですから時代の巡りとは面白いですよね。
そしてその曲にElvis Presley / Jailhouse Rockを盛大にサンプリングしているのもまた味わいがあります。

Martin Garrix / Animals (Botnek Edit – AndyG Bigroom Techno Reboot)

Martin Garrix – Animals (Botnek Edit) [AndyG Bigroom Techno Reboot] – YouTube

オーストラリアのプロデューサーAndyGによるテクノ
2022年にもこの曲のアレンジが出ると思わなくてかなり面食らった曲。
今となっては初出が10年前らしいです。おっそろしい。

原曲更にその原曲もブレイクとメインパートの落差にとてつもないインパクトがあり、
この肩透かし的な手法をトレンドに押し上げた曲としても印象的でしたが、本アレンジもそのマナーを忠実になぞったものに仕上がっております。
こうして聴くとこのフレーズってテクノと相性良かったんだなということに10年越しに気付けるアレンジ。

Double 99 / Ripgroove (FLiNT Techno Mix)

Stream Double 99 – Ripgroove FLiNT Techno Mix (FREE DOWNLOAD) by FL:NT | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーFLiNTによるテクノ
元ネタは1997年にリリースされたベースラインの、大クラシックなのですが、この曲にテクノ的な解釈を持たせたアレンジは25年目にして本作が初ではないかと思います。

原曲の深いベースを引き継ぎつつ派手なウワモノは皆無のまま4つ打ちのビートが反復する、かなり緊張感のあるスタイル。
このFLiNTというアーティストはハードダンスにも造詣の深い人なのでアップリフティングに仕立てることもできた筈なのですが、
あえてこのように渋い音に落とし込むあたり、原曲に対する愛情が見えてくるかのようです。
これらのアレンジテーマの選定やアレンジの方向性には『おっ。』となったので、使える機会を伺っています。

Robin Schulz & Oliver Tree / Miss You (Arthur Lewis Techno Bootleg)

Stream Robin Schulz & Oliver Tree – Miss You (Arthur Lewis Techno Bootleg) FREE DOWNLOAD by Arthur Lewis | Listen online for free on SoundCloud

ベルギーのプロデューサーArthur Lewisによるハードテクノ
硬く、前のめりなビートに原曲のピッチ高めのボーカルが乗っているシンプルなアレンジ。
こうしたボーカル入りのハードテクノは割とレア度高めなので、ブートレグならではという感じがしますね。
とはいえサウンドやフレーズを活かし、楽しくもちょっと悲しい感じが出ていた原曲と比べるとこちらも無慈悲寄りな雰囲気に仕上がっています。
曲の前後にのりしろはちゃんと用意されておりますが、それでも尺は3分とかなりタイトです。

Jens Mueller / Taca A Xere Pra Mim (Jens Mueller Hardtechno Rework)

Stream Jens Mueller – Taca A Xere Pra Mim (Jens Mueller Hardtechno Rework) TikTok Bootleg FREE DOWNLOAD by Jens Mueller | Listen online for free on SoundCloud

ドイツのプロデューサーJens Muellerによるハードテクノ
こちらもドライブ感強めのビート、なのですがその上に乗った明らかに西洋音楽と異なる言語のボーカルとパーカッションリズムに格好良さとは別の面白さを感じてしまいました。
このベースの感じも一般的なハードテクノでは聴かないタイプの音なので、地味にインパクトがあります。
リズムのタフな感じとウワモノのトライバル感から想起されるのはMonika Kruse / Latin Lovers (Eric Sneo Forward Mix)なので、この手のハードトライバルが好きなら押さえておいても良いかも。

どうも原曲はMC Kaique da VP / Taca a Xere pra Mimという南米音楽バイレファンキであり、何故かTik Tokで去年バズっていたようです。
インターネット、何も分からん。

E11 / Bahimi Gold

Stream FREE DOWNLOAD – E11 – Bahimi Gold [EYDFDS017] by Expel Your Demons | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーE11によるハードテクノ
ハードなリズム+アシッドシンセ+アーメンブレイクというレイヴの臭気ムンムンのトラック。
ストイック過ぎず、アップリフティング過ぎず、それでいて遊び心がきいたサウンドの塩梅がなかなかに丁度良い。
〆に向かって流れを作っていくタイプではないかと思います。

The Prodigy Vs Derb / Smack My Derb (T78 Mash Up)

Stream The Prodigy Vs Derb – Smack My Derb (T78 Mash Up) by Autektone Records | Listen online for free on SoundCloud

イタリアのプロデューサーT78によるハードテクノ
タイトルから察せられる通り、前半はThe Prodigy / Smack My Bitch Upネタ、後半はDerb / Derbネタを用いたマッシュアップアレンジ。
元よりオールドスクールレイヴのサウンドを現代テクノに落とし込んだトラックを量産しているT78ですが、本作は一際ハードで速いリズムを用い、且つラスボス級のサンプリング2本使いといった大盤振る舞いを発揮しています。
ここぞという時にしか使えないハイパービッグボム。

The Prodigy / Smack My Bitch Upネタでもう1つ。

The Prodigy / Smack My Bitch Up (Luca Agnelli Vs Chrs Re – Edit)

Stream The Prodigy – Smack My Bitch Up (Luca Agnelli Vs Chrs Re – Edit) [Free Download] by Techno Germany | Listen online for free on SoundCloud

イタリアのプロデューサー同士、Luca AgnelliCHRSによるハードテクノ
抜群の推進力を持つビートにトランスを意識したシンセで原曲のフレーズを弾き直した音が乗っている質実剛健なアレンジ。
テックトランスの流れでも充分にポテンシャルを発揮できる音になっているので、先に紹介したアレンジよりは使い勝手が良さそうな気がします。

Scorch / Techno-Gi-Oh!

Stream Scorch – Techno-Gi-Oh! [FREE DOWNLOAD] by Scorch (FRA) | Listen online for free on SoundCloud

フランスのプロデューサーScorchによるテクノ
今回の最謎大賞作品です。
タイトルからとある漫画作品を連想せずにはいられず、実際に曲中でもその名前を連呼しちゃっているので、まぁそういうことです。

そして曲中でサンプリングされているやたら壮大なオーケストラっぽい音、どことなくエジプト感漂っていますよね。
僕もアニメを見ているわけではないのでこの辺り判然としなかったのですが、この曲のSoundcloudのコメント欄に答えが載っていました。
和訳すると以下の通りです。

ペガサスがどうやって千年眼を失ったのか思い出せなかったので、午前2時に起床。
シーズン1から3までのあらすじを見てオープニングのOSTを聴き直し、オマージュ曲のサンプリングをメインテーマにしました。

なんでなのよ!?
というわけでフランス人のアニメ好き過ぎモチベーションが遺憾なく発揮されてしまった作品。

【まとめ】

以上、フリーダウンロード2022特集 (前編)をお送りしました。
今回大分ネタモノ率高かったですね。
変わった音使いのトラックを選んでいったらこうなってしまう悲しい病にかかっております。
とはいえ、そのネタ元はテクノに於ける定番ばかりというワケでもなく、世相を反映したあらゆる音楽がテクノにも応用されている辺りが面白いと感じております。
こういうところは販売されている音源だけだと追い付けない部分だったりするので、今年も引き続き色々な方向にアンテナを張り巡らせたいと考えております。

そんなわけで今回はここまで。
次回の自分の担当回ではハードグルーヴテックトランスなどにスポットを当てたフリーダウンロード2022特集 (後編)をお送り致します。
03月02日公開予定となっておりますのでお見逃しなく。

次週02月21日は774Muzikさんが担当します。
では。

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