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【特集】テクノのリズムを纏ったバンドの曲:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/03/17

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】


Hardonize#40
まであと1か月となりました。
ゲストにMorphonicsさんとREV-TUNEさんをお招きし、6時間みっちりハードテクノをお届けします。

尚、入場に際して事前申請が必要になっておりますのでお忘れなきようにお願いします。
Hardonize #40 in東京 – パスマーケット

【近況】


昨日の地震後に起こった停電の影響でそれまで書いた今回の内容が全て吹っ飛び、イチから書き起こしているところです。

こまめに保存することの大切さを身を以って学んだところです。
しんどい。

前回の記事で告知させて貰いましたが、先週は錦糸町のLITTLE SAKE SQUAREで出演でした。
yudukiボスがちょっと触れておりましたが、この日ワクチン接種とパーティーのダブルブッキングというなかなかハーコーなスケジュールを組んでおり、若干の不安もあったものの蓋を開けてみれば終始楽しく過ごせました。
共演者の方々がそれぞれのシーンで培ってきたものをプレイに落とし込んでいる感じはいちリスナーとして眼福ものでしたし、日本酒の後押しもあってお客さん共々楽しそうにしていたのを見るとホッコリしますね。
Yebisu303さんのライブではないDJを初めて見ましたが、珍妙なテクノの1つとして名高いX JAPAN / Rusty Nail (OLIVER HO REMIX)が飛び出したりしたのも面白かったです。
あとTAKAMIさんは過去共演した際、終盤にテクノのアンセムを連発して僕に渡すといったことがありましたが、今回もそれでした。
これがテクノの洗礼なのか。

だもんで自分のプレイ中も特にアクシデントは起こりませんでした。
事情が事情だったので一滴も日本酒飲めなかったのが悔やまれます。
また出たい。

【今回のお題】

さて、前回前々回は昨年のフリーダウンロード楽曲を振り返る特集を執り行いましたが、今回から通常の形式に戻り、
ハードテクノの1つのサブジャンルからオススメ楽曲について取り上げていきます。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

それはそれとして先のパーティーに於いて自分は主にハウスをプレイしておりましたが、〆はテクノ、ハウスの要素を持ったJ-POPでした。
この日の出順がトリだったということもあって綺麗に終わらせられるかなと思いまして、まぁその後酔っ払ったTakayuki Kamiyaという男が乱入したのでグッチャグチャになりましたが。
そもそも邦楽ロックをそこそこ聴いてきた身ということもあってこの辺りの音楽は好きなのです。

Hardonizeに於いてもこれらをちょいちょい差し込んだりしておりましたが、そういえばまとめて取り上げたことはなかったなということに思い至った次第。
そんなわけで今回取り上げるテーマは

テクノのリズムを纏ったバンドの曲

とします。

文字通り、バンドとして活動しているアーティストによるテクノの要素が強く出た曲をピックアップしていきます。
全部邦楽。
Beatportjunoではなく、タワレコmoraとかで買える、もしくは買えたものばかりです。
あと今回はバンド編成のアーティストに絞っております。
ソロやユニットではなく、メンバーの担当パートにギターがいて、ベースがいて、ドラムがいるという一般的な形式、なのに楽曲はテクノっぽいといったものがメインになります。
今まで聴いてきた中から選定しているのでどうしても割合古い曲が多めになってしまっておりますが、そればっかりにならないように選びました。
とはいえ、そこまで古い印象は受けない筈・・・そうであってほしい。

早速ですがテクノのリズムを纏ったバンドの曲紹介いってみましょう。

【曲紹介】

SUPERCAR / YUMEGIWA LAST BOY

Yumegiwa Last Boy – Supercar (スーパーカー) PV – YouTube

1995年から2005年まで活動していたバンド、SUPERCARによる2001年の曲。
浮遊感のあるシンセから始まり、当時のテクノが表れたビートが挿入され、その雰囲気を壊すことなくトランシーなパートが展開される美しさと儚さが共存している印象を受けます。
映画『ピンポン』の主題歌として起用されていたことで知名度も高く、またダンスミュージック寄りのサウンドということでDJからの人気も当時から高かったですね。
今回のテーマを取り上げる上で欠かせない曲ですし、20年前の作品とは思えないくらい、今聴いてもDJで使っても高揚します。

くるり / ワンダーフォーゲル

くるり – ワンダーフォーゲル – YouTube

1996年から現在も活動継続中のベテランバンド、くるりによる2000年の曲。
くるりは時期によって楽曲のスタイルもメンバーも変わることで知られており、この時期に出たアルバム、TEAM ROCKは電子音楽要素が強いものでした。
人間関係の葛藤を歌った青春ロック一直線の歌詞に加え、打ち込みの4つ打ちリズムとシンセが特徴的。
これも本当によく使っている。

加えて近年のこの手のサウンドを持ち味としているバンドとしてサカナクションが挙げられますが、くるり / ばらの花サカナクション / ネイティブダンサーのマッシュアップが存在します。
なんと公式で販売されています。

yui (FLOWER FLOWER) × ミゾベリョウ (odol) / ばらの花 × ネイティブダンサー

相鉄都心直通記念ムービー「100 YEARS TRAIN」テーマソング – Single by yui (FLOWER FLOWER) × ミゾベリョウ (odol) | Spotify

相鉄線が開業100年を経て都心に直通することを記念したムービー、100 YEARS TRAINのためにわざわざ作られたものであり、あまりの反響の高さから音源の配信が開始されたといった経緯があります。
時代を越えた名マッシュアップ。
両バンドを知っている身からすると不思議な組み合わせなのに違和感が全くないのが凄い。

THE MAD CAPSULE MARKETS / TRIBE

OSC-DIS – Album by The Mad Capsule Markets | Spotify

1985年から2006年まで活動していたバンド、THE MAD CAPSULE MARKETSによる1999年の曲。
所謂デジタルハードコアと呼ばれる電子音楽の要素を含んだハードロック、メタルを多く手掛けてきたアーティストで、曲によってはアーメンブレイクスが入っていたり、ガバキックが鳴っていたりするので、速くて重たい音楽が好きな方には強くオススメしたいところです。
この曲も冒頭いきなりアシッドシンセから始まり、4つ打ちのキックが展開された後、ディストーションギターとシャウトボイスが轟くという重厚な内容。
2分34秒地点のブレイクビーツパートで差し込まれているノイズみたいな音がベースの手弾きによって鳴らされていると知ったときは呆気にとられました。

この曲にも当て嵌まるTHE MAD CAPSULE MARKETSの楽曲の特徴として、殆どの曲に於いて展開が4の倍数の小節で区切ってあるというのが挙げられます。
これはダンスミュージックの特徴そのものであるのでDJでめちゃめちゃ使いやすい。

BUCK-TICK / 獣たちの夜

BUCK-TICK 「獣たちの夜」Music Video – YouTube

1985年から現在も活動継続中の大ベテランバンド、BUCK-TICKによる2019年の曲。
活動初期から優雅さと退廃感を持ち合わせたファッションと曲の雰囲気から独特な世界観を提示し続けているバンドであり、所謂ヴィジュアル系と呼ばれるシーンを形作った大御所の1柱としても非常に有名です。
大まかなサウンドの分類としてはインダストリアルロックがメインのような気がしますが、それを軸に周辺のロック、電子音楽のエッセンスを時代に合わせて取り入れている器用さも特徴の1つ。

この曲なんかはかなりダンスミュージック寄りだと思います。
4つ打ちのキックをコアとする2拍ループのドラム、裏打ちのベースに等間隔配置のギターリフ、薄く敷かれたディスコっぽいシンセ、そして極めつけに4拍目に置かれた残響含みのレトロなクラップとどれもダンスミュージックを意識しているとしか思えないパーツのオンパレード。
それでいて歌詞が『踊れ悪魔』ですからもう世界観全開。

DAOKO × MIYAVI / 千客万来

DAOKO × MIYAVI – 「千客万来」 Music Video(映画『Diner ダイナー』主題歌) – YouTube

これだけバンド楽曲ではないんですがロックを主戦場としているアーティストによる楽曲ということで。
ヴィジュアル系バンドから独立してギタリスト、俳優として活動しているMIYAVIと、ニコニコ動画を活動のルーツに持つシンガー、ラッパーのDAOKOという異色の組み合わせによる2019年の曲。
MIYAVIのギターのアグレッシヴさが強調されたブレイク、ハーフビートになって音の隙間が増えるAメロ、パッドが敷かれ、浮遊感が付与されるBメロ、透き通るボーカルと4つ打ちリズムが感情的なサビと、各パートでそれぞれ違った特色が出ていて面白いです。

今回の曲とは関係ないんですけど、ソロ活動になってからのMIYAVIHIFANAとコラボしたり、KREVAとコラボしたり、Bok Neroとコラボしたり意外性のあることを次々やっている印象を受けます。
ヴィジュアル系バンド出身者の中では間違いなく異質の存在。

BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU / ray

BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」 – YouTube

1996年から現在も活動継続中のベテランバンド、BUMP OF CHICKENによる2014年の曲。
日本を代表するバンドが初音ミクを起用したというニュースはメジャーシーンにまだ初音ミクが普及しきっていなかった当時、大きな話題となりました。
ましてそれが4つ打ちリズム、哀愁感のあるシンセを纏ったそれまでの作風と異なる楽曲ということもあり、猶更インパクトがあったように思えます。
歌詞があえてポジティブ過ぎない内容になっていて、そこは本当にBUMP OF CHICKEN節だなと思ったり。

本作も収録されているアルバム、RAYはシンセを用いた楽曲が他にも見受けられます。
それまでの作風とは違ったアプローチが味わえる1枚なので合わせて是非。

女王蜂 / Serenade

十 – Album by 女王蜂 | Spotify

2009年から現在も活動継続中のバンド、女王蜂による2019年の曲。
リズムは終始4つ打ちで、ギターがメインのパートとシンセが入ってくるパートが細かく切り替わっていく、というのが中盤までの展開。
そこまでサビが皆無という、これだけでもちょっと変わっているのですが、その後のパート(2分09秒)がデケデケベースと反復ドラムをコアとするリズムにシンセが前面に押し出された往年のディスコを彷彿とさせるもので面食らうこと必至。
歌詞の内容も相まって入り組みまくっているこの構成は現代の音楽っぽいなと思いました。
個人的に1度ライブを見てみたいアーティストの上位です。

MOP of HEAD / Frequency

maverick – Album by Mop of Head | Spotify

2006年から現在も活動継続中のバンド、MOP of HEADによる2019年の曲。
ボーカル不在のインストゥルメンタルバンドで、シンセ、ギター、ベース、ドラムの担当から成る4人編成。
で、この編成でテクノやハウスといったクラブミュージックを演奏するというのをコンセプトにしているユニークなバンドです。

この曲はカッティングギターとシンプルなシンセのループによってウワモノが形作られているファンキーなテクノ。
思わずKAGAMIを彷彿とさせますね。
ブレイクもちゃんと存在しており、繋ぐ際の糊代もバッチリ用意された構成はクラブミュージックそのもの。

ちなみに他の曲でガバにスポットを当てた曲ジュークにスポットを当てた曲なんてのもあるので興味のある方は是非。

YOUNG PUNCH / Love Is In The Air

YOUNG PUNCH – Love Is In The Air – YouTube

1996年から2002年まで活動していたバンド、YOUNG PUNCHによる2002年の曲。
それまで一般的なロックを主軸としていたのですが、本作が収録されているアルバムtraeksに於いては大幅なサウンドの刷新が図られ、電子楽器を使用した楽曲が多く作られました。
この曲は4つ打ちのリズムとシンプルなシンセにギターという当時の質感をそのままパッケージしたような構成。
サウンド的には先に紹介したくるり / ワンダーフォーゲルと近いスタイルの作品です。
あとNIRGILISとか好きな人にもオススメ。

但し現状フィジカルしか流通していないようですので音源入手はややハードル高めです。
(Amazonにはありました。)

HONDALADY / スプラッシュ

136 (2021 Remaster) – Album by HONDALADY | Spotify

1995年から2018年まで活動していたユニット、HONDALADYによる2004年の曲。
本来メンバーはマルさんとDieさん(以前Hardonizeにご出演頂きました。)の2人ですし、そもそも自らテクノロックユニットと銘打って活動しているのでテクノ的な楽曲は珍しくないのですが、
この曲に関してはPVを見る限り4人で演奏しているようで、且つサウンドもギターが前面に出されたかなりロック色の強いものとなっており、テクノに軸足を置いたアーティストがロックに踏み込んだ楽曲という今回の趣旨と逆の意味合いを持ったものとなっております。
歌詞と曲調ひっくるめて青春ギターチューン!って感じで好きな1曲。

オマケでもう1曲。
家にいるヤツ(バンギャ)に『今回テクノとロックというテーマで書こうと思う。』という話を漏らしたら時間いっぱい『〇〇を入れろ!××は名曲!今聴け!!!』と1人でブレーメンの音楽隊やってたので、仕方なくその中から1つ。

THE JETZEJOHNSON / Dancetek

Dancetek/ザ・ジェッジジョンソン – YouTube

1999年頃から現在も活動継続中のバンド、THE JETZEJOHNSONによる2008年の曲。
特段電子音楽に傾倒しているワケではないものの、活動初期から打ち込みを多用した作曲手法を取り入れており、そのアレンジも楽曲ごとに変えているという器用なバンド。
この曲は主張の激しいテクノ的質感のキックが延々と鳴っており、その上をギターと澄んだボーカルが並走する構成となっております。
目立つシンセの音はないんですが、ギターの弾き方やエフェクトのかけ方でシンセっぽく聴かせるという、なんだか粋な感じ。
清涼感のあるダンスロック。

まとめ

以上、テクノのリズムを纏ったバンドの曲にスポットを当ててお送りしました。
別々の音楽の要素が混ざり合った時、そのどちらとも違ったものが新しく生まれる可能性があるというのがミクスチャー音楽の面白いところだと思います。
あとこれは全てに共通しますが、可能性の薄いところから自分の好みに合う曲を発掘できたときの喜びが大きかったりしますね。
皆様もオススメのバンドなどありましたら是非お寄せください。

そんなわけで今回はここまで。

次週03月22日は774Muzikさんが担当します。
では。

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新作テックトランス特集 (2022年03月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/03/03

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】


先日から延期となったHardonize#40まで大体あと1か月となりました。
ゲストは変わらずMorphonicsさんとREV-TUNEさんの2名。
両者とも数々の現場を共にし、Hardonize一同信頼を寄せているプレイヤーなのでどんなハードサウンドが飛び出すのか、楽しみです。

【近況】


来週の日曜日に錦糸町LITTLE SAKE SQUAREで行われるパーティーにお招き頂きました。
TAKAMIさん、Yebisu303さん、Takayuki KamiyaさんとHardonizeと縁近い方々とご一緒します。
飲食店で行うパーティーの面子じゃない。

ちなみにもう1人の12_1さんとも実は15年くらいの付き合いになるんですけど、テクノ界隈の中にいるのは大分斬新。
どんな感じのプレイになるのか、楽しみです。

【今回のお題】

さて、前回前々回は昨年のフリーダウンロード楽曲を振り返る特集を執り行いましたが、今回から通常の形式に戻り、
ハードテクノの1つのサブジャンルからオススメ楽曲について取り上げていきます。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

テックトランス

です。

特別連載に於いては9回目に取り上げたテックダンスに近い、テクノの要素を取り入れたトランスです。
この音楽にスポットを当てた特集は過去2回(※)行っており、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。


新作テックトランス特集 (2021年09月版)
新作テックトランス特集 (2021年03月版)

早速ですが新作テックトランス紹介いってみましょう。
(例によって配信サイトの試聴だとブレイクで終わってしまう曲がいくつかあるので、YouTubeリンクと併用で埋め込みを行っております。)

【曲紹介】

Roland Clark, Armin van Buuren, Reinier Zonneveld / We Can Dance Again

We Can Dance Again (Extended Mix) – YouTube

We Can Dance Again (Extended Mix) by Roland Clark, Armin van Buuren, Reinier Zonneveld on Beatport

イギリスのハウスマスターRoland Clark、オランダのトランスレジェンドArmin van Buuren、そして現行テクノシーンをリードするオランダの若きReinier Zonneveldによる国もシーンも越えたテックトランス
直近のモンターリリースその1です。
Reinier Zonneveldの作る重厚なリズム、Armin van Buurenが培ってきた美しくも儚いシンセ、そしてタイトル通りメッセージ性の強いRoland Clarkのボイスと三者三様の持ち味が一堂に会している贅沢な1曲。
ジャンルの垣根を越えた意義のある作品。

Tempo Giusto / The Unicorn Master

The Unicorn Master (Extended Mix) – YouTube

The Unicorn Master (Extended Mix) by Tempo Giusto on Beatport

フィンランドのプロデューサーTempo Giustoによるテックトランス
リズムとリフはかなりシンプルに作られている一方、ベースの圧が強く出ているのが聴きどころ。
テクノトランス、どちらにも使えるお手本のような作品であり、ビートで躍らせるという目的にピッタリ合致した曲。

Tasso / Penance (Renegade System Remix)

Penance (Renegade System Remix) – YouTube

Penance (Renegade System Remix) by Tasso on Beatport

イギリスのプロデューサーRenegade Systemによるテックトランス
リズムを一定にキープしつつ、ウワモノの足し引きによって展開が作られていく曲。
アシッドシンセを含む様々なサウンドを絶妙なバランスで重ねており、技巧的な一面も垣間見えます。
比較的どの盤面でも使えそうなトラック。

同アーティストの曲でもう1つ直近リリースのオススメがコチラ。

Renegade System / Dropkick

Dropkick (Extended Version) – YouTube

Dropkick (Extended Mix) by Renegade System on Beatport

先の曲よりは気持ち派手目にウワモノが組まれておりますが、何といっても最大の特徴はブレイクで惜しげもなく鳴らされるドミネーターシンセ。
以降ドミネーターシンセの刻みをメインフレーズとしてリズムと並走するレイヴ色強めの曲です。
いつ聴いてもこういうのは気持ち高まります。

Everlight / Within

Within – YouTube

Within (Original Mix) by Everlight on Beatport

イギリスのプロデューサーEverlightによるテックトランス
キックの圧が強いリズムとややレトロなシンセが絡み合うテクノ寄りのトラック。
細かくうねるベースや残響のきいたボイスサンプルから妖しさも漂ってくるのが尚良し。
T78とかRaitoのテイストが好きな人は是非。

こちらも同アーティストの曲で直近リリースのオススメをもう1つ。

Everlight / Disco Death Machine

EverLight – Disco Death Machine – YouTube

Disco Death Machine (Extended Mix) by Everlight on Beatport

本当に同じアーティストかと思うくらい別路線の曲。
前曲の地下テイストはどこへやら、金物リズムによる前のめりなグルーヴにファンキーなベースラインとアシッドシンセが炸裂するアップリフティングな仕上がり。
Hardonize的需要がありそうなのはこっちかもしれません。
ハードハウスハードグルーヴと合わせて是非。

Mario Piu, Sygma / Serendipity 2.0 (David Nimmo Extended Remix)

Mario Piu & Sygma – Serendipity 2.0 (David Nimmo Remix) – YouTube

Serendipity 2.0 (David Nimmo Extended Remix) by Mario Piu, Sygma on Beatport

イギリスのプロデューサーDavid Nimmoによるテックトランス
元を辿ると1999年にイタリアの大御所プロデューサーMario PiuによってリリースされたSerendipityという黎明期のトランスがあり、なんと23年越しにセルフリミックスが爆誕。

Mario Piu, Sygma / Serendipity 2.0 (Extended Mix)

Serendipity 2.0 (Extended Mix) by Mario Piu, Sygma on Beatport

現代テクノと相性の良いボトム重視のアレンジとなっておりこちらもオススメではあるものの、ハードテクノ的視点で見ると上で挙げたリミックスの方が使いやすそうです。
煌びやかでド派手なブレイクから一気に原曲のリフを取り込んだループ主体のパートにスイッチする展開が爆発力高め。
源流を知らなくてもテンションが上がるような構成は見事。

NX-Trance / Cutting Edge

Cutting Edge (Extended Mix) – YouTube

Cutting Edge (Extended Mix) by NX-Trance on Beatport

ロシアのプロデューサーNX-Tranceによるテックトランス
変幻自在のリフと細かいFXの差し込みがテクい印象を受ける、正にタイトル通り『最先端』な曲。
サイケデリックトランスを彷彿とさせるグルーヴも個人的には堪らなかったりします。
トランスの流れの中で使うとより変化が出て良いような気がします。

Marcel Woods / Advanced (Maddix Extended Remix)

Cutting Edge (Extended Mix) – YouTube

Advanced (Maddix Extended Remix) by Marcel Woods on Beatport

オランダのプロデューサーMaddixによるテックトランス
直近のモンターリリースその2。
Marcel Woods / Advancedといえば2000年代を代表するトランスの1つとして挙げられるほど大ヒットを記録し、
数々のリミックスも手掛けられているビッグアンセム(先に紹介したRenegade Systemによるブートレグもあります。)なのですが、リリースから17年が経った2022年も勢い衰えず、本作の登場です。

原曲のインパクト満点のフレーズをそのままブレイクに取り込み、スネア連打で最高潮に煽った後、リフ消失。
リズム重視のパートから徐々にメインフレーズが重ねられていくいやらしい展開。
そのリズムもテクノに近い深度を持っており、クラシカルなフレーズと相まって破壊力抜群です。
直近のリリースに於いて欠かせない1曲。

まとめ

以上、新作テックトランスにスポットを当ててお送りしました。
ハイブリッドミュージックとして面白い曲が出ているなと思う一方で立て続けに重要リリースがあったのには驚かされました。
古参のクリエイターやトラックに日の目が当たるというのは、どのジャンルに於いても意味を持つなと思いますし、自分としても『そういえばこんな曲あったな。』と振り返る良い切欠を与えてくれます。
メインストリームのテクノに派手さが戻ってきた最近ということもあり、引き続きこのジャンルには注視していきたいと思います。

そんなわけで今回はここまで。

次週03月08日は774Muzikさんが担当します。
では。

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