こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
一昨日のYudukiボスによるエントリーで記載されていた通り、先週は25th ANNIVERSARY OF MANIAC LOVE – ML PROGRAM 2と云うパーティーがありまして、自分もそこに行っておりました。
青山にあった本家MANIAC LOVEには1度も行ったことなかったのですが、当時から周囲の話題として挙がっていたハコではあったので数年越しになってしまったものの、雰囲気だけでも味わおうと極めて軽い気持ちで足を運んだわけなのですが、何と云うか、想像以上にエネルギッシュな空間を体感しました。
曲が変わる、どころか1曲の中でも展開が変わる度に歓声が上がっており、それに応答するかのように往年のテクノアンセムがバンバン投下される。
これは自分が知っているテクノと同じ音楽なのかと疑ってしまう程でした。
本家があった頃はもっとお客さんがアグレッシヴだったらしく、常にどこかしらで歓声が上がっている状態が続いていたそうです。
ああ、これは影響を受ける人が出てくるわけだと思いましたし、またもや『もう少し生まれる年が早かったら』と悔しくもなりました。
大変良いパーティーでした。
ちなみに25th ANNIVERSARY OF MANIAC LOVE – ML PROGRAM 2に行く前はFIX #030と云うパーティーに行っておりまして、こっちはこっちで現行のハードテクノがガンガンかかる空間でした。
同じハードテクノと云ってもHardonizeとは少し質の違うものが流れており、
ストイックなリフを軸に据えながらも暗過ぎず、硬過ぎず・・・強いて分類するならアグレッシヴなハードミニマルがメインだったように思えます。
細かい話になってしまうのですが、ワタクシを含むHardonizeレジデントは割と曲単体が映えるようにその展開を踏まえたミックスをする傾向があるのですが、このFIXと云うパーティーでは逆にDJが積極的にエフェクトやカットインなどを駆使して展開を作っていくと云う違いがあって、それは物凄い参考になりましたし、面白いと感じた部分でした。
この日ゲストのHomma Honganjiさんの4デッキスタイルなんかは正にその象徴でしたね。
相変わらず忙しそうなプレイだなと思って拝見していた一方、ヴァイナルを含む複数デッキで音圧調整とビートキープが完璧であるその技術は謎過ぎてゾワゾワします。
そんなワケで先週はかなりテクノ充してました。
丁度次回Hardonizeの日程も2019年02月09日と発表されたので、それまでにこの日得たものを消化して臨みたいと思います。
何卒よろしくお願いします。
一方で未だ消化に時間のかかっているものがコチラです。
今日で閉店となってしまう神保町ジャニスのレンタル店からこの1ヶ月の間にお招きしたCDが150枚を超えていた。
ナタリーの記事には書いてなかったけど、写真2枚目のフリーペーパー配布していた時から通ってました。
本当に長いことお世話になりました。ありがとうございました。 pic.twitter.com/4GaXsq2Wep— TAK666 (@12345666) 2018年11月30日
前回記事の冒頭で触れた通り、先月末を以って閉店してしまったレンタルCDショップ、ジャニスの在庫放出期間中に購入したCDたちです。
ざっくり数えたところ、150枚を超えておりました。
悲しみの度合いを表した数字と受け取ってください。
前回担当日の翌日が閉店日だったのですが、案の定と云うか、結局その日も足を運んでしまいました。
閉店日に近付くにつれてお客さんも多くなっていき、数万枚あったと言われる在庫も着実に減っていた印象はあるのですが、それでもまだ掘り尽くせなかった感があります。
こんな店はもう2度と現れないだろうなと名残惜しさが募る一方、うち10数年はこのお店と関わることができたのを光栄に思うことにします。
本当にお世話になりました。
で、この中にはテクノのレア盤も含まれているのでございまして、今回はそれらの一部をご紹介したいと思います。
速い話が
です。
In Order To Dance Two (CD, Compilation) | Discogs
Order To Dance III (CD, Compilation) | Discogs
In Order To Dance 5 (CD, Compilation) | Discogs
R&S Classics (CD, Compilation, Limited Edition) | Discog
R&S RECORDSは80年代に設立されたベルギーのレコードレーベル。
ヨーロッパレイヴの誕生に大きく貢献し、そのままシーンの中心に君臨した伝説的存在でもあります。
その影響力は90年代に入っても衰えず、多くのテクノアーティスト、DJから絶大な信頼を寄せられていました。
当時の所属アーティストはAphex TwinやCJ Bollandなど。
これだけでも凄さが伝わってきますが、AKIRAの原作及び監督を務めた大友克洋がPVのイラストを担当したKen Ishii / Extraがリリースされたのも、Boom Boom Satellitesがアーティストとしてデビューを果たしたのも、このR&S RECORDSなのです。
そんなレーベルの90年代初期~中期にかけてリリースされたコンピレーションをゴッソリ救出。
収録曲はどれも有名曲ばかりですし、R&S RECORDSは現在も活動を継続中、且つ過去の音源を積極的に配信していることもあって、楽曲単体で手に入れることは比較的容易です。
『古きを温めて新しきを知る』と言いますし、この時代の音楽から得られるものは決して少なくありません。
R&S Records Releases & Artists on Beatport
Rising High Techno Injection 2 (CD, Compilation) | Discogs
World Techno Tribe (CD, Compilation, Mixed) | Discogs
Rising High Trance Injection (CD, Compilation) | Discogs
The Secret Life Of Trance 4 (CD, Compilation) | Discogs
Avantgardism – Drum ‘N’ Bass (CD, Compilation) | Discogs
こちらも90年代のレイヴからその後のジャンル分派に於いて大きくシーンに貢献した名門レーベル。
本家はイギリスですが、最盛期にはアメリカにも傘下レーベルを持ち、Atom HeartやHardfloor、John Digweedなどがリリースを果たしています。
1999年に1度活動を休止してしまったのですが、2015年からリマスター版の配布を始めており、現在は新曲のリリースも行っていることから復活したと言って差し支えないのではと思います。
こちらも90年代初期~中期のコンピレーションを一気買い。
ドラムンベースのコンピレーションがこの当時でしか実現しないような面子でアツい。
配信もあるにはあるのですが、フィジカルのリリース数に比べて圧倒的に不足しており、且つアーティストに偏りがあります。
そう云う意味では内容に於いてもレア度が高い作品群です。
Rising High Releases & Artists on Beatport
Q’hey & Shin Nishimura – Planetary Alliance (CD, Album) | Discogs
奇しくも冒頭で述べた25th ANNIVERSARY OF MANIAC LOVE – ML PROGRAM 2に出演されていたQ’heyさんが同じく日本でテクノを手掛けていたShin Nishimuraさんとタッグを組んで作られた全曲共作によるアルバム。
ちなみにジャケットイラストを先述のKen Ishii / ExtraのPVにて監督を務めた森本晃司が手がけています。
出音はどれもカッチリした双方得意とする感じにはなっているものの、アシッドシンセに焦点を当てた曲があったり、ブレイクビーツ混じりの4つ打ちがあったり、エレクトロのようなファンキーなリフのトラックがあったと思えばゴリゴリのハードミニマルも収録されているなどバラエティに富んだ1枚となっております。
当時から好きで何度か使ったこともあります。
残念ながらアルバムとしての配信はなし。
但し、収録曲の中に1つだけ別レーベルからシングルカットされた曲があり、これに関しては配信されていたので以下に挙げておきます。
これがHardonizeにうってつけのハードミニマルで、大変カッコ良い。
Hitoshi Ohishi – Metronomerampage (CD, Album) | Discogs
日本人のテクノクリエイターの中でも4つ打ち重視ではあるものの、それでも変則的なグルーヴを奏でていた人と云うと個人的には真っ先にこの人が挙げられます。
ジャパニーズテクノレーベルの代表とも言えるFrogman Recordsに所属し、ラッパーの環ROYと共作でアルバムを手掛けると云う一風変わった経験の持ち主。
作品に於いてはキック以外のハイハットやスネアと云った金物の打ち方がブレイクビーツっぽいのと、リフがバウンシーだったりするのが変則的に聴こえるのだと思いますが、本作ではその辺りのテクニックがふんだんに使われており、音は無機質なのに感情的と云う相反した印象が同時にやってくるので、聴いていて楽しいのです。
海外配信サイトに於いては本作はおろか、HITOSHI OHISHIさんのアーティストページすらないところが多かったのですが、なんとOTOTOYで楽曲データを買えることが判明しました。
HITOSHI OHISHI / metronomerampage – OTOTOY
と云うかFrogman Recordsの作品がほぼ揃っているように見えます。
ヴァイナル作品までしっかりデータ化されている辺り、大変ありがたい。
ジャングルの奥地に黄金郷を発見した探検家の気分が分かりました。
そして本作収録曲は埋め込み可能な方式としてはどこにもアップロードされていなかったので、HITOSHI OHISHIさんの作品の中でも特に好きなものを以下に貼付してお茶を濁します。
硬くはないのですがファンキーなリフ回しがとても好みです。
Leopaldon – Cake Or Girl? (CD, Album) | Discogs
Leopaldon = Leopaldon – ヤバコプター (CD, Album) | Discogs
レオパルドンと云えばサンプリング、ネタモノを主体としたテクノ、所謂ナードコアを語る上で避けて通れない存在で、一部界隈に於いては未だに絶大な人気を誇っているユニットです。
来歴については最近掲載されたこちらの記事に詳しいことが載っております。物凄い熱量。
第62回「レオパルドン」/ #62 “Leopaldon”: 面白外人イアンの「謎の文化チガイ」 / Fascinating Foreigner Ian presents “Enigmatic Cultural Differences”
その作品は中古市場やヤフオクでたまに流通されるもののすぐに買い手がつくため、入手困難と云う状態が少なく見積もっても10年以上続いております。
それがまさかこんな形で手に入るとは思いませんでした。
Cake Or Girl?についてはナードコアと云う単語をそのまま落とし込んだかのような強烈且つ謎のサンプリングによって構成された楽曲で構成されていて、とにかくおかしい。(2つの意味で。)
一方、ヤバコプターの方も基本的なスタンスはCake Or Girl?と変わらないものの、一部楽曲に於いてはメンバー或いは外部フィーチャリングによるラップが挿入されており、よりジャンルクロスオーバー的。
実際これらの作品のリリース後、レオパルドンはナードコアのアーティストと云うよりはヒップホップ・ミーツ・テクノユニットとしての側面が強くなります。
ナードコア全般に言えることですが、極めて危ういシロモノであるため、当然本作の配信はありません。
が、メンバーの高野政所さんが直々に当時の未発表音源をアーカイブしたものがBandcampで配信中。
レオパルドンのナードコア墓場1998-2000 | やばさ RECORDINGS
また、上記記事にて告知されておりますが、今年の年末31日にナードコアアーティストを一挙に招集したパーティーが開催されますので、その面白さと大胆さを是非体感して欲しい。
「ナードコア・テクノ」の夕焼け
Nish – Quadroid -Selected Live Tracks- (CD, Album, Mixed) | Discogs
Nish – Euphoride (CD, Album, Mixed) | Discogs
YOJIさん、REMO CONさんに続く次世代ハードダンスシーンの担い手として知られたNISHさんの初期作品。
後年国内/海外問わず有名レーベルからヴァイナル、デジタルリリースを行っており、意外なところでは音楽ゲームに楽曲を提供していたこともあるため、何らかの作品に触れたことがあると云う人は少なからずいらっしゃるかもしれません。
おそらくそう云った方々の印象からは煌びやかでメロディアスな曲を主体に手掛けているのだと思いがちですが、この2作品に於いてはより攻撃的なハードハウス、ハードエナジーがメイン。
シンプル且つインパクトが高いリフが楽曲ごとに手を変え品を変え押し寄せてくるので、良い意味でハードダンスの初期衝動感満載です。
収録曲の中にはヴァイナルカットされたものもありますが、本作を通してしか聴けない曲も多数含まれているので、流通数の少なさも相まって大変貴重な作品でもあります。
ざっくり調べてみたものの、これらの収録曲の中でデータ購入可能な曲は1つもありませんでした。
1曲だけNISHさんの代表曲と言えるSagittariusが聴けるようになっていたので以下にご紹介。
これとBlue Sunshineはアップリフティングスタイルの2大双璧だと思ってます。
余談になりますが、NISHさんは現在Ken Plus Ichiroと名前を変えて活動中。
よりユーフォリックでプログレッシヴトランス寄りの楽曲を展開しているのでメロディアス好きの方は是非ご愛好ください。
Ken Plus Ichiro Tracks & Releases on Beatport
ひとまず以上で今回は〆。
今回の一件がなくとも、今でも頻繁にCDショップに足を運んでは妙なCDを発掘していたりするので、その時発掘した作品をここで取り上げる機会があっても良かったなと今更思い至りました。
折を見てシリーズ化していくかもしれませんのでその際はお付き合いください。
ボス、ラーメンご馳走様でした。んまかったです。
次週12月18日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。