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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/04/05

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

04月に入り、急激に暖かくなってきました。
丁度1年前のこの連載に於いては曲名に『春』とか『桜』とか入ったトラック特集なんて変わった紹介をしておりましたが、今年もこの季節がやってきたんだなと実感しております。
流石に2年連続で曲名縛りはできませんが、『桜』と云う単語自体は海外でも知られたもので、その後もちょいちょいリリースされておりますね。


これとか、


これとか。

もう1つこの時期恒例の風物詩と云えば新入生、新社会人の存在でしょう。
シワのない制服に身を包んだ若人が期待を胸に歩いている光景は、何とも気持ちの良いものですね。
是非その笑顔を絶やさない日々を送って頂きたい。
尚、ワタクシは遂に平日も私服で行動する有様になってしまいました。

ってなワケで今回は活動開始から間もない、フレッシュなレーベルを1つご紹介します。
単一レーベルに焦点を当てるのはOmanticRecords以来です。

Rebeld Records

Rebeld Records
https://www.facebook.com/RECORDSPT
https://soundcloud.com/user-439622702

2017年ポルトガル発、Filipe WildbergSandro Mによるテクノレーベル。
ポルトガルと云えばA.PaulやGoncalo M、Du’ArTにPrimus Vなどのアーティストが拠点を構えるハードテクノ原産国でして、創立者のFilipe Wildberg (DJ PINA)も古くから地下ハードテクノシーンを支えてきたアーティスト/DJ。
しかし片やSandro M.はと云うと1997年生まれ。
音楽活動も5年程と云う完全若手でありながらGoncalo Mが主宰を務めるIntuition Recordings、Alexey Kotlyarが舵を取るAK Recordingsと云った現行ハードグルーヴの軸となっているレーベルからリリース経験を持つ未完の大器。
ここまで若い人は近年のハードグルーヴシーンだとかなり稀な存在です。

設立から1年と云うこともあってリリース数はEPが12本とまだまだ少ないですが、裏を返せばコンスタントに月1本のペースで作品を輩出していることになります。
参加アーティストにIntuition Recordings繋がりでChrys Dan、同じくポルトガル出身で活動歴1年のニューカマー、Pritechがおり、同国に於けるGoncalo Mの影響力の高さみたいなものを感じます。
が、なぜかそこにHomma Honganji氏の名前もあったり。

音もGoncalo M直系らしいパーカッシヴなハードグルーヴをメインとしつつ、DowntownBloudのテックハウスもあると云う2段の構え。
この2人はDowntownがTuga Recordsと云うテクノレーベルのボスを務めており、Bloudがそこに所属しているアーティストと云った関係でもあります。
Bloudもまた活動から1年そこらの新人ですが、90年代テクノを意識したような硬めのテックハウスを作っております。
別レーベルの作品ですが、これとかオススメです。

また、パーティーも積極的に行っており、レーベルオーナーであるFilipe WildbergのYoutubeアカウントから開催中の模様を見ることができます。

比較的明るい空間でVJがなく、何より広くてお客さんもギッチリ入っている辺り、日本とはテクノの有り方そのものが違いますね。
ちなみにこの映像で会場となっているのはLlumと云うクラブ。
ヒップホップ、ハウスのパーティーもあるようですが、調べるとテクノをメインとしているような気がします。
試しにYoutubeで『Llum Portugal』で検索するとこんな感じ
ここでもやはりGoncalo Mが検索上位に来ますね。
ローカルのアーティストを調べるにはハコの名前で検索すると良いかもしれないと思いました。

尚、新興レーベルだけあってデモも募集しております。
上記Soundcloudアカウントに英文で送信方法から返信に至る期間まで丁寧に書いてありますので、腕に覚えのあるテクノプロデューサーは送ってみると良いのではないかしら。
採用されればBeatportにHomma Honganji氏の作品と一緒に並べられるわけですよ。
ワンチャンポルトガルにゲスト招待されたりして・・・夢が広がりますね。春ですからね。

思った以上にポルトガルテクノ事情っぽくなってしまいましたが、Rebeld Recordsのオススメはこちらになります。

Sandro M., Wildberg / Yeke Yeke

Homma Honganji / Hatari!

Chrys Dan / Hard Li

Pritech / Mi Gusta Bailar

Bloud / Lory

次週04月10日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。


今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/03/22

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

少し前に話題になったこととして、『CLONESの新作が出た』と云うのがありました。
これですね。

CLONESが何かと申しますと、今から10年以上前にヴァイナルでシリーズ化されていたブートレグ専門のレーベルです。
KRAFTWERKのRobotネタを筆頭に使いやすいテクノが揃っていて、ネタモノ好きの心をガッチリ掴んでいた言わば伝説的存在。
ヴァイナルの衰退と共にひっそりと幕を下ろしたかのように思えましたが、それが今になって新作をリリースすると云うのは驚愕に値します。
あんまりハードテクノっぽさはありませんが、ブレイクビーツ、ハウスの荒削り感が出ており、これはこれで忘れていた何かを思い起こさせる仕上がりでした。

ちなみに当時ヴァイナルで出ていたトラックもアルバムに纏められた上で販売されています。
上記Robotも収録。

全曲通してパーカッシヴなテクノ、その上サンプリングがテクノ、ハウスのド定番曲と云うこともあり、歴史を辿る意味でもオススメの1作です。

当時の話として、このようにブートレグ専門レーベルとしてヴァイナルを切っていたレーベルはいくつかありました。
Bootek、P Series辺りはハードテクノに於いて鉄板の支持を集めていましたし、後期にはBootyloopと云う新星が現れたり、シュランツと云う音楽の認知度を高めていたSchranz Seriesなど。
当時はまだSoundcloudなど音楽を配信する媒体が整ってない時代ですから、ネタモノはレコード屋を根気強く掘ることで見つかる型番しか書いてない、あとは真っ白と云ったようないかにも『アヤしい』ヴァイナルでしか聴けなかったのです。
オマケに片面1曲しか入ってなかったりするので、ハズレを引いた時のショックたるや・・・良くも悪くも勉強になりました。

ちなみに上で挙げたBootek、P Series、Bootyloop、Schranz Series、これらは今配信で買うことができます。

Bootek Downloads at Trackitdown
P Series Holland MP3 & Music Downloads at Juno Download
Bootyloop MP3 & Music Downloads at Juno Download
Schranz Series MP3 & Music Downloads at Juno Download

流石にカタログ全てではないですが、即戦力になるくらいは揃ってます。

余談ですが、これらの他に有名なテクノ系ブートレグレーベルと云えばDJ Special NeedsYou Know、日本からもBodyshowerなどが挙げられます。

当連載で紹介している楽曲はBeatportの試聴を埋め込んでいる場合が殆どで、確かにBeatportはアーカイブ量の多さやDIGのし易さで現状最も優位性を保っていることは大方認めるところだと思います。
しかしそれでも全てをカバーできるわけではないため、他配信サイトや個々のレーベルサイト、SNSなど幅広くアンテナを張り巡らせた方が面白楽曲と出会える確率は高くなります。
現に上記のブートレグはBeatportにはありません。

単曲ではなく、作品単位で幅広くリリースが行われている媒体の1つにBandcampがあります。
アーティスト個人やレーベルがそれぞれ画一のページを持ち、価格帯は無料から設定可能と云う自由度の高さがあり、また販売物もトラックデータのみならず、サンプリングパックやヴァイナル、CD、アパレル、グッズと多岐に渡ります。

ってなワケで今回はBandcamp限定リリースをテーマとして紹介します。

Rydel

ハードグルーヴ黎明期よりシーンを支えてきたスロベニアのアーティスト、Rydel。
当時からブートレグのリリースを積極的に行っており、Soundcloudにもその名残が見えます。
上に載せた曲も超大ネタですね。今月に入って公開されたものなので新作ホヤホヤ。
派手派手なネタモノあり、ユルいテックハウスもありでカラーに富んでます。

Rydel – Bandcamp

David Moleon

こちらもハードグルーヴ黎明期より活動しているクリエイター/DJです。
以前スポットを当てて紹介しましたので詳しくはこちらを。
彼の運営しているWaaz Musicと云うのが割合サンプリングに寄ったリリースが多く、こんな感じのバッチバチネタモノEPがあったりして面白いのですが、Bandcampならではの特徴としてはサンプリングパックを配布していることでしょう。
君だけのハードグルーヴを作ってライバルに差をつけろ!

David Moleon – Bandcamp

Goncalo M

こちらもハードグルーヴ黎明期より(以下略)
そしてこちらもサンプリングパックを配布しております。
両者はハードグルーヴに於いても非常に近い傾向を持っているので、ニコイチにしたところで全く違和感ない筈です。
また、楽曲に於いてもほぼ自身の全リリースを網羅しているので圧巻のページとなっております。

Goncalo M – Bandcamp

Ganez The Terrible

アシッドテクノ界隈は今尚ヴァイナル限定でリリースしてたりして、主流の配信媒体に引っ掛かりにくい側面を持っていたりします。
Ganez The Terribleも自身が運営するレーベルのデジタルリリース分についてはほぼBandcampへ移行させ、新作もこちらで頒布してます。
こちらも以前特集を組んだ人なので詳しくはこちらで。
尚、ウェブサイトがいつの間にかオシャレになってました。

Ganez The Terrible – Bandcamp

Repetitive Underground

アシッド繋がりでもう1つ。デンマークの若手クリエイター、CVesthによるレーベルページ。
それぞれのリリースは各配信サイトからも購入できる流通方法を取っているものの、Bandcampでは投げ銭販売。
つまりフリーでも入手可能と云う形態を取っています。こういうのも地味によくあるパターン。
トラックは大変切れ味のある硬質アシッドテクノで大変格好良い。
今後の活躍が期待されます。

Repetitive Underground – Bandcamp

Scuderia

イタリアの新興インダストリアルテクノレーベル、Scuderia。
現在のところリリース数は9枚ですが、その全てをヴァイナルカットしており、いくつかの作品は既に完売していると云うくらいカルト的人気を得ています。
レーベルオーナーのLuciano Lamannaは活動歴3年足らずの若手ですが、90年代からフランスのハードテクノシーンに君臨しているAl Feroxの秘蔵っ子。
上の作品は来月リリース予定のものですが、ハードテクノ、レイヴ、インダストリアル、アシッドなどが混然一体となったパンキッシュな仕上がり。

Scuderia – Bandcamp

EURO2000

こちらも実験音楽色が強いレーベル。
先のScuderia同様、フィジカルリリースも行っているのですが、なんとこちらは媒体がカセット。(当然いくつかは完売している。)
しかも調べていくと面白いことに、参加アーティストの数名は常日頃からカセットでのリリースを敢行しておりました。
デジタルが主流になったことに対するアンチテーゼなのでしょうか。
無機質で硬いブレイクビートと云う音も相まって溢れんばかりのアンダーグラウンド感を醸し出しております。

EURO2000 – Bandcamp

polygon prompt

最後はコチラ。日本の沖縄県から硬いテクノを発信しているpolygon prompt氏。
古くはオタク×クラブをコンセプトに開催されていたパーティー、LINEARのコンピレーションに参加されていたこともあり、僕はそちらから知ったクチですが、現在もコンスタントにEPをリリースされております。
特に上の作品はフィールドウォークゲーム、ingressに影響を受けて作られたテクノ。
氏の得意とするサイバネティックな曲調が遺憾なく発揮されております。そりゃーニュースサイトにも載っちゃいますね。

polygon prompt – Bandcamp

次週03月27日は774Muzikさんが担当します。

おお、そういえば774MuzikさんもBeatport外でリリースを続けており、つい先日新曲が出たのでした。

曰く、『最近リリースされない感じの好きなハードミニマル』だそうです。
音数が少ない分、フラットな状態に持っていきたい時とか、上に何か重ねて遊んだりとか解釈がプレイする人によって変わりそうなトラックとお見受けしました。
もし本人に思うところあれば次回語ってくれることでしょう。(ネタ振り)

今回はこれにて。