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新作テックトランス特集 (2022年03月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/03/03

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】


先日から延期となったHardonize#40まで大体あと1か月となりました。
ゲストは変わらずMorphonicsさんとREV-TUNEさんの2名。
両者とも数々の現場を共にし、Hardonize一同信頼を寄せているプレイヤーなのでどんなハードサウンドが飛び出すのか、楽しみです。

【近況】


来週の日曜日に錦糸町LITTLE SAKE SQUAREで行われるパーティーにお招き頂きました。
TAKAMIさん、Yebisu303さん、Takayuki KamiyaさんとHardonizeと縁近い方々とご一緒します。
飲食店で行うパーティーの面子じゃない。

ちなみにもう1人の12_1さんとも実は15年くらいの付き合いになるんですけど、テクノ界隈の中にいるのは大分斬新。
どんな感じのプレイになるのか、楽しみです。

【今回のお題】

さて、前回前々回は昨年のフリーダウンロード楽曲を振り返る特集を執り行いましたが、今回から通常の形式に戻り、
ハードテクノの1つのサブジャンルからオススメ楽曲について取り上げていきます。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

テックトランス

です。

特別連載に於いては9回目に取り上げたテックダンスに近い、テクノの要素を取り入れたトランスです。
この音楽にスポットを当てた特集は過去2回(※)行っており、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。


新作テックトランス特集 (2021年09月版)
新作テックトランス特集 (2021年03月版)

早速ですが新作テックトランス紹介いってみましょう。
(例によって配信サイトの試聴だとブレイクで終わってしまう曲がいくつかあるので、YouTubeリンクと併用で埋め込みを行っております。)

【曲紹介】

Roland Clark, Armin van Buuren, Reinier Zonneveld / We Can Dance Again

We Can Dance Again (Extended Mix) – YouTube

We Can Dance Again (Extended Mix) by Roland Clark, Armin van Buuren, Reinier Zonneveld on Beatport

イギリスのハウスマスターRoland Clark、オランダのトランスレジェンドArmin van Buuren、そして現行テクノシーンをリードするオランダの若きReinier Zonneveldによる国もシーンも越えたテックトランス
直近のモンターリリースその1です。
Reinier Zonneveldの作る重厚なリズム、Armin van Buurenが培ってきた美しくも儚いシンセ、そしてタイトル通りメッセージ性の強いRoland Clarkのボイスと三者三様の持ち味が一堂に会している贅沢な1曲。
ジャンルの垣根を越えた意義のある作品。

Tempo Giusto / The Unicorn Master

The Unicorn Master (Extended Mix) – YouTube

The Unicorn Master (Extended Mix) by Tempo Giusto on Beatport

フィンランドのプロデューサーTempo Giustoによるテックトランス
リズムとリフはかなりシンプルに作られている一方、ベースの圧が強く出ているのが聴きどころ。
テクノトランス、どちらにも使えるお手本のような作品であり、ビートで躍らせるという目的にピッタリ合致した曲。

Tasso / Penance (Renegade System Remix)

Penance (Renegade System Remix) – YouTube

Penance (Renegade System Remix) by Tasso on Beatport

イギリスのプロデューサーRenegade Systemによるテックトランス
リズムを一定にキープしつつ、ウワモノの足し引きによって展開が作られていく曲。
アシッドシンセを含む様々なサウンドを絶妙なバランスで重ねており、技巧的な一面も垣間見えます。
比較的どの盤面でも使えそうなトラック。

同アーティストの曲でもう1つ直近リリースのオススメがコチラ。

Renegade System / Dropkick

Dropkick (Extended Version) – YouTube

Dropkick (Extended Mix) by Renegade System on Beatport

先の曲よりは気持ち派手目にウワモノが組まれておりますが、何といっても最大の特徴はブレイクで惜しげもなく鳴らされるドミネーターシンセ。
以降ドミネーターシンセの刻みをメインフレーズとしてリズムと並走するレイヴ色強めの曲です。
いつ聴いてもこういうのは気持ち高まります。

Everlight / Within

Within – YouTube

Within (Original Mix) by Everlight on Beatport

イギリスのプロデューサーEverlightによるテックトランス
キックの圧が強いリズムとややレトロなシンセが絡み合うテクノ寄りのトラック。
細かくうねるベースや残響のきいたボイスサンプルから妖しさも漂ってくるのが尚良し。
T78とかRaitoのテイストが好きな人は是非。

こちらも同アーティストの曲で直近リリースのオススメをもう1つ。

Everlight / Disco Death Machine

EverLight – Disco Death Machine – YouTube

Disco Death Machine (Extended Mix) by Everlight on Beatport

本当に同じアーティストかと思うくらい別路線の曲。
前曲の地下テイストはどこへやら、金物リズムによる前のめりなグルーヴにファンキーなベースラインとアシッドシンセが炸裂するアップリフティングな仕上がり。
Hardonize的需要がありそうなのはこっちかもしれません。
ハードハウスハードグルーヴと合わせて是非。

Mario Piu, Sygma / Serendipity 2.0 (David Nimmo Extended Remix)

Mario Piu & Sygma – Serendipity 2.0 (David Nimmo Remix) – YouTube

Serendipity 2.0 (David Nimmo Extended Remix) by Mario Piu, Sygma on Beatport

イギリスのプロデューサーDavid Nimmoによるテックトランス
元を辿ると1999年にイタリアの大御所プロデューサーMario PiuによってリリースされたSerendipityという黎明期のトランスがあり、なんと23年越しにセルフリミックスが爆誕。

Mario Piu, Sygma / Serendipity 2.0 (Extended Mix)

Serendipity 2.0 (Extended Mix) by Mario Piu, Sygma on Beatport

現代テクノと相性の良いボトム重視のアレンジとなっておりこちらもオススメではあるものの、ハードテクノ的視点で見ると上で挙げたリミックスの方が使いやすそうです。
煌びやかでド派手なブレイクから一気に原曲のリフを取り込んだループ主体のパートにスイッチする展開が爆発力高め。
源流を知らなくてもテンションが上がるような構成は見事。

NX-Trance / Cutting Edge

Cutting Edge (Extended Mix) – YouTube

Cutting Edge (Extended Mix) by NX-Trance on Beatport

ロシアのプロデューサーNX-Tranceによるテックトランス
変幻自在のリフと細かいFXの差し込みがテクい印象を受ける、正にタイトル通り『最先端』な曲。
サイケデリックトランスを彷彿とさせるグルーヴも個人的には堪らなかったりします。
トランスの流れの中で使うとより変化が出て良いような気がします。

Marcel Woods / Advanced (Maddix Extended Remix)

Cutting Edge (Extended Mix) – YouTube

Advanced (Maddix Extended Remix) by Marcel Woods on Beatport

オランダのプロデューサーMaddixによるテックトランス
直近のモンターリリースその2。
Marcel Woods / Advancedといえば2000年代を代表するトランスの1つとして挙げられるほど大ヒットを記録し、
数々のリミックスも手掛けられているビッグアンセム(先に紹介したRenegade Systemによるブートレグもあります。)なのですが、リリースから17年が経った2022年も勢い衰えず、本作の登場です。

原曲のインパクト満点のフレーズをそのままブレイクに取り込み、スネア連打で最高潮に煽った後、リフ消失。
リズム重視のパートから徐々にメインフレーズが重ねられていくいやらしい展開。
そのリズムもテクノに近い深度を持っており、クラシカルなフレーズと相まって破壊力抜群です。
直近のリリースに於いて欠かせない1曲。

まとめ

以上、新作テックトランスにスポットを当ててお送りしました。
ハイブリッドミュージックとして面白い曲が出ているなと思う一方で立て続けに重要リリースがあったのには驚かされました。
古参のクリエイターやトラックに日の目が当たるというのは、どのジャンルに於いても意味を持つなと思いますし、自分としても『そういえばこんな曲あったな。』と振り返る良い切欠を与えてくれます。
メインストリームのテクノに派手さが戻ってきた最近ということもあり、引き続きこのジャンルには注視していきたいと思います。

そんなわけで今回はここまで。

次週03月08日は774Muzikさんが担当します。
では。

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新作ハードアシッド特集 (2022年02月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/02/17

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】


予てよりお伝えの通り、Hardonize#40は04月09日に延期となっております。

まだ2ヵ月も先の話ではありますが、楽しみにお待ち頂けますと嬉しいです。

【近況】

完全に雑談で恐縮ですが、鬼滅の刃 遊郭編終わりましたね。
ヘタすると10数年振りくらいにちゃんと毎週アニメを見るという行為をしました。
ちゃんと楽しかったし、妓夫太郎のビジュアルは個人的にツボでした。かっけぇ。
次期も制作が決定しているようなので楽しみに待ちたいと思います。
あとメイドインアビスも。

ところで、

この辺どなたか要りません?

全部クレーンゲームの景品です。
鬼滅の刃以外にも大量にあって部屋を大圧迫しています。
多分直近のプライズはほぼ全部取ってる。
何の作品か分からなくても取ってる。

家に来た人からは『業者か!』とよく言われます。

【今回のお題】

さて、前回前々回は昨年のフリーダウンロード楽曲を振り返る特集を執り行いましたが、今回から通常の形式に戻り、
ハードテクノの1つのサブジャンルからオススメ楽曲について取り上げていきます。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードアシッド

です。

特別連載に於いては3回目に取り上げたアシッドシンセを用いたハードテクノです。
この音楽にスポットを当てた特集は過去3回(※)行っておりますが、そろそろ1年経つこともあり、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。


新作ハードアシッド (2021年04月版)
新作ハードアシッド (2020年08月版)
新作ハードアシッド (2020年02月版)

早速ですが新作ハードアシッド紹介いってみましょう。

【曲紹介】

Tekstasy, Cengiz / Mamma Acid

Mamma Acid (Original Mix) by Tekstasy, Cengiz on Beatport

ドイツのプロデューサーユニットTekstasyと彼らと同郷のCengizによるアシッドテクノ
重厚なボトムの上をファンキーなアシッドフレーズが跳ねる比較的使い勝手の良いトラック。
テンポを落とせばメインストリームテクノにも合わせられそう。
とりあえず持っておくと安心系。

Toni Alvarez / Aybintio 303

Aybintio 303 (Original Mix) by Toni Alvarez on Beatport

スペインのプロデューサーToni Alvarezによるハードアシッド
過度にディストーションが施されたアシッドシンセとラフなキック、中盤以降に差し込まれる古めかしいシンセと2022年っぽさがまるでない今月の新譜。
ボイスサンプルの刻み方も90年代感あって堪らないですね。
一周した感じが逆に新しい、みたいな曲。

CELEC / Burning Synth

Burning Synth (Original Mix) by CELEC on Beatport

スロベニアのプロデューサーCELECによるハードアシッド
中盤までは硬いキックとドシャメシャなライドに無機質なリフが絡み合うハードミニマル進行なのですが、ブレイクでアシッドシンセイン、更にこの後別のレイヴィーなシンセまで乗っかるという満漢全席トラック。
7分という長尺があるだけあって様々な攻めっぷりを披露してくれます。
というかそもそもリズムがかなりイカついのでオススメ。

Sebrof / Kickback

Kickback (Extended Mix) by Sebrof on Beatport

イギリスのプロデューサーSebrofによるハードアシッド
こちらも中盤までハードミニマル進行ですが、アラームシンセ⇒アシッドシンセと遷移するロングブレイク以降、ウワモノのカラーがガラっと変わる曲。
展開を活かしてテックトランスなんかと合わせるのも面白いかもしれません。

どういでもいいですがアーティスト、曲名、レーベル名、レーベル内のリリース傾向、全てに関係ないこのジャケットの『ゲ』って何なのよ。

Tiago Santos, Carl Shorts / Supercluster

Supercluster (Original Mix) by Tiago Santos, Carl Shorts on Beatport

ブラジルのプロデューサーTiago SantosとイギリスのプロデューサーCarl Shortsによるハードアシッド
アシッドテクノ界の生ける伝説、D.A.V.E. The Drummer率いるHydraulix Recordsからのリリース。
アシッドシンセはウワモノとしても薄っすら入っているものの、ベースとして用いられている方が目立つ曲です。
この地を這うようなグルーヴ好きですね。
派手系の流れで使うこともシリアス系の流れで使うこともできる優等生。

Felix R / Twelve Hours

アシッドテクノ界の大御所、

Twelve Hours (Original Mix) by Felix R on Beatport

オーストラリアのプロデューサーFelix Rによるハードアシッド
存在感のあるキックに重心を置いた所謂ストンプ系グルーヴ。
この曲もブレイクの扱いが肝になってくるようなシーケンスをしているので、テックトランスと相性良いでしょう。

このアーティスト、度々当連載で名前が挙がっている気がしますが、色々なサブジャンルを手掛けており、そのどれもがナイストラックなので本当に器用ですね。

Acid Ray / Satellite

Satellite (Original Mix) by Acid Ray on Beatport

イギリスのプロデューサーAcid Rayによるハードアシッド
Stay Up Forever直系の王道ハードアシッド
4分打ちの詰まったベースラインと裏打ちハイハットによる疾走感のあるグルーヴに長尺で用いられる複数のアシッドシンセ。
パーフェクトです。

Pavel Bibikov / Acid Yea

Acid Yea (Original Mix) by Pavel Bibikov on Beatport

ウクライナのプロデューサーPavel Bibikovによるハードアシッド
オールドスクールレイヴのバイブスをそのままテクノに落とし込んだ作品を最大の特徴とする、個人的に去年通してお気に入りだったアーティストの年末に出た作品。
レイヴオルガンとアシッドシンセが絡むありそうで無かった曲。
ずっと踊ってられるわ。

Dica, Wast / Blow Your Mind

Blow Your Mind (Original mix) by Dica, Wast on Beatport

共にフランスのプロデューサーであるDicaWastによるハードアシッド
ハードハウスハードコアでよくサンプリングされていたSoundsource / Take Me Upのボーカルが懐かしい。
速めのテンポにファンキーなアシッドフレーズが走るアップリフティングなスタイル。
ハードダンス文脈で使っても面白そう。

Maskk / Terrible Liar

Terrible Liar (Original Mix) by Maskk on Beatport

イタリアのプロデューサーMaskkによるハードアシッド
今週のビックリ楽曲。
一聴して分かる速いテンポはなんとBPM160オーバー。

なんかベースの感じも変だし、でもこの反復リズムを主体にした構成はテクノと呼ぶしかないし、みたいな。
変ミュージックスキー向け。

なんか今回DIGしている中でチラホラこの速度帯のトラック見かけるようになったなという中で1番インパクトが強かったのがコレでした。
流行っているのか、表層に出てきたのか・・・要調査です。

まとめ

以上、新作ハードアシッドにスポットを当ててお送りしました。
一口にハードアシッドといっても旧来のスタイルをそのまま踏襲したものばかりでなく、
ハードミニマルハードダンスと合わせて使いたくなるようなトラックが目立ったように感じます。
僕のようにクロスオーバーでプレイする際、アシッドシンセのようなインパクトのある音をキーにしてジャンルを変えていくといったことをよくやるので、楽曲のスタイルが多ければ多いほど喜ばしかったりします。
今年も引き続きハードアシッドに注目していきましょう。

そんなわけで今回はここまで。

次週02月22日は774Muzikさんが担当します。
では。

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