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【特集】『M3-2022秋』同人テクノ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/11/25

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

予てよりお伝えしておりますように、次回Hardonizeの日程が決まっております。


2023/1/21(sat) Hardonize #43 15th Anniversary Special | Hardonize web

開催15周年を祝した超豪華回です。
サウンド、ビジュアル共に死角なしのラインナップ、且つ15年変わらず信頼を置いている良質な音響環境でハードテクノの魅力を存分にお伝えします。

日付は来年2023年の01月21日。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【近況】


打ち上げという名の次回開催に向けた打ち合わせを行いました。
タイムテーブルを組むに当たってボスがゴネだしたのが個人的に面白かったのですが、結果どうなったのかについては追々発表があると思います。

【今回のお題】

さて、前回のHardonizeの翌日は同人音楽即売会M3でした。
釣果はこんな感じ。

割合少な目。
案の定寝坊しまして、1時間ちょいくらいしか見て回れませんでした。
しかしあの右を見ても左を見ても個性豊かな作品が並んでいる情報量の多い光景はあの場所ならではという感じがします。
自分にとっては季節の風物詩的なところがありますね。

というワケで、今回のM3でゲトった中から一部を紹介していきたいと思います。
当連載に於いて12回目となるM3特集です。

前回M3-2022春の特集はこちら。

【特集】『M3-2022春』同人テクノ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/04/28

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

それより以前の特集はこちらになります。
2021秋 / 2021春 / 2020秋 / 2020春 / 2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春

これまでと同様、表記順は『【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメをメインに、あといくつか個人的趣味で挙げていきます。

それでは

『M3-2022春』で買った同人テクノ

いってみましょう。

【曲紹介】

ビッグファイア / 火星の生活 [ビッグファイア]

ビッグファイア – 火星の生活 Disc1 album preview – YouTube

ビッグファイア – 火星の生活 Disc2 album preview – YouTube

我らがハードグルーヴマスター、本間本願寺さん率いるテクノバンド、ビッグファイアの2枚組セカンド・フルアルバム。
清涼感のあるボーカル、ファンクネス溢れるギターサウンド、浮遊感のあるシンセなどポップでキャッチ―なテクノが満載なのですが、ブ厚いベースラインやパーカッションリズムの使い方に日頃の本間本願寺さんらしさも感じられます。
総じてエモーショナル、且つダンサブルなトラックが揃っていて、フォーマットが定まっていなかった頃の自由で楽しいテクノのテイストが漂っているのが非常に良い感じ。

個人的な好みはハードグルーヴに通ずる肉厚リズムに、やや哀愁漂うボーカルとシンセが感情を揺さぶってくる3曲目、神様なぜ星にも国境があるの

ちなみにディスク2はリミックス集となっているのですが、参加面子がDJ FunkDJ DeeonRobert Armaniと疑うことなきシカゴハウスの重鎮揃いでビックリします。
あまりの出来事に本人にどういう人選なのか聞いてみたところ、『俺の趣味だから。』とのこと。
クラブミュージックに慣れ親しんだ耳をお持ちならこっちのディスクだけでも充分に楽しめる筈です。
というかお得過ぎる。

公式サイト:http://bigfire.info/
作品購入:https://tower.jp/item/5443362/%E7%81%AB%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B4%BB
(その他各メジャーCDショップ、配信サイトでも流通しております。)

MAREAM / Algorithm [秋葉原重工]

Stream AHIDG05 – Algorithm by Akihabara Heavy Industry Inc. | Listen online for free on SoundCloud

こちらも日々お世話になっております。主催のTakayuki Kamiyaさんとは先日パーティー共演でした。
東京を拠点にSPECTRAOxytechといった現行テクノシーンで活動している女性アーティスト、MAREAMさんのEP。
これまでのリリースに比べ、よりハードミニマルに近い重厚で、攻撃的なトラックが収録されている印象です。
リミキサー陣もQ’heyさん、Remo-Conさん、TAKAMIさん、Seimeiさんと国内重鎮、実力派揃いでテクノのリアルな今を知ることができる1作。

個人的な好みは重たく前のめりなビートの上を矩形波っぽいリフが走るタイトルトラック、Algorithm

公式サイト:https://www.ahiweb.info/
作品購入:https://ahiweb.bandcamp.com/album/algorithm

Kouki Izumi / MONOCHROME AGE EP [technoA]

Stream [PREVIEW]MONOCHROME AGE EP snippet by Kouki Izumi (Aramitama / technoA) | Listen online for free on SoundCloud

M3にはほぼ毎回無機質で重厚なテクノを引っ提げてくるKouki Izumiさんの新作EP。
相変わらず、と言ってしまえばそれまでなのですが、リズムの強度を重視したもの、リフのインパクトを重視したもの、スケールの長いサウンドをキーにして雰囲気を重視しているもの、非4つ打ちと、EPサイズながら非常にバランス良くトラックが収録されており、テクノDJならば即戦力間違いなしのリリースとなっております。
よく考えなくてもこのリリースを継続しているというのは凄いことだと思うので、是非彼のBandcampから作品をご覧ください。

個人的な好みはタフなリズムにサイケっぽい禍々しいリフとアラームのようなサウンドの組み合わせが緊張感漂う3曲目、Bursting

公式サイト:http://technoa.info/
作品購入:https://technoa.bandcamp.com/album/monochrome-age-ep

VC FOX / Machine Future EP [vc fox]

Stream [CFD]Machine Future EP by VC FOX | Listen online for free on SoundCloud

ハードウェア機材を駆使してトラックメイキングやマシンライブを行うVC FOXさんのニューリリース。
彼の作品は前回のM3レビューでも取り上げておりましたが、ここ最近のものはよりダンスミュージックに近いテクノである印象を受けます。
全体を通して浮遊感のあるシンセが用いられているものが多く、スケールの長さを活かした展開作りが味わえるのも本作の特徴の1つのような気がします。

個人的な好みは延々と繰り返されるオーセンティックなテクノのリフが懐かしさを覚える1曲目、Nightlife Lover

公式サイト:http://vc-fox.com/
作品購入:https://vcfox.bandcamp.com/album/machine-future-ep

DJイオ / Sampling Road [LBT]

Stream 「sampling Road / DJイオ」140秒17曲試聴 by dj io | Listen online for free on SoundCloud

ビールとファンキーテクノをコンセプトに掲げるレーベル、LBTの主宰DJイオさんのニューアルバム。
タイトルに偽りなしという塩梅でアニメから往年のテクノまで、全曲通して独特のセンスでサンプリングされまくった内容。
収録曲のジャンルで言うとテクノが多めですが、ハードダンスハードコアもちらほら。
聴いてて思わずニヤリとしてしまう箇所が多いので、このインパクトを活かせる現場で使いたいなと思ってます。
あととにかくMOUNTAIN GRAPHICSによるジャケット、タイトルロゴがメチャクチャ良い。

個人的な好みは古今東西のディスコネタが肉厚なデケデケビートに次々差し込まれる面白さとカッコよさが同居した7曲目、Chaos Disco Track

公式サイト:http://www.lbt-web.com/
作品購入:https://lbt.thebase.in/items/67507639

V.A. / THE BARRELEYE [Shinkai waveS Records]

Stream THE BARRELEYE [Cross Fade Demo] by Shinkai waveS Records | Listen online for free on SoundCloud

前回のHardonizeにご出演頂いたYosshie 4onthefloorさんが、同じくテックダンスを手掛けているアーティスト、HOUJIROUさんとタッグを組んで制作されたEP。
今やテックダンスの未来を委ねられている2人と言っても良い存在同士だと思いますが、それぞれの得意とする作風を活かしたテックダンスの魅力が提示されていて聴き応えがあります。
普段の連載に於いてテックトランスを取り上げることがしばしばありますが、聴き比べると両社は近いとはいえ、テックダンスの方がサウンド的にハードダンスに近いんだなと改めて感じたりしました。

個人的な好みはテックダンスマナーに則ったリズムの上をトランスの開放感あるシンセが走る高揚指数高めの6曲目、Tech Dance United Tokyo / Sunset Wind

公式サイト:https://www.shinkaiwaves.com/
作品購入:https://diverse.direct/shinkai-waves-records/sscd-0006-2/

Relect / preface [TOKYO HARD DANCE]

Relect – preface(Official Preview) – YouTube

ハードコアハードダンスを中心に手掛け、若い世代の代表格となっているアーティスト、Relectさんの0.9作目と銘打たれたアルバム。
過去に発表された曲を今1度コンパイルし直すというコンセプトで作られたもので、彼の直近の作品とは少し異なった趣きを持つトラックが多いかもしれません。
特に6曲目の混沌という曲は三味線、和太鼓を用いたハードテクノで、僕は彼に対してハードテクノのイメージは全くなく、本作を手に取るまで存在を知らなかったのでかなり驚きました。

HANABI / 混沌 -KONTON- (Relect Shamisen Edit)

Stream HANABI- 混沌 -KONTON-(Relect Shamisen Edit) by HANABI RECORDINGS | Listen online for free on SoundCloud

これですね。
同じ三味線サンプリングの曲としてDJ OZAWA / TOKYO (Nish Dubstek Remix)とか、Satoshi Imano / Progressive Tsugaruとかは一時期Hardonizeでもよく流れていたので、この系統が好きなら要チェックかもしれません。

というワケで混沌にビックリさせられたというのはあるのですが、個人的な好みはKanae Asabaさんの力強くも美しいボーカルの後に、それを完全にひっくり返すラフなビートが繰り出される9曲目、Into The Sky

公式サイト:https://soundcloud.com/relect-jp
作品購入:https://www.tanocstore.net/shopdetail/000000003117/

V.A. / Nocturnal Edge 2 [Liminal Warp]

Stream 【2022秋M3】[LNWP-002] Nocturnal Edge 2 (Preview) by Liminal Warp | Listen online for free on SoundCloud

アニメ×ベースミュージックをコンセプトにしたコンピレーションシリーズの2作目。
ちなみに1作目は前回のM3レビューで取り上げております。
相変わらずそんなにアニメ見ているわけではないのですが、ダークで緊張感のあるベースミュージックをキーにしている辺りで気に入っており、今作もそのテイストを継承していて大変ニッコリです。
不定形で冷たいビートアプローチが好きな方、あとアニメが好きな方は是非手に取って頂きたい作品。

個人的な好みはダブステップのリズムを更に崩してベースを強調し、狂気溢れるあのボイスサンプリングも合わせて不穏極まっている2曲目、Serji / Sonozaki
丁度直近でひぐらしのなく頃にを観出したところだったので、ありがたかったです。
蝉の鳴き声をリフにするのはあのGassyoh / Semitechnoを彷彿とさせますね。

公式サイト:https://soundcloud.com/liminal_warp
作品購入:https://liminalwarp.bandcamp.com/album/nocturnal-edge-2-2

ちなみに、前作のコンピレーションに収録されていた曲で個人的に気に入ったと記したsanmalさんという方のブースが丁度隣にあり、この方はこの方でMORPHO PARADIGMというサークルを主宰していて既にコンピレーションを4作品出されているということで購入しました。

V.A. / MORPHO PARADIGM 4

Stream MYORPH | Listen to MORPHO PARADIGM 4 playlist online for free on SoundCloud

こちらも不定形ベースミュージックが多めなのでお好きな方は是非。
既にBandcampに一通りの作品が揃っております。

V.A. / ephemere [zohryu]

Stream [M3-50] ephemere XFD by zohryu | Listen online for free on SoundCloud

2枚組のエレクトロニカコンピレーション。
公式サイトの作り込みといい、かなり芯を感じられるリリースです。
曲によってはボーカリスト、ボーカロイドを起用していてキャッチ―な部分はありつつもどこか儚げなメロディーを含んでいる作品が多く、アルバムを通してじっくり世界観に浸るのがオススメの聴き方。
何の前情報もなく手に取った割にNyolfenさんとかcallasoiledさんの名前があってちょっとした驚きがありました。

個人的な好みはUKガラージっぽいリズムに浮遊感のあるストリングスと無機質で深いベースが絡むディスク2の4曲目、Phasma / Shapeshifter

公式サイト:https://ephemere.blue/
作品購入:https://zohryu.bandcamp.com/album/ph-m-re

【まとめ】

以上、『M3-2022秋』で買った同人テクノにスポットを当ててお送りしました。
やはり滞在時間が少ないと縁近しいところしか見て回れず、あまり新規開拓できなかった辺りに悔いが残りますが、少ないながらもこうして購入した作品からはどれも同人音楽らしさを感じられて満足しました。
この連載で紹介しているような新譜と同じくらい発見と楽しさがありますので、もし機会がありましたら是非足を運んでみてください。
M3の次回開催は来年春ですが、年末はコミックマーケットの開催があり、こちらも音楽サークルの出展があります。
(但しご存知のように人はメチャ多いですけど。)

そんなわけで今回はここまで。

次週11月29日は774Muzikさんが担当します。
では。

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【特集】Hardonize#42 プレイリストピックアップ - Resident’s Recommend 2022/11/10

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

[2022/11/13 – 追記:中途半端な更新をしてしまい、大変申し訳ありませんでした。]

【Hardonize #42 無事終了】

先々週はHardonize #42でした。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。

ゲスト両名のプレイは予想に反してかなりストイックにハードグルーヴとディスコの流れを演出していたREV-TUNEさん、
随所に破壊力のある自身のブートレグを織り交ぜつつ、最新テックダンスの魅力を表現していたYosshie 4onthefloorさんと、
それぞれ華のあるものでとても楽しかったです。
手前味噌ながら、こういったアップリフティングな4つ打ちが多くかかるとHardonizeらしいと思ったりします。
改めてありがとうございました。

【告知】

早速ですが次回Hardonizeの日程が決まっております。
来年Hardonizeは15周年を迎えるということで、過去イチ盛大に行う運びになりました。


2023/1/21(sat) Hardonize #43 15th Anniversary Special | Hardonize web

ゲストにBUDDHAHOUSEさん、Seimeiさん、DJ Shimamuraさんという強力無比な方々をお招きし、
更にはフライヤーデザインとVJとしてcodaさんを迎えた豪華7時間でもってお送りします。
この面子で茶箱開催、更にはこの面子でハードテクノのパーティーというおそらく前例のない催しになると思いますので、是非お越しください。

日付は来年2023年の01月21日。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【Hardonize #42 トラックリスト】

さて、自分はこの日Yosshie 4onthefloorさんの後、トリを務めました。
つまりテックダンスで受け取って綺麗に〆るというポジションだったのでそれにマッチする内容を考えた結果、
『もういっそテクノじゃなくても良くない?』という考えになってしまい、トランスオンリーのプレイになりました。
とはいえテクノのエッセンスを持ったトラックなんかも織り交ぜてみたので、Hardonizeらしさは出せたのではないかと思っております。

で、個人的にはトランスオンリーのプレイが相当久し振りだったので、ちゃんと形にしたいと思い、パーティーの後即録り直して公開しました。
良かったら聴いてください。
些細なことですが、〆の関係で1か所だけ曲順変えております。

TAK666 – Hardonize #42 Re:Play

Stream Uplifting Trance, Tech Trance, Hard Dance, Psytrance, Classic Trance Mix – 2022.11 by TAK666 | Listen online for free on SoundCloud

大まかにはアップリフティングトランステックトランスハードダンスサイケデリックトランスクラシックトランス

全容はこちら。

No Artist Trackname Link
01 Ross Cairns, Michael Hamilton Kaleidoscope Beatport
02 Daisuke Matsushima Siz K.A. Beatport
03 RIC feat. IGUA KAGURA Beatport
04 Ozo Effy Caravan Beatport
05 Laura May Diosa Del Fuego Beatport
06 The Obsessed Raindance Beatport
07 Splinta Abuse Beatport
08 D-Railed Face Down… Beatport
09 LCK, Kemikal Lckemikals Beatport
10 Indecent Noise I Don’t Care Beatport
11 Greentech Techno Music Beatport
12 Biological, Br1sa Secret Blue Bird Beatport
13 Dirty Beat, Mynastic Patakha Trance Beatport
14 Moby Lift Me Up (Sesto Sento Remix) YouTube
15 Underworld Dark & Long (Rob Curtis Rework) SoundCloud
16 Veracocha Carte Blanche (Vincent de Moor & Ferry Corsten Remix) Beatport
17 Barthezz Infected YouTube
18 Orbital Chime ’99 試聴なし
End System F Out Of The Blue Beatport

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

【曲紹介】

03 / RIC feat. IGUA / KAGURA

KAGURA (Extended Mix) (Original Mix) by RIC feat.IGUA on Beatport

日本のプロデューサーRICによるアップリフティングトランス
ボーカルもののトランスというのはそこまで珍しくないのですが、それがオリジナルの日本語歌詞というのがかなり貴重な作品。
空間を広く使ったシンセの重ね方は本場のトランスに引けを取らない作りになっている一方、哀愁感あるピアノの旋律からは侘び寂びが漂っていて日本っぽくもあります。
普通に曲を掘っていてこういうのに辿り着くと『おっ』ってなってしまうリリースですね。

05 / Laura May / Diosa Del Fuego

Diosa Del Fuego (Extended Mix) by Laura May on Beatport

イギリスのプロデューサーLaura Mayによるテックトランス
直近の新作テックトランス特集でも触れた重厚なトライバルリズムもの。
タフなリズムに緊張感のあるシンセフレーズはシリアスなスタイルの曲が好きな人にも刺さりそうな気がします。
直近のテックトランスに於いてはかなりお気に入りの1曲。

09 / LCK, Kemikal / Lckemikals

Lckemikals (Original Mix) by LCK, Kemikal on Beatport

オーストラリアのプロデューサー同士、LCKKemikalによるハードダンス
曲の紹介とはちょっと逸れますが、2022年現在ハードダンスに留まらずハード系4つ打ちダンスミュージックの中で覇権となっているジャンルはハードスタイルだと思っていて、
その中のサブジャンルにロースタイルと呼ばれる強烈でグロテスクなキックを最大の特徴とする音楽があり、これが変ミュージック好きのツボを刺激してくるのでちょいちょい聴いています。
(例:Rooler, Sickmode / LET THE BASS KICK / Fraw / Life)

ただジャンルの特性上どうしてもブレイクが主体になりがちな音楽なので、この変態的なリズムがもっと続く曲はないものかと探していたところ、見つけたのがこちらになります。
ロングブレイクを含みつつも長めに設けられたリズムパート、狂暴なキック、ラフなアシッドシンセのリフ、自分の欲しかったハードダンスの要素が溢れんばかりに詰め込まれており、かなり個人的にヒットしました。

感動し過ぎてLCKのレーベル、Spacecake Recordingsのリリースをイッキ買いしてしまった程です。
まだ設立から1年程の新興レーベルですが、テクノ的にも使えるハードダンスが揃っていて特色があるように思えます。
是非。

13 / Dirty Beat, Mynastic / Patakha Trance

Patakha Trance (Original Mix) by Dirty Beat, Mynastic on Beatport

メキシコのプロデューサー同士、Dirty BeatMynasticによるサイケデリックトランス
先月の新作サイケデリックトランス特集でも触れた、インド古典音楽のエッセンスが詰め込まれた陽気なトラック。
オリエンタル且つサイバネティックという、ある種相反する要素のサウンドが共存しているのはなんとも奇妙で面白い。
今のところ今年1番のお気に入りサイケです。

本当だったら同じサイケ好きのREV-TUNEさんに聴いて貰いたかったのですが、彼はその頃階段で酔い潰れていたそうです。
残念。

14 / Moby / Lift Me Up (Sesto Sento Remix)

Sesto Sento – Lift Me Up (Sesto Sento Cover/Remix) – YouTube

イスラエルのプロデューサーユニットSesto Sentoによるサイケデリックトランス
原曲テクノの大御所であるMobyらしい、しっとりしたエレクトロニック・ロックなのですが、
現行サイケシーンの筆頭格、Sesto Sentoの手によってエモーショナルな部分は引き継ぎつつも、滅茶苦茶チャラいアップリフティングなアレンジになっております。
2000年代後半くらいの、日本で爆発的に流行していた時のサイケの趣きがあって、当時聴いてた身からするとこのチャラさは堪らないですね。

余談的にSesto Sentoの超チャラい曲をもう1つ紹介しておきます。

Sesto Sento / Rave & Roll

Stream Sesto Sento – Rave & Roll (Free Download!!!) by sestosento | Listen online for free on SoundCloud

Bon Jovi / It’s My LifeLenny Kravitz / Are You Gonna Go My WayDeep Purple / Smoke On The WaterEric Clapton / Laylaなど、往年のロックアンセムのフレーズを10曲以上詰め込んだサイケデリックトランス
聞き覚えしかないリフやサンプリングが笑ってしまうくらい次々繰り出される面白さと、それらが上手くまとまって1つの曲になっているアレンジの妙が同時に味わえる傑作。
あまりのインパクトに、実は過去のHardonizeでもちょいちょい使っていたりします。
フリーダウンロードなので是非お持ち帰りください。

16 / Veracocha / Carte Blanche (Vincent de Moor & Ferry Corsten Remix)

Carte Blanche (Vincent de Moor & Ferry Corsten Remix) by Veracocha on Beatport

オランダのプロデューサー同士、Vincent de MoorFerry Corstenによるトランス
ストリングスとピアノから成る美しいメロディーからほぼ無音になるブレイクを経て、壮大なシンセのメインパートへ雪崩れ込む展開がインパクト満点の2000年頃を代表するザ・トランスアンセム
トランスオンリーでプレイするからにはこの頃の曲は欠かせないと思った次第なので、〆はこういった往年のアンセムでまとめました。
レジデント含む会場のオッサン達が沸いてくれてなによりです。

ちなみに最後の曲をかけ終わった後、『もうちょっとトランス聴きたい!Out Of The Blueないの!?』とTakayuki Kamiya方面からヤジが飛んできたので、ダメ押し的にエンディングとしてかけました。
まさか1回のプレイで2回Ferry Corstenの曲をかけるとは思わなかった。
しかもハードテクノのパーティーで。
今令和やぞ!?

End / System F / Out Of The Blue

Out Of The Blue (Extended Mix) by System F on Beatport

そしてなんだかんだでこの曲、1年に1回使っている気がする。
ちなみに前回かけたのは新木場ageHaがクローズする直前に野外フロアで出演の機会があった時。
晴れてたし、あの時はタイミングバッチリだった思い出。

【まとめ】

以上、Hardonize #42プレイリストをお送りしました。
即再現MIXを録ってしまったように、やってて懐かしさ以上に楽しかったというのがありました。
考えるに、一時期は良くも悪くもトランスといえば壮大なブレイクと綺麗なメロディーという要素が全てだったのが、
近年のテックダンステックトランスのようなハード且つシリアスなスタイルのものが目に付くようになり、それらの間のクロスオーバーもやりやすくなっているというのが要因にある気がします。
どのジャンルに於いてもプレイの中でテンションの波を演出したいと思っているので、自分のやりたいことがトランスでもできることに改めて気付かされました。
また機会があればやりたいですね。

そんなわけで今回はここまで。

次週11月015日は774Muzikさんが担当します。
では。

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