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新作ハードミニマル特集 (2021年09月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/09/02

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

先日、次回開催となるHardonize #39のインフォメーションが公開されました。

2021/10/09(sat) Hardonize #39 at sabaco music&cafe

■Date

2021/10/09(Sat) 14:00-20:00

■DOOR/ADV

DOOR: 2,000yen (with 1drink ticket)

ゲストはなんと茶箱初登場、マネージャーを務める秋葉原MOGRAを拠点として新木場ageHa渋谷clubasiaといった大箱での出演経験多数、そしてベースミュージックからハウス、ハードダンス、ハードコアまで幅広いシーンで手腕を発揮しているharaさんと、
海外出演経験多数、サインしたレーベルは数知れず、CD、ヴァイナルの4枚使いを平然とこなす凄腕であり日本のハードグルーヴシーンのトップ、本間本願寺さんの2名でお届けします。
手前味噌且つ一昨日yudukiボスも言ってましたが、異色過ぎる組み合わせです。
どんな化学反応が起こるのか、楽しみです。

尚、今回も入場に当たって事前エントリーが必須となっております。
参加をお考えの方は以下のURLから申請をお願い致します。
(お支払いは当日会場で行います。)

Hardonize #39 in東京 – パスマーケット

【近況報告】


バレてる。

どうでもいい近況ではあるのですが、ここ1ヶ月でクレーンゲームにハマりました。
腕前としては全然ビギナーを脱出できてないので不測の自体には対応しきれないところはありますが、やってみるとセオリーが明確に存在するので状況によって判断を変えつつ、それが上手くいくと大変気持ち良い。

ただ一方で作品をあまり知らなかったりするので、取れた景品については特に飾るでも横流しするでもなく、部屋の片隅に箱のまま積むという言わば持て余しています。
もしたまに呟いている釣果の中で欲しいものがあれば是非お申し付けください。
というか774Muzikさん家のお子さんとか鬼のやつ好きだったりしないですかどうですか?

【今回のお題】

さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードミニマル

とします。

特別連載に於いては2回目に取り上げたミニマルテクノと呼ばれる最小限の音で構成された反復を主体とするテクノ硬質化、高速化、先鋭化させたスタイルの音楽です。
大枠としてのハードテクノ誕生の黎明期を担った、言わばハードテクノの基本形です。

それだけ重要なサブジャンルという認識はある割に、これまで僕から当連載で取り上げた回数はゼロ。
勿論掘ってないワケではないのですが、この連載の性質上僕の担当回の前は必ずyudukiボスでして、彼がとりわけ着目しているのがこのハードミニマルということで曲被りを気にするとなかなか取り上げづらいというのが理由でした。
そんな中、一昨日のyudukiボスの連載回はファンキーなカテゴリーであるところのハードグルーヴだったわけです。
分かります。本当にこの日まで東京は暑かったですし、陽気なサウンドが映える気候でした。

で、月を跨いだ昨日から急に寒くなりました。
季節の変わり目がテクノの本場であるところのドイツ人並みにキッチリしてると思うワケで、ともかく僅か2日ですっかりテンション的には冷たいサウンドを聴きたい気候になってしまったのです。
ならば鋼鉄で冷血なハードミニマルを取り上げるのは今が最適、という考えに至った次第です。
引っ張った割に安直とか言わないで。

早速ですが最近にリリースされた新作ハードミニマル特集いってみましょう。

【曲紹介】

Simone Tavazzi / Sandglass

Sandglass (Original Mix) by Simone Tavazzi on Beatport

イタリアのプロデューサーSimone Tavazziによるハードミニマル
厚みのあるベースに支えられたヘヴィーウェイトなグルーヴに2拍ループのメインリフという、お手本のようなハードミニマル
ハイハットに存在感があるのでハードグルーヴとの橋渡しもいけそうな優等生。

Mython / Pyramid

Pyramid (Original Mix) by Mython on Beatport

ドイツのプロデューサーMythonによるハードミニマル
この完全無機質なリフやドラムパーツこそハードミニマルの醍醐味という方もいらっしゃるかもしれません。
地を這うようなベースが疾走感を演出していて攻めっ気も十二分。

Anml Mthr / Future Sound

Future Sound (Original Mix) by Anml Mthr on Beatport

オーストラリアのプロデューサーAnml Mthrによるハードミニマル
アシッドテクノでよく見られる、メインとなるリフがパラメータを変えて延々と鳴っている系。
展開も極端に少ないため、黎明期のハードミニマルを現行のサウンドで仕上げたような印象を受けます。

Operator / Century Station

Century Station (Original Mix) by Operator (UK) on Beatport

イギリスのプロデューサーOperatorによるハードミニマル
最大の特徴は何といってもこのヘンテコリズムパターン。
しかもリフがリズムに対して3/4の速度の3拍子という、油断すると頭拍を見失うトラック。(グレイエリアと同じ手法ですね。)
アングラ感強めが好みなら是非押さえておきたいトコロです。

Plukkk / Combine

Combine (Original Mix) by Plukkk on Beatport

イタリアのプロデューサーPlukkkによるハードミニマル
これまで紹介した曲に比べてリズムの圧が強いスタイルの曲。
アラートのようなリフといい、全体的にスモーキーな雰囲気が漂っていたりと工場で聴くのが似合いそうなテイストです。

Lee Ann Roberts / Reality Bytes (Balrog Remix)

Reality Bytes (Balrog Remix) by Lee Ann Roberts on Beatport

イギリスのプロデューサーBalrogによるハードミニマル
オーバー140のテンポだったり、裏打ちっぽいベースの鳴らし方が疾走感たっぷり。
せり上がるようなスクリーチシンセや、薄くスタブっぽいサウンドも使われている辺りから仄かにレイヴの臭気も感じさせるトラック。

Are:gone / Koi No Yokan

Koi No Yokan (Original Mix) by Are:gone on Beatport

キューバのプロデューサーAre:goneによるハードミニマル
ややインダストリアルみも感じさせる歪んだリズムも特徴ですが・・・何このタイトル、そしてサンプリング。
正直歌の言語は聴き取れないんですが、奉神御詠歌みたいな不穏な民謡が散りばめられています。
全く恋の予感がしないんですけど、キューバに於けるラブソングってまさかこういう感じ?
変ミュージックスキーには大推薦トラック。

Maxime Dangles / Gigi (Remco Beekwilder Remix)

Gigi (Remco Beekwilder Remix) by Maxime Dangles on Beatport

オランダのプロデューサーRemco Beekwilderによるハードミニマル
これまで紹介した曲はリフのスケールが2拍のものが多かったですが、こちらは残響を強めにかけたリフが1回で4小節も跨ぎます。
8倍です。長い。お得。(?)
リズムパーツがレトロな質感だったり、上述のリフが浮遊感あったりするのでセットの終盤に向けな感じがします。
というわけで今回最後の紹介曲として持ってきました。

まとめ

以上、ハードミニマルにスポットを当ててお送りしました。
ハードテクノの基礎と言ったものの、そのサウンドは今もアップデートを重ねています。
というか、ハードテクノに於いて研鑽されたサウンドを手掛けられるクリエイターが集っているジャンルであると言った方が正しいかもしれません。

近年はメインストリームテクノに於けるハード化という大きなトピックもあり、アーティストやサウンドの相互流入も盛んに行われているので、直近の潮流を追うという意味でも重要なサブジャンルとなっております。
あらゆる分野に於いて語られる基礎は大事であるということを改めて認識させてくれる音楽の1つ、それがこのハードミニマルです。

そんなわけで今回はここまで。

次週09月07日は774Muzikさんが担当します。
では。

【過去掲載記事一覧】
【2021年】

08月 / 新作レイヴ系テクノ (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2021年08月版)
07月 / 新作4つ打ちドラムンベース (2020年07月版) / 新作速いハウス (2020年07月版)
06月 / 新作ハードグルーヴ (2020年06月版) / 【特集】Hardonize#38 プレイリストピックアップ
05月 / 新作ハードハウス (2020年05月版) / 新作シュランツ (2020年05月版)
04月 / 新作ベースライン (2020年04月版) / 新作ハードアシッド (2020年04月版) / 【特集】『M3-2021春』同人テクノ
03月 / 【特集】Hardonize#37.5 プレイリストピックアップ / 新作テックダンス / テックトランス (2021年03月版)
02月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (後編) / 【特集】曲名に『チョコレート』が入ったトラック
01月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (前編)

【2020年】

12月 / 新作ハードハウス (2020年12月版) / 【特集】Hardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選 【TAK666編】
11月 / 新作シュランツ (2020年11月版) / 【特集】Hardonize#37 プレイリストピックアップ
10月 / 新作ハードグルーヴ (2020年10月版) / 【特集】前回の早稲田音泉で紹介した曲 / 【特集】『M3-2020秋』同人テクノ
09月 / 新作速いテクノ (2020年09月版) / 【特集】公募用DJMIXの組み方
08月 / 新作ハードアシッド (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2020年08月版)
07月 / 【特集】DIG自慢:RECOfan渋谷BEAM店閉店セール / 新作ディスコ (2020年07月版)
06月 / 【特集】ゲームミュージックに於けるテクノ / 【特集】Hardonize#36 プレイリストピックアップ
05月 / 新作インダストリアルテクノ (2020年05月版) / 新作ディープ系ベースミュージック (2020年05月版)
04月 / 新作テックダンス / テックトランス (2020年04月版) / 新作レイヴスタイルテクノ (2020年04月版) / 新作ハードハウス (2020年04月版)
03月 / 【特集】Hardonize#35 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2020春』同人テクノ
02月 / 新作ハードアシッド (2020年02月版) / 新作ハードグルーヴ (2020年02月版)
01月 / 【特集】フリーダウンロード2019 (前編) / 【特集】フリーダウンロード2019 (後編)

【2019年】

12月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第3回:ディスコ編
11月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第2回:ハードダンス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第9回:テックダンス編
10月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第1回:メロディアスハードテクノ編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第8回:インダストリアル編 / 【特集】『M3-2019秋』同人テクノ
09月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第7回:ハードグルーヴ編 / 【特集】Hardonize#34 プレイリストピックアップ
08月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第5回:ハードハウス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第6回:シュランツ編
07月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第3回:ハードアシッド編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第4回:ハードトライバル編
06月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第1回:黎明期編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第2回:ハードミニマル編
05月 / 【特集】『M3-2019春』同人テクノ / 【特集】直近のパーティーピックアップ / 【特集】Hardonize#33 プレイリストピックアップ
04月 / Almir Ljusa / PHNTM
03月 / Keith Flint (The Prodigy) / Audeka
02月 / Benji303 / 【特集】Hardonize#32 プレイリストピックアップ
01月 / 【特集】フリーダウンロード / Knuckleheadz

【2018年】

12月 / 【特集】DIG自慢:ジャニス閉店セール
11月 / 【特集】Hardonize#31 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2018秋』同人テクノ / Special Request
10月 / Atix / Eric Sneo
09月 / Len Faki / 【特集】新譜紹介
08月 / Paul Cronin / ASC
07月 / Goncalo M / Alan Fitzpatrick
06月 / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード / 【特集】Incident
05月 / Riotbot / 【特集】『M3-2018春』同人テクノ / 【特集】四文屋難民メンバー紹介
04月 / Rebeld Records / Rob J.
03月 / Filterheadz / 【特集】Bandcamp限定リリース
02月 / 【Hardonize10周年特集】10年前の同人テクノ / 【特集】Hardonize#29 プレイリストピックアップ
01月 / 【Hardonize10周年特集】10年前のハードテクノ / 【Hardonize10周年特集】10年前の日本のハードテクノ

【2017年】

12月 / 【特集】Hardonize#26、Hardonize#27、Hardonize#28 プレイリストピックアップ
11月 / 【特集】『M3-2017秋』同人テクノ / 【特集】Hardonize#28 ゲストDJプレイバック / Sterling Moss
10月 / Norman Andretti a.k.a. Quarill / 【特集】グレイエリア
09月 / Bad Boy Bill / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード
08月 / CAVE / OmanticRecords
07月 / Digital Mafia / Steel Grooves
06月 / X-Dream / Dismantle / Christian Fischer
05月 / 【特集】『M3-2017春』同人テクノ / Chester Beatty
04月 / 【特集】曲名に『春』とか『桜』とか入ったトラック / Andy BSK
03月 / Myler / D.A.V.E. The Drummer
02月 / Jamie Taylor aka Tik Tok / Pasquale Maassen
01月 / 【特集】同人音楽+テクノ / Butch

【2016年】

12月 / Kwadratt / 【クリスマス2016特集】ブートレグ、フリーダウンロード
11月 / Reset! / Dark By Design
10月 / 【特集】Hardonize#25 プレイリストピックアップ / Bryan Cox
09月 / Kanji Kinetic / Technikal / Vinylgroover aka Scott Atrill
08月 / Ganez The Terrible / DJ Reversive
07月 / Raul Mezcolanza / David Moleon


新作サイケデリックトランス特集 (2021年08月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/08/19

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

先週もお伝えしましたが、Hardonize#39の日程が公開となっております。

10月09日よろしくお願いします。

ちなみにボスの話では明日20日に何らかの情報が公開されるようです。
何かな。美味しい屋さん情報かな。

【近況報告】

先日DJ Shimamuraさん主催のオンライン配信番組、FAR-EAST TAKEOVER: WEEK16に出演させて頂きました。
自宅から配信するのはUstream時代以来だったのでおぼつかないところもありつつだったのですが、なんとかなって安心しました。
自分が配信していた以前と比べると画面構成の自由度がかなり高くなってるのは良いことだなと思ったり、また機会があったらやってみたいですね。

ちなみにその時の模様がコチラ。
明後日21日までの公開なのでよろしければ是非。
音量調整が甘くてところどころ音割れしているのが惜しいので、公開修了したら録り直そうかなと思います。

トラックリストはこんな感じ。


しっちゃかめっちゃか。

【今回のお題】

さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

ですが、今回取り上げるテーマはハードテクノの分類外となる

サイケデリックトランス

とします。

その名の通り、無機質で幻想的なリフやサウンドと複雑な展開を含んだトランスの亜種に於ける最大勢力となるジャンルです。
前回は丁度1年前の08月に取り上げており、近年のトラックはEDMの影響を受けたタイトな尺のものが出ていたり、ハードコアに通ずるテンポの速い曲も目立つようになったことについて触れました。

はてさて、1年経った現在はどうなっているでしょうかというのが今回の趣旨です。
結論から言えば上記のような他ジャンルの要素を取り入れたトラックも未だに健在であるものの、それ以上に特徴的だったり、飛び道具的なサウンドを取り入れたものが比較的多かったように感じました。
自分がそういう変な物好きであるだけかもしれませんが、自分が最初に触れたクラブミュージックであることを除いてもやはり特色の強い音楽ではないかと思うので、改めてここ1~2ヶ月の間にリリースされたものについて取り上げていきたいと思った次第です。
最近暑い⇒涼しい山に行きたい⇒野外レイヴ⇒サイケ!というのもあります。

早速ですが最近にリリースされた新作サイケデリックトランス特集いってみましょう。
尚、試聴は配信サイトで用意されたものだと短すぎるため、購入先リンクとは別にアップロードされたものを埋め込んでおります。
そして今回もフリーダウンロードトラックあります。
お見逃しなく。

【曲紹介】

Chris Rane / We Are Coming Together

Chris Rane – We Are Coming Together (Original Mix) – YouTube

We Are Coming Together (Original Mix) by Chris Rane on Beatport

ドイツのプロデューサーChris Raneによるサイケデリックトランス
このジャンルにしてはBPM133とやや遅めのテンポ、そして長めに設けられたリズムパートと反復を繰り返すリフは一聴してテクノとの親和性が高いことが分かります。
とはいえキックのコツン、コツンという音は紛れもなくサイケデリックトランスなのが変わりポイント。
テクノサイケデリックトランスを繋ぐに際し、渋くじわじわ攻めたい時にはこういったものが機能しそうです。

Kelle, Juha / Mayak

Kelle & Juha – Mayak (Original Mix) – YouTube

Mayak (Original Mix) by Kelle, Juha on Beatport

ハンガリーのプロデューサーユニットKelle & Juhaによるサイケデリックトランス
シンプルな4つ打ち・・・かと思ったら随所のパートで2拍4拍がスネアに変化するブレイクスの要素が入ったトラック。
アップリフティングなシンセが鳴っているパートとかは特にそれが風変わりに聴こえます。
単純に綺麗系メロディーものとしての側面もあるので、リズムとシンセのどちらを活かすかで使いどころが変わってきそうな1曲。

Psilocybe Project / Healing Wind

Psilocybe Project – Healing Wind – YouTube

Healing Wind (Original Mix) by Psilocybe Project on Beatport

ポルトガルのプロデューサーPsilocybe Projectによるサイケデリックトランス
今回取り上げる中に於いて最もオラつき度の高い曲。
リズムの圧に加えてメインとなっているFMリードシンセのガラが大変悪くてニッコリします。
ブレイク以降のコード進行が加わったパートもテンション高くて良いですね。

Protocol 143 / Marike

Protocol 143 – Marike – YouTube

Marike (Original Mix) by Protocol 143 on Beatport

セルビアのプロデューサーユニットProtocol 143によるサイケデリックトランス
最大の特徴は何といってもBPM110と極めて遅いテンポ。
全体的に中東感のある弦楽器だったりボーカルが散りばめられているエスニックなサウンドもかなり印象的な変サイケ
調べたらタールという楽器がそれっぽいなと思ったんですけど、これもまた変わった形してますね。

Last Lantern, DJ Indra / Mood & the Feelings

Last Lantern X Dj Indra – Mood & The Feelings (Original Mix) OUT NOW – YouTube

Mood & the Feelings (Original Mix) by Last Lantern, DJ Indra on Beatport

インドのプロデューサーLast LanternDJ Indraによるサイケデリックトランス
冒頭で述べたEDMの展開を取り入れたトラック。
尺は僅か3分と旧来のサイケデリックトランスでは考えられない短さです。
リズムパートでガラッと音数が減ったり、そのリズムも3連符だったりするのもEDMの様式美の1つ。
飛び道具にピッタリ。

Pondora / Gondi

Pondora – Gondi – YouTube

Gondi (Original Mix) by Pondora on Beatport

イスラエルのプロデューサーPondoraによるサイケデリックトランス
大方のクラブミュージックに於いてブレイク~ブレイク明けの瞬間が最もインパクトの高いパートだと思うのですが、この曲でその美味しいところを担う音がまさかの生弦楽器。
後半にそのフレーズをカッコいいシンセがなぞるパートがあるのですが、すぐどっか行きます。なんでなのよ。
全体的に隙間のあるリズムとなっているのですが、そこを埋めるのが生音感強めのパーカッションという辺りもまたおかしさがありますね。
これもブッチギリ飛び道具。

Chrizzlix & Tophoo / Rocky Road

Stream Chrizzlix & Tophoo – Rocky Road (FREE DOWNLOAD) by Chrizzlix | Listen online for free on SoundCloud

共にドイツのプロデューサーChrizzlixTophooによるサイケデリックトランス
アイルランドの民俗音楽にRocky Road to Dublinという曲があり、様々なアーティストによってカバーされているのですが、それをサイケにアレンジしたものがこちら。
アイリッシュフォークがそのまんまサイケデリックトランスのビートに乗ってるのが違和感しかない。
しかも歌は3拍子なのに64拍でリズムと同期するので頭拍がクッソ分かり辛い。
その辺りの強引さも含めて好きなトラックです。
フリーダウンロード。

BAD HOP / Asian Doll (DJ K Psy – Trance Remix)

Stream Asian Doll(DJ K Psy – Trance Remix)/BAD HOP -Free Download- by Sushi Boy a.k.a DJ K from Japan | Listen online for free on SoundCloud

日本のプロデューサーDJ Kによるサイケデリックトランス
今をときめく日本のヒップホップグループBAD HOPの代表曲の1つ、Asian Dollネタ。
ヒップホップ、それも日本語ヒップホップを題材にしたサイケはかなりレア。
ギラギラしたリードシンセ含め、全体的にド派手ド直球なアレンジです。
その一方で原曲のトラップビートを活かしたパートがあったり遊び心もあるトラック。
こちらもフリーダウンロード。

Tushane / So Much More

So Much More – YouTube

So Much More (Original Mix) by Tushane on Beatport

ドイツのプロデューサーNico Jutteの変名義プロジェクトTushaneによるサイケデリックトランス
これまで紹介した曲とはガラリと変わってアーバンな雰囲気を纏った曲。
イントロ後にリズムと一緒に入ってくるオルガンシンセがガラージを彷彿とさせて、これもサイケにはなかなか見られない要素だったりします。
夕暮れの海辺で聴きたい感じ。

まとめ

以上、サイケデリックトランスにスポットを当ててお送りしました。
この音楽もまたハードテクノ同様に歴史のあるジャンルであり、その中には多くのスタイルが内包されています。
今回は比較的聞きやすい部類のものを取り上げたつもりですが、それでもこれだけ幅があるので掘ってて楽しいジャンルの1つですね。
もっと深くサイケデリックトランスのサブジャンルやアーティストについて知りたい方はPsytrance Guideや、コミュニティサイトPsytrance.comが纏めている90ページ以上に及ぶPDFなんかを参考にすると良いと思います。
いや、しましょう。

備考:こんな動画もあります。

8 genres of Psytrance – YouTube

サイケデリックトランスの主なサブジャンル8つを代表曲付きでサクッと10分以内に纏めている動画。

そんなわけで今回はここまで。

次週08月24日は774Muzikさんが担当します。
では。

【過去掲載記事一覧】
【2021年】

08月 / 新作レイヴ系テクノ (2020年08月版)
07月 / 新作4つ打ちドラムンベース (2020年07月版) / 新作速いハウス (2020年07月版)
06月 / 新作ハードグルーヴ (2020年06月版) / 【特集】Hardonize#38 プレイリストピックアップ
05月 / 新作ハードハウス (2020年05月版) / 新作シュランツ (2020年05月版)
04月 / 新作ベースライン (2020年04月版) / 新作ハードアシッド (2020年04月版) / 【特集】『M3-2021春』同人テクノ
03月 / 【特集】Hardonize#37.5 プレイリストピックアップ / 新作テックダンス / テックトランス (2021年03月版)
02月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (後編) / 【特集】曲名に『チョコレート』が入ったトラック
01月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (前編)

【2020年】

12月 / 新作ハードハウス (2020年12月版) / 【特集】Hardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選 【TAK666編】
11月 / 新作シュランツ (2020年11月版) / 【特集】Hardonize#37 プレイリストピックアップ
10月 / 新作ハードグルーヴ (2020年10月版) / 【特集】前回の早稲田音泉で紹介した曲 / 【特集】『M3-2020秋』同人テクノ
09月 / 新作速いテクノ (2020年09月版) / 【特集】公募用DJMIXの組み方
08月 / 新作ハードアシッド (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2020年08月版)
07月 / 【特集】DIG自慢:RECOfan渋谷BEAM店閉店セール / 新作ディスコ (2020年07月版)
06月 / 【特集】ゲームミュージックに於けるテクノ / 【特集】Hardonize#36 プレイリストピックアップ
05月 / 新作インダストリアルテクノ (2020年05月版) / 新作ディープ系ベースミュージック (2020年05月版)
04月 / 新作テックダンス / テックトランス (2020年04月版) / 新作レイヴスタイルテクノ (2020年04月版) / 新作ハードハウス (2020年04月版)
03月 / 【特集】Hardonize#35 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2020春』同人テクノ
02月 / 新作ハードアシッド (2020年02月版) / 新作ハードグルーヴ (2020年02月版)
01月 / 【特集】フリーダウンロード2019 (前編) / 【特集】フリーダウンロード2019 (後編)

【2019年】

12月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第3回:ディスコ編
11月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第2回:ハードダンス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第9回:テックダンス編
10月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第1回:メロディアスハードテクノ編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第8回:インダストリアル編 / 【特集】『M3-2019秋』同人テクノ
09月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第7回:ハードグルーヴ編 / 【特集】Hardonize#34 プレイリストピックアップ
08月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第5回:ハードハウス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第6回:シュランツ編
07月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第3回:ハードアシッド編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第4回:ハードトライバル編
06月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第1回:黎明期編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第2回:ハードミニマル編
05月 / 【特集】『M3-2019春』同人テクノ / 【特集】直近のパーティーピックアップ / 【特集】Hardonize#33 プレイリストピックアップ
04月 / Almir Ljusa / PHNTM
03月 / Keith Flint (The Prodigy) / Audeka
02月 / Benji303 / 【特集】Hardonize#32 プレイリストピックアップ
01月 / 【特集】フリーダウンロード / Knuckleheadz

【2018年】

12月 / 【特集】DIG自慢:ジャニス閉店セール
11月 / 【特集】Hardonize#31 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2018秋』同人テクノ / Special Request
10月 / Atix / Eric Sneo
09月 / Len Faki / 【特集】新譜紹介
08月 / Paul Cronin / ASC
07月 / Goncalo M / Alan Fitzpatrick
06月 / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード / 【特集】Incident
05月 / Riotbot / 【特集】『M3-2018春』同人テクノ / 【特集】四文屋難民メンバー紹介
04月 / Rebeld Records / Rob J.
03月 / Filterheadz / 【特集】Bandcamp限定リリース
02月 / 【Hardonize10周年特集】10年前の同人テクノ / 【特集】Hardonize#29 プレイリストピックアップ
01月 / 【Hardonize10周年特集】10年前のハードテクノ / 【Hardonize10周年特集】10年前の日本のハードテクノ

【2017年】

12月 / 【特集】Hardonize#26、Hardonize#27、Hardonize#28 プレイリストピックアップ
11月 / 【特集】『M3-2017秋』同人テクノ / 【特集】Hardonize#28 ゲストDJプレイバック / Sterling Moss
10月 / Norman Andretti a.k.a. Quarill / 【特集】グレイエリア
09月 / Bad Boy Bill / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード
08月 / CAVE / OmanticRecords
07月 / Digital Mafia / Steel Grooves
06月 / X-Dream / Dismantle / Christian Fischer
05月 / 【特集】『M3-2017春』同人テクノ / Chester Beatty
04月 / 【特集】曲名に『春』とか『桜』とか入ったトラック / Andy BSK
03月 / Myler / D.A.V.E. The Drummer
02月 / Jamie Taylor aka Tik Tok / Pasquale Maassen
01月 / 【特集】同人音楽+テクノ / Butch

【2016年】

12月 / Kwadratt / 【クリスマス2016特集】ブートレグ、フリーダウンロード
11月 / Reset! / Dark By Design
10月 / 【特集】Hardonize#25 プレイリストピックアップ / Bryan Cox
09月 / Kanji Kinetic / Technikal / Vinylgroover aka Scott Atrill
08月 / Ganez The Terrible / DJ Reversive
07月 / Raul Mezcolanza / David Moleon