「 TAK666 」一覧

新作ハードグルーヴ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/10/27

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

明後日はHardonize#42です。

2022/10/29(sat) Hardonize#42 at waseda sabaco | Hardonize web

ゲストにREV-TUNEさんとYosshie 4onthefloorさんの2名をお招きし、ハード且つアグレッシヴな6時間をお送りします。
再三のお願いになりますが、今回も入場エントリー制となっておりますのでご来場をお考えの方は以下のURLより事前に登録を行ってください。
Hardonize #42 in東京 – パスマーケット

日付は明後日、10月29日。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【近況】

Squarepusher / Terminal Slam

Squarepusher – Terminal Slam (Official Video) – YouTube

前々からお伝えしておりますように、個人的なスケジュールとしては明日がSQUAREPUSHER – JAPAN TOUR、Hardonize翌日は同人音楽即売会M3です。
全くベクトルの異なる音楽3連荘、非常に濃密です。
もしHardonize当日にIDMとかブレイクコア流し始めたらそういうことだったんだなとお察しください。

【今回のビックリ楽曲】

完全にタイトルのインパクトだけで買ったトランス

DJ Tranceair / Mahoushojo No Shi

Mahoushojo No Shi (Original Mix) by DJ Tranceair on Beatport

魔法少女の死

なんだなんだ急にどうした。

曲を通しても魔法少女要素は特になく、『魔法少女の死』をググっても何か特定の作品名がヒットするわけでもなく、このDJ Tranceairというアーティストの正体も分からない、謎が謎を呼んでいる曲。
曲そのものはアップリフティングトランスのフォーマットを踏襲しつつ、ブレイクでアーメンが鳴っていたりするのでそれはそれで面白さがあります。

しかしこういうタイトルを付ける意図が分からない。
去年、自分の中では大ヒットだったKoi No Yokanといい、一体誰に何を伝えたいのだろう。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードグルーヴ

です。

特別連載に於いては7回目に取り上げたパーカッションリズムと前のめりなグルーヴを擁したファンキーなハードテクノです。
自分が前回取り上げたのは2021年の11月とほぼ1年前になりますが、当連載に於いては各々頻繁に取り上げているスタイルの音楽でもあります。
それゆえに他の人に任せっぱなしというところがあったりする音楽でもあるのですが、今回はパーティー直前ということもあって活きの良い楽曲を紹介したいというテンションになったため、久しぶりにスポットを当てようと思います。

早速ですが新作ハードグルーヴ紹介いってみましょう。
例によってここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックをメインとします。

【曲紹介】

David Moleon / Iron human

Iron human (Original Mix) by David Moleon on Beatport

スペインのプロデューサーDavid Moleonによるハードグルーヴ
当連載にも何度となく取り上げられており、この音楽を代表するアーティストでもあります。
うねりのあるベースラインにどっしりとしたビートの上を軽快なボイスサンプルが走るトラック。
シンプルで使いやすいオーソドックスなスタイルです。

D’Mike / Naked Soul

Naked Soul (Original Mix) by D’Mike on Beatport

ポルトガルのプロデューサーD’Mikeによるハードグルーヴ
密度の高いハイハットリズムにアーバンなリフが特徴的な曲。
ベースの打ち方が跳ね感のあるグルーヴを演出しており、往年のトライバルテクノなんかと相性が良さそうな印象です。

Omega Drive / Waiting For This

Waiting For This (Original Mix) by Omega Drive on Beatport

ドイツのプロデューサーOmega Driveによるハードグルーヴ
こちらもハードグルーヴの第一人者。
ディスコ感の強いリフがファンクネス指数高し。
小気味良いハイハットから成る前のめりなリズムもまたハードグルーヴの華。

Jacob B, Richie Corrigan / Paradise

Paradise (Original Mix) by Jacob B, Richie Corrigan on Beatport

ポーランドのプロデューサーJacob BとドイツのプロデューサーRichie Corriganによるハードグルーヴ
シンプルながらも鳴りっ放しのリフやキックの質感、裏打ちのベースからクラシカルなハードハウスの要素を感じ取れるハイブリッドな曲。
程良くエモーショナルな雰囲気が終盤に使っていも良さそうな印象も受けますね。

Go-z / Impact Zone (Roby M Rage Remix)

Impact Zone (Roby M Rage Remix) by Go-z on Beatport

イタリアのプロデューサーRoby M Rageによるハードグルーヴ
厚めのベースラインと無機質なシンセリフを特徴とする重厚なスタイル。
ハードミニマルテックトランスとも相性良さそうなので、個人的にはかなり好きな部類です。

Sergio Pardo / On The Be Drop

On The Be Drop (Original Mix) by Sergio Pardo on Beatport

スペインのプロデューサーSergio Pardoによるハードグルーヴ
硬いキックにやたら豪勢なウワモノ、開放感のあるブレイクとハードグルーヴらしからぬ構成のトラック。
この手のジャンルにしては珍しく、フェイクドロップ(ブレイクが明けると見せかけてちょい足しのブレイクが続く展開)が含まれていたり、かなりインパクトがあります。

Anna Sonic / Samba De Favela

Samba De Favela (Original) by Anna Sonic on Beatport

イギリスのプロデューサーAnna Sonicによるハードグルーヴ
凝縮されたパーカッションリズム、トライバル感強めのボイスサンプリングなど日光が似合いますね。
ドストレートな派手ハードグルーヴという塩梅。

同じInvicta Recordsからのリリースでもう1曲ご紹介します。

Sandro Mure / Porto Groove

Porto Groove (Original) by Sandro Mure on Beatport

ドイツのプロデューサーSandro Mureによるハードグルーヴ
重厚なボトムとパーカッションでもって強力な推進力を生み出しているトラック。
比較的長尺で設けられたブレイクを単音シンセで牽引していく展開とか、総じて骨太な感じ。

Homma Honganji / Counter Clock World

Counter Clock World (Original Mix) by Homma Honganji on Beatport

我らが日本のプロデューサーHomma Honganjiによるハードグルーヴ
浮遊感のあるシンセと肉厚リズム。
彼のファンキーなトラックは勿論ですが、こういったエモーショナルなテイストもまた破壊力があって流石と唸る逸品。
〆に使いたいくなる。

同じTransfiguration Recordingsからのリリースでもう1曲。

Giacomo Stallone / Locomotive

Locomotive (Original Mix) by Giacomo Stallone on Beatport

スペインのプロデューサーGiacomo Stalloneによるハードグルーヴ
オルガンシンセの反復リフがオールドスクールなレイヴの臭気を纏った曲。
グルーヴキープ力の高さを活かした使い方がメインになりそうですが、それに留まらないポテンシャルも秘めてます。

【まとめ】

以上、新作ハードグルーヴにスポットを当ててお送りしました。
紹介するのは1年振りとはいえDIG自体は常に目を向けている音楽なので個人的には分かってはいるのですが、未だにテンションの下がらないトラックが多く輩出されているので嬉しくなります。
Hardonizeで結構流れがちだったり、取り上げられがちなサブジャンルなので、こういった特集を機に興味を持ってもらえると嬉しいです。

レーベル繋がりで紹介したInvicta RecordsTransfiguration Recordingsなんかは現行のハードグルーヴシーンを牽引しているレーベルであり、
多くのアーティストが所属している拠点でもあるので、最初の取っ掛かりとしてはこの辺がオススメです。

そんなわけで今回はここまで。
週末は早稲田茶箱でお会いしましょう。

次週11月01日は774Muzikさんが担当します。
では。

続きを読む


新作サイケデリックトランス特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/10/13

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

再来週はHardonize#42の開催週です。

2022/10/29(sat) Hardonize#42 at waseda sabaco | Hardonize web

ゲストにREV-TUNEさんとYosshie 4onthefloorさんの2名をお迎えしております。
再三のお願いになりますが、今回も入場エントリー制となっておりますのでご来場をお考えの方は以下のURLより事前に登録を行ってください。
Hardonize #42 in東京 – パスマーケット

日付は10月29日。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【今回のビックリ楽曲】

ジャンル問わず、普通に新譜を掘っている際に見つけて『何でだよ!』と言ってしまった曲。

Mert Can, Cmagic5 / Caramelldansen

Caramelldansen (Original Mix) by Mert Can, Cmagic5 on Beatport

これが今年07月リリース。
『何でだよ!』
今が本当に令和なのか怪しくなってきました。
平成 (Extend Mix)の可能性がある。

クラブミュージックとは関係ないんですけど、こんなのも今年早々にリリースされているんですよね。

FEUERSCHWANZ / Dragostea Din Tei

FEUERSCHWANZ – Dragostea Din Tei (Video) | Napalm Records – YouTube

『いやだから何でだよ!』
そして無駄にアレンジ力高くてカッコいい。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

ですが、今回取り上げるテーマはハードテクノの分類外となる

サイケデリックトランス

とします。

その名の通り、無機質で幻想的なリフやサウンドと複雑な展開を含んだトランスの亜種に於ける最大勢力となるジャンルです。
具体的な特徴としては

・機械的且つうねるリフ、グルーヴ
・文字で表すとコツン、コツンといった感じの非常にアタックの強いキック
・ブレイクが複数存在する複雑な展開

などが挙げられ、個人的な思い入れとしてはクラブミュージックというものに傾倒する切欠となった音楽でもあります。

先月、Hardonize#42のゲスト紹介的な意味も込めてYosshie 4onthefloorさんのフィールドであるところの新作テックトランス特集をお送りしたこともあり、
今回はREV-TUNEさんの得意分野にスポットを当てようと考えたのですが、彼と僕の共通点としてサイケデリックトランス好きというのがあって、それが強く印象に残ってしまっているんですよね。
ちょっと前にREV-TUNEさんと同じパーティーに出演する機会があり、出順が僕⇒REV-TUNEさんだったのでこの音楽でバトンタッチしたところ、
『いやー丁度サイケやりたかったんだよねー!』とニッコニコで言ってきたのも記憶に新しい出来事です。

僕の勝手な印象ですが、REV-TUNEさんのプレイスタイルは一連の流れを汲むような玄人感のあるものなんですけど、
テクノにしろハウスにしろトランスにしろ、それぞれのジャンルのチャラい部分を見つけるのが上手いという特徴がある気がしてます。(褒めてます。)
なので、今回紹介する曲も彼が好きそうだなーと思うものや、特徴が強く出ているなと思ったものを選びました。

ちなみに、当連載に於いてサイケデリックトランスにスポットを当てるのは今回で3回目となります。
2020年に1回2021年に1回と、だいたい年に1回ペースで取り上げてます。

早速ですが新作サイケデリックトランス紹介いってみましょう。
例によってここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックをメインとします。
尚、試聴は配信サイトで用意されたものだと短すぎるため、購入先リンクとは別にアップロードされたものを埋め込んでおります。

【曲紹介】

ATIA / Cloud8

ATIA – Cloud8 – YouTube

Cloud8 (Original Mix) by ATIA on Beatport

ギリシャのプロデューサーATIAによるサイケデリックトランス
アシッドシンセとサイケ特有のキックが延々と反復する、テクノに通じるストイックさが見られる曲。
派手過ぎず地味過ぎず、グルーヴで延々と踊らせるタイプでもあるので、序盤で活躍しそうな印象です。

Twelve Sessions, Sonic Massala / Totem

Sonic Massala & Twelve Sessions – Totem (Original Mix) – YouTube

Totem (Original Mix) by Twelve Sessions, Sonic Massala on Beatport

ブラジルのプロデューサー同士Twelve SessionsSonic Massalaによるサイケデリックトランス
跳ねるような裏打ちのベースとパーカッションの組み合わせに不思議な感覚を覚えるトラック。
それでもキックの質感や効果音の使い方は間違いなくサイケデリックトランスのそれ。
ハードハウスなんかと相性良いかもですね。

Futurum Sonat / Psynfeld

Psynfeld – YouTube

Psynfeld (Original Mix) by Futurum Sonat on Beatport

オーストリアのプロデューサーFuturum Sonatによるサイケデリックトランス
カッティングギターやオルガン、ブラスなど、ファンクの要素が垣間見えるオシャレなトラック。
リズムの打ち方が展開によってコロコロ変わったり、ウワモノの使い分けが細かかったり、かなりテクニカルな印象も受けます。
今回紹介する中では特にイチオシの曲。

Coming Soon!!!, Off Limits / Very Far Below

Coming Soon!!!, Off Limits – Very Far Below (Official Audio) – YouTube

Very Far Below (Extended Mix) by Coming Soon!!!, Off Limits on Beatport

イスラエルのプロデューサー同士Coming Soon!!!Off Limitsによるサイケデリックトランス
派手なフレーズはなく、反復するリズムとリフを前面に押し出した所謂グルーヴキープ系トラック。
シンプルゆえに音作りの細かさや、グルーヴの推進力が存分に体感できるとも言えます。

Greentech / Techno Music

Greentech – Techno Music [Progressive Trance] @Phantom Unit Records – YouTube

Techno Music (Original Mix) by Greentech on Beatport

ブラジルのプロデューサーGreentechによるサイケデリックトランス
裏打ちになったり、刻みになったりと展開によって使い分けられるベースシンセがかなり特殊であり、この曲の最大の肝ですね。
ハードハウスベースラインとも相性良さそうな変化球トラック。

Atongmu, Distric Solaris / Transcending Reality

Transcending Reality – YouTube

Transcending Reality (Original Mix) by Atongmu, Distric Solaris on Beatport

アメリカのプロデューサー同士AtongmuDistric Solarisによるサイケデリックトランス
サイケ特有の推進力のある4分刻みのベースがこれでもかというくらい現れています。
禍々しいうねりまくったシンセもインパクト大且つストレートに耳に入ってくるサイケらしいサイケ

余談ですが、遂にアメリカからこういった曲が出てきたのは結構意外でしたね。

Nukleall, M-Theory / Hontou

Nukleall & M-theory – Hontou (Original mix) [Full Track] [Psytrance] – YouTube

Hontou (Original Mix) by Nukleall, M-Theory on Beatport

イタリアのプロデューサーNukleallとイギリスのプロデューサーM-Theoryによるサイケデリックトランス
前曲の推進力そのままにベースのフレーズや効果音の重ね方などを強調したのがこちら。
ジャケットよろしくスペーシーで機械的な雰囲気満点です。

Dirty Beat, Mynastic / Patakha Trance

Dirty Beat vs Mynastic – Patakha Trance – YouTube

Patakha Trance (Original Mix) by Dirty Beat, Mynastic on Beatport

メキシコのプロデューサー同士Dirty BeatMynasticによるサイケデリックトランス
インド古典楽器のサウンドやボーカルと前のめりなサイケデリックトランスのリズムが絡み合ったオリエンタル且つアグレッシヴな曲。
途中でブレイクビーツにシフトする展開など、遊び心も随所に現れている紛れもない変ミュージック。
派手さより面白さの方が強くてこれも大のお気に入り。

Space Tribe, Faders / All Systems Go

Space Tribe & Faders – All Systems Go – Official – YouTube

All Systems Go (Original Mix) by Space Tribe, Faders on Beatport

イギリスのベテランプロデューサーSpace TribeとイスラエルのプロデューサーFadersによるサイケデリックトランス
やや速いテンポにシンセ群の刻みの細かさ、使い分けの多様さ、サウンドのオラつき具合などが絡み合い、ド派手さが際立つトラック。
長尺をフルに活かした展開作りから成るドラマティックな構成も大きな魅力の1つ。

Ozbits / Playground

Playground – YouTube

Playground (Original Mix) by Ozbits on Beatport

ブラジルのプロデューサーOzbitsによるサイケデリックトランス
ゲームミュージックっぽい矩形波サウンドを前面に押し出しており、随所に色んなゲームからのサンプリングも差し込んでいる愉快な構成の曲。
割とリズムの圧が強めに作られているのも特徴的ではありますが、それ以上に中盤からテンポシフトしてBPMが早くなるというのが最大の肝だと思います。
収録EPのモチーフとなっているゲーム感を現した仕掛けなのだと思いますが、総合的に遊び心溢れる仕上がりとなっており、聴いてて楽しい。

【まとめ】

以上、新作サイケデリックトランスにスポットを当ててお送りしました。
曲によって反復リフがメインだったり、ド派手なフレーズのシンセがメインだったりと多様なリリースがあるので、相変わらず掘っていて楽しい音楽の1つです。
特に今回紹介した中にもあるような妙な音使いの曲はついニヤリとしてしまいがち。
テクノ同様に最近はタイトな尺のトラックもじわじわ出てきつつあるので、それらも組み合わせたプレイの幅について引き続き追求していきたいところです。

そんなわけで今回はここまで。

次週10月18日は774Muzikさんが担当します。
では。

続きを読む