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新作ハードグルーヴ特集 (2020年02月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/02/20

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

特にお伝えする必要もないとは思いますが、前回記事の冒頭話の結果については

結局一般販売でも買えませんでした。

本当にライブチケット争奪戦と云うのは厳しい世界です。

一昔前はそこそこロックバンドのライブに足を運んでいたりもしたのですが、現在の方が競争が激しいんでしょうか。
思い入れがあるのは2003年のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの解散ライブ。
この時はそんなにチケット確保に苦労した覚えはないんですけども。
或いは平沢進が異常なんでしょうか。
まぁ、要約すると大変悔しいわけなのでございます。

そんな負け犬は大人しくクラブの世界に帰ることにします。
明後日、02月22日はHardonize開催日でございます。

2020/2/22 Hardonize #35 at sabaco music&cafe


ゲストにDJ RINNさんとgekkoさんを迎え、早稲田茶箱にて行います。
クラシックからニューリリース、ブートレグまで多種多様なハードテクノをお楽しみください。

でもってハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

さて、前回からハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくことにしたわけなので今回もそれに沿って進行します。
今回取り上げるサブジャンルは

ハードグルーヴ

です。
特別連載に於いては7回目に取り上げた、ラテンやディスコのフレーズを用いたファンキーなハードテクノになります。

経緯としては他の人もちょいちょい触れておりますが、01月30日のSangoさんの記事にて明るいテクノがないと云う話が上がったのを受け、改めて最近のハードグルーヴをDIGると云うことを行いました。
2020年現在もテクノはクラブミュージックの中枢を担う音楽として認知されているため、リリースは日々大量に行われておりますが、ご存じの方も多いように現行テクノの主流なスタイルとしては重低音に重きを置いたストイックなものが多いため、一昔前のアップリフティングだったりメロディアスな曲調のものはかなり少なくなっているように思えます。
すっかりスキマ産業化しているというか、まぁ今に始まったことではないのですけれども。

ただ、メインストリームなテクノがハードテクノに接近しつつある今、こういったサウンドに日の目が当たらないのもそれはそれで勿体ないような気もします。
一部テクノ界隈ではレイヴリバイバルが起こっており、90年代レイヴのインパクトのあるサウンドを取り入れたテクノが結構リリースされていたりもするので、
(この辺はいずれ単体記事で紹介したいと思います。大好物なので。)
音楽の周期を約30年と考えるならばもう4~5年後には往年のハードテクノが来るかもしれないとはうっすら思っております。
後述するようにハードグルーヴのリリースも別に途絶えたわけではないので、継続さえしていれば上々でしょうと云うのがワタクシなりの所感です。
若輩とはいえ15年程、テクノ以外にも色々な音楽の移り変わりをそれなりに目にしているので。

前向きなんだか後ろ暗いんだか分かりませんがとにかく、ハードグルーヴのリリースは今もあるんですよってことでニューリリース紹介、いってみましょう。
前回同様、今年入ってからリリースされたものをメインに取り上げます。

Eric Sand / Imperium

Imperium (Original mix) by Eric Sand on Beatport

スペインのクリエイターEric Sandによるハードグルーヴ。
Killa Productions / Give It Up (Re-Edit)を彷彿とさせる、手数の多いパーカッションリズムとフィルター使いが特徴的なヘヴィーウェイトトラック。
トライバルやハードミニマルとしても機能する辺り、往年のハードテクノらしいテイストです。

Eric Sandは上記Soundcloudアカウントの他にブートレグを含むフリーダウンロードトラック用アカウントも持っているので合わせて紹介しておきます。
最近は動きがないみたいですが、一部楽曲は現在でもダウンロード可能です。

DJ Fields / Unwavering

Unwavering (Original Mix) by DJ Fields on Beatport

ポルトガルのクリエイターDJ Fieldsによるハードグルーヴ。
こちらもパーカッションリズムの密度が非常に高いです。
使いどころの多そうなグルーヴキープ系トラック。

Dragon Hoang / Night on Hardgroove Techno Two

Night on Hardgroove Techno Two (Original Mix) by Dragon Hoang on Beatport

スロバキアのクリエイターDragon Hoangによるハードグルーヴ。
レイヴ?トランス?っぽいフレーズの軽めのリードシンセとは対照的に疾走感のあるボトム。

ちなみに同EPにはNight on Hardgroove Techno Oneという似たタイトルのトラックも収録されており、そちらは厚みのあるバウンシーなボトムを肝としています。
どちらが好みなのか、人によって分かれそうです。

Sandro M. / Latin Prodigy

Latin Prodigy (Original Mix) by Sandro M. on Beatport

ポルトガルのクリエイターSandro M.によるハードグルーヴ。
タイトルに偽りなしのラテン丸出しのリフ、ボイスループ、そしてパーカッションリズムとファンキー要素の3拍子が揃った曲。
分かりやすくハードグルーヴの特徴を具現化したテイストの曲であると言える気もします。

Sandro M.もまたフリーダウンロードアカウントを持っておりますので、是非色々お持ち帰りください。

Norman Andretti a.k.a Quarill / Funkalike

Funkalike (Original Mix) by Norman Andretti a.k.a Quarill on Beatport

ハンガリーのクリエイターNorman Andretti a.k.a Quarillによるハードグルーヴ。
ディスコリフを用いたかなりファンクネス一直線なサウンド。
派手めアッパーなテイストが好きな方には是非聴いて頂きたい感じです。

同EPに収録されているAlmir Ljusa / Sturmgewehr 59もオールドスクールなテクノの質感を持つリフをフィーチャーした大変良い塩梅の仕上がりで、両方とも・・・というかEPごとオススメですね。

Andy Bsk / Look Up

Look Up (Original Mix) by Andy Bsk on Beatport

ドイツのクリエイターAndy Bskによるハードグルーヴ。
ほぼ1年程間の空いた久し振りのリリースとなる作品ですが、やはりこの手の音楽には信頼の置けるアーティストだと再認識した次第です。
デケデケベースにトランシーなリフが高揚感を誘うピークタイム向けチューン。

Omega Drive / Banana From Monkey

Banana From Monkey (Original Mix) by Omega Drive on Beatport

ドイツのクリエイターOmega Driveによるハードグルーヴ。
当連載でもすっかりお馴染みの名前ですが、こちらもやはり健在。
濃密なリズム帯と存在感のあるベースサウンド、そこにボイスループが乗ったド派手ハードグルーヴ。
セットの中盤~終盤くらいに使いたい感じ。

Smull / A1

A1 (Original Mix) by Smull on Beatport

最後はちょっと変わり種。
スペインのクリエイターSmullによるハードグルーヴ。
普段はBPMニア135のガッチガチなハードグルーヴを手掛けるSmullですが、本作は若干テンポの下がった130。
それでもリズムの打ち方や質感は従来のハードグルーヴを継承しているという、ちょっと不思議な印象を覚えるトラック。
メインストリームテクノとの橋渡しに使うことを意図して作ったのでしょうか。
使い方次第で面白いことができそうな曲です。

余談ですが、Smullは去年NO SLOW TECHNO EPという作品を輩出しているんですよね。
130はスローではないということなのかどうなのか、まぁ野暮な指摘でしょうかね。

以上、ハードグルーヴにスポットを当ててお送りしました。
今やハードテクノそのものがスキマジャンルなので、探すのになかなか苦労する音楽ではありますが、各サブジャンルに於いてもこの通りリリースは色々ございます。
今後もこれらについて定期的にスポットを当ててご紹介していきますし、パーティーとしてのHardonizeもこれらを総合的且つ横断的に取り上げてまいります。
数多ある音楽の中の1つとしてご認識頂けるとこれ幸い。

と云った辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。
明後日のHardonize #35でお会いしましょう。

次週02月25日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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新作ハードアシッド特集 (2020年02月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/02/06

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

冒頭から余談ですが、最近思うことの1つに平沢進のライブが見たいと云うのがあります。
元々好きだったのですがライブに足を運んだことがまだなく、やっぱり見れるうちに見ておかねばと思い始めたのがここ最近。

そんな折、03月、04月と単独公演を行うニュースが目に入ってきたのでこれ幸いと思い、03月の方のチケット発売日にコンビニの発券端末で待ち構えていたりもしたのですが、

20秒で完売

と云う凄まじい争奪戦を目の当たりにしました。
発売時刻に講演内容を表示して購入枚数を入力する頃にはもう購入不可になっていました。
ええ、敗戦です。
普段自分が行くようなクラブパーティーには無い弱肉強食のルールを味わった気分です。
これを毎回耐え抜いているファンの方々には頭が下がります。

そして先日、04月の方の先行予約に申し込んだところです。
これで落選したらまた20秒争奪戦が始まるのかと思うとげんなりします・・・と書いたところで選考通知が届きました。
結果はご想像の通りです。争奪戦、また頑張ります。

更に余談ですが、04月のSquarepusher来日公演もどうしようか迷っているところです。
先月出た5年振りの新作アルバムBe Up A Helloが結構ツボだったので。
収録曲、Terminal SlamのPV撮影地が日本だったのもインパクトのある出来事でした。

情報社会を揶揄するかのような凄まじい映像と音楽です。

近況報告終わり。

さて、02月になったということでHardonize開催月でございます。

2020/2/22 Hardonize #35 at sabaco music&cafe


ゲストにDJ RINNさんとgekkoさんを迎え、02月22日にいつもの早稲田茶箱にて行います。
何卒よろしくお願いします。

でもってハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

さて、これまでワタクシの担当回では単一のアーティストにスポットを当て、その人のキャリアや楽曲を掘り下げると云うスタンスでお送りしておりましたが、昨年中、上記のハードテクノとは何か?と云うシリーズを行ったこともあるので
今回からは毎回ハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていこうと思います。
この連載も今年で5年目に突入するので、たまにはスタイルを刷新します。

丁度前回のyudukiボスのエントリーでは単一アーティスト紹介みたいなことをやっておられましたし、僕以外のメンバーがこのスタイルを継承していくかもしれません。
各々、割とフレックスな感じで毎回執筆しておりますので引き続きご愛好頂けますと幸いです。

そんなわけで今回取り上げるサブジャンルはコチラ。

ハードアシッド

でございます。

参照までに特別連載に於いては3回目に取り上げました。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第3回:ハードアシッド編

このジャンルのコアであり、非常にインパクトのあるサウンド、アシッドシンセを用いたハードテクノの最近のオススメについてご紹介していきます。
なるべく今年入ってからリリースされたものをメインに取り上げます。

Dabih303 / 6.201

6.201 (Original Mix) by Dabih303 on Beatport

コロンビアのクリエイターDabih303によるハードアシッド。
ホラー系のパッドや無機質な効果音とアシッドベースによって疾走感の強いボトムが絡む作風。
女性の喘ぎ声もふんだんに使われていて怖いんだかエロいんだか。

ハードミニマルとしても使えますし、こういうのがあると両者間の橋渡しなんかもスムーズに行える、優等生トラック。

D.A.V.E THE DRUMMER / Under His Eye

A1. D.A.V.E THE DRUMMER – Under His Eye | KRISMIX

90年代より続いているアシッドテクノを代表するアーティストであるイギリスのD.A.V.E THE DRUMMERによるもの。
深めのアシッドベースと硬いドライスネアを軸とする肉厚なハードアシッド。
ハイハットの前のめりな感じとか、時折差し込まれるブラス系の単音もファンキーで良い感じ。

四半世紀を経ても尚レジェンド、未だ健在と云う意思が感じられる作品でファンとしても嬉しい限り。

AK / Groove Me Baby

Groove Me Baby (Original Mix) by AK on Beatport

ウクライナのクリエイターAlexey Kotlyarの変名義AKによる疾走感たっぷりハードアシッド。
手数の多い金物リズムが小気味よく、アシッドシンセのフレーズや、ショートフレーズのボイスサンプリングなどかなりファンキーな印象です。
これも各種ハードテクノで使い勝手のよさそうなテイストだと思われます。

これのリリース元であり、Alexey Kotlyarがオーナーを務めているAK Recordingsは今年で活動10年を迎える名うてのレーベルで、ハードアシッドやハードグルーヴといった派手目のリリースを継続している、目が離せないレーベルの1つです。

Mobile Dogwash, Benji303 / Pattern Of A Spiral

Pattern Of A Spiral (Original Mix) by Mobile Dogwash, Benji303 on Beatport

Mobile DogwashBenji303のイギリス人クリエイターコンビによる弩ストレートなハードアシッド。
両者とも現代を代表するハードアシッドアーティストであり、得意とするアップリフティングな曲調がここでも大いに反映されております。
イントロを除く全てのパートでアシッドシンセ鳴らしっ放しと云う無骨な構成もまた好み。

Benji303 & Lee S. / Fuck The Tories (Sterling Moss & Mark EG Fuck The 303 Remix)

Fuck The Tories (Sterling Moss & Mark EG Fuck The 303 Remix) | Flatlife Records

こちらもイギリス人コンビ。
アシッドテクノシーンの名プロデューサー且つゴリマッチョことSterling Mossと、90年代よりトランス~テクノを股にかけた活動を展開しているベテランMark EGによるリミックスワーク。
ファットなリズムとディストーションの効いたアシッドシンセのツープラトン。
色々な音の足し算、引き算を次々迎える展開の豊かさもまた特徴の1つであり、テクノの枠組みを超えてハードダンスなんかとも相性の良いド派手ハードアシッド。

ちなみに、同EPに収録されているSterling Moss & LAB4 / New AEONも大分おすすめです。
LAB4といえばハードダンス、ハードエナジーと云う1つの時代を作ったアーティストとして知られている存在だけに、このような形で新曲に出会えたこともまた感慨深いところだったり。

Ganez The Terrible / Profondeurs Obscures

Profondeurs Obscures | Ganez The Terrible

フランスのクリエイターGanez The Terribleによる高速ハードテクノ。
アシッドベースの疾走感も加味すると実際のテンポより体感速めに聴こえますね。
何より、メインリフがT99 / Anasthasiaのフレーズそのまんま。
ビックリするくらい前面に押し出される形で鳴らされているのでインパクト絶大です。

去年Anasthasiaイヤーで大量にリミックスが出たことと関係あるんでしょうかどうなんでしょうか。
結局ワタクシはPart.4までまんまと全部買ってしまいましたけども。

Nihilist Avinit / Hard Brexit

Hard Brexit (Original Mix) by Nihilist Avinit on Beatport

イギリスのクリエイターNihilist Avinitによるハードミニマル。
02月17日発売なので、記事執筆時点ではまだリリースされておりません。
Nihilist Avinitは長いことアンダーグラウンドのシーンで活動していたアーティストで、今回満を持して新興アシッドテクノレーベルSKUXXからリリースが敢行される形です。
このレーベルもなかなかのハードめな曲を揃えているのでオススメ。

で、その期待を裏切らない厚さと重さと硬さの3拍子揃った曲がこれに当たります。
ハードなセットなら時間帯問わず使えそうな汎用性の高さも◎。

V.A. / TOTVA001

TOTVA001 | Thump Out Traxx

最後にご紹介するのはコンピレーション作品です。
それも今年リリースではないのですが、2019年11月のものなのでギリ最近と呼べる程度ではと云うことで。

2019年に設立されたレーベル、Thump Out Traxxのリリース第1弾となった作品。
上で挙げたBenji303の曲も収録されているものの、大半が初めて名前を見るようなアーティストが並んでおり、一方で楽曲のクオリティはどれも高く、アンダーグラウンドの良い部分が光るコンピレーションだと思ったので番外的に紹介します。

今回のテーマ的に特にオススメしたいのがこの試聴で貼っているBad Boy Pete / Ecoutez!でしょうか。
Bad Boy Peteもかなり長いキャリアの持ち主だけに、こういったサウンドは完全に『飼い慣らしている』感じがします。

以上、ハードアシッドにスポットを当ててお送りしました。
特徴のあるジャンルでありながら大手配信サイトに於いてなかなかピンポイントで探すことのできない音楽なので、今回の内容がDIGの指針になれば嬉しいです。
まぁこれはハードテクノ全般がそう言えるのかもしれませんので、次回以降もワタクシの担当回はこんな感じで進めていきたいと思います。

と云った辺りで2020年最初のサブジャンル特集はここまで。
02月22日開催のHardonize #35共々よろしくお願いします。

次週02月11日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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