こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
若干更新が遅れまして申し訳ございません。
先々週は早稲田音泉 二湯目でした。
ご来場頂いた方々、並びにお聴き頂いた方々、ありがとうございました。
終始『そんなのどこで見つけてくるの?』のオンパレードで大変楽しかったです。
各々音楽に対するアンテナの張り方が独特過ぎて紹介者の知らなかった一面を見ることができたのも良かったですし、今後とも続けていきたいイベントです。
何せもう次回用の曲が手元に集まり始めているので。
ちなみに今回の個人的ヒットは小泉今日子 / Koizumi In The Houseです。
Koizumi Kyoko – shūchū dekinai (集中できない) I can not concentrate – YouTube
アシッドハウス直系のハウスミュージックを邦楽のフィールドに独自解釈で落とし込んだ1989年のアルバムという、存在すら知らなかったシロモノ。
曲もめちゃんこ良かったですし、何よりジャケット含めたアートワークがブッ刺さりまくり。
シティポップやフューチャーファンクにスポットが当たっている今、原点に立ち返る意味で聴く価値のある作品だなと思いました。
さて、再来週11月14日はHardonize #37です。
ゲストに先日行われた同人音楽即売会M3でリリースされたLENS REMIX ALBUMをプロデュースしたレーベル秋葉原重工よりTakayuki Kamiyaさん、
そしてMIX公募予選を見事勝ち抜いたDubYukaさん & tRAIN deLAYさんから成るSILENT TALKERの2組をお招きしてお送りします。
先の公募選考の際に送った選評がパーティーのインフォメーションページにしれっと追記されておりまして、ワタクシからのコメントがこれ。
圧倒的選曲力。
レジデントメンバーがあまりスポットを当ててこなかったウォンキースタイルのテクノを序盤に配置したり、ブレイクビーツ、レイヴ、ベースライン、アシッドなどテクノ外の要素も積極的に取り入れながらシュランツまで持っていく構成はひたすらツボでした。
自分に近い匂いを感じるので話をしてみたいんですけど、dubyukaさんとかじゃないの?
この時は誰がどのMIXを送ってきたか分からない状態で選考に臨んでいたのですが、最後の一文は見事的中だったワケで。
これにはYudukiさんもビックリしてました。
それはそうと、今回の選考はジャンル不問としている以上、ハードテクノ縛りである必要は最初から無かったのです。
勿論、漢気感じる単一ジャンルで送ってくださった方もいて、そちらも厳正に採点させて頂きましたが、多ジャンルをハードテクノの文脈で使いこなすというのは自分がこのパーティーを通してやっていることでもあり、かなり印象に残りました。
どのミックスポイントもスムーズでしたし、強かったです。
そんな彼らが応募したMIXがこちらで公開されております。
当日どんな音楽を聞かせてくれるのか、とても楽しみです。
尚、ご来場頂く場合には以下のサイトからチケットの購入が必須となっております。
数に限りがございますので、何卒ご容赦ください。
Hardonize #37 in東京 – パスマーケット
さて上でサラリと触れましたが、先週末は同人音楽即売会M3でした。
今回の釣果はこんな感じ。
M3行ってパーティー行って帰宅。
両会場で会った人が2名。
午前の部に間に合わなかったのでカタログは2冊。 pic.twitter.com/GbUbLwZ0lu— TAK666 (@12345666) October 25, 2020
前回よりは多めの収穫でまあまあ満足。
ダンスミュージック以外にもテクノポップに手を出してみたり。
というわけで今回もやります。
当連載に於いて8回目となるM3特集です。
前回M3-2020春特集はこちら。
【特集】『M3-2020春』同人テクノ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/03/19
それより以前の特集はこちらになります。
2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春
これまでと同様、表記順は『【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメを挙げていきます。
それでは
いってみましょう。
[DVSP-0243] AD:TECHNO 5 Crossfade by DiverseSystem | Diverse System | Free Listening on SoundCloud
此度のHardonizeゲストTakayuki Kamiyaさん率いる秋葉原重工と老舗同人音楽サークルDiverse Systemの共同プロデュースによって製作されたコンピレーション。
KEN ISHII、HIROSHI WATANABE、Q’HEYとジャパニーズテクノシーンの最前線で活動しているアーティストが名を連ねる一方、ゲームミュージックコンポーザーであるShinji Hosoeや、Hardonize御用達ハードグルーヴ筆頭Homma Honganjiまで参加している幅の振り方がなんとも両サークルらしい内容。
サウンド面もモダンテクノからメインストリーム、インダストリアルからハード系まで様々なアプローチからテクノの魅力を紹介する内容となっているため、ビギナーからベテランまで十二分に楽しめます。
個人的な好みはアシッドシンセをコアとしながら往年のテクノを彷彿とさせるシンセが並走する浮遊感と疾走感が8曲目、KEN ISHII / Ruthless。
公式サイト:http://diverse.jp/
特集ページ:http://adtechno5.diverse.jp/
尚、先に述べた通り秋葉原重工としては単体のプロデュース作品としてこちらもリリースされました。
AHIAL03 – LENS Remix Album by Akihabara Heavy Industry Inc. | Free Listening on SoundCloud
昨年リリースされたHiroyuki Arakawaのソロアルバムの収録曲の中から1曲/2人の配分でリミックスを行ったもの。
オリジナル版が10曲収録だったので、必然的にこちらは20曲収録。
だもんで、これまた相当数のスタイルのテクノを摂取できます。
こっちの個人的な好みはトライバルリズムと低音寄りのボトムが呪術的なアンサンブルとなっているDISC1の4曲目、Hiroyuki Arakawa feat. Ryohei Kubota / Handbeats (Q’HEY Remix)。
公式サイト:https://www.ahiweb.info/
特集ページ:https://www.ahiweb.info/post/632399122831458304/ahial03
Honganji’s Ambition 2(本願寺の野望・戦国群雄伝)【Preview】 by Homma Honganji | Free Listening on SoundCloud
毎度お馴染み日本から世界のハードグルーヴを牽引する御方Homma Honganjiさんの新作。
タイトルからジャケットから見ての通り、あの有名ゲームのオマージュとなっている本作ですが、内容はまさかの全曲ゲーム内BGMアレンジ。
しかもほぼ全てハードグルーヴ。
愛が・・・愛が重い・・・。
しかしその愛こそが同人音楽の原点という見方をした上で本間本願寺さんの趣向に落とし込んだら、そりゃー出るべくして出た作品と言えなくもない。
あとはその愛にどこまでついていけるのか、リスナーのガッツが試される1枚。
言うまでもないですが、ハードグルーヴフルアルバムとしては大きい花丸。
個人的な好みはうねる肉厚なベースラインとパーカッションにPC-98のサンプリングサウンドが映える11曲目、本間本願寺 / 婚姻。
公式サイト:https://bigfire.info/
特集ページ:https://bigfire.info/HA2.html
上記AD:TECHNO 5にも参加し、過去のHardonizeにもゲストとしてお招きしたことのあるKouki IzumiさんのソロEP。
オリジナル楽曲に於いては無機質且つスモーキーなサウンドを総動員したストイックなテクノを持ち味としている人で、今回の作品もそれを体現した内容となっております。
彼の作品の特徴として、4つ打ち以外にもブレイクビートを取り入れたテクノがEPの中にも必ず含まれている点が挙げられます。
これは自分みたいに両者間を行き来するプレイを好む者にとって大変ありがたく、その片方がテクノであった場合にバッチリ機能する曲に仕上げてくれる辺り、かなりの信頼を置いております。
個人的な好みは4分打ちハイハットに対してキックがテンポの半数で進行するシンセサウンドも含めて不穏な5曲目、Kouki Izumi / Removed。
公式サイト:http://technoa.info/
【試聴なし】
会場内をうろついていて偶然見つけた作品。
こういう出会いも即売会の醍醐味の1つだと思っております。
何といってもブースがサークル名から漂うアジア的怪しさを裏切らない装飾がされておりまして。
どんな感じかというと、こんな感じ。
で、帰ってからその作品を再生してみてたまげました。
なにかと言えば日本、中国、韓国辺りのCM、ドラマをサンプリングしたテクノのオンパレード、平たく言えばナードコアでした。
正確にはこの作品は2017年のリリースらしいですが、まだこの手の音楽を手掛けている人がいることに驚きです。
そして更に驚くことに何とYouTubeで映像を合わせたものが公開されておりました。
収録曲の1つがこちら。
有錢男2003 / 因特网武士 インターネットサムライ – YouTube
ラフなビートにレイヴスタブ、そして中国語サンプリング。
下世話てんこ盛りテクノ。心底大好きです。
惜しむべくはこのYouTubeアカウントとTwitterアカウント以外、目ぼしい情報源が見つからなかったことです。
思い立って自宅に保管しているここ数回のM3カタログを参照したところ、昨年辺りからサークル参加していたということが判明したので、次回も参加することを祈りつつ、是非手に取ってみてください。
【試聴なし】
ナードコアの話を出してしまったので、親方的存在にも触れておこうと思いまして。
1990年代からLeopaldonとしてナードコアの文化を作り上げ、20数年が経った現在も楽曲を作り続けている高野政所さんの最新楽曲詰め合わせ。
その数なんと全28曲。ありがたい話です。
ナードコアと言えば高速ビートがつきものと思われがちですが、本作に於いてテンポの速い曲は少量で、比率的にはテクノに近い方が多めです。
結構意外だったのはヴォーグハウス的ビートを取り入れたちょい偏屈リズムの曲が多かったこと。
確かにこの音楽特有の肉感的な感じとサンプリングの下世話な感じは妙にマッチしており、個人的には結構新鮮に映りました。
といった辺りでベテランながらナードコアの新機軸にも触れた1作。
個人的な好みは大ネタ、The Next Episodeをサンプリングしつつ太いキックとド派手なホーンが炸裂する高野政所 / SMOKE WEED EVERYDAY。
作品の詳細ページが無く、この曲も試聴できるものは現在見当たらないため、昨年出たアルバムより近い傾向のものを以下に貼っておきます。
Break Raver | 高野政所 TAKANO MANDOKORO | やばさ RECORDINGS
公式サイト:https://mandokoro.bandcamp.com/
ダイジェスト ▼ marble≠marble 3rd album「The Shape of Techno to Come」 – YouTube
これも今年ではなく昨年のリリースですが、今回初めて知ったので。
レトロフューチャーアイドルとして活動しているTnakaさんをコアメンバーとするテクノポッププロジェクト。
テクノがまだ新鮮に聴こえていた時代のワクワク感を歌詞やサウンドに散りばめており、懐かしくも新しい気持ちを味わえます。
自分の世代で挙げるとOVERROCKETとかNIRGILIS、BREMEN辺りが好きな方にオススメ。
個人的な好みはサウンドスケープパートの序盤と浮遊感たっぷりなテクノパートの静動が分かれている7分超えの大作、7曲目のmarble≠marble / テ.レ.パ.シ.ー。
公式サイト:https://www.marble2info.com/
特集ページ:https://www.marble2info.com/3rdalbum/
最後にご紹介するのは前回のM3レビューでも触れたエレクトロニカ、フィールドレコーディング、ボーカロイド、ジューク/フットワークとあっちこっちの要素を集約したサークル、旅音よりotomoniさんの新譜。
タイトル読めねぇ。
ちなみに本作はシリーズ2作目に当たり、前作は前回購入しておりました。
ジューク/フットワークの複雑なリズムは全曲に散りばめられておりますが、エレクトロニカや自然録音の穏やかな空気感を邪魔しない絶妙な塩梅となっており、家でもフロアでも聴ける仕上がり。
ちなみにボーカロイドは歌わせるというより、完全にシンセとして使っている感じです。
書いていて思いましたが、踊れるエレクトロニカという表現が最も適している気がします。
個人的な好みはシンセとパッドが幾重にも絡まり合い、終始エモーショナルな雰囲気を漂わせる1曲目、otomoni / 行かないで Don’t Go。
公式サイト:https://www.tabion.net/
今回はここまで。
前回の収穫がアレだったからかもしれませんが、現地ならではの楽しさがあったと感じた日でした。
この状況下でも良い音楽を生み出してくれるクリエイターの方々には頭が下がる一方です。
そしてこういった催しを継続している運営にも。
気付けば15年以上足を運んでおりますが、まだまだ発見があるイベントです。
是非1度足を運んでみてください。
さて、ボスに恒例のラーメン奢ってもらお。
次週11月03日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。
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