こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【今日のビックリ楽曲】
T78 “#onlybombs” -The Album- (Official Trailer) – YouTube
#onlybombs (The Album) from Autektone Records on Beatport
当連載(特に僕の回)に度々取り上げている、オールドスクールレイヴのサウンドを用いたテクノを手掛けているイタリアのT78が遂にアルバムをリリースしまして、年末にまた1つ大推薦盤が出たなという心持ちです。
ノイズのような荒っぽい音もトランスのような開放的な音も、勿論レイヴスタブやアシッドシンセといった快楽的な音も巧みに使い分け、それでも硬いテクノのリズムは全曲通してキープし続けるという攻め攻めな逸品。
特に変ミュージックスキーの身からすると6曲目The Cureの変則的なリズムには仰け反りました。
T78のキャリアの中でも相当珍しいスタイルの曲だと思いますし、こういった新しい側面に触れられるのもアルバムの醍醐味の1つですね。
旧来のサウンドと現行のテクノロジーがアグレッシヴな方向にクロスオーバーしているので、是非お手に取ってみてください。
【告知】
次回Hardonizeの日程が公開になりました。
来年2022年の01月29日にいつもの茶箱で行います。
出演者情報については追ってこちらで発表していきますので何卒。
【お知らせ】#まるちん忘年会
12/19(日) 16:00?
@ Club bar CRAZY同年代クラブイベント「1992's」の首魁まるちん(@maru2_DX)の関東への帰郷に合わせてパーティーやります!
1992's一同と友情出演のTAK666氏(@012345666_ )がゆるっと色々な音楽をやる予定です。みんなせーので年忘れるぞ!せー pic.twitter.com/egj90ehhBm
— saegsa 12/19?? (@yryrfnmyi) December 5, 2021
あと先週はyudukiボスが千葉に行ったらしいですが、来週は僕が千葉に行きます。
1992年生達に混じって1人そうじゃない存在、それが僕です。
生年が同じって事以外は得意ジャンルがほぼ被っていない面々なので、予想もできないような面白音楽が飛び出してくることを期待しております。
お時間のある方は是非。
【近況】
最近買った服自慢。 pic.twitter.com/Km4IR5yqNX
— TAK666 (@012345666_) December 9, 2021
テンション上がる買い物をしました。
スパイスレコードはDJ始めたての頃にとにかくお世話になったもので、手に入れられてホッコリです。
先週日曜日はTAKAMIさんとDJ ATTさんが主宰するテクノパーティー、BUZZx3に出演致しました。
改めて11周年おめでとうございます。
長きに渡り先輩方がこうして門戸を大きく解放したパーティーをやってもらえると後輩としては背筋が伸びますし、ゲスト含め敬愛する方々のプレイを間近で体感できたこともあり、本当に贅沢な一晩でした。
旧来より渋谷RLOUNGEというハコは世代が上の方々がテクノで遊んでいるイメージがあり、しばしば遊びにも行かせて頂いたところでもあるので、そこにジョインできたのも個人的に嬉しかったです。
得るものもいっぱいあったので、良い形で次回以降のHardonizeに落とし込みたいですね。
あとその前の金曜日は渋谷VISIONで行われたEDGE HOUSEに行きました。
こっちもこっちで凄かった。
旧来のテクノマナーに変に囚われない、自分と同世代か若い世代のプレイヤーが自由気ままにテクノアンセムをかけまくっており、それを見た大人が見事に釣られまくるという構図が出来上がってました。
同じく遊びに来ていたTAKAMIさんと顔を合わせては『あいつらヤベー!』って言い合う瞬間が何度あったことか。
とても刺激になりましたし、次回開催の折には是非皆様も足をお運びください。
【今回のお題】
さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
ところで、一昨日のボスのエントリーで触れられていた千葉でRenato Cohen / Pontapeかかりまくりの件ですが、東京でもめっちゃかかってました。
というか、僕もかけました。
あと金曜日のEDGE HOUSEでCarpainterさんがかけてましたし、どうやらこの週丸ごと同時多発Pontapeだったようです。
ちなみに僕がかけたのは前回のエントリーで触れた最近出たリミックス版でした。
Pontape (Coyu & Flug Remix) by Renato Cohen on Beatport
原曲のコアとなるシンセや展開はそのままに、リズムはしっかり現代の太いアレンジが施されたナイスワーク。
少しテンポを落としてメインストリームテクノとしても使えるし、逆にテンポを速くしてハードテクノに繋いでも良い優秀さも持っています。
そりゃーみんな買ってるしみんなかけるよなというのも納得の作品ですね。
こういった一世代を築いたアンセムが数年越しにリミックスされるというのがかなり目に付いてきたような気がします。
旧来のファンからしたら新しいアレンジが聴けるのは勿論嬉しいですし、逆に原曲を知らない世代には新鮮に聴こえるでしょうから、こういったリリースは結構重要だと個人的には思っております。
そう考えると自分が初めてテクノという音楽に触れてから時代は一周したんだなと遠い目になりますね。
とはいえ、こういったリリースをピンポイントで探すのも難しいので、一旦近年のリリースの中でお気に入りをまとめてみようというのが今回のテーマになります。
題して、
です。
原曲を主に1990年代のド定番曲としたリミックス作品のうち、大体2020年~2021年辺りにリリースされたものを紹介していきます。
今回は所謂ブートレグはナシ。
正規流通しているトラックのみ取り上げていきます。
原曲が好きなパターンもあればリミキサーが好きなケースもあり、今回も多めの紹介となります。
(これでも大分絞ってます。Have mercy!)
早速ですが時代を超えたテクノアンセムリミックス特集いってみましょう。
【曲紹介】
Dominator (Rebuke Extended Remix) by Human Resource on Beatport
アイルランドのプロデューサーRebukeによるテクノ。
原曲は1991年にリリースされたHuman Resource / Dominator。
Rebukeが得意とするシンプルながらも不安定でインパクトに残るリフがここでも大いに発揮されており、原曲のドミネーターシンセやボイスサンプルも混ぜこぜになったアングラレイヴ臭漂うアレンジ。
一方でビートがかなりカッチリできているので、派手路線固め打ちの一部として使っても良いし、ループ展開の中で飛び道具的に使うのもどちらでもこなせる実は優等生。
Anasthasia (D.A.V.E. The Drummer Remix) by T99 on Beatport
イギリスのプロデューサーD.A.V.E. The Drummerによるハードテクノ。
原曲は1991年にリリースされたT99 / Anasthasia。
2019年~2020年にかけて行われたAnasthasia公式リミキシーズ大連発の中の1つ。
前のめりなグルーヴの上にうっすら敷かれた原曲のリフは古臭くも破壊力満点。
ブレイクスからブレイクの部分で拾って一気に4つ打ち展開にする、みたいな使い方ができたりします。
Belfast (ANNA Techno Remix) by Orbital on Beatport
ブラジルのプロデューサーANNAによるテクノ。
原曲は1991年にリリースされたOrbital / Belfast。
原曲の儚げなフレーズとは裏腹にメインパートでは力強いオールドスクールなリズムが聴けます。
派手さはないものの、質実剛健なテクノアレンジといった塩梅。
Camargue 2019 (Enrico Sangiuliano Remix) by The Advent, CJ Bolland, Enrico Sangiuliano on Beatport
イタリアのプロデューサーEnrico Sangiulianoによるテクノ。
原曲は1993年にリリースされたCJ Bolland / Camargue。
哀愁漂う原曲のフレーズがブレイクで存分に繰り出された後、一気にリズム主体のパートにスイッチするのがめちゃくちゃカッコいい。
そこでも原曲のフレーズを活かした暗過ぎず派手過ぎずの構成が続くため、エモとハードの中間点を上手いこと縫っていく感じがかなりお気に入りです。
Calling Earth (UMEK Remix) by Yves Deruyter on Beatport
スロベニアのプロデューサーUMEKによるテクノ。
原曲は1995年にリリースされたYves Deruyter / Calling Earth。
音の構成自体は非常にシンプルなんですが、インダストリアルギリギリ手前くらいのアレンジが施されたキックがとにかくイカつい。
中盤からキックと同配置になるクラップもまた存在感ありまくりだし、忙しいドライパーカッションとの絡みも聴きどころの1つ。
とにかくリズムの完成度が凄いと思いました。
原曲の意味分からないビートダウン展開もバッチリ踏襲してます。
上の曲は2020年のリリースに当たるのですが、UMEKは今年もこの手のリミックスを手掛けております。
Red Herring (UMEK Remix) by Union Jack on Beatport
原曲は1995年にリリースされたUnion Jack / Red Herring。
原曲の快楽的なアシッドシンセのフレーズを現行テクノと良い感じに融合させたアレンジ。
こちらもリズムの妙が存分に発揮されています。
真っ暗なフロアで聴きたい感じ。
Access (i_o Remix) by DJ Misjah, DJ Tim on Beatport
アメリカのプロデューサーi_oによるテクノ。
原曲は1996年にリリースされたDJ Misjah, DJ Tim / Access。
アシッドテクノの礎とも言うべきリフが現代テクノのリズムの上を走るシンプルなアレンジ。
キックが大きく前に出ているのでスムースなミックスが難しい一方、展開的にテクノでは珍しくクイックミックスができる構成になっているので飛び道具的に使うのが向いているかもしれません。
i_oは2020年に若くして急逝してしまっているのですが、この曲はその最後の年に出された作品の1つです。
別ジャンル、特にEDMとテクノの架け橋的な存在だったため、非常に悲しい出来事でした。
Revolution – BK’s Rework (Reinier Zonneveld Remix) by BK on Beatport
オランダのプロデューサーReinier Zonneveldによるテクノ。
原曲は2002年にリリースされたBK / Revolution。
今年に入って遂にハードダンスがメインストリームテクノに落とし込まれるという珍事が発生しました。
Reinier Zonneveldお得意の硬いビートに場違いなギラギラしたシンセが並走する、今まで聴いたことのない面白さが味わえます。
多分歴史上最初に納豆食った人もこんな心境だったんじゃないでしょうか。
大分ビックリしたリリースの1つ。
ブルガリアのプロデューサーBalthazar & JackRockによるハードテクノ。
原曲は1993年にリリースされたJam & Spoon feat. Plavka / Right in the Night。
こちらも原曲がトランスなのでテクノでは聞き慣れないパーツがふんだんに使われておりますが、テンポが若干速いのとリズムに疾走感が乗っているため大分安心して聴ける気がします。
硬いビートの上に女性ボーカルだけ乗ったパートは大分珍しいですね。
ちなみにこれも今年のリリース。
The Chase (Almir Ljusa Remix) by Giorgio Moroder on Beatport
ボスニア・ヘルツェゴビナのプロデューサーAlmir Ljusaによるハードグルーヴ。
原曲は1978年にリリースされたGiorgio Moroder / The Chase。
ディスコまっしぐらな原曲のデケデケベースとハードグルーヴのファンキーなリズムは相性抜群だということを示した1作。
それに加えて原曲にないレトロ感漂うウワモノが幾層にも重ねられている辺り、結構ゴージャスな仕上がりです。
どちらかといえばこの手のリミックスはブートレグが多いハードグルーヴ界隈に於いて、こうして原作者名がクレジットされた状態で流通しているのはかなりレアです。
しかもあのディスコ神。
Almir Ljusaというアーティストの謎っぷりが深まった1件でした。
Out Of The Blue (Matt Fax Extended Remix) by Ferry Corsten, System F on Beatport
フランスのプロデューサーMatt Faxによるプログレッシヴトランス。
原曲は1999年にリリースされたSystem F / Out Of The Blue。
お馴染みのあのフレーズを穏やかなシンセで奏で、テンポもより抑えめにしたら踊り疲れた朝を迎えるのにピッタリなアレンジになりました。
リズムも隙間が多く大人な雰囲気が漂っており、原曲との変わりっぷりにかなりビックリする曲です。
というかまだこの曲のリミックスが作られている事自体に驚きました。
しかも先日とあるパーティーで原曲のSystem F / Out Of The Blue使ったばっかりという。
その時にリリースされていたらこっち使ったかもしれません。
外だったし。これ外で日の光浴びながら聴いたら絶対気持ち良いもの。
まとめ
以上、時代を超えたテクノアンセムリミックス特集を当ててお送りしました。
原曲のサウンドやフレーズを活かしているのは全ての曲で共通していますが、リズムやグルーヴを原曲に近付けるか、或いは全く別のものとするかがアーティストによって異なるのが面白いところです。
ただここで挙げたトラックは総じてカッコよく、且つ使いやすいアレンジに仕上がっているのでついつい手が伸びがち。
テクノアンセム警察の目を掻い潜りながらしれっと、そしてドヤ顔で使っていきましょう。
そんなわけで今回はここまで。
次週からは今年の総括となるHardonizeクルーが選ぶ2021年のハードテクノ10選を4人それぞれが担当、12月14日はその先陣を774Muzikさんが務めます。
乞うご期待。
では。
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