こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【近況1】
前回のM3直前特集、そこそこ評判を伺い知ることができて良かったです。
今度から事前に特集しましょうかね。
載せ忘れていたM3釣果。 pic.twitter.com/4hvdXKSefN
— TAK666 (@012345666_) May 11, 2023
そしてやっぱり当日寝坊したので気持ち少な目。
しかも2週間経とうとしているのにどれもまだちゃんと聴けていない。
申し訳ねー。
【近況2】
これも前回書いた通りなのですが、先日ウチに人を招いた際に簡易B2Bが始まった際、ウチにCDJが1台しかないことに不評を言うヤツがいたもんで、なんとなく今後買い足す機材チェックをし始めました。
そのCDJもCDJ-900と大分古いモデルのものなので、
いっそCDJを2台増やすか。
↓
正直CDドライブ必要ないかも?
↓
もう少し金額上乗せしてミキサーと一体型のやつにした方がコスパ良いのでは?
といった塩梅に段々考えが膨らんでいった結果、XDJ-XZが最適解という結論に至りました。
Pioneer DJ XDJ-XZ professional all-in-one DJ system: Official Introduction – YouTube
USBメモリーが2本挿せてLINE/PHONO入力があり、何ならヘッドホンも2つ挿せてラップトップ用コントローラーとしても使える4chミキサーという激高スペック。
ちなみにお値段も激高30万円コースなのですが・・・割と迷ってる自分がいます。
【告知】
予てよりお伝えしておりますように、Hardonize#44がいよいよ2日後に開催されます。
ゲストにATTさん、TAKAMIさんの大先輩2名をお招きしたBUZZ×3とのコラボレーション回。
長年に渡って東京のテクノシーンのフロントラインに立ち続けている両名であり、今尚作品やDJプレイから影響を受け続けている身なので自然と背筋が伸びる思いです。
絶対に先日ような粗相はしないと心に刻みつつ、しっかりみっちりハードテクノをお届けしたいと考えておりますので是非お越しください。
尚、今回より予約フォームを導入し、こちらでご申請頂いた方々を優先的に入場させる方式となっております。
これまでの入場予約より簡単な申請となっておりますので、ご来場をお考えの方は是非こちらからエントリーをお願いします。
Hardonize #44 参加予約登録フォーム
当フォームから予約を行わない場合でも当日入場は可能ですが、フロアのキャパシティが定員に達し次第、当日分の入場がストップとなりますのでご了承ください。
日付は2023年の05月13日(土曜日)。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるサブジャンルはシンプルにテクノとしますが、更に1つテーマを加えて
とします。
現行のクラブミュージックとしてのテクノに於いて重要視されているのはリズムの強度で、各配信サイトでトップセールスのチャートを覗いて見れば分かるように、硬く、芯のあるビートというのが1つの共通言語になっております。
ひいてはハードテクノを象徴する要素でもあるため、当連載でも取り上げる楽曲のリズムについては度々言及されています。
一方、Hardonize的趣向としてインパクトのあるサウンドを好みがちということもあり、ディスコやレイヴを彷彿とさせるウワモノを用いた曲もそれはそれで取り上げられがちです。
しかしテクノの魅力はリズムやサウンドだけではなく、旋律=メロディーという部分にもスポットを当てることができます。
これらはクラブミュージックというよりはモダンテクノやバンド形態で演奏されるテクノに多いイメージがありますが、それこそ上記のリズム強度、サウンドのインパクトという要素も合わせ持ったものは現在でも存在します。
以前特別連載に於いて取り上げたメロディアスハードテクノはこういったスタイルの楽曲を取り上げた内容となっており、
昨年に行った泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ特集という中で紹介したものもここに含まれます。
直近にリリースされたこういったスタイルの曲で非常に話題になったのはTomaz, Filterheadz / Sunshine Remixesだと思います。
Sunshine (Coyu Remix v2) by Tomaz, Filterheadz on Beatport
リリース直後の連載でyudukiボスが取り上げてましたね。
2002年にリリースされたテクノアンセムTomaz, Filterheadz / Sunshineが20年越しにリミックスされるという、かなりのインパクトを持った事件が起こったわけですけれど、
これはそもそも原曲からしてフレーズを聴かせるような作りになっており、リミックスもそれがしっかり引き継がれた仕上がりになっていました。
無機質なテクノとかけ離れた夕焼けのビーチを連想させるようなアーバンなサウンドは今聴いてもグッとくるものがあります。
往年のテクノヘッズなら即行でカートイン⇒チェックアウトすることをオススメします。
とはいえ、リリースの全体数から比べるとこういった楽曲は少なく、当連載の傾向的にもリズムやサウンドの強い曲にどうしても埋もれがちになってしまいます。
効率的なDIG手法も特に確立されていないように思えるため、微力ながら今回ここでこういった音楽の新作についてまとめて紹介しようというのが今回の趣旨になります。
早速ですがここ1~2ヶ月でリリースされた仄かに旋律を感じるテクノ紹介いってみましょう。
【曲紹介】
The Last Seduction (Original Mix) by SHDW & Obscure Shape on Beatport
ドイツのプロデューサーユニットSHDW & Obscure Shapeによるテクノ。
先のTomaz, Filterheadz / Sunshine Remixesにも参加しており、トランシーなシンセリフを伴ったドライブ感のあるリミックスを提供しております。
シャキシャキのハイハットに穏やかなパッドシンセが合わさった疾走感と浮遊感の同居するトラック。
メインのフレーズを変えることで生み出されている展開がとてもドラマティックで終盤に向けたパーツとして使いたくなります。
昔の曲で例えるとTechnasia / Evergreen IVに近い感じ。
Mangrove (Original Mix) by Antic Soul on Beatport
ドイツのプロデューサーユニットAntic Soulによるテクノ。
こちらもパッドシンセによる浮遊感と細かい打ち方の金物リズムによる疾走感が特徴的な曲。
一方でシンセを重ねるというよりはメインとなるシンセのパラメーターをコントロールすることで展開を生み出しているスタイルとなっております。
やや深めのベースによるグルーヴも気持ち良い。
Don’t Stop (Original Mix) by MVRPH on Beatport
アルゼンチンのプロデューサーMVRPHによるテクノ。
レトロなテクノのリフを現行の強度のリズムにアップデートして乗せた感のあるトラック。
シンプルな構成ゆえにテクノに於ける反復の妙が強く現れています。
Elevate (Original Mix) by Brick on Beatport
アメリカのプロデューサーBrickによるテクノ。
ローファイな反復リフを特徴とするスタイルですが、よりラフなビートが強調されたヘヴィーウェイトカスタム。
高音域をカバーする金物リズムが浮きまくっているちょっとした面白さも込みで現場で聴きたい1曲。
The Unexplored Pt.2 (Original Mix) by Mystics on Beatport
イタリアのプロデューサーMysticsによる非4つ打ちテクノ。
今回1番の変わり種枠。
インダストリアル精神が強く感じられる歪んだ硬いビートと相反する幾層にも重ねられたパッドシンセが美しい攻めっ気のあるトラック。
クセが強すぎて〆に使うくらいしか思いつかないので、変ミュージックスキー諸氏には是非聴いて頂きたいシロモノです。
余談ですが、この曲が収録されている47035は他にもブレイクビーツ成分強めのShrouded In Mysteryとか、
BPM160のテクノ、But Ifが収録されていて全体的に変ミュージックスキー垂涎のリリースに仕上がっております。
たまらん。
Legacy (Original Mix) by 23.4 on Beatport
フランスのプロデューサー23.4によるテクノ。
こちらもリフからオーセンティックなテクノの臭気が漂ってきます。
メインのリズムに薄っすらレイヤーされたリムやベースからは往年のリズムマシンの質感を感じ取ることができますし、タイトル通りレガシーを体現したトラックになっております。
Gino Is Alive (Original Mix) by Flug, Marco Faraone on Beatport
スペインのプロデューサーFlugとイタリアのプロデューサーMarco Faraoneによるテクノ。
シンプルながらインパクトのあるシンセをメインに手数の多い金物シンセと、構造的にはかなりハードグルーヴに接近している曲。
長尺のブレイクによるタメもあり、バッチリピークタイムに機能する派手目な仕上がりです。
レイヴサウンド系トラックと合わせて使うと良い感じの流れを構築できそうですね。
Driving Stars (Original Mix) by Fireground on Beatport
イタリアのプロデューサーユニットFiregroundによるテクノ。
ドイツの名門レーベルTresor Recordsより。
スケールの長いアナログライクなシンセによるアーバンな雰囲気を纏ったトラック。
手数の多いリズムも相まって冒頭で取り上げたTomaz, Filterheadz / Sunshineを彷彿とさせます。
Gravitation (Remastered 2023) by 7th Gate on Beatport
札幌のプロデューサーユニット7th Gateによるテクノ。
メインで鳴らされている反復シンセとバックを支えているスケールの長いシンセの絡みによるスペーシーなトラック。
こういった和音の作り方は日本人独特だなと思いますし、敬愛するYousuke Kaga / Setsunaや、最近の曲だとSeimei / Yozora辺りと通じるところがあります。
リズムも硬すぎず、かといって落ち着き過ぎずの丁度良い塩梅でかなり好みです。
Plein Soleil (Original Mix) by Ferdinger on Beatport
ドイツのプロデューサーFerdingerによるテクノ。
個人的今年ベスト10候補が来たかもしれないと思った曲です。
ピアノ+アナログベースのツープラトンは否応なく連想させるオールドスクールレイヴのイメージ。
それもちょっと哀愁漂うフレーズなのがまた堪らなく良い。
でもビートは前のめりなシンプル4つ打ちというかなりスキマを突いた作品だと思うのですが、見事にブッ刺さりました。
途中でキックとベースだけになるパートがあって、これ自体は最近の曲でもよく聴く手法ではあるものの、この質感のうねりのあるベースで聴くとオールドスクールみが一段と光りますね。
オマケでプラスもう1曲。
Mayday Anthem (Thomas Schumacher Remix) by Members Of Mayday on Beatport
ドイツのプロデューサーThomas Schumacherによるテクノ。
1991年からドイツで毎年開催されている由緒正しき大規模テクノフェスMayday。
そのオフィシャルアンセムが1992年にリリースされたMembers Of Mayday / Mayday Anthemでして、今年の開催に合わせて30年越しにリミックスされたものが本作となります。
そのリミキサーも本国ドイツで長年に渡りテクノシーンを支え続けているレジェンドThomas Schumacherなので、このリリース自体に凄まじいインパクトがあります。
曲の内容も原曲のフレーズをふんだんに使いながらレトロなデケデケベース、アシッドシンセも併用している一方、リズムは現行の強度に合わせて大幅なアップデートが施されています。
Maydayが歩んできた30年の歴史に対するリスペクトが感じられるとても意義のあるリリース。
【まとめ】
以上、仄かに旋律を感じるテクノにスポットを当ててお送りしました。
どんな音楽であれメロディーがあった方が聴きやすいと個人的には思うのですが、2023年のテクノに於いてはあまり主流の考え方ではなく、それゆえに聴く人のハードルを上げてしまっているという点はあると思っています。
実際には今回取り上げたように最新リリースの中にもメロディーを含む楽曲というのはちゃんと存在するので、これからテクノを聴き始める人の足掛かりになれば良いなと願いながら執筆しました。
冒頭でも述べたようにこれらのスタイルに効率的にリーチできる方法があんまりない気がするので、今後もこういったテーマの紹介は行っていきたいと考えております。
逆に言えばリズム主体のスタイルとフレーズ主体のスタイル、双方がバランスを取って共存できるのもテクノの醍醐味の1つだと思います。
Hardonizeはそのどちらに寄るでもなく、時にバカ丸出しブートレグを流す人、オタクネタをかけて1人でニチャニチャする人、全然違うジャンルを混ぜてグチャグチャにする人などで構成されておりますのでご興味があればパーティーにもお越し頂けますと嬉しいです。
そんなワケで今回はここまで。
皆様05月13日のHardonize #44でお会いしましょう。
次週05月16日は774Muzikさんが担当します。
では。
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