こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【近況】
少し前になりますが、06月25日はTOKYO HARD GROOVE SESSION 10TH ANNIVERSARYに出演させて頂きました。
あのフロア面子で、大先輩方のお株を奪わず、且つ時代を合わせようと思ったらJ-POPしか選択肢がありませんでした。
(TAKAMIさん曰く、『そんなワケねーだろ!』)
ちなみに内容はこんな感じです。
大変遅ればせながら #THGS #THGS10TH #THGS23 お疲れ様でした。
改めて10周年おめでとうございます。
豪華面子と共に携われたことを光栄に思います。で、僕は90年代J-POPセットでした。
ガンダーラのリリースは1978年らしいのですが、
10年に渡るTHGS史上でも最古をマークしたのではないでしょうか。 pic.twitter.com/5TgaVkQe2K— TAK666 (@012345666_) June 29, 2023
で、これもTwitterに書いたのですが、出番直前にラップトップがBIOSループに陥りまして。
リハーサル段階では何も問題なかったのに、DJ開始15分前にブースにセッティングしようとラップトップの電源を入れたら単色青をバックに単色灰色の枠が表示されて英語のメニューが並んでいる始末。
15年程ラップトップでDJやってますがこの現象に遭遇したのは今回が初めてで、あの瞬間は人生で焦ったベスト5には確実に入ったと思います。
結局前のDJの方に無理言って延長して貰い、なんとか5分~10分押しで復旧、出番自体は無事に終えることができましたが、
復旧までの間はブース横で電源を入れて軽くキーボード操作しては項垂れ、また電源を長押しして軽くキーボード操作しては項垂れの繰り返しで、しかもそれを結構色々な人に見られていたらしく、今思うと大分恥ずかしかったですね。
パーティー自体は今回も非常に楽しかったのですが、これも含めて試練になるとは思いませんでした。
アクシデントをどう乗り越えるかでDJの本質が現れるとはよく言ったのものですが、そう考えると自分はまだまだだなと痛感した次第です。
まだまだクラブから学ぶことは多い、というわけでラップトップ使いの人は重々気を付けましょう。
あとこれは近況と言うか前回のyudukiボスのエントリーで触れられていたおすすめイベント情報なんですけど、来週末がマジでヤバいですね。
14日金曜日にハードトライバル、ひいてはハードグルーヴの原型を作ったと言っても過言ではないMARCO BAILEYの来日が控えており、
翌15日土曜日はガラージ、ベースラインの雄DJ Qが来日します。
更に16日日曜日はダークドラムンベース、ハードコアの架け橋となっているThrasherの来日と各ジャンルを代表する外タレラッシュが続きます。
個人的にはどれも見逃せないと感じているので、しっかりと体調管理をして来週を迎えたい所存です。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるサブジャンルは
になります。
特別連載に於いては番外編の3回目に取り上げた、1960年代から続く由緒正しいダンスミュージックになります。
アーバンでファンキーな生音、もしくはシンセサイザーによるリフが特徴的であり、これらのパーツは現代の様々な音楽に引き継がれていることは耳馴染みがあると思います。
所謂オーセンティックなディスコはバンド形態による生音メインのサウンドになりますが、
Hardonizeで取り上げるからにはテクノやハウスといったエレクトリックダンスミュージックとの相性が良いものに絞りました。
この音楽にスポットを当てた特集は過去2022年09月や2020年07月に行ったり、近似的な内容として2021年07月に新作速いハウスとしてお送りしておりますが、
また暫く間が空いてしまったこともあるので、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。
早速ですが新作ディスコ紹介いってみましょう。
【曲紹介】
Fire (Original) by Hatiras on Beatport
カナダのベテランプロデューサーHatirasによるディスコ。
うねりのある太いベース、ゴージャスなブラスとストリングスがフィルターをくぐらせつつ進行し、その上をソウルフルな女性ボーカルがどっしり構えるファンクネス指数の高いトラック。
ハウスの肉感的でエロい雰囲気がムンムンに漂ってます。
Hatirasはテクノに肩入れしていた2000年頃から相変わらずこういうディスコタイプのトラックを作り続けており、僕とか774Muzikさんは大好きですね。
Lunatic (Original Mix) by DiscoGalactiX on Beatport
オーストラリアのプロデューサーDiscoGalactiXによるディスコ。
カッティングギターとシンセの絡みがポジティブな高揚感を煽るトラック。
アナログっぽい質感のあるベースもトラックのアーバンな雰囲気に一役買ってます。
Mo’Money, Mo’Problems (Original Mix) by Sean Biddle on Beatport
アメリカのプロデューサーSean Biddleによるディスコ。
こちらもブラスとストリングスのウワモノが特徴的ですが、太い存在感のあるベースとこれでもかと言わんばかりのフィルター使いがミソのトラック。
ループ感強めなので、一部のテクノとも合わせやすそうな気も。
In Da Q (Original Mix) by Datsko on Beatport
ドイツのプロデューサーDatskoによるディスコ。
やけに前のめりなオルガンシンセにリズミカルなラップが乗ったこちらもループ感の強いもの。
キックとかクラップの質感は妙にガラージを彷彿とさせる気がします。
尺の長さや曲全体の構成にも共通点があるので、そういうクロスオーバー要員としても存在感を発揮しそうな曲。
間奏にアーメンブレイクが差し込まれているのも面白ポイントですね。
Can’t Control Myself (Original Mix) by Big Dope P, Reija Lee on Beatport
イギリスのプロデューサーBig Dope PとオーストラリアのシンガーReija Leeによるディスコ。
スムースなボーカルにキラキラしたレトロなシンセというエモーショナルさを演出しつつも、シカゴハウス直系の黒くて太いベースは維持という、ある種の相反した要素を持ち合わせたトラック。
2分半という尺の短さを活かしてスイッチ的に使えると理想的かなと思う一方、リズム主体の流れでいきなり放り込むとかもそれはそれでアリな気も。
No Time to Snooze (Original Mix) by Mr. Confuse on Beatport
ドイツのプロデューサーMr. Confuseによるディスコ。
今回の変わり種枠。
ブラスやギター、オルガンといった生音メインの音使いは電子音楽以前のディスコ、ファンクを踏襲している一方、
それが打ち込みのブレイクビーツに乗っているのが割と珍しめ。
割とヌルッと展開が変わっていくので4つ打ちの流れで使うのは難しそうですけど、個人的には何とか使う方法はないかと模索し甲斐を感じてしまう作品。
今回初めて見つけたこのMr. Confuseというアーティストですけど、昔からこんな感じだったんですね。
3年前の曲がこちら。
Lookout Weekend (feat. Inna Vysotska) (Original Mix) by Mr. Confuse, Inna Vysotska on Beatport
力強いソウルフルなボーカルとカッティングギターにブラスサウンド、そして打ち込みの太いブレイクビーツ。
めちゃめちゃインパクトあるし、DJ云々の前に曲として好きですねこういうの。
Disco Graphy (Original Mix) by Phunky Data on Beatport
フランスのプロデューサーユニットPhunky Dataによるディスコ。
本来のリリースは1997年らしいのですが、謎に先月配信開始となった曲。
やや落ち着いた感じを受けるオルガンの音がめちゃめちゃ太いリズムに乗っており、全体的にローファイな出音も相まって良い感じの古臭さが漂っています。
キックこそ4つ打ちですが、その他のドラムパーツやリフはブレイクビーツを意識させるものが多いので、使い方次第で両者間の間を上手く埋めてくれそうだなと思いました。
古い曲で例えるとGrooveyard / Watch Me Nowに近い思想を感じるというか、そういえばこれもローファイな出音でしたね。
他にも直近で配信開始になった曲というのが結構あって、純粋な4つ打ちもかなり好みでした。
The Dancers (Original Mix) by Phunky Data on Beatport
こちらは2000年が初版ですが、配信は今年の05月からという時を跨いだもの。
延々反復するギターループに時折差し込まれるブラスのフィルというシンプルな構成ですが、見つけた時は『これこれ、こういうのでいいんだよ!』ってなってしまいました。
ウワモノだけ活かす形で近年のハードグルーヴと並行して流す、というツール的な使い方もできるかもしれません。
Velvet (Safety Session Mix) by Samuel L Session on Beatport
スウェーデンのベテランプロデューサー同士、Adam BeyerとJoel Mullのユニット、Safety Sessionによるディスコ。
そして原曲がSamuel L Sessionなので、往年のテクノヘッズには堪らない名前が勢揃いしています。
ちなみにめちゃくちゃ昔の曲でJoel Mull, Adam Beyer / Safety Sessionという曲があったりします。
774Muzikさんが過去のHardonizeで使ってました。
その内容も名前負けしないくらいには凄い。
反復系のブラスリフに永続的なパッドシンセ、手数の多いパーカッションリズムとハードグルーヴ的要素が用いられている筈なのに変態的としかいえないベースが全てを食ってしまっている曲。
出音、フレーズ、そしてうねり方全てがおかしく、ただひたすらに不穏。
別の曲のベースが間違えて入っちゃったんじゃないかとすら思えます。
Homeboyz (Original Mix) by Alex van Alff on Beatport
オランダのプロデューサーAlex van Alffによるディスコ。
前のめりな金物リズム、動きのあるベースライン、アップリフティングなピアノループ、シンプルなシンセと使いまくりのフィルターエフェクト・・・。
これぞ直球ドストライクなディスコテクノだと思うし、今回めちゃめちゃ好みに突き刺さりました。
個人的にこういう陽気で楽しい音を求めてディスコを掘っている感はありますね。
他の最近の曲もとても良かったのでもう1つ。
Don’t Look Back (Original Mix) by DJ Jeroenski, Alex van Alff on Beatport
こちらは同郷オランダのプロデューサーDJ Jeroenskiとの共作。
手数の多いパーカッションリズムとストリングスループというシンプルながら相性抜群のツープラトン。
2000年代前後のディスコテクノに傾倒していた方にとっては、当時を思い起こさせる作りになっているのではないかと思います。
Music Is My Drug (Miami House Party Extended Remix) by Eoghan Tomas on Beatport
イギリスのプロデューサーユニットMiami House Partyによるディスコ。
過去のディスコ特集回に於いてもかなりの回数触れているアーティストではありますが、今回も個人的な大ヒットを叩き出しました。
芯のあるキックと完全裏打ちのベースによってグイグイ引っ張っていくリズム構成に加え、ループ感強めのギターリフとうっすら敷かれたストリングスがファンクネス指数高得点をマーク。
多種多様なサウンドがフィルで用いられていたり、パートによってはラップが乗っていたりと賑やかさも今回ピカイチ。
長くお世話になりそうなトラックが出てきて嬉しい限りなので、最後に紹介させて頂きます。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週07月11日(予定)は774Muzikさんが担当します。
では。
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